運がないなりの、プロデュースの重要性 
◆ダイワスカーレット@日刊「Myself」
根本的な部分としては、
「強い馬とは、2ちゃんでラキ珍と呼ばれる馬である」
みたいなのがある。ディープインパクトだってテイエムオペラオーだって、運がなければあそこまでの実績は残せません。ただ、詰まるところ「運は実力、運がないなら倍の努力をしてこそ実力」ではあるのだろう、みたいなのがあって、そこにダイワスカーレットの限界はあるのだろう。ある意味、今後ともドバイのレース選択に象徴されるように、距離路線や得意分野が必ずしもマッチしないタニノウォッカとのガチな勝負を行う機会が非常に少ないように思われる。そんな中で、彼女がタニノを「超える」には、もはや何回直接対決でタニノを降しても全く意味はなく、彼女のダービーに匹敵する勝利を何処かで得るしか方法がないのである。そして、ダービーを凌駕する舞台というのは、実際それほど存在しない。その意味では、ダイワスカーレットにとっての最大の不幸とは、
「タニノウォッカがダービー出走という大バクチを打って、しかもそれに勝ってしまったこと」
に尽きるのではないか。単純にいえば、2007年にダイワスカーレットの成し遂げた記録というのは、同じく有馬2着馬である1994年の*ヒシアマゾンに匹敵する、には違いないだろう。まぁ相手がマツリダゴッホである有馬は少し落ちるが、古馬牝馬相手にG1を勝利している点ではアマゾンを上回るし、ご丁寧に年の緒戦で牡馬に負けてる辺りもシンクロしてる。もちろん、レースにおける華という意味では*ヒシアマゾンに及ぶべくもないが、それでも、3歳の実績として、比肩すべきものとは評されただろう。もし、タニノウォッカがいなければ。
ともあれ、その上で、この馬がタニノウォッカに伍する「印象」を残せなかったとすれば、その側面的な理由は詰まるところ、タニノに伍するプロデュースが出来なかったこと、にあると思われる。要するに、手としては、トライアルからしゃかりきで1着を取りに行くことによって、とにかく「連勝の数」を伸ばすか、逆に何処か早い段階で、タニノのダービーに匹敵するタイトルを狙う判断に切り替えること、であっただろう。例えば、ダイワスカーレットのキャリアにおいては、チューリップ賞で持ったままのタニノウォッカに負けたトラウマってのは結構大きいと思う。あれはあれで、タニノの脚を測りにいったからの結果ではあったと思うんだけれど、そういうレースを選択したことが、結果としてこの馬のキャリアにおいては「ミス」になっている感がある。その上で、連勝の数をここでひとつ損した上で、オークスの比較的マイナーなトラブルで回避した後、アメリカン・オークス辺りに色気を持たずにそのまま休養に入ったこと。勿論、そこ出ててなおかつ秋も成績残せたかというとどうかという面はあるが、結果としてこの牝馬の連勝数が4にとどまったのは如何にも連勝数としては少なかった。それならばそれで、例えば秋天やマイルCSを目指す手はあったかも知れない。しかし、わざわざ馬主としても兄貴がとれる可能性のあるレースで妹に妨害させることなどはしたくなかったのだろう(自分としては、これをダスカの「2番目の不運」として挙げる)。
結果として、ダイワスカーレットの強さをプロデュースすること、という面で陣営がやや失敗した感は否めない。無論、強いことはファンが分かって頂ければ良いので、ただ淡々と勝ちを重ねていけばいい、という考え方はあるだろう。実際、チャンピオンの称号は獲得できているのだし。ただ、自分としては、やっぱりちょっと勿体ないことをしてるなぁ、とは思うし、タニノウォッカのダービー制覇という「不運」があったならば、そこから目を逸らさずに切歯扼腕しつつ「如何にギミック的にウオッカよりも強い印象をファンに与えるか」に対して陣営は策を重ねるべきではなかったか、みたいなことは考えてしまう。
要するに、ダイワスカーレットは己の不運に対するカウンターとしての「必死さ」を編み込まれていないので、チャンピオンとして軽い、のだろう。
ある意味、ディープインパクトがハーツクライに破れ、天皇賞でレコ勝ちする辺りまで抱えていた軽さに通じるものがある。その上で、ディープインパクトのように、その軽さが芸風になってしまうような天衣無縫の破天荒さもないのならば、やはりそれを埋めるのは陣営の仕事なのではないかとも。
その上で、ワールドC挑戦ってのはそういう意地を陣営自体が捨ててないことを示すものとして評価していたが、今回フェブラリーSを回避した後に、目標をヴィク狸に変更というのは、またこういう選択肢になってしまったか、とがっかりした部分はあった。ある意味、乾坤一擲の勝負として、ギリギリまでドバイ行きを選択肢として残してほしかったのだが。

コメント一覧
ダイワスカーレットのドバイ遠征中止は残念ですね。
ウオッカを上回るインパクトとして海外G祇覇というのは大事だった気もします。
しかしダービー後のウオッカの成績を加味すれば、評価はすでに逆転してるような気がしなくもありません。
そういう意味ではヴィクトリアマイルはダイワスカーレットに取って初めての「負けてはいけない」G汽譟璽垢箸いΔ海箸砲覆襪と思います。
そのような立場で迎えるレースにダイワスカーレットがどのような結果を残すかという点についてはそれはそれで楽しみな部分もあるわけで、勝負づけが済んだ(と思われている)相手に勝つことでも今度のヴィクトリアマイルではダイワスカーレットにとって大事なレースになるのではないかなという気がします。
でもやっぱりドバイで見たかったですね。(笑)
個人的にはダートでも見てみたかったです。
すもうるさま>
どもです。
当方も、単純に2頭の力関係って意味では逆転していると言っていいとは思うのですが、要するにトラバ先のエントリなどにもありますが、「何かを残している」とは言い難い面が現状のダスカには感じられていて、そこの背景にはやはり絶対的というよりはタニノウォッカの得たものという「相対的」要因が大きいのかなと。
自分としては、ベタですがやはり宝塚記念を楽しみにしたいですねぇ。オーラ君もダスカちゃんに堂々と相見えるくらいには強くなってくれよ、と。
#またカプ妄想か。
##しかもまた同父か。
はじめまして。
ダスカがウオッカを越えられないのは、期待値と結果における乖離量。換言すれば、レースに向かうストーリーなどを含めた上での、定性的な意味合いでいう「強さ」のインプレッションなのかなと自分も思うところで。
そのあたり、狙いに行く陣営とそうでない陣営もありますからね。
りろんちさま>
はじめまして。
個人的には、ダイワスカーレットの厩舎が「狙わない方」だとつまんないよな、みたいな部分もあるだけに、こういう思いを書いてる面もあるかも知れません。