勝てるかも、まではあってもワンツーとは。
27.03.2011, 21:52:15 -edit-
しかもトランセンドの前残り(挨拶。

中山記念 ヴィクトワールピサ パドック posted by (C)有芝まはる殿下。
D7000 AF Nikkor 80-200mm 1:2.8D ED (170mm) F2.8 1/1250s ISO-200
しかし、ナドアルシバ→メイダンというのは、やはり「ドバイの脱米化」的な側面を強く出すものではあったのかも知れない。言わば、アメリカンなチャンピオンを輩出するための競馬というドバイ・ワールドカップのミッションが変わる中で、春シーズンでの欧州チャンピオンとのイーブンな舞台(まぁ有力馬がゴドルフィン所属ならその他はアウェイになってしまうが)での欧米の芝トップクラスと日本を含む他大陸の中距離馬の、ちょっと特殊な対戦の舞台にはなるのだろう。
或いは、アメリカ競馬を真似たところで真にアメリカ競馬を超えることは出来ないという思いが、その設計思想にあったのかも知れず、そうした中で「コスモポリタンな競馬」という文脈で、先行する香港國際賽事辺りに対抗するような発想として、言わば「賞金が更に高い香港」としてのドバイに変容したという面はあるのだろう(まぁ要するに、もうJCなんかは模範のレースじゃなくなってるというお話でもあり)。
そういうレースであれば、香港でそこそこ結果が出てることを思えば、勝利は近かったのかなぁ、というのが、完全後知惠の結果論ではあるだろうか。ただ、それにしても、こういう条件でペースを支配したら、相手が Twice Over や Cape Blanco くらいのクラスであれば楽勝できるというデータは結構デカいし、そうした馬を倒すことで日本馬のレートが上がり、より正当に欧州馬に伍している日本の中距離馬の評価が定められるとすれば、やはり「有難い」方向での変化であったには違いなかろう。とりわけ、欧州においてナカヤマフェスタの陰にあって大きなインパクトを残せなかったヴィクトワールピサがこの距離条件ならばワールドクラスであることを証明できたことは、この馬の引退後の評価などにも大きいのではないか。
しかし、ヴィクトワールピサに関しては、やはり「万能馬」だったんだな、という思いではある。確かに、弥生賞から皐月賞までの勝ちっぷりの中で、この馬は「どういう競馬でも出来るし、馬込みとかも嫌わないから、海外とかに出しても面白い」的な気づきはあったと思う。ただ、距離限界や中山での突出もあって、その辺りがやや疑わしい部分もちょっとあった中で、今回はスローの中でスルスルと前進するという「蛮勇」的な騎乗に応えた辺りは、「万能馬」というかゲーム的な器用さを見せつけたというべき強さだったのではないか。やろうと思っても、ああいうレースが出来る馬はそう多くない気はする。しかし、それが出来るということを分かっていた、しかも結果として中山記念で大外回してリスク取る競馬が予行演習になってしまった辺り、デムーロの鬼才が光りに光った結果ではあったろう。
この騎手は、ペリエやルメールが日本での好成績の後、世界的なトップレベルの騎手として勇躍したのに比べれば、今ひとつ「ワールドクラス」な成功を収めていなかったように思う。というか、日本で騎乗を見てる感覚でいえば、もっとイギリスやフランスの大馬主などに見込まれて名馬に乗る機会が多くあって然るべき騎手であるように見えるのに、実際にそうなっていなかった、と。外国人騎手で結果を出す馬がどうしても多い昨今であるが、海外で外人騎手で結果を出すにあたって、他の騎手でなくミルコ・デムーロであったことも、そういう意味では幸いであった、と言えるだろうか。馬上インタビューで声がうわずっていたのも、「日本」にコミットすることで「世界」に結果を出せた(それも、期せずとも「日本」がこういう時季である、という状況で)、みたいな感慨はあったのかなぁ、なんてことも。
一方で、逃げたトランセンド。
