02« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»04

殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

昨日の色々についてリキャップ。 

◆ドバイ。
 良いときならば掛るくらいのタニノウォッカが4角手前では押さないと進まない的な雰囲気に見えた辺りで、個人的には負けを確信したのだけれど、何というかああいう単騎での追走ってのがある種「燃える」パターンにならなかった、ようにも見えたレースではあった。実態としてはプリテイキャスト的な「全馬騙されました」的な免税店の展開ではあり、海外競馬でもあんな「逃げ馬以外の騎手は全員敢闘精神欠如で騎乗停止にしろ」的なレースが見られたってのはある種味わい深くはあったのだけれど、まぁある程度は日本の騎手がそれに加担した格好、ってのも事実か。実際には前とも後ろとも離れた2番手って、結構難しいと思うんだけどね。人間の駅伝とかでも時々そんなこと思うし。
 そんなレースを勝ったのは地元馬、となったのだけれど、今年は非サイードなUAE馬が2勝。昨年のSAF躍進にはビクビクしたが、案外SAF勢の天下は短く、今後はUAE人調教師の活躍みたいな方向で取って代わられるのかな、みたいな感覚も。この辺りの台頭って、日本が90~00年代で躍進したみたいに、あんまり景気の悪さとか関係ないので、そういう意味では賞金維持に苦労する一方で地元馬が強くなり、徐々に閑古鳥的な危機はこの開催にも出てきてしまったりするのかも。
 で、免税店のユタカがどの程度乗り違いだったかは微妙として、明らかに乗り違いっぽかったのはワールドのアンカツか。あのレースで折り合わせようとしてズルズル後退では、正直出た意味が無いとしか。*カジノドライヴ自体はまたこれからも長期遠征頑張ってねではあるが、仮に長期遠征ならば、やはりある程度主戦騎手を固めるような方向でいって、その上でJCダートとかで戻ってくる時も海外騎手で、くらいに絞った方がいいかも知れない。実態としてはやっぱり半分以上「外国馬」だと思われるだけに。

◆宮記念。
 展開的には33.1ってのはそう甘いペースでもない気はするし、実際ラスト1F見れば大方脚を使い切ってる展開ではあるんだけれど、恐らくはキツいペースで行った行ったならばある程度馬場効果はあったかな、みたいな面も感じなくはない、辺りはやや見ておかないレースではあるんですが。それでも、少なからずスカッとしたレースというか、ああいう形で前行く馬が「差し返す」力強さを見せるスプリントG1ってのは魅力的なものを感じるものではあり。
 その上で、それをやってのけたのがロゲイロってのがちょい面白いんだけれど、ある意味前々走で久しぶりに2桁着順の惨敗をしたことでイマイチ馬的なストレスを一時的に殺げたというか、ある種の厄落としみたいになった部分はあったんだろうか。ともあれ、キングヘイローの宮記念も思いがけない地力を見せ付けて勝利したってイメージがあり、それをトレースするような親子制覇と見受けられた。自分の中で98世代の中ではキングヘイローってのはある意味「最良の友達」的なイメージで見ていた馬ではあるんだけれど、そういう「人の好さ」的な部分も体現してる辺りで、この馬は川上姫とはまた違った魅力を持つ産駒ではあるか。ファンって意味では完全に自分なんかはカワカミファンではあれど。

