11月26日5回東京8日11R 15:20発走 芝2400m既に散々MARIUSさま辺りが指摘している通り、今年の欧州古馬G1における小頭数の傾向は、あたかも当然のごとくこのレースにおいても引き継がれた訳である。そしてある意味、それこそが、ジャパンCというレースが欧州古馬G1戦線におけるチャンピオンシップの延長線上にあることの証左であり、むしろ今年に関しては「枯れ木も山の賑わい」にならなかったことを本朝の競馬は矜持とすべきであろう。勿論このような傾向が毎年続くならばそれは世界の芝競馬全般にとって決して宜しくは無いのだが、この手の戦線は常に流動的であると楽観視するほうが現実的であるとも思われるし。
第26回ジャパンカップ(GI)
総賞金476000000円 3歳上 定量(3歳55kg,4上57kg,牝2kg減)
有枠馬 馬名 性齢斤量 騎手 戦勝 近走成績 厩舎 前売 父
▲11Heart's Cry 牡5 57 ルメール 185 11休3休 橋口弘次郎 5.9 Sunday Silence
△22Swift Current 牡5 57 横山典弘 256 休1442 森秀行 37.1 Sunday Silence
:33Ouija Board 牝5 55 デットーリ 2110 15121 ダンロップGB 7.6 Cape Cross
:44Yukino Sun Royal 牡9 57 田中勝春 698 1413914 増沢末夫 130 Sunday Silence
:55Tosen Shana O 牡3 55 後藤浩輝 122 592116 森秀行 112 Sunday Silence
◎66Deep Impact 牡4 57 武豊 1210 111休失 池江泰郎 1.6 Sunday Silence
○67Dream Passport 牡3 55 岩田康誠 113 23休12 松田博資 11.0 FUJI KISEKI
:78Fusaichi Pandora 牝3 53 福永祐一 113 2休332 白井寿昭 38.2 Sunday Silence
:79Freedonia 牝4 55 ジレ 73 21142 ハモンドFR 63.9 Selkirk
△810Cosmo Bulk 牡5 57 五十嵐冬樹 268 8休224 岡田総帥BRF 24.5 Zagreb
:811Meisho Samson 牡3 55 石橋守 136 11休24 瀬戸口勉 12.0 Opera House
その上で、ディープインパクトとハーツクライが無事にこのジャパンCという舞台に「帰ってきた」ことは何よりも喜ばしいことである。海外の大レースで好走してレートを上げた馬が帰国してその格を示すことが、原則としてクラシフィケーション・システムにおける競馬国の格を決定する。折角好レートを出してもそれを「持ち帰れない」と、その国の「数字」になりづらいのである。そういう意味ではシーザリオや*エルコンドルパサーは確かに賞賛すべき結果を出したが、「日本競馬」という文脈においては道半ばであったのが惜しまれた所である。余談ながら、ディープは凱旋門で失格したが、レートの基準という意味ではあのレースのレートを支えた存在となっていたという事実は残り続ける。その意味で、自らの125が妥当であることは、あのレースで示してきているのだ。
前置きが長くなったが、レースについて。
ディープ、ハーツと*ウィジャボードの3強に近い様相をオッズは示している。その上で、ディープがやや売れすぎているような3強の図式ではあるが、ローテーションを考えればそれは左程失当とも思われない。やはりハーツは使われなさ過ぎているし、ウィジャは使われ過ぎている。今年に入って3度目というハーツクライのローテは、この馬が7歳か8歳であれば、まぁそういう使われ方はありかなぁとは思われるものの、5歳馬ならば「能力を維持する」という文脈ではもう少しレースがあったほうが良かったのかも知れない。無論、4歳5歳におけるこの馬のフル稼働振りを考えれば、ある程度の休みは必要であるが、レースの中における錬度というものを思うに、やや老成しすぎた部分もあって、いささか消極性という点で疑義が残る所でもある。一方、ローテの「手堅さ」と「数」でカルチェ賞を獲った*ウィジャボードではあるが、シーズンの初めと終わりの両方にアジア遠征というのは、やはり胃が重たくなる部分はどうしてもあるだろう。それでもBC(しかもチャーチルのBC)で破綻せずに勝ちきったのは偉いとしか言いようが無いのだが、このレースに更に余力を求めるとなると厳しいには違いない。確かにむしろ牝馬のほうがこの手の消耗戦に強いというのはあるが、JC外国馬の「前年を上回らない法則」にキレイに嵌りそうにも見える。半端な印を打つには魅力的な馬が多過ぎるだけに、こちらは消すべきだろう。ハーツクライはホームでもあるし、ルメールにも敬意を表する部分もあり、一応印は残そう。
