秋天回顧@「勝たせてもらう」喜び 
やはりISO640縛りではイマイチ出来が微妙になる季節ではあり(挨拶。
それにしても、ウィナに戻らないとは計算外にも程があるぜorz
秋天 本馬場入場 posted by (C)有芝まはる殿下。
◆ラップ:13.0-11.2-11.4-12.0-12.2-12.0-11.7-10.8-11.3-11.6
展開見て明らかにスローで、一方有力所はもうちょっと前行くと思われたタニノやシンゲンですら比較的後方に集まっているように見えて、こりゃベタベタに前残りかぁ?と9R同距離のアグネスエナジーのどスロー展開が一瞬脳裏に浮かんだのだけれど、前を行った馬がスクリーンヒーロー以外は割とダラダラと沈んでいく中で、あーこりゃスクリーン行けるかなと思った瞬間外から凄い手応えで1頭、という競馬。
しかし、残り3Fで10.8という凄いタイムを前が出していて、ちょっとこれ、馬群が意外と早く詰まったから思いっきり加速しすぎたから前がややオーバーペースになったのかなとも思いつつ、10.8に大概の馬が付いて来れてる辺り、結構好調な馬が多かったのかなぁとも。ともあれ、字面よりは前の馬キツかったかなぁみたいなことも思われ、そうなるとマツリダゴッホなんかは若干前半折り合い切れてなかった可能性も考えると、ヤネの後ろ向きなコメントとは裏腹な不気味さは今後あるかも。
スクリーンヒーローなんかはそうした中でスリップストリームを巧く使いつつ、スロー向きだけどダラダラと脚を使うタイプという微妙な適性にベストマッチしたレースだったかなぁと、後になって考えさせられる。ジャパンCでも急に余程早くならなければオウケンブルースリには勝てそうな気はするけど(2走ボケとかを考慮しなければ、ではあるが)、何かに先着させられる気もしなくはない。とは言え、休み明け走らないと言われた中でこの手応えならば、十分にジャパンC馬としての強さを再度証明したとは言えるか。
タニノウォッカは自身も3Fならカンパニーと並ぶ32.9。明確な逃げ馬がいない中で敢えて後ろから構えるのは、ユタカがこの馬で幾度となく試行錯誤してきて、未だに試行錯誤しなければならないジレンマではあっただろうか。ラジたんのユタカの「勝った馬に同じ脚を使われた」というコメントは、文脈的には自らの戦略が悪手だったことを認めるようなものを感じる。角居師もまた引退とか後ろ向きなんだけれど(別にこの馬、もう今更何回負けてもいい馬なので、引っ張れるだけ引っ張ればいいと思うんだが……)、ユタカは馬に関してはポジティヴだったんではなかろうか。ただ、それを「勝利」と結びつける難しさを痛感しているまでで。
タニノウォッカは、騎手が「勝たせる」やり方を見出さないといけない馬、であるように思われる。
翻って、カンパニーである。
実際、8歳馬の勝利というのに対して、未だに狐につままれたような気持ちもある。このレースのレート付けするならば、ジャパンCの勝ち馬と今年のセクースアローワンス均して最高レートの馬を2,3着に従えて良馬場で1馬身以上離したのだから(4着以下は更に3馬身離れる)、掛け値のないレースだし、展開も字面ほどは甘くはないレースであったと思う。
レース直後に、これ掲示板の1着が違う馬だったらこの5頭の組み合わせで全然納得するんだけれどなぁ、という話をしていて、今もそれは余り変わらない。冷静に馬券を検討してて、7歳馬以上が「要る」感覚にはなかなかならなかったし(エアシェイディがもうちょい内引いてれば怖かったかもだが)、その上で展開でオウケンとドリジャニ切れるならまぁタニノ−スクリンは全然買えるというかむしろ本命に近い買い目だったんだけれど、的な。
そうして考えると、ノリではないが「人間の考える範囲超えられたなぁ」としか言いようが無く。
自他共に認める地力を秘めながら、騎手が「勝たせる」やり方を見出さないといけない馬がいる一方で、「人間の考える範囲」を超えて勝つ馬がいる。それも競馬であろう。
その上で、11年前の天皇賞を8歳馬が勝ったことを思い出す。当時は数え馬齢だが、オフサイドトラップ。あの馬の場合は「人間の考える範囲」を超えたというのは競馬においては事前に最も考えたくない不確定要素によるものではあったが、あの時の柴田善臣は堂々と「笑いが止まらない」と言ってのけた。喜びを爆発させ、装鞍所で一度、さらに表彰式でもう一度フライングディスマウントを見せたノリの弾けぶりは、どこか善臣の物議を醸したコメントに通じるものがある。騎手にとって「勝たせる」ことに充実感があるのは当然だが、「勝たせてもらう」喜びもまた、それとは別種の、しかし特上の喜びではあるのだろう。
アスリートとしては、確かに消極的と言えるのかも知れない。
仮にも腕で喰っていく人間が、自力より他力を喜ぶとは何事かと。
しかし、競馬というある種のコラボレーションの競技の中で、そうした「勝たせてもらう」感覚ってのは、ある意味「馬との『繋がり』」的な心理効果が存在するのではないかな、と思う。また、人として、リーダーとして盛り立てられる快感にも近いモノか。そういう風に思うと、11年前の善臣も単に「恵まれ」に笑ったのではなく、オフサイドへの感謝に笑っていたのだろうというように思いたくなる。
そもそも、ユタカだって、一番笑顔が輝いてたのは、勝手に勝たせてくれるディープインパクトの背の上ではなかったか。

コメント一覧
Re: 秋天回顧@「勝たせてもらう」喜び
本当は他に先にコメントすべきところがあるのですが、ここから。
8歳馬だの9歳馬だのって、本当ならよしだみほの漫画で中年老年キャラでいじられるのが当然なんですが、カンパニーって4歳くらいの時からイメージ的に全然歳重ねているイメージがなくて。
こう、数字に騙されてるという感じがぬぐえないんですよね。
Re: 秋天回顧@「勝たせてもらう」喜び
今日のミリアンの乗り方には「本当はヲカ様もこう乗りたかったんだぜ」的な主張があるような気がしなくもない(笑)。
あとあんまり野暮なことは言いたくないんですが、あれだけコントロール効かなくなっている馬からジャンプ降りするのってどうなんだと。
Re: 秋天回顧@「勝たせてもらう」喜び
有芝まはる殿下、はじめまして。Mahmoudと申します。
ちょっとblogの内容を勝手に引用させて頂きました。
トラックバックを張ろうとしたのですが、うまく行かなくて・・・。
カンパニーは丸5年以上もの間、Gレースを走り続けた後、頂点に立ったわけですからね。こんな馬を再び見ることが出来るのは何年後なのでしょうか。
Re: 秋天回顧@「勝たせてもらう」喜び
カンパニーの勝利にはびっくりしました。
旧表記で9歳馬ですしね。
これは素直に調教師スタッフ騎手を褒めるべきでしょうか。
次走はマイルCSだそうですが、テンに置いていかれなければ
あっさりと勝ってしまうかもしれません。