ジャパンC回顧。 
◆ラップ:
ざざっと、2分25秒台から26秒前半くらいのJCを拾い集めてみる。
08スクリ:12.6-11.6-12.4-12.6-12.6-12.8-12.6-12.0-11.9-11.2-11.3-11.9
06ディー:13.1-11.5-12.4-12.1-12.0-12.7-12.7-12.4-11.9-11.5-11.3-11.5
00テイエ:13.1-12.0-12.9-12.5-12.5-12.4-12.1-11.6-11.4-11.9-11.7-12.0
99スペシ:12.9-11.2-12.2-12.0-11.9-12.2-12.0-12.1-12.3-12.7-11.2-12.8
98エルコ:13.4-11.1-12.2-11.9-11.9-12.0-12.7-12.6-12.5-12.6-11.2-11.8
97ピルサ:12.8-11.4-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.5-12.3-12.1-11.4-11.6
こうして見ると、25秒台で決まるレースは結構あったが、割とどっかで12秒フラットくらいのラップが続くような展開はあって、スローでもなかなか一筋縄ではいかない的な展開が多かったように思われる。で、展開がずーっと緩かったという点ではテイエムオペラオーの2000年が最も近いと言えば近いのだが、このレースは残り6Fから加速を始める超ロングスパートな、それはそれで変則的なレースとなっていて(上位の上がり3Fは軒並み35秒台の、結果としては消耗戦)、やっぱり微妙に食い違う。その意味では、「普通にスローなレース」というJCとしては珍しい展開であり、そういう中でこのレースでは史上初めてくらいのレベルの人気薄が勝利した結果となったというのは、まぁそういうものかなとも。いや、確かにカツラギエースはスクリーンと同じくらい単勝ついたけど、その年の宝塚記念と毎日王冠勝ってる馬なんで(笑)。
シルクフェイマスもそういう所があった気がするが、ネヴァブションはマベサン産駒的な「微妙に芯の足りないステイヤー」的な志向のある馬で、逃げのマエストロたる横山典がこういう展開を選んだのだから、少なくともこの馬にとっては理想的な展開はこれだったのだろうし、実際に着順もそれを証明している。その上で、タニノウォッカもマツリダゴッホも2番手3番手ならばスローでも全然問題はない訳で、まぁそう簡単にペース上げんよな、と。それでも、ラスト5Fで加速するスタンダードなレースにしてるのは日本の競馬の地力ではあるし、それで勝つのだからスクリーンヒーローにも普通にG1の勝ち馬としてケチは付けられるべきでないだろう。
ただ、結果に関してはやや内が荒れたトラックのいたずらでもあったかも知れない。見るからに、内で叩き合っていたタニノとマツリダが一組のレースで、それともう一組別のレースをスクリーンとデスカが演じているようにも見えた直線ではあった。ある程度コースを選ぶイニシアティヴを持ってたはずの蛯名が最終的にそういうレースを余儀なくされた辺りは、デムーロの腕と言うべきであろう。一方で、もし馬場が開幕週のようなフカフカの高速馬場であれば、もう時計1つくらい上回る結果で内2頭が抜けた気もしなくはないが、そういうインで前付けた馬が勝つ競艇のようなレースもある意味味気ないっちゃ味気ないので(特にスローならば)、まぁそういう点では興趣のあるレースが展開されたようにも思われる。その上で、外を回して押し切れなかったディープスカイは、騎手の差も出たってのはあるが、痛い星を落としてしまったというか、ここで押しきれない辺りに欠けてるサムシングを感じてしまうというか。タニノ相手にはきっちり逆転できてるのだが、出来れば今年の内にとっておきたいレースではあったと思う。
さて、それにしても、こういう形で*グラスワンダーの子供がビッグタイトルを手にした、というのが味わい深い。
*グラスワンダーにとって最も屈辱的な敗戦、というのは、自分の中ではアルゼンチン共和国杯であると思う。「史上最強の毎日王冠」に敗れた後、それでも、あのメンバーで骨折明けのレースを落としたことは、必ずしも大きな汚点ではなかった。しかし、アルゼンチン共和国杯などという文句なしの場末的・裏街道的なレースで惨敗したことは、朝日杯の大レコードで輝かしい存在となったこの馬に大きなキズを付けた。だからこそ、その後の有馬の勝利にはインパクトがあった。
そして、その敗戦でジャパンCを逃したグラスは、遂にこの日本の古馬最高のレースのゲートにすら入ることなくキャリアを終えた。グラ基地の方々にとってそれがどういう意味合いを持つかは分からないが、自分にとっては、98年にエルコンドルに勝負を挑めなかったこと、99年に*モンジューを迎え撃てなかったことは、*グラスワンダーという競走馬のキャリアにおける、最大級の忘れ物のように見えてしまうのだ。
果たせるかな、スクリーンヒーローは、アルゼンチン共和国杯で初重賞を飾り、返す刀でジャパンCを制して見せた。父親の最大の屈辱を雪ぎ、父親の最大の忘れ物を回収した訳である。これほどの孝行息子が他にいようか。

コメント一覧
JCがG1初挑戦の馬
JCをG1初挑戦で勝つというのは史上初なわけですが、「そもそも、JCがG1初挑戦てこと自体が史上初ナンジャネーノ?」とか思ってざっと調べたら、4頭もいましたよw(もちろん、地方馬・外国馬除く)
レガシーワールド、ヒシマサルII、スノーエンデバー、エリモハリアー。
ああ、エリモハリアーってJCがG1初挑戦だったんだー、とか意外に思ったのですが、前3頭はわかれよ、とはちょっと自分でも思ったw;
ただ、こういう馬が勝ってしまったことで、なんとなく自分の中で「普通のG1っぽいなぁ」となんとなく残念な気分ではあり。いや、スクリーンヒーローは堂々とした競馬で、十分にJC馬としてふさわしいとは思っていますが。
NOBIEさま>
どもです。昔の旧4歳で○外とか去勢馬なら、クラシック出られないから、みたいな感じだったってことで。しかし、上がり馬ならある意味季節は問わない訳ですが、まぁ昔は16頭立てで外国馬も6頭以上とか出たりすることもあったりで、そういう点では枠が広がったことでこういう馬が出て来る余地が現れた、みたいな面もあるのかなぁと思いますね。
それが、たまたま今年だった、みたいな。
ステージチャンプやゴーゴーゼットがJCで除外食らってましたからね、
もう12年ぐらい前のことですが。