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殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

フィギュア女子、4強の得点を振り返って。 

 浅田真央、安藤美姫、キミー・マイスナー、キム・ヨナ。
 基本的には、現在の女子フィギュアでは、この4人が抜けているのであろう。
 それぞれキャラも立っていて、良いライバルだとは思うし、その上で誰が誰のライバルってよりは、この4人が切磋琢磨することが現在のこの競技の見所である、とも言えるのではないか。結果としてワールドでもこの4人が1~4位を占めた訳だが、シーズン前半のグランプリ・シリーズから得点がどのように変動したかについて、ちょっとだけ回顧っぽく。
 図は、全部の要素をジャンプとスピン・ステップに分けて入れてます。ジャンプは基礎点7.5以上をオレンジ、スピ・ステはレベル4をオレンジで表記しております。あとは読んで字のごとくかと。

World Fs Ladies Protocol

◆一応解説。
 ☆ジャンプ
 ・種別と難度: A(アクセル)>Lz(ルッツ)>F(フリップ)>L(ループ)>S(サルコウ)>T(トーループ)
  3回転の場合、トリプルアクセル=7.5で、ルッツが6.0。そこから0.5点刻みで逓減。
 ・同じ3回転ジャンプを単独で2回行った場合、2回目のジャンプは2割減。(+SEQ)
  なおかつ、3回行える連続ジャンプが2回までしか行えなくなる。
  キム@ワールドの6つ目のジャンプは、その規定に引っ掛かるのでノーカウント。
 ・x3Lzなどのxは、後半ジャンプ。得点1割増。
 ☆スピン、ステップ
 ・技の後につく数字がレベル。1~4まで。結構細かい規定があり、選手にとってややこしい。
 ・xxSt=ステップ。Ciが周回(サーキュラー)、Slが横断(ストレートライン)。
 ・SpSq=スパイラル。片足を上げて8の字に周回してるアレ。
 ・xxSp=スピン。姿勢によってL(レイバック)、S(シット)、C(キャメル)、U(直立)の4種類。
  その他、Co(コンビ:複数姿勢の組合せ)とか、Cx(途中軸足変更)、Fx(スピン前に踏み切り)など。
 浅田は、結論から言えば、今年のプロであるチャールダーシュを完成できなかった、ということではあった。マイルカップは会心の滑りであり、実際SPを含めた合計点のレコードを出しているが、それでもラストの3連続が回転不足となっていて、200点を逃している。今回もまた、両足気味になった3Aを含め、3箇所のミスが残った。ただ、それにしても、基礎点では抜けており、如何にこのプログラムが難しいものであったかであろう。その上で、比較的トーループが苦手っぽい浅田において2A+3Tはある程度抜けても失敗のうちに入らないつもりで、他も含めて圧倒するってのがアルトゥニアン師のプランだったかなぁとは思われ、その意味ではやはり今回も悔いる部分は3Aだったのかなぁとも。あとは、スピン・ステップの細かいレベル取りには現状こだわってないけれど(3連続ジャンプの後のレイバックがlv1になったのが慢心って指摘はほかで見たが、まぁそう言われればそう見えなくは無い)、それをせずにどの程度今後ジャンプで点差を維持できるのか、ってところでしょうか。
 一方で、この表を見る限りでは、安藤の勝利が安定性の賜物である、ってのは間違いないでしょう。GPSで勝ったときのジャンプをそのままワールドで成功させたってのは彼女だけ。また、どこかをいじることもしてなかった訳で、同じプロの錬度を高めた上での自信は大きかったのかなとも。ただ、SPで見せたような会心の笑顔がFSのときに無かった辺りは、勿論浅田を逆転した確信がなかったからってのもあったでしょうけれど、それ以上に「この娘もクアドをある種アイデンティティとしたいんだなぁ」ってことを思ったり。それでも、ルッツ・フリップという高難度の3回転を2回入れた構成は十分トップクラスであり、安全運転といわれる覚えは無いのでしょうけれど、要するに世間が提示してる目標を自身が内面化しすぎちゃってる分で損してる感じもあり。その上で、安藤の課題はPCSが上がらないことで、浅田との差がTESよりもむしろPCSで大きくなっちゃってるんですよね。ただ、今回はワールドだからかPCSがややインフレ気味になっており、その中で「元が高かった」浅田の伸び白が少なかった辺りも逃げ切れた要因にはなっていたようにも思われます。この辺り、エッジやバレエ的表現力が夙に問われる安藤らしいといえばそんな感じか。

