競馬新聞の環境とか 
◆ホースニュース休刊に思う@白線の内がわ
◇頭を使え@嵐猫
◇競馬におけるwebの縦進性についての話など@DREAM SCHEME
◇ショウナンアルバはスプリングSへ:その他@Brain Squall
個人的には、各エントリのそのものより、「馬柱vsPP」的なものに最初、興味を持った。
根本的に言えば、グロスの情報量としては、PPの方が多い。まぁある意味それは当然で、アメリカの競馬新聞のほうが明らかに紙幅も大きいから、ということであろう。また、レース情報として公式に公開されている情報でも、ある意味アメリカの方が多いかも知れない。例えば日本では全馬の400mごとの通過タイムなんてものは出してくれないのだから。その上で、馬柱は「情報密度」をウリとしている。要するに、ある程度一覧性を保って、一枚のページの中で情報を集約化する、みたいな。ただ、ある程度ネット時代になると、グロスの情報ってのがPCなり携帯なりで結構いくらでも見られるという意味で長足の進歩を遂げており、反面、日本の競馬メディアが培ってきた「密度」に関してはある程度これ以上詰め切れないみたいな辺りで、なかなか難しいところがあるのだろう。そうなると、馬柱のよさってのは「(紙質も含めて)書き込みがしやすい」とかになるのだが、これだけで400円以上の値段に値すると判断されるか、って言えば、なかなか簡単なものではないだろうなぁ、とも。あと、基本的にアメリカとかだと、PPもそうだけれど、例えば Racing Post や Netkeiba なんかが提供してるレベルでの詳細なDBはネットでもタダでは出してないよね。一方で、日本では既にスポーツ新聞からがより安値で類似のサービスを提供してたりする訳で、そういう意味で日本の競馬新聞は結構厳しいレベルでの競走、じゃなくて競争を強いられてはいるかな、と思う部分はちょっとある。
#イギリスだと、RPもSLも「スポーツ紙」であって、DRFや本朝の専門紙とはやや事情が違うか。
#香港も、基本的にはスポーツ紙に競馬メディアが集約されてる風味。
そういう処に輪をかけてるのは、実はJRAでもあるな、と思う。JRA-VANとかにしても「優駿」にしても言われることなんだけれど、確かにあれらは素晴らしいレベルのサービスなんだけれど、ああいう高いレベルのサービスをある程度安価にJRAが提供してしまっているってのは、実は結構な民業圧迫だよね、みたいなお話。これは「海外競馬」とかが出てた時に編集の人と話題になってたんだけれど、「優駿」がある程度採算度外視で値の張るクオリティの高い写真とかをバンバン載せた誌面を作ってるので、同じような「読ませる」路線の競馬雑誌を採算ベースで作るのは結構難しいものがあると。と、ちょっと話が逸れたけれど、ある意味そういう状況を更に突き詰めたものとして、JRA公式サイトの出馬表の充実、みたいなのがあると思う。何のかんの言って、とりわけ多数派のヌルいファンだと恐らく Netkeiba すらヲタサイト的なダルさを感じるであろうことは想像に難くなく、JRA公式しか見ないんじゃないかと思うが、そういう客層にあんなものをタダで提供したら、そりゃもう400円以上出して週末に専門紙買うのがバカらしくなっちゃうよなぁ、と思うんではなかろうか。そういう、ある種の「デフレ不況」を胴元側が演出してしまった感も無きにしも非ず。
これが良いことか悪いことか、というと、やっぱり余り歓迎されない面もあるかな、とは思う。
というのは、多くのスポーツがそうであると思うが、競馬ってのはかなり「語り部」を要求するスポーツではないか、と思う。ある種のデジタルな結果の蓄積だけでは実態を推し量るのが難しいジャンルのスポーツであるし、300年も続いていてなおかつ馬という動物を扱う辺りで、なかなかリニアな進化をしているスポーツでもないので、物語性の中にどうしても魅力を見出さないといけないスポーツではあるだけに。そうなると、優れた語り部の存在が、スポーツの魅力を左右する面ってのがある程度存在するのではないかな、とも。そういった中で、ある程度民業ベースで「語り」を保つのは結構重要であり、民間の競馬メディアが食っていけない状況で、ある程度専従的な競馬の「語り」のパイが結果として小さくなることは、長い目で見てこのスポーツにとっての損失にはなるのではないかと思う。まぁ確かに、そもそも民間でも競馬の語り部がしがらみその他諸々の事情で、余り書きたいことを書けてるわけではないとか、そういう問題はあるんだけれどもね。……とまれ、いくらネットで「アマチュアの語り手」のレバレッジの可能性が広がってるとは言え、やはりある程度「プロの語り手」が存在感を示せる状況は必要だし、そもそも「アマチュア」が競馬に対して持ってる情報量が限定されているって意味ではアマチュア任せにしづらいジャンルではあるし、その意味で専門紙記者みたいな人の働き場が縮小することは惜しいものであるかと。
そういう意味では、別にJRAのサイトで出走表出すなとはいわないけれど、こういう「競争の厳しい状況」を作っていることについてJRA自身が認識しつつ、ターフライターとしての競馬メディアの振興を、現状よりもてこ入れした形で彼らの施策として取り入れるべきかなぁ、なんてことを思う。具体的にあれこれと沙汰することはしないけれど、出来ることはそれなりにあるんじゃないかな、とも思われるだけに。

コメント一覧
馬柱
ご無沙汰しております。
馬柱ということで言えば「単位面積あたりの情報量」ではやはりこれに勝てるものはないな、というのが正直な感想。
その上で各エントリを読んで思ったのはやっぱり世代間ギャップなのかな、と。
今のようにWebであれこれ情報を得られる前から馬券買ってる身としては馬柱なしで馬券を買うなんて考えられんのですが、今時はそうでもないのか、と。
単純にそれが衝撃だったりします。
そもそも、直前までオッズ見て買うか否か考える身としては、買い目メモって持っていくなんてできないんですよねぇ。メインレースだけはやむを得ない事情により事前に買い目を出してますが・・・。
穴魔さま>
どもです。
結構世代差的な感覚は確かにありますよね。
この辺りのお話については、また今夜にでも。
原因をつきつめると三連単に行き着くんじゃねーのみたいなことは思う。
理由はめんどくさいから省略。明らか。ガロアか。
なんだか、デジタルカメラ普及による銀塩フィルムの没落に似ている感が。
ただ、銀塩フィルムほど愛好者を掴む長所が弱い気も。
関係ないですけど、コメ欄て皆さんどれ位重視してます?