日本の恫喝逃げが世界のDOUKATSU逃げに、という表現を複数散見して愉しかったのだが、こういうレースを見ると、複数の日本馬が同じ大レースに出走するというのは、単純に確率を2倍3倍する以上のものはあるんだよなぁ、としか言いようがない。デルタブルースやナカヤマフェスタにおいても、そういうある種の「連帯」の中でのリズムみたいなものはあったのかなぁとは妄想したり。
一方で思うのは、日本のダート競馬は、*クロフネのような特異種を除外しても、徐々にペースが早い方向というか、前傾ラップ的にカスタマイズされる傾向にはあったのかな、ということ。去年の大賞典でスマートファルコンがアホみたいなタイムを出したけれど、全体的にレギュラーメンバー辺りがブイブイ逃げ出した辺りから、割とダートの長めの距離でも先行力は強化される傾向にあったように思う。そうした中で、北米馬2頭しかおらず、馬場もタペタだったとは言え、ドバイ・ワールドカップのようなレースで「日本馬がペースを作る」ことが可能になったと思うと、今年のワンツー、そしてこの馬の2着ってのは、日本のダート競馬の進化が正当であったことの証左にはなるかな、という気分はあった。
ブエナビスタはレースにならず。
ムーアのコメントはどうもピンと来ないというか日本人騎手が負けた時みたいなものではあったが、恐らくムーア的な才能の輝く舞台とデムーロ的なそれが来る局面は、ちょっと排他的なんかなぁとかは思いつつ、去年この馬はトップ牝馬の Dar Re Mi と芝で角逐してた実績を思うと、2400mで見たかったかなぁ、とはちょっとだけ。まぁどのみち*スノーフェアリーとの対戦とかはこの場では実現しなかった訳で、個人的にはそれを世界の何処でもいいから見たいなぁ、というのが現状あったりなかったり、ではありますが。ただまぁ、これまで4着以下が一度もなかった馬だけに、ここで「合わない条件」があったのかぁ、と口惜しい気持ちにはなりつつ。
何か、嬉しい結果なんだけれど、感情が色々混みいってて、今ひとつその辺りを言語化しづらい。
まぁこれは、震災のせいでもあるかな。
もうちょっと、色んなものが「戻って」来る中で、もう一つ大きいものを、見たいねぇ。
中山記念 ヴィクトワールピサ パドック posted by (C)有芝まはる殿下。
D7000 AF Nikkor 80-200mm 1:2.8D ED (170mm) F2.8 1/1250s ISO-200
しかし、ナドアルシバ→メイダンというのは、やはり「ドバイの脱米化」的な側面を強く出すものではあったのかも知れない。言わば、アメリカンなチャンピオンを輩出するための競馬というドバイ・ワールドカップのミッションが変わる中で、春シーズンでの欧州チャンピオンとのイーブンな舞台(まぁ有力馬がゴドルフィン所属ならその他はアウェイになってしまうが)での欧米の芝トップクラスと日本を含む他大陸の中距離馬の、ちょっと特殊な対戦の舞台にはなるのだろう。
或いは、アメリカ競馬を真似たところで真にアメリカ競馬を超えることは出来ないという思いが、その設計思想にあったのかも知れず、そうした中で「コスモポリタンな競馬」という文脈で、先行する香港國際賽事辺りに対抗するような発想として、言わば「賞金が更に高い香港」としてのドバイに変容したという面はあるのだろう(まぁ要するに、もうJCなんかは模範のレースじゃなくなってるというお話でもあり)。
そういうレースであれば、香港でそこそこ結果が出てることを思えば、勝利は近かったのかなぁ、というのが、完全後知惠の結果論ではあるだろうか。ただ、それにしても、こういう条件でペースを支配したら、相手が Twice Over や Cape Blanco くらいのクラスであれば楽勝できるというデータは結構デカいし、そうした馬を倒すことで日本馬のレートが上がり、より正当に欧州馬に伍している日本の中距離馬の評価が定められるとすれば、やはり「有難い」方向での変化であったには違いなかろう。とりわけ、欧州においてナカヤマフェスタの陰にあって大きなインパクトを残せなかったヴィクトワールピサがこの距離条件ならばワールドクラスであることを証明できたことは、この馬の引退後の評価などにも大きいのではないか。