◆がゆんだむ。
 おめでとう、コーラサワー!
 つか個人的にはカティとは1st終了後に結婚しておいて欲しく、その上で父や母として戦うカティパトが見たかった気がするんだけれど(そういう役割は熊が担ってたけど、私的にはむしろアンドレイが不要だったw)、まぁそういうのは映画で……も、あんまり取り上げられそうに無いか(苦笑)。ともあれ、「俺、この戦いが終わったら大佐にプロポーズするんですよ」などと軽々しく同僚に発言したりせず、一生懸命節度ある暮らしをして死亡フラグを倒しまくるからこその彼の不死身さがあったんだろうと思うと、個人的にはコーラ主人公で一本作品作ってもらいたかったくらいだ(ぉ。
 ちょっと良く分からなかったんですが、エクシアがあそこにあったのは、スメラギさんがラッセを働かせて射出してた、ってことでいいんだよね?戦術予報士、相討ちまで読めるって、展開読めすぎだろうとは思うが、まぁ「全てのケースに備えてバックアップ機を準備してた」みたいな心構えは大事さね。ところで、スメラギさんと言えば、気がついたらアレルヤのカーチャンみたいな状況になってた訳ですが、その上で最後アレルヤをソレスタからクビにしたのは(したんだよね?ヤツだけ何かピクニックとかしてるし)、やはりある種の対アレな母性愛的な部分もあったか。一方、残されたフェルトとやよいは微妙に恋愛負け組の職場残留的な部分が悲しかったのである。映画版ではフェルトの敗者復活とやよいさんの黒キャラ化を期待。
 しかし、結局ブシさんとの友情を選んだカタギリの絵に描いたような非モテメンタリティはどうしたものか。

◆ワールド。
 男子に関しては、言いたいことは全てフモフモ氏に持ってかれました(笑)。その上で、小塚が2度目の3Aコンボ必須状態になったあたりでの緊張感は結構なものがあった「跳べ!もっかい!」みたいな。よく3枠取れたよ。優勝争いの展開もエキサイティング。
 個人的には浅田の2つ目の3A転倒を見たときに「あぁ、フィギュアの神様は『今年は勝ちに行かなくてもいい』と天の配剤を働かせたのかなぁ」みたいな感慨はあった。ジュベールの転倒も「クリーンに負ける」という意味ではむしろ成功するよりもアレでよかった(成功してもライサ差せなかったしょ)、みたいに思ったけれど、それと似たような文脈で。その上で、ある程度今季は見えない部分で結構負荷が掛っていて、浅田自身「勝ちに行く」試合が出来なかったようにも。6分間とかでも思ったのだけれど、ちょっと表情的に精彩を欠いてたようにも見受けられ。ともあれ、これですっぱり3A2回を諦められるなら、まぁいいのかも。
 その上で、個人的には安藤の完全復活は喜ばしかった。やはり年に1回くらいはこういうのを見せて貰わないとな、と思う一方で「恐らく年に1回くらいしかこういうの見られないんだろうな」と思ってしまう辺りの自分の安藤観は、何となくタニノウォッカを見る目と近くなってることに気づく。もし選挙速報が入らなければHDDのデータは永久保存モノだったが、おのれフジ。マジ許さん、来季のワールドは絶対フジで観ず(所詮五輪後ワールドではあるし)、全日本は生観戦してやる。一方で、ここで浅田の連続表彰台を止める辺り、微妙にここぞという場面で浅田にストレスを与える展開を演じる安藤、天然の黒さがありますな。技術的には今季は3Lo封印となったけど、最後にモノになった2A+3Tを来季3Lz+3Tにアップグレードする方向で得点増すれば、07程度には優勝争いに割って入る余地はあると思われ。
 キムとロシェは四大陸の課題をある意味克服した的な部分が好感で、まずはおめでとう、と。
 ペアはショートで川口スミルノフが中国勢に割って入ることを結構真剣に期待したが、なかなか壁は厚いねぇ。
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レース回顧  /  tb: 0  /  cm: 2  /  △top