僕はほとんど読んでません。
週間ブックの後コメの方が関係者の本音が出てる印象。
競馬新聞
ご無沙汰しております。すぐ出てきたRP紙2005/09/27号を見ると全96頁で、1面から65頁までが競馬なんで、2/3強ということになり競馬専門紙と言っていいような気がします。順位のつくありとあらゆるモノを賭けの対象にするブリテンのブックメーカーですが、一応競馬がギャンブルの王様と言えるような。町中のラドブロークスとかに入るとグレイハウンドもメジャーな感じですが、このRPでは15頁です。これは別の専門紙があるのかな。RPというのは読み物としては非常に充実しているのですが、競馬場で馬券検討するには頁大杉。しかも日本を含めて他の国では対象開催の前日には売っているのにRPは当日朝売りなんで、前夜の検討というのができない・・・。何かにつけ物価の高いブリテンですが、このRPは1.3と案外安いんですよね。ただ、ここ10年程殆ど物価の上がっていなかった日本と違ってRPは行くたびにチビチビ上がっていますね。割と物価が安いとされるUSAですが、 DRFは高く、2004年の時で$4だか$5したはず。
あと他の主要競馬国の競馬新聞は1紙か2紙の寡占状態となっているのに日本ではJRA関東では5紙以上がまだ健在で、ある意味まだ淘汰が進んでいないと言えるように思えます。個人的に馬券検討の観点ではDRFが一番好きですね。
わむ>
確かに、3連単時代のダンゴって既存の◎○▲△の範疇ではちょっと表現できないような予想メソッドを要求する部分はあるかもですね。
岸辺さま>
私は日刊競馬を競馬場では愛用してますが、あれについては馬柱の各レースの3文字短評に結構バリエーションが多くて、気に入ってますね。ああいうのは、ある種のアートというか、回顧の極限まで切り詰めた職人芸だとは思います。
まぁそれで前走「太め残」とか書かれてる馬が馬体重プラマイゼロで出てきて快勝する、みたいなのもあって、必ずしもアテに出来ないですけれど(笑)。
ただ、厩舎の事前コメントはあまり参考になりませんね。仰るとおり、むしろ週報の事後コメント的なものの方が重要かと思います。
A.F.師>
どもです。
RPというか英国の場合、開催数が多いですしそれを一括でとなるとページ数はどうしても多くなりそうで、しかも読み物までカバーとなると、むしろスポーツ新聞つきブック週報という方が近いかもですね。L1.3ならお買い得かもとすら思えたり。
あと、欧米においては日本よりもずっと寡占化してる、ってのは大きなポイントですね。その意味でも、本朝の競馬専門紙は厳しい競合状態というか、ある種のレッドオーシャンなのかも。
クラッシュとかノーカントリーみたいな映画がむーびーおぶざいやーなアメリカ映画界ってちょっと病んでるのかもしれんと思う(挨拶)。
>アニキ
いやーそればっかりじゃなくてさー。
実際の売り上げ高は調べてないのでなんとも言えませんが、界もメディアも「高配当の三連単」を中心にプッシュしてる中で、その発売がない「午前中のレース」って軽視されていってるように思うんですよ。
で、競馬新聞が他の「競合相手」に対して持っているアドバンテージったら「午前中のレース情報もそれなりのものを出している」ところでしょ? 三連単発売レースはスポーツ紙でも調教タイムもコメントも充実してますから、ファンの嗜好が三連単目当てに向かっているのなら専門紙のアドバンテージって死んじゃうよね、と。
だからといって今さら馬連オンリーに戻せるわけもないわけですから、界も「午前中のレース」に興味を持たせるために、午前中だけ五重勝売るとかそういった工夫したほうがいいんじゃないの、とは思います。
個人的には「若手騎手限定競走」に対して「出場若手騎手の充実プロフィール」を掲載するとかもうちょっとなんとかしてくれと(笑)。紙面に反映可能かどうかはともかくアイディアもってる人はたくさんいらっしゃると思いますから。
つーかアニキほどの人でも読み取ってくれずショボーンの巻(笑)。
わむ>
つか、主催者側はそもそも一日中競馬場に居着く人ってのが減ってる状況を所与のものとして、少ないレースでがっぽり売り上げるみたいなコンセプトとして3連単がある、という気がしてます。
現状のようなカルチャーで、一日競馬場いてくださいって、なかなか簡単ではないかも。
まぁ、長期的には、それでも一日競馬場居てくれる人を増やさないと何とも、みたいなのはあるでしょうが、その辺りは詰まるところ、(それこそ現代のネット社会においてコモディティ化著しい)メディアの情報サービスよりは、ある種のハイローラー優遇とかそっち方向でのインフラ整備かなぁと思われ。