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殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

ジャパンC回顧。 

 2頭の三冠馬、その肉弾戦(挨拶。

Wrestle for the Cup
Wrestle for the Cup; D7000 Sigma 150mm 1:2.8 APO Macro EX DG HSM(+EX DG 1.4x) F5.6 1/1000s ISO-800

 超一流の名馬は、だからといって必ずしも真っ直ぐ走ってくれるとは限らない。
 例を挙げるなら1998年のBCクラシック、*シルバーチャームがインの*コロナドズクエストを競り落として外から襲ってきたSwainを相手とするように左鞭をくれると、肝心のSwainが外ラチまで飛んでいくような大斜行、そして*シルバーチャーム自身も外にヨレるような格好となって、まんまとガラ空きになった馬場のど真ん中をAwesome Againに掬われて2着に敗れたレースなどを思い出す。
 オルフェーヴルもまた、必ずしも「真っ直ぐ綺麗に走る」ことを身上とする馬ではない。
 そして実際にそれで凱旋門を落としたとて、そこを矯正することは彼のあるべき持ち味ではないのか、というようにも思われる。先のエントリでも書いたが、「逆にそれこそが、あの馬の唯我独尊性」であろう。だからこそ、彼が「不利を受けた」とは思わない。あれは間違いなく「オルフェの勝負」の一部だった。思えば凱旋門でも「仕掛けが早かったからああなったのでは」との声はあったが、スミヨンはあの馬の加速のポイントを否定はしていないし、それはきっと正しい。
 結果として、この日の競馬もその部分では「本来のオルフェ」だったのだろう。ただ、多分あと一枚「実が詰まってなかった」恨みはあるし、ある意味池添が「フェアであること」に腐心した結果、何度ぶつかっても内に行きたがる相棒が敵とぶつかり合う中で、右鞭を飛ばして「報復」することを避けた面はあって、結果勝負を落としたにせよ。

 しかしそれにしても、ジェンティルドンナ。
 オルフェーヴルは、ぶつかられてもそう簡単に怯まず、何度もアタリを繰り返していた。ある意味岩田のアクロバティックな騎乗技術に助けられた面はあったが、それだけ体を押圧されても、却って勝負根性を発揮し、岩田の左鞭に応えて集中力を切らさなかった驚異的な守備力。2頭の三冠馬の争いとか、史上初の年間牝馬GI4勝とか、そういう字面の記録以上の「記憶に残る戦闘能力」を見せつけたと言えよう。
 それにしても、インを割ってピッチ走法で駆けるこの牝馬、今後少々活躍馬が出続けても文句なしにディープインパクトの上位に居続ける存在ではあるはずだが、やはり「ディープ的」とは言い難い何かを持っている存在がその地位に立った、というように思われる。
 潜在的な辺りでは、La Troienneを消化した母の血脈は、比較的「ディープ的」以前に「非サンデー的」でもある。ここで思い出す*シルバーチャーム。このBuckpasser系最後の名馬は、やはりBusanda≒StrikingというLa Troienne系のクロスを入れていた。とにかく勝負根性で僅差を制するのが持ち味の馬で、恐らくあのBCもSwainが外ではなく内にヨレてぶつかってきていたら、勝ったであろう。そうした地力を、LyphardクロスとDanzig経由のFair Trialをラップしてディープ配合として正規化した上で、「母の良さ」としてストレートに開花させたような見立てにはなろうか。

 オルフェーヴルの難しさは、恐らくあの馬、別に毎回ヨレる方向がインではないのではと思われる予測不可能性だと思う。で、もし外に先に逃げてたら、案外ジェンティルも*シルバーチャーム同様持ち前の根性が不発となって、後ろからまとめて差すAwesome Againが出ていたのかも知れない。2馬身程度の差が詰められることは、先だって*ソレミアが証明していた訳で。
 とか妄想すると、ルーラーシップがこの勝負から思いのほか遠くはなかった、という感慨はある。多分、展開は向いていたわけではないし、その意味では痛恨の出遅れではあった。結果きっちりとダークシャドウを差して、ある種の芸風的に3着に落ち着く当たりの何とも言われぬ感慨。しかし結局は、前走フェノーメノに先着された辺りでの「この世代相手の分の悪さ」を引きずった、とは言えるのかもしれない。これで有馬でオルフェ・ゴールドのステゴ産駒ワンツーの後塵拝して3着とかなったら、どういう顔していいのやら。
 しかし前走先着したフェノーメノは、先行して味なく5着。脚が遅いというよりは、距離が向かないのかも知れない。似たような競馬でやはり味が無かったトーセンジョーダンは、多分復調途上。ここで優しく乗られたことが今後プラスに転じるかもしれない。一方、上がりという点では全く案外だったエイシンフラッシュは、ビートブラックの後半加速する展開が不得手であった印象。そして先行集団に付けつつ伸びを欠いた*ソレミアは、やはり速い脚がなかったのだろう。去年の凱旋門賞馬とは随分タイプの違う馬ではあった。

 しかし、叩き合いの名勝負として非常に心に残る、盛り上がりの高いレースではあったが、96年阪神大賞典のユタカと田原の様式美的なそれではなく、00年ダービーの河内とユタカの覚悟を決めた決闘というものとも違う、実にストリートファイト的な荒事ではあった。サンデーの「勝負」への力みたいなものは、ステイゴールドとディープインパクトという、サンデー後期の種牡馬世代にあってむしろ純化する的な、この血脈の恐ろしさは、何とも名状しがたい。
 願わくば、この「遭遇戦」が、いつか「決戦」として結ばれる日が来て欲しいものだが、その舞台は、或いは来年の10月まで持ち越すことになるのだろうか?この国ではない場所で。
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テーマ: 競馬

ジャンル: スポーツ

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2012/11/26 23:20 * 編集 *

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2012/11/26 23:24 * 編集 *

Re: タイトルなし

> おっと、もう訂正済みでしたね。失礼しました。
> 前のコメント共々、削除してください <(_ _)>

ボケてて申し訳なかったですorz

URL | 有芝まはる殿下。 #-

2012/11/26 23:58 * 編集 *

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