直前なれど、免税店。 

3月28日ナドアルシバ5R 19:55発走 芝1777m
ドバイ免税店(G1)
総賞金US$5000000 北半球4歳上・南半球3歳上 定量(南3歳53.5kg,4上57kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     Odds 父
1Bankable     IRE 牡5 57 ムルタ   135 226休1 デ・コックSAF 16/1 Medicean
2Gladiatorious   USA 牡4 57 アジテビ  118 12休11 ムバラク    12/1 Silic
3Tanino Vodka   JPN 牝4 55 武豊    197 213休5 角居勝彦JPN   6/1 タニノギムレット
4Niconero     AUS せ8 57 ウィリアムズ5213 411011 ヘイズAUS    33/1 Danzero
5Hyperbaric    USA せ6 57 T.ベイズ  127 1111休 カナーニUSA   66/1 Sky Classic
6Creachadoir    IRE 牡5 57 ダーカン  144 2休81休 サイード    33/1 King's Best
7Kip Deville    USA 牡6 57 C.ヴェラスケ2612 15291 デュトローJr. 16/1 Kipling
8Balius      IRE 牡6 57 サプル   239 休12休1 アブデュラ   16/1 Mujtahid
9Alexandros    GB 牡4 57 キネーン  156 31311 サイード    40/1 Kingmambo
10Archipenko    USA 牡4 57 シェイ   156 休12休1 デ・コックSAF 9/2 Kingmambo
11Tuesday Joy    NZ 牝6 55 ビードマン 227 110休11 ウォーターハAU 20/1 カーネギー
12Lady Marian    GER 牝4 55 デットーリ 93 1211休 サイードUAE   16/1 Nayef
13Paco Boy     IRE 牡4 57 ヒューズ  107 11失1休 ハノンGB    11/2 Desert Style
14Charlie FarnsbarnsIRE 牡5 57 スペンサー 124 休1221休 ミーハンGB   66/1 Cape Cross
15Jay Peg      SAF 牡6 57 マーウィング2010 11休42 ブラウンSAF   16/1 Camden Park
16Presvis      GB 牡5 57 ムーア   94 21休11 クマーニGB   11/1 Sakhee

 なんにしても、去年の七月のハンブルクで Lady Marian の名前を出走表に見た時、彼女は5戦未勝利の身で重賞に出てきたありがちな謎の馬に過ぎなかった。そしてそれを制してGAG3位で臨んだ牝馬ダービーでわずかにシールゲンの期待馬 Rosenreihe に屈することになるが、その後フランスで勝利して返す刀でG1のオペラ賞まで制してみせた。それにしても、バルトロマイの遠征ノウハウも言い加減向上してるよなぁくらいの感慨しか持ってなかったのだけれど、それがゴドルフィンに買われ、何と青い帽子のデットーリを背に、タニノウォッカをナドアルシバで迎え撃つことになるとは、みたいな変転ぶりは、昨年を思えばある意味感慨深いものである。その上で、この馬をもっとしっかりヲチしてればなぁとか、逆にそうだった時に抱いたかも知れないある種の寂寞感が無い辺りは、自分がドイツ競馬きっちり見切れてない辺りの残念さを感じたりもしたのだけれど。
 てな訳で、そういう感慨をタラタラ流すためにふと出走表を書きたくなっただけで、そこまで予想するネタとかがある訳でもなく、また個々の馬の配合とか展開とかをきっちり頭に入れてる訳でも無いので、余り予想として書くことも少ないのだけれど。