しかし、ヴィクトワールピサに関しては、やはり「万能馬」だったんだな、という思いではある。確かに、弥生賞から皐月賞までの勝ちっぷりの中で、この馬は「どういう競馬でも出来るし、馬込みとかも嫌わないから、海外とかに出しても面白い」的な気づきはあったと思う。ただ、距離限界や中山での突出もあって、その辺りがやや疑わしい部分もちょっとあった中で、今回はスローの中でスルスルと前進するという「蛮勇」的な騎乗に応えた辺りは、「万能馬」というかゲーム的な器用さを見せつけたというべき強さだったのではないか。やろうと思っても、ああいうレースが出来る馬はそう多くない気はする。しかし、それが出来るということを分かっていた、しかも結果として中山記念で大外回してリスク取る競馬が予行演習になってしまった辺り、デムーロの鬼才が光りに光った結果ではあったろう。
この騎手は、ペリエやルメールが日本での好成績の後、世界的なトップレベルの騎手として勇躍したのに比べれば、今ひとつ「ワールドクラス」な成功を収めていなかったように思う。というか、日本で騎乗を見てる感覚でいえば、もっとイギリスやフランスの大馬主などに見込まれて名馬に乗る機会が多くあって然るべき騎手であるように見えるのに、実際にそうなっていなかった、と。外国人騎手で結果を出す馬がどうしても多い昨今であるが、海外で外人騎手で結果を出すにあたって、他の騎手でなくミルコ・デムーロであったことも、そういう意味では幸いであった、と言えるだろうか。馬上インタビューで声がうわずっていたのも、「日本」にコミットすることで「世界」に結果を出せた(それも、期せずとも「日本」がこういう時季である、という状況で)、みたいな感慨はあったのかなぁ、なんてことも。
一方で、逃げたトランセンド。
日本の恫喝逃げが世界のDOUKATSU逃げに、という表現を複数散見して愉しかったのだが、こういうレースを見ると、複数の日本馬が同じ大レースに出走するというのは、単純に確率を2倍3倍する以上のものはあるんだよなぁ、としか言いようがない。デルタブルースやナカヤマフェスタにおいても、そういうある種の「連帯」の中でのリズムみたいなものはあったのかなぁとは妄想したり。
一方で思うのは、日本のダート競馬は、*クロフネのような特異種を除外しても、徐々にペースが早い方向というか、前傾ラップ的にカスタマイズされる傾向にはあったのかな、ということ。去年の大賞典でスマートファルコンがアホみたいなタイムを出したけれど、全体的にレギュラーメンバー辺りがブイブイ逃げ出した辺りから、割とダートの長めの距離でも先行力は強化される傾向にあったように思う。そうした中で、北米馬2頭しかおらず、馬場もタペタだったとは言え、ドバイ・ワールドカップのようなレースで「日本馬がペースを作る」ことが可能になったと思うと、今年のワンツー、そしてこの馬の2着ってのは、日本のダート競馬の進化が正当であったことの証左にはなるかな、という気分はあった。
ブエナビスタはレースにならず。
ムーアのコメントはどうもピンと来ないというか日本人騎手が負けた時みたいなものではあったが、恐らくムーア的な才能の輝く舞台とデムーロ的なそれが来る局面は、ちょっと排他的なんかなぁとかは思いつつ、去年この馬はトップ牝馬の Dar Re Mi と芝で角逐してた実績を思うと、2400mで見たかったかなぁ、とはちょっとだけ。まぁどのみち*スノーフェアリーとの対戦とかはこの場では実現しなかった訳で、個人的にはそれを世界の何処でもいいから見たいなぁ、というのが現状あったりなかったり、ではありますが。ただまぁ、これまで4着以下が一度もなかった馬だけに、ここで「合わない条件」があったのかぁ、と口惜しい気持ちにはなりつつ。
何か、嬉しい結果なんだけれど、感情が色々混みいってて、今ひとつその辺りを言語化しづらい。
まぁこれは、震災のせいでもあるかな。
もうちょっと、色んなものが「戻って」来る中で、もう一つ大きいものを、見たいねぇ。
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