 マイスナーは、何となく4大陸とか含めて今年はプロが完成しなかった印象で、この辺りは「早すぎた戴冠」がマイナスに出た面ではあったかも。3Aも練習してるみたいな話は聞くが、それならば、若いうちにってことで今年は一度くらい試しに行く場面があっても良かったとは思う。この辺りは、本人のモチベーションの問題か、或いはテーマを設定しなかったコーチ側の問題か。ワールドの結果などを見ても、最初のコンビネーションを入れられなくて、その後は基本的に予定プロの通りに動いて結局挽回する場面も無かったのだが、GOEが低いのが気になる。まぁマイナス4点喰らってるので致し方ないけれど、リカバリーの気迫がやや弱かったのが点数に反映されたようにも。その上で、スピ・ステのレベルに関して言えば結構どの大会でもコンスタントに6要素中4つくらいではレベル4を貰えている訳で、スケートの才能は窺えるのだが。一方で、浅田や安藤のようなジャンプに関してバケモノ的能力を持ってる相手を前にして、点取りに割り切る意欲が落ちてるとすれば不安。
 キムは、結構シーズンを通して大会の数がさほど多くなかった割には化けた感じも。ワールドに関しては意地でコンボを入れに行こうとしたらノーカウント、なんてことになっちゃったけれど、逆にこちらはGOEの+1.94は驚異的。結局ジャンプ2つの転倒は都合-6のGOE減なのに、残り10要素で7.94も引っくり返してるのだから。特に序盤のコンビネーションなどはGOEで2点取っており、これで基礎点で1.5点高い安藤の3Lz+3Loに少なからず肉薄している。その上で、今回のあげひばりをパーフェクトに入れれば、基礎点で60届く内容だったと思われ、そうなるとFSでトータル130を軽く超えてくる程度のポテンシャルを持っている、ということにはなる。そして、SPで70を持っているキムがFSで130取れるならば、彼女も「200点」の有資格者なのだ。浅田が今シーズン「200点取る」と言うとき、それは、その有資格者が自分のみであるという矜持が前提であったと思う。そんな浅田にとって、キムはこの大会失敗したとはいえ大きな脅威となっただろう。ただ、実際のところそのレベルの演技を4分維持できたことは未だ無いわけで、その辺りの安定性を高めるのが翌シーズンの課題か。あと、SPで浅田をリードする展開は今後増えるだろうから、そのプレッシャーに慣れる必要も。

◆あといくつか。
 ☆16歳の試練 浅田真央@2007 世界フィギュア東京大会→追記あり@天漢日常
スケートの神様は16歳の天才に試練を与えた。
安藤美姫の二人前に演技を終え、すばらしい得点に涙し、結果を待っていた浅田真央は、肩を落として通路を去った。フジテレビの「特設カメラ」が暗い通路に消えていく16歳の姿を一瞬だけ映した。
 これと別にエギジ中継のときに安藤の得点が出た瞬間の浅田を写した映像があったんですが、それだと「あっちゃー、やられちゃった!」的な映りだったんですよね。で、その後顔を拭いながら去るシーンとかも、鼻炎モチの浅田ならば単にハナ拭いてただけかもとも思われ、若干観る側の脳内スキャンが入っちゃってるかなぁとも思われます。一方で、浅田が点出た瞬間はTV意識してたけど、去る時には抜かれてないと思って肩落としてたとしたら、この娘もなかなかいい役者になってると思いますが(褒め言葉です)。

 ☆女子フィギア報道巡り 中央日報またまた「炎上」@J-CAST
 これで記事になるんだからある意味J-CASTもラクな商売である(笑)。
 しかし、この手のネタ(あとはパク・チソンとか)を見るたびに思うのだけれど、結局のところは日本人が「俺韓国人だけど、アサダは凄いと思うニダ」とか言われたところで別にどうとも思わんのですよね。一方で、アメリカ人の解説者が「マオちゃん凄いデ~ス」みたいに言い出すと喜ぶ人は確実に存在する。こういう事情を見るにつけ、韓国人にとっての日本は、日本人にとってのアメリカに近いものがあるよなぁと。
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タグ: フィギュアスケート  浅田真央  安藤美姫  キム・ヨナ  マイズナー 
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この記事に対するコメント