 南アフリカ競馬ファンの心情を遠い本朝から思い描くのもそう簡単なことではないのだけれど、彼らが Archipenko を「自分の国の馬」と想定するのもなかなか難しかろうとは思われ、そういう意味では、昨年のSAF旋風のフラッグシップを担った2頭が並び出走するレースとは言え、1番人気を得た「南アフリカ人調教馬」を「地元から出世した内国産馬」が破る図式があれば、痛快なんだろうな、って気はする。ただ、どういう経緯か知らないけれど、Jay Peg は去年のエアライン制した後長期休養で、ちょっと勢いに乗ってた時期だけにあそこで08年が終わりってのは、個人的には寂しく見えた。で、近2走は良い走りとは言え勝ちきれず、まぁ去年も穴だったとは言え、だったらもっと負けててもいい的な中途半端な着順なのはやや苦いところ、ではあるか。
 一方、アメリカから2頭ってのは、流石にこれだけ賞金上げれば合理的なアメリカ陣営的思考として取り敢えず出しておこう的な旧来のJC的な印象もあるし、その上で「いい感じに勢いがあり、馬券的に買いたくなる」的な線を巧くくすぐってる馬を出してきてるなぁ、てな思い。Kip Deville の「Storm Catを通さないStorm Bird×Secretariat」とかってなかなか Nijinsky と併せて妙味ありそうだし、これを本命にするのもありっちゃあり。
 比較的欧州勢が薄いメンツ、みたいな感覚はあるが、Paco Boy はムーランで壁当たったと思ったら返す刀でさくっとフォレで Natagora をやっつけちゃったのが印象に残ってるんだけど、欧州の廉価系短距離血統をいい具合のニックスで父母と母から重ねて、4分の1異系的に Green Desert がメールラインを占める配合自体の合理性は、レベルの高さを保証するには十分であり、ただ距離は377m長いように思われ。逆にオージーから遠征の Tuesday Joy は*カーネギー産駒のオークス馬って字面通り、明らかにここは短いだろうと。
 騎手がへぐらなければ、タニノウォッカが勝つべきレースかな、って気はするが、それなりに色々な思いを交錯させつつ見てみたいレースではあるかな。
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「邪馬台国」が余り一人歩きするのも。 

 聊か旧聞なれど。

3世紀、卑弥呼の宮殿?整然と並ぶ建物跡 奈良・纒向@asahi.com
邪馬台国の有力候補地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡(2世紀末~4世紀初め)で、3世紀前半の三つの建物跡が同じ方位を向き、同一線上に並んで建てられていたことがわかった。市教委が20日発表した。周囲には約40メートルに及ぶ柵(さく)列の遺構もあった。市教委によると、これほど計画的に造られた同時期の建物跡の確認例はなく、専門家は「宮殿など極めて重要な場所の西端だった可能性がある」と指摘している。

 つー感じで、纏向遺跡の「邪馬台国説」がヒートアップ気味なわけですが。
 邪馬台国ってのは自分らが子供の頃は「弥生時代」として定義されていたように思われますが、どうも最近の研究だと「古墳時代先駆期」としての見直し、みたいな方向であり、そういう文脈で「古墳時代先駆期」の代表的な場としての纏向を邪馬台国に比定する、みたいな感じにはなるのでしょうか。ただ、個人的には具体的にこの遺跡が邪馬台国、みたいな比定ってのは今ひとつピンと来ない部分もあったり。

 というのは、邪馬台国という形で対外的に名乗った「クニ」は、ある種非常にバーチャルな印象があるのですね。
 もうちょっと言えば、1800年前における始原的な本朝の国家観みたいなものの構築の中で、ある意味「観念的に作り出された」ように思われるものです。それは、前にもちょっと書いたけれど、北米植民地の揺籃期から独立期辺りに通じるものがある。アメリカ合衆国の独立宣言は「The unanimous Declaration of the thirteen united States of America」とあり、訳せば「アメリカ13ヶ国連合の共同独立宣言」となる。アメリカが共和政体をなしたのは、特に独利宣言に言及された「自明であるところの『生まれ』の平等」を尊重したと言うよりは、この「13植民地という個別政体に対して上位的な存在の観念的国家」の概念が欧州における従来的国家概念と合致しないために、王を置くのがある種の認知的不協和だったゆえではないか、と考えたり。はサテオキ、邪馬台国というものが戦乱の2世紀を経て成立するに当たり、魏志倭人伝に書かれるように従来の男王を改めて「女王を共立」したというのは、こういう「新たな国家観念の成立」を覗わせるもののように自分には見受けられます。
 その上で、邪馬台国ってのは「ユナイテッド・ステイツ・オブ・倭」としての観念が、ある種ミスリードして現代に伝わっているようにも思われ。
 要するに、仮に邪馬台国的な中心が現在の奈良盆地にあったとしても、往時の倭は、北米13植民地国家がそうであったように、勢威の差はあるもののある種フラットな関係にあり、その中でのペンシルベニアやマサチューセッツのようなハブ的な場が奈良盆地の国であったに過ぎず、その意味で特に大書されるべきものではないような。邪馬台国というのは、あくまでそういった諸国群の「連合的な概念」であり、纏向も恐らくはそのメンバー、という観点で見ればいいのではないかな、と。