そして、ハーツクライに印を残すということは、メイショウサムソンを切る、という判断ゆえでもある。この馬は、ある意味MAX能力を出せるならば、ハーツクライにとって非常に厄介な存在と言えるだろう。器用に振舞えるし、その上で並んだら負かされないという強さがあり、この手の相手はサンデー産駒全体としてなかなか不得手ではないかということもあって。ただ、この馬はある意味前年の3冠馬以上に「3冠に全てを賭ける」つもりで菊に臨んだのではないか。その上で敗れたという辺りの反動というのは見ておくべきかも知れない。確かに使って良くなるタイプであるし左程ステイヤータイプでない故に距離も災いしたかも知れないが、それでもドリームパスポオーよりそう配合的に何枚も距離適性が劣るとも思われないならば、あの着順はむしろ調子の不順を見るべきと思われる。ここで目処がたたなければ有馬はすっぱり諦めて翌年に再起をかけるくらいのレースとなるのではないか。そのドリームパスポートはダービーで今ひとつなレースだったのが気になるが、それを措いてもレース捌きに関してのレベルが秋になって向上している感があり、ヤネが替ってもその辺りが馬の中で変わらない辺りが好感であり、「安定性」という意味ではメンバー強化したこのレースにおいても左程ダウンはしないのだろう。ならば、「2着の可能性が最も高い」という意味で鉄板の○とすべきか。ただ、ドリームパスポートも3歳で古馬初挑戦なだけに、そういう意味ではハーツかディープのいずれかが期待はずれとなっても、2着を取り損ねる場面もあるかも……という辺りで、天皇賞の最先着2頭に印は残しておくべきであろう。単純に天皇賞の着順とヤネの2着との相性を考えればスウィフトカレントの方が上回るが、より距離の長いオールカマーで2着した辺りでこの距離での再逆転の目もコスモバルクにはあり、この両者に甲乙はほぼ付かないと見る。
*フリードニアの「曳き運動のみで調整する欧州牝馬」というステータスは、83年の勝ち馬*スタネーラを想起させる。まぁ向こうは(当時は今より全然レベルが低い)愛チャンピオンSを勝ってた訳だが。因みにこのレースは1〜5番人気全部外国馬という状況で10番人気の天皇賞馬キョウエイプロミスが競走馬生命を賭してアタマ差に粘ったレースであったが、そこから時代は変わったのだな、という辺りの感慨を胸に見届けるべきか(とまで書いて勝たれたらどーするよ、ってのはあるがw)。因みにフサイチパンドラ同様の Sex Appeal 系で、配合はまずまず。ローテの取り方も悪くは無い。あとユキノサンロイヤルの出走に関しては、雪つながりで97年のスノーエンデバーを思い出さずにはいられない。あの時あの馬が「こんな成績でJC登録した」ってカドですげー叩かれてて、個人的にはいたく納得がいかなくてネットで当り散らしてた思い出が懐かしいが、どう考えてもスノーエンデバーの方がマシな成績ってのは凄いと思う。逆に、そういうのが未だ残ってる辺りは面白いかな、なんてことも。
またいい加減余談が長くなるので閑話休題とするが。
ある意味、「余裕」を持たされすぎていたのが今までのディープインパクトという部分はあるが、そういう意味ではかなり「余裕の無い」所に立たされた状態でレースに臨むのが今回のジャパンC、ということになるのだろう。ただ、その上で、本当の意味で「挑戦」するという立場の中で闘う、というのは、ある意味新鮮な経験である。その意味では、ディープにとっての「最後の引き出し」を開けるレースであり、「最も勝たなければならない」レースであり、そしてこの中で誰よりも勝利を渇望しないといけないのがディープインパクトであろう。そしてそれは、有馬をゴールとする時点で、シンザンという競馬史上最も揺ぎ無い「物語」に並び立つための挑戦、でもある。守りであると同時に、攻める局面。そこに掛ける志という意味では、引退が決まったことがモチヴェーションを下げるというのは有り得ないし、また許されない。その「志」によって、これまでディープインパクトが実現し切れなかったものを見せて欲しい、そしてその余力があることを信じたい、というのが、このレースに関する思いである。そして、それが叶ったならば、ディープインパクトは「天真爛漫なフライアー」ではないものとなるであろう。それは、ユタカ自らが提示した言葉、すなわち「英雄」である。
武豊よ、遂にこの馬は「英雄」となる機会を得たのだ。
あなたは、それを達成しないといけない。
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トラセンの突発企画「DEEP IMPACT!!」の結果発表があって、3着同着で入賞、なんか馬券には絡めたみたい、みたいな感じで気恥ずかしい。しかもSENCHOUさんの評を読むと、TBした「そしてディープ引退 雑感」ではなくHPにまとめた過去のDeep記事全体に対していただいた3着の [続きを読む]
Racing Blog 2007 2007/01/29/Mon 07:55
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