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顕彰馬のバランス

平成18年度顕彰馬選定記者投票の結果について@トロちゃま
あえてハードルを下げる必要もないことかと@IceNineさま

 毎度お馴染みな問題について、色々議論になっていますが、ひとつの論点としては「顕彰馬が多すぎるのか少なすぎるのか」みたいな辺りに行き着くような印象も受けるところ。因みに、自分は前々から言ってるように、「少なすぎる」であり、あくまで顕彰馬というか Hall of Fame というのは、競馬史をひもとくためのものであるのだから、「年度代表馬の中の年度代表馬」的な選び方よりは、毎年ちょっとずつ歴史的名馬を紹介して顕彰する機会、くらいのイメージで捉えているから、というのはあり、要するにアメリカで競走馬のホールオブフェイマーが172頭いることを思えば、日本でも70〜80頭程度はあってもよい、くらいの感じ。ただ、それを今言ってても特に詮ないので飛ばすとして、実際に、現状の顕彰馬はどの程度のバランスで数を出しているのか、という辺りを整理するために、ちょっと生まれた順でリストを作ってみた。ざっと以下の通り。後ろに選出年を書いているのは、単純にWikipediaのエントリからコピッたためです(笑)。

1936 クモハタ(1984年) 
1938 セントライト(1984年)
-----------------------------
1940 クリフジ(f)(1984年)
1944 トキツカゼ(f)(1984年)
1946 トサミドリ(1984年)
1948 トキノミノル(1984年)
-----------------------------
1952 メイヂヒカリ(1990年)
1953 ハクチカラ(1984年)
1954 セイユウ(1985年)
1957 コダマ(1990年)
-----------------------------
1961 シンザン(1984年)
1963 スピードシンボリ(1990年)
1965 タケシバオー(2004年)
1969 グランドマーチス(1985年)
-----------------------------
1970 ハイセイコー(1984年)
1973 トウショウボーイ(1984年)
1973 テンポイント(1990年)
1974 マルゼンスキー(1990年)
-----------------------------
1980 ミスターシービー(1986年)
1981 シンボリルドルフ(1987年)
1983 メジロラモーヌ(f)(1987年)
1985 オグリキャップ(1991年)
1987 メジロマックイーン(1994年)
1988 トウカイテイオー(1995年)
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1991 ナリタブライアン(1998年)
1994 タイキシャトル(1999年)
1996 テイエムオペラオー(2004年)
 こうやって見ると、基本的に10年4頭という原則を意外としっかり立てていることに気がつく。その上で、タケシバオーに関してあれだけ毎度のごとく議論されて、結局顕彰馬選出における「タケシバオー問題」が発生していたのも、60年代だけが3頭しか入ってなくて(しかも障害馬グランドマーチスが含まれているので、ここで7年も開いてるんだもんな)バランスが悪かったと言う側面もあるのだろう。勿論、その時代に競馬ファンになったような人にとっては、自分の世代だけ思いいれのある馬が入ってないとか、そういう気持ちもあったろうし。
 さて、その上で、今度は80年代が多すぎることにも気がつく。これは、当時グレード制導入以降の基準として「G1を3つ」というのをつけたところ、意外とその基準が甘かった、ということに気がつかなかったということなのだろう。しかも現在は、G1が更にその時代から増えたお陰で、ますます敷居が下がってしまった。恐らく、その辺りの反動で、90年代名馬の選出というのに関して、聊かハードルが高くなった、という面はあるのではないか。その上で、もし「4頭」という基準がこの時代において適用されるならば、エルコンドルパサーとスペシャルウィークは「最後の1枠」を争う格好になっているようにも見える。そして、或いはこの両者のファンである記者の思い入れが対立する格好で、ここ暫くは両方に票が割れて選出されない、みたいな事態になるのだろうか、などということも、このリストを見つつ思うところでもある。
 しかし、コンテンポラリーな馬に関しては勿論基準を若干変えても悪くはないので、そういう意味では5頭くらい選んでもいい、という考え方はあるかも知れない。そういう観点で行くと、90年代生まれに関しては、或いは何処かでまた2004年の票数倍増によるタケシバ・オペラオー選出みたいな「大岡裁き」をJRAが発動して、エルコンドルとスペシャルの両方を選ぶみたいな結果に終わるのかなぁと予想される一方で、それ以外の馬に関してはノーチャンス度が高まっているのかも知れない、とは思う。それはそれで、90年代中葉という「馬券が歴史上もっとも売れた時代」の名馬をかなりオミットすると言う意味で微妙に寂しいものを感じなくはないのだけれども。
 個人的には、80年代生まれの6頭というのは、現状の水準を尊重するとしても、そこそこ適正な数字にも見える。平均より強い年度代表馬クラス+α的な選び方を通じて、ある時代の競馬史を語るという点で、バランスが取れているようにも見えるからだ(逆に、本当に「どてらい馬」だけを顕彰するならば、どの世代も1頭程度多いようにも見えるし)。そして、80年代の6頭が、他の時代の「4頭」と比べて殊更に安っぽいものであるとも思われない、というのがあって。その意味では、30年代を4頭、それ以降を6頭ずつくらいになるよう、つまり80年代以外の各年代で2頭程度を追加するような方向で、今後の選出馬を暫くは考えてみても良いのではないかな、ということは考えたりもする。その場合の候補は、凡そ次のようになろうか。
・1930年代:クレオパトラトマス(月城)、ヒサトモ、ミナミホマレ
・1940年代:ブラウニー、ミハルオー、トラツクオー
・1950年代:ハクリヨウ、キタノオー、スターロツチ、ガーネツト、リユウフオーレル
・1960年代:メイズイ、カネケヤキ、カブトシロー、ニットエイト、トウメイ
・1970年代:タケホープ、グリーングラス、テスコガビー、アンバーシャダイ
・1990年代:ビワハヤヒデ、ホクトベガ、メジロドーベル、アグネスデジタル、
      エルコンドルパサー、スペシャルウィーク
 ちょっと微妙な辺りまで含めての選択になっているのでやや数は多くなったってのと、現在の顕彰馬に牝馬がやや少ないことを考慮して牝馬をやや優先的に取り上げてはいるが、この範囲で上位半分を選抜するようなイメージであれば、別に顕彰馬として競馬史的にもそこそこ存在感を示すような存在と言えるのではないかな、とも思う。

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自称ズデーテンラント公兼トールガウ、前メクレンブルク、バート・ドーベランおよびキシュベル方面伯。当然何らの領有権も領しないただの僭主のため、歪んだ根性で血統研究に勤しむ。

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