有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、或いは反逆のドゥ・ロワイユ=デュプレ。
映画「ハッピーフィート」観たよ
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 てな訳で、最近見た辺りを掘り起こしておこう。
 で、この作品については、基本的に相当「玄人ウケ」的な面が強かったように思われる。何の玄人かといえば「ペンギンの玄人」っつーか「ペンギン好きで、当然のごとく『皇帝ペンギン』なんかは吹替え・原語どっちもチェックしましたぜ」的な人が見て「分かってないなぁ」とは思わせないような出来栄えであったというか。アニメに譬えるならば、原作つきの作品で原作ファンにちゃんと訴えかけられる作品であったということ。とりわけ主人公が生まれるまでの流れは、その手のリアルな生態をきっちりと追っていて、『皇帝』と両方見てた人はなかなかニヤニヤ出来たのではないかと想像されます。
 むしろ、『皇帝ペンギン』の方が、ドキュメンタリー映画のフォーマットを取りながらヘタにペンギンのカップルの擬人化したナレーションを用いたことによってやや玄人視線で見た場合の作品として安めに映ってしまうきらいがあったのに対して、リアルのペンギンでない何かを使うことで逆説的にリアルにする面があった。この手のメソッドとしては前に見た『レーシング・ストライプス』なんかもそういう要素はあったけれど、一言にまとめれば「マキバオー・メソッド」と言ってよいと思う。恐らくアメリカの競馬人などに「みどりのマキバオー」を見せたら、結構アメリカ競馬向けにスピンオフしたストーリーで2頭身の「白い珍獣」がアメリカのダートを席巻する作品として面白いものを作ることが出来るのではないだろうか。
 その上で、多分『ベイブ』にしても『ストライプス』にしても若干ハッピーエンドに持ってくる部分についてはやや卓袱台返し的な展開に嵌ってしまうような側面を感じたものであるが、そういう点についてはこの作品もほぼ同様。つーか、ちょっと卓袱台返しすぎだ、みたいなことも思ってしまったのは事実。ただ、それをなんの衒いも包み隠しもなく荒唐無稽で返すあたりで、「世の中こんなに巧くいくわけないよね」と「玄人」には思わせつつもしんみりとエンターテイメントを愉しませるのもある種のスタイルではあるのかな、とは思う。要するに、リアルに徹して最後まで続けようとすると、それこそマキバオーがそうであったようにバッドエンド的な側面はどうしても出てきてしまうものかと。で、日本人の場合はその手のコンテンツを子供も受け入れないといけない、みたいな道徳観というか、きちんと悲劇は悲劇として幼いときから体験しておいて良い的な考え方があるように思われるのだけれど、欧米はある程度「ハッピーエンドから入る」というか、ある程度の年齢になるまでは、本当の意味でのやりきれない悲劇からは遠ざける面があるのかなぁとも。日本の場合は「敗戦の歴史」みたいなのがあるからってのは大きいかも。家でもこないだ「子供にそういう悲惨な話を教えてもいい年はいくつぐらいか」みたいなことを話し合ってたのだけれど、なかなかどちらがいいとは判然とつかない、容易ならざるテーマかなぁ。

◆ところで。
 アメリカでは今でも、350ml缶を6本束ねるプラスチックのタブが普通に存在するのだろうか。あれは本朝では余りお目にかかれないというか、そもそもジュースをあんな6缶束ねて買う文化が存在せず、ある程度以上飲むならばペットボトルで買ってコップに入れて飲むからなぁ。まぁ「気が抜けるのが嫌だから缶単位で飲む」ってのもあるだろうし、その意味では炭酸飲料を日本人が余り好まないから余り普及しないのかもしれないけれど、それにしても普通に三ツ矢サイダーとかはペットボトル化しており、そう思うと、日本人ほどペットボトル好きな民族は西洋には余り無い気がしなくはない。ただ、日本でも(炭酸飲料である)ビールは6缶単位で売ってて、あれは紙パックを使ってる訳だが、ああいうのをアメリカ人が見たら「日本人はやっぱり裕福じゃのぉ」と思うんだろうか。

Comment

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>子供にそういう悲惨な話を教えてもいい年はいくつぐらいか
むしろ「人の性は獣、人生は闘争」と教えたほうが(ちょっと嘘)。

たとえば「子鹿物語」なんてある意味フランダースの犬よりもやりきれない話ですが、あれってアメリカではどういう年齢で聞かせているのか、という疑問はちょっとあり。バッドエンド的な側面といえば若草物語や小さな家シリーズもそうですけども。それともアメリカではもはや子供にはディズニーの砂糖漬け改変みたいな話しか教えないのかな?
わむ | URL | 2007/04/24/Tue 21:56[EDIT]
>むしろ「人の性は獣、人生は闘争」と教えたほうが
以前書かれてた性悪説ですかな。
元々そういう作品が少なくなかったとは思うのですが、映像作品のクラシフィケーションの問題ってのがあって、Gにするにはかなり物語の敷居を下げないといけないのだろうな、ってのがありますね。
そういうのが、どれだけ絵本や文学辺りに影響を与えてるのかとかがちと気になったりしたものです。
有芝まはる(ry | URL | 2007/04/25/Wed 21:52[EDIT]
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