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57年目のポストモダンに揺れる大レース。

てな訳で、欧州版宝塚記念。

7月28日アスコット5R 16:20発走 芝12F
ジョージVI世国王およびエリザベス王妃ダイアモンドじゃないS(G1)
総賞金£750000 3歳上 定量(3歳8st9lb、4上9st7lb、牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     配当 父
15Dylan Thomas   IRE 牡4 133ムルタ   147 休1122 オブライエンIR 13/8 デインヒル
27Laverock     IRE 牡5 133デットーリ 215 休25142 サイードUAE   11/1 Octagonal
33Maraahel     IRE 牡6 133R.ヒルズ  278 休1131 Sir.スタウト  11/2 Alzao
46Prince Flori   GER 牡4 133フォーチュン84 1休313 スミルチェクGE 12/1 ランド
52Scorpion     IRE 牡4 133キネーン  134 7休212 オブライエンIR 11/4 モンジュー
64Sergeant Cecil  GB  せ8 133ムーア   4710 3休4114 ミルマン    33/1 King's Signet
65Youmzain     IRE 牡4 133ヒューズ  135 1休335 チャノン    15/2 Sinndar

 昨年のこのレースは、競馬のポストモダンを象徴しているのではないかとレース前の展望に記した。ある意味、そういった文脈から見れば、Hurricane Run の勝利という結果はそれが最もコンサバティヴな形で収束したかもしれない。しかし、そういう分水嶺ではあったのかも、という趣でデ・ビアスがスポンサーを去りダイアモンドはもはや永遠の輝きではなく、今年もまた3歳馬を集められないレースとなった。レーポスなどを見ると、この状況については少なからず騒がしい。むしろ、本朝の海外競馬好きブロガーが余りこっち方面のネタを振ってないのが不思議なほどである。少なくとも英国の競馬人はこのレースを凱旋門に至る3歳対古馬の対戦のドラマとして位置づけており、現下の状況については「レゾンデートルの消失」と看做しているようだ。一方で、おおよそ欧州で古馬を集めたレースとして、昨年も今年も稼動可能な範囲で Manduro 以外はほぼトップの面子を集めているのは皮肉なのであるが。
 で、まぁ「賞金上げて国際レースデイにしてみろよ」みたいな多分日本で同じような状況になったら2ちゃんねらーからも出て来そうな意見が紙面を賑わせてるのだけれど(別に当地のマスコミを腐してるわけではないが)、実際のところ、サラブレッドの現代的な調整において一つ一つのレースはより難しくなっており、そういった中で3歳がこの時期に参加すること自体が簡単でなくなってるのかな、みたいなことは考えたりする。そう考えると、*ダンシングブレーヴのようにダービーで鬼脚使った馬がエクリプスも使いキングジョージも、なんてのは相当に敷居が高いのだろう。仮にその馬が*ダンシングブレーヴに比肩する能力を有してたとしても。その上で、今年の Authorized のように古馬に挑戦する点でエクリプスが美味しいのは、単に10Fの種牡馬価値とかだけでなく、ロイヤルがかなり真剣勝負となる10F路線でやや穴っぽくなってて3歳にとって組しやすいなんて事情もあるんではなかろうか。それでもなお、キングジョージを「古馬と3歳」の文脈で維持したいならば、愛チャンとバーデン大賞を潰す覚悟でフェスティヴァルを8月最終週にでも移動して、そこでQE2世Sとのダブルメインでってのも手ではないかみたいなことも考えたり。これもまぁそうレベルの高い提案ではないか。
 今年のメンバーは、上にも書いたけれど、決して弱くはないと思う。昨年の3強ほど鬼ではないが、それは単純に全体の世代レベルが今年はまだ追いついてないだけなのだろう。その上で Maraahel なんかは息長く頑張って結果も出してるし、Scorpion や Youmzain も言うほど弱くはない。Dylan Thomas が敢えて距離を伸ばしてきた(って愛ダービー馬だけどな)のも評価できるし、ステイヤー基地にとっての英雄 Sergeant Cecil もファンにとってはキャッチーな存在であろう。ただ、その上で、鼎の軽重を問うわけではないが、Prince Flori はここに入って勝てる馬なんじゃないかな、とも思っている。アスコットのこの距離で鮮やかな逃げ切りってのも今ひとつピンと来ないんだけれど、ただ「似ていない兄弟」たる本朝のハーツクライが、*サンデーサイレンスの積み上げた実績を証明する形で昨年このレースで演じた見せ場を思いつつ、こちらも*ランドがJCで積み上げた世界的なレースでの頑張りをここで証明できるのではないか。その上で、昨年のハーツは一歩足りなかったけれど、今年は少なくとも Dylan Thomas の現状の調子と馬場を思えば……みたいにも考えたり。その上で、このレースについて喧しく議論をしている英国の競馬人たちには、仮にこの馬がイングランディーレの春天的にあっけなく勝利してしまったとしても、それをもってレースの価値を問うようなマネをして欲しくは無いなぁ、などと余計なことを考えたりするのである。

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Mahal Alysheba
Author:有芝まはる殿下。
自称ズデーテンラント公兼トールガウ、前メクレンブルク、バート・ドーベランおよびキシュベル方面伯。当然何らの領有権も領しないただの僭主のため、歪んだ根性で血統研究に勤しむ。

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