 その上で、邪馬台国を経て古墳時代に至るヤマトのヘゲモニーというのは、ある種の日本史における大きな謎ではあるかなぁ、みたいなことも考えます。要するに、基本的に本朝の古代においては一貫して文化の輸入元は海を通じた隣接地域であり、その中で圧倒的な影響力を持つのが西辺の中華である以上、隣接地域との接点の中で最大のハブは必然的に九州であるはず。そして実態として、紀元前後くらいはほぼ明らかに倭国王と中華が呼ぶのは「九州の王」でした。そうした中で、3世紀、遅くとも4世紀にはそのハブがその九州を離れ、瀬戸内の水運はあるとは言え相当に大陸からは奥まった近畿地方にまでシフトするように見える現象は、「何故だろう」と考えるとなかなかに興味深い。先に例示した北米的に見れば、欧州の影響を一様に受けつつもアメリカの首都がセントルイス辺りまで引っ込む、みたいな、結構際立った事象であり、九州王朝説が一定の支持を受けるのも「そんな無茶な話が起きるのが信じられない」的な感覚から来るものなんでしょう。

 単純に考えれば、本朝の古代にあって「九州をスルーする伝播」が無視できないほどに大きく、そこで得られる文物を西日本と共有するにあたり、ハブとなる地域として近畿地方がクローズアップされた、という構図なのだろうか。九州をスルーするというのは、例えば環日本海的な朝鮮北部や沿海州から出雲・但馬・越辺りに繋がるルートや、琉球から黒潮を通って太平洋岸に至るルート、或いはシベリア東岸から樺太・千島を経由して東北に至るルートなどが想定できる。一方で、そうした上陸地から今度は西を目指すとなると、特に東国からのルートにおいては紀伊半島と能登半島が結構な壁になってて、迂回路を取らないとすると一回は近畿地方を通らされるように見える。そして特に、現代の大阪や神戸に比べて、やや南よりの住吉から堺辺りに往時の良港があった中で、大和地方が注目されたのかなとも。
 とまれ、そういう「物流的」な文脈でヤマトが成立したとするならば、ある意味纏向という3世紀のハブが大事であるのと同様またはそれ以上に、圧倒的な先進度を誇る九州からの文化に相対しうる存在としての「東国」が何であったか、みたいな部分にもっと光が当てられるべきなのかなぁ、ってことは考える。尾張や越のような、比較的早い段階から書紀などの史料においてもヤマトと連合的な勢力にあった東日本の地域が、「何をもたらす」ことでその地位を得ていたのか、みたいな観点が重要なんでしょうな。
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テーマ: 史跡

ジャンル: 学問・文化・芸術

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フィデルも屈した、本朝バント文化。 

 世界最強の野球ヲタ爺さんが、祝福してくれたらしい。

【WBC】カストロ氏「イチローは世界最高の打者」 原采配も絶賛@産経J-CAST

 しかし、あのカストロ発言の後も原は詰まったイニングで結構バントを指示してるのが味わい深い。てな訳で、2次ラウンド以降の6試合、日本が7回以降一死以内で走者を出した場面をまとめると、状況結果含めこんな感じ。

○クバ戦9表(日5-0):青木、無死一塁、バント成功後村田のタイムリーで走者を返す。
-韓国戦9表(日1-4):福留、無死一塁、一ゴロで走者進塁も無得点。
+クバ戦7表(日3-0):イチロー、無死一塁、ヒッティング成功で1,3塁後、1点奪取。
+クバ戦9表(日4-0):中島、一死三塁、初球デッドボール後、1点奪取。
▲韓国戦7表(日2-1):片岡、無死一塁、バント失敗2S後粘って四球も、後続続かず。
+韓国戦8表(日2-2):稲葉、無死一塁、ヒットエンドランでチャンスを広げ、その後3点奪取。
○韓国戦9表(日5-2):中島、無死二塁、バントで三進したイチローを青木のタイムリーで返す。
○アメ戦8裏(日6-4):城島、無死一塁、バント成功後二死三塁からエラーで追加点、この回3点。
△韓国戦7表(日1-1):イチロー、無死一塁→盗塁で二塁、セーフティで自分も生き、この回1点。
+韓国戦8表(日2-1):稲葉、一死一塁、ヒッティングで二塁打後、1点奪取。
▲韓国戦9表(日3-2):中島、無死二塁、バント失敗2S後強打は攻守に阻まれ、この回無得点。
○韓国戦10表(日3-3):稲葉、無死一塁、バント成功後浅いヒットで生還せず。その後二死でイチローのアレ。

 締めて12回のシチュエーションで、
○=犠打成功、その後得点→4回
●=犠打成功も、無得点→0回
△=バント作戦も結果犠打にならず、その後得点→1回
▲=バント作戦も結果犠打にならず、無得点→2回
+=バントを行わず、その後得点→4回
-=バントを行わず、無得点→1回
という感じ。
 こうして見ると、バント作戦がやたら当たってるのが面白い。つか、バント成功したら悉く走者を返してしまうという恐るべきスモールボールの成功例を目の当りにした感がある。まさに、フィデル涙目(笑)。
#いやまぁカストロが指摘した場面に近い局面も余り多くはなかったんだけど。
 一方で、強打を選んだケースでも結構エンドラン成功したり普通にノーアウトのランナーを返せるケースも多かったように見え、詰まるところバント作戦が良かったってよりは後半における日本打線の地力が相応にあった、というだけかも知れないし、ならばアウトカウントをバントで増やすのはどうだったか、みたいな議論はあるだろう。しかし、強攻しても大量点取れてた局面も無かった訳で、そういう意味ではバントがあながち間違ってたとも言いづらいような気もしなくはない、無いことはないけど微妙な勝負強さ的な打線である、みたいなことは言えたのかも。
 ただ、犠打にならない場面では2回点にならなかった場面があったのは面白い。どちらも、そっから粘って四球とか、ファインプレーには阻まれたものの明らかにヒット性だったとか、結構バントの失敗を打ち消すようなその後だったってのもまた。そういう意味では、今大会の「詰まった回でのバント」ってのは、何か
「野球の神様がバント成功した日本代表を助けてくれてる」
みたいな、ちょっと超常的な現象も感じなくはない。
 ここで、ちょっとだけ思い出すのが、ちょっと前の宮嶋さんのぶこめ。曰く
まあ、どれだけセイバーメトリクスでデータを見せたとしても、無死一塁でバントをしないと精神が落ち着かなくてダメになるのが日本の野球エリートだから。日本式野球の強みは迷信を信じる宗教的信仰心の賜物だよ。

 要するに、カストロ議長以上に、原は日本野球の申し子として、ある意味愚直に日本野球を通すことで野球の神様を呼び寄せたのではないかという、宮嶋さん的な解釈が成り立つようにも思われたり。思えば、日本の打のフラッグシップ的な存在であるイチローもセイバー的観点においては四球を選ばず長打を打たない生産性の低い打者であるし、投のフラッグシップである松坂も四球と球数が多くフライアウトが多い、セイバー的理論においては運に助けられがちな投手という、両方ともセイバー泣かせなプレイヤーではあるんだよな。
 記録を科学することで「強いチームを作る」セイバーメトリクスは、文化は測れない、というお話なんだろうか。
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テーマ: WBC

ジャンル: スポーツ

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スタッツでWBC回顧。 

 やっぱ、マウンドに旗立てるからダメなんだと思うよ(挨拶)。
 まぁ「死亡フラグ」なんて、日本語にしかないから分かんないかもだけど、WBCをちゃんと2回見てたアメリカ人ならば"Curse of Flag"くらいは言ってくれるかも知れん。

 で、何となくMLB公式でWBCのスタッツなどを見つつ。
打撃成績   試 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 打点 塁打 四死 三振 盗塁 出塁 長打 打率  OPS
2009年 日本  9  308 50  92  13  2  4  41  121 35  53  11 .371 .393 .299 .764
2006年 日本  8  270 60  84  9  3  10  57  129 32  39  13 .390 .478 .311 .868
2009年 韓国  9  267 53  65  8  1  11  50  108 50  57  9 .371 .404 .243 .775
2006年 韓国  7  218 26  53  13  1  6  26  86 16  51  2 .305 .394 .243 .699

投手成績   勝 負 防率 試 回数 被安 失点 自責 被本 四球 三振 WHIP K/BB
2009年 日本  7 2 1.71 9 79.0 50  16  15  4  31  75 1.03 2.42
2006年 日本  5 3 2.49 8 68.2 52  21  19  7  11  62 0.92 5.64
2009年 韓国  6 3 3.00 9 78.0 82  30  26  4  22  60 1.33 2.73
2006年 韓国  6 1 2.00 7 63.0 45  14  14  7  18  50 1.00 2.78

・前回の日本は偽スモールボールというか、スモールボールのつもりが監督の本能か何かでパワーボールをやっていた感があったが、今回は流石にメンバー変わって完全にピッチングのチームになった印象は、数字からも証明されるっぽい。
・その上で、比較対象として前回と今回の韓国を挙げてるが、前回の韓国が思いの外打ててないのが印象的。エラく勝負強いチームって印象があったんだが。
・今回の日本は、そういう点では前回の韓国に近いようなチームだったのかも。
・それでも、打率3割近く維持できてるのはエラいよな。まぁ残塁多かったけど!
・一方で、長打率4割行かないとは、全員イチロー状態かよ。
・韓国は打率は向上しなかったものの、選球眼とパワーで上向いて、そういう点で打線の怖さはあったな。
・日本は前回も今回もまぁ良い投手陣ではあったが、WHIPでは前回が上回ったのか。
・K/BBが前回は5点台、今回が2点台前半ってのが面白い。「上原のチーム」から「松坂のチーム」に変わった、みたいな印象で。
・でも、スターター3人の中で一番防御率が悪い松坂がMVPってのは、余りにやっつけ仕事でないかい?
・アメリカ戦の4回2/3で100球投げて余裕で下がるいつもの松坂クオリティは、相変わらずのセイバー泣かせな悪寒。
・岩隈はIPでダントツ。球数制限の中であれだけ効率よく行ければ、MLBのスカウトも結構マークするかも。
・一方で、ダルは三振数ではトップ。全体的に微妙な今大会ではあったが、被打率が良好だったのはまずまず。決勝のスターター外されて腐らなかったのは立派というか、腐らせなかった原の人徳が凄いのか。
・まぁ、陰のMVPは5試合無安打のブルガリアではあり。
・準決勝までは4割行ってたジョージ、まさかの失速で打の稼ぎ頭成らず。11LOBはねぇよなぁ。
・で、結局主力で打率トップは中島だったんかい。そう思うと、最後イチロー敬遠しなかったのはそれなりの必然性というか、まぁ途中風邪引いたけど頼もしかったよな。
・凄い打ってた印象の青木、最後に見てみると意外とそう打ってもなかったかも。しまいには長打率でイチローに抜かれるとは。でも打点はトップで、クラッチだったとは言えるかな。
・そのイチロー、気がついたら安打数で全WBC出場選手でトップ。最後に青木に追いついた。イチさんの物凄い帳尻、マジパネェっす!
・一方で、イチローの記録で際だつのが四球ゼロ。結果、OBPでは阿部、栗原以外で最下位。プロダクティヴとは無縁