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殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

ダルビッシュ有は、異次元の「空振り率」で大リーグの至宝となれるか。 

 何か今日はマリナーズの試合が面白かったっぽい訳だが(挨拶)。

 てなわけで、岩隈や黒田も快投を見せる中で、期待値が元々結構高めだったダルビッシュがここのとこ相対化されているような感はあるのだけれど、なんだかんだいってやダ凄、的なことがちょっと目に付いたので、軽くエントリでも。
 ダルビッシュに関しては、三振数は300ペースという感じで近年でも突出して高く、四球も少ないとは言えずとも最低限には押えていて、その意味では結構いわゆる「セイバー的」観点でも十分にハイレベルな成績を残しているけれども、割と球数が掛っていて、そこまでテンポ良くイニングを消化できてない、みたいなこともちらほらケチ付けられたりはするとこでもある。
 ただ、「では何で球数掛るの?」というと、実際「打たせて取ってないから」で、その背景としてちょっと挙がってくるのが「Contact %」という数字。
 特に難しい数字ではなく、単純に
(ファウル+インプレイ)/(ファウル+インプレイ+空振り)
 という形で、つまり見逃しや見送りを差し引いて「打者が振ったらバットに当たるか」をとった率、と。100-これで「空振り率」と言い換えることも出来る。実際はハーフスイングやバントの影響はあるが、まぁそれは誤差として。その2013年今日現在の数字(一定回数投げてる先発限定)がこちら。

2013 MLB Pitching Pitches


 70%から先がダンゴ状態になっていることを考えれば、ダルビッシュが2位に5ポイント差以上を付けてリードしてるというのは、結構な「圧倒的大差」である。実際三振ランキングでダルと上位を争うサンチェス・シャーザー・バーランダーというDETの剛球先発陣辺りでも、70%を切ることもなかなか、という。
 とにかく、「振っても当たらない」のが、現状のダルビッシュとは言えるのではないか。
 ではこの数字って実際どのくらいのもんなの?ということで、歴代で見てみた。
 幸いにしてネタ元の Baseball-Reference でもこんな数字大昔から拾えてる訳では無いので、データ的には1988年以降で、まぁざっくり25年分、そこの各シーズンで、Contact %の少ない順で仮に60%台、つまり四捨五入で30.5%以上は空振りを獲れた投手のシーズンを取ってみたら、こんな感じのリストに。


70- Contact% Since 1988

 結構、面白いリストにはなった。
 まず、規定オーバーでこの水準に到達した選手は、過去25年ベースでノーラン・ライアン、デビッド・コーン、野茂英雄、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネス、ケリー・ウッド、ヨハン・サンタナの7人だけ。マダックスのような制球重視の投手が入らないのは当然として、クレメンスすら入っていないというのは、意外と言えば意外。
 その上で、サンタナとコーン以外は複数回の達成であり、やはりある程度「打たせないスタイル」の選手が一定以上のコンディションで出せる数字である、ということ。また、彼らはサイヤングや新人賞などをそれぞれのシーズンで獲得するケースも多く、言わばその水準をシーズン通しで出せれば、まずは「球界の至宝」的なレベルにはあった、とは言えるだろう。野茂はBOSで達成した時は四球大杉ですぐトレードされたけどw
 それにしてもライアンの42歳~44歳でこの空振り率は、はっきり言っておかしなことやっとり過ぎる。なんやねんこのオッサン…というか、ぐうバケモノ。10年前の全盛期からこの数字の統計が存在してたら、どんなマジキチな数字が残っていたのやら。

 一方で、規定ちょい切りではハーデンやリリアーノがそれっぽい数字を出してる一方、ランディとペドロという歴史的大エースが一線を退き、サンタナもNYM移籍後は苦しんでいる中で、この数字自体8年にわたって規定投球回数に到達する先発投手レベルでは出ておらず、実際近似値であるリリアーノとかにしても防御率的には結構先達のごときエースというには程遠い数字になっている現状。
 この辺り、やはり時代的にハラデイのような曲りの小さい変化球と芸術的な制球で打たせて取るのが中心というトレンドは近年の大リーグでは強いのだろうなぁとは思いつつ、一方で逆に言えばダルビッシュはこれからの活躍次第でランディやペドロ的な存在感を持つ大リーグの至宝的な剛腕のエースとなる資質すら持っている稀有な存在、とは言えるのかも知れない。
 なにしろ、投手対打者という文脈で、空振りというのはやはり投手の勝利として最も華のある場面ではある。
 そして、それをゲームの中で最も「取れる」才能は、やはりセイバー全盛期の現代においても、いやむしろインプレイの「偶然性」に着目する現代的なセイバーにおいてこそ、評価されるものではあるかなとも。
 我々は既に野茂英雄という、パイオニアにしてこの分野で偉大なKマシンに伍する活躍を見せた傑物を送り出すことに成功した。そしてその上でダルビッシュは、投球内容においてその野茂を超えんとする完成度を、少なくともここまでは見せている。
 出来れば、この高い空振り率をシーズン一杯維持し、新たな歴史をアメリカの地に刻む橋頭堡を築いて欲しいな。
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