女子FSは、本当に凄かったですね。 テレビの前でも会場の緊迫がひしひしと伝わり、思わず鼓動がバクバクしてしまった私でした。 
安藤さんは調子上向きだったから本心は4S跳びたかったでしょうね。 浅田さんは、この3ヶ月でずいぶんスタミナがついたようにみえましたね。演技最後のFSSpの回転が速かったのと3連続ジャンプの+2Lo+2LoがNHK杯に比べ非常に力強かったですね。 チャルダッシュは、まさに鬼の様な演技構成ですね。 キムさんは上半身の身のこなしは非常に優雅でした。スケートは足元だけれど、振り付けや演技の力で印象が大きく変わることを改めて感じました。ジャンプも高さ、跳び幅や流れがありよかったですね。
私の目には、ジャンプは、安藤さんが力強く幅を出し大きく跳ぶ、浅田さんがタイミングと高速回転で跳ね上がり跳ぶ、キムさんが、助走をうまく活かし流れをつくり幅跳びの中で回転していく、3者とも魅力のある跳び方にみえました。 
エレメンツは、ジャンプだけじゃないけれど来シーズンは、更に高難易度のジャンプに挑戦するとのコメントにワクワクしながら、そして負傷欠場の心配にハラハラしながら見守りたいです。 

URL | ロッシュ #-

2007/03/29 22:17 * 編集 *

ロッシュさま>
どもです。安藤の点が出るまでのタメは出来すぎでしたね。
浅田の3連続ジャンプ、NHKでは2Loが両方回転不足なのですが、自分には「音楽に合わせるために跳び急いだ」ようにも見えました。結構あのプロの中での見せ場としてはステップ&3Aに匹敵するもので、自分も結構好きだったので(ただ、あそこであんなジャンプが出る辺りは、まさに鬼プロというに相応しいですがw)、あそこでクリーンに飛べたときの大きなガッツは伝わるものがありましたね。
キムはジャンプの高さが跳んでいる時には余り感じられないのですけれど、今回転倒したジャンプ両方で回転不足が取られていない、ってのは高さが相応にある証拠なんだろうなぁと実感しました。安藤は跳び方という面で成長が窺えるシーズンでしたね。目方絞った上でパワーを減らさないってなかなか大変だと思うので、字面以上に努力の跡は大きかったと思います。
>更に高難易度のジャンプ
浅田とか、今年が鬼プロだっただけに、どうするんだろうなってハラハラする面もありますね。クアドに挑戦するにはトウが苦手って結構キツいんだろうなぁとも。むしろ、フルッツをきっちり修正した上で3Aからのコンビネーションを入れることに期待しますが、本人の少年漫画的な性格から、それではモチベ上げられないのではとも心配(笑)。キミーとユナのどっちかは3A試して来たら面白いんだけどなぁ。

URL | 有芝まはる(ry #LBrjZuRI

2007/03/30 22:47 * 編集 *

浅田真央さんが言い出した3A+3Tと4Loに2006NHK杯と2007ワールドの実績ベースを加味してFSの演技構成と予想得点をシミュレーションしてみました。
結果は、147点くらい出せる可能性があるかも知れません。かなり強引かな(笑)
私、実は、先週「フィギュアスケート プロトコルを探る」と言うBlogを立ち上げました。メチャメチャ貧祖なBlogで訪問者も殆ど来てくれませんが。
このシミュレーション結果を載せていますので、一度ご覧戴ければ幸いです。

URL | ロッシュ #-

2007/04/09 00:40 * 編集 *

ロッシュさま>
どもです。
流石に4Loと3A+3T両方やってきたら鬼ですねぇ。
恐らくは後者を優先して取り組む場面ではあるのでしょうが。
ところで、ブログのアドレスが貼られていないようなので、よろしければまた投稿して御教示願えますか?

URL | 有芝まはる(ry #LBrjZuRI

2007/04/09 21:01 * 編集 *

私のBlog「フィギュアスケート プロトコルを探る」のアドレスをお伝えします。
http://rosch.blog98.fc2.com/
全く、貧粗なBlogです。 来訪者がここ一週間、誰も来てくれません。
何か、検索に引っ掛けてもらえるようなアドバスがあればお願いします。
コメントになっていないようですので有芝さんの判断で今回のコメントの
削除をおねがいします。

URL | ロッシュ #-

2007/04/11 12:33 * 編集 *

ロッシュさま>
カキコありがとうございました。
ブログは基本的には「ログ」(記録)ですので、積み重ねていって資料としての価値が出てくれば、おのずと来客は出てくると思いますよ。今後のエントリも期待させていただきます。一応当方のサイトでも検索エンジンで来る人はいるので、そういう人がロッシュさまのブログを参照できるよう、リンクは残しておく所存です。

URL | 有芝まはる(ry #LBrjZuRI

2007/04/12 00:15 * 編集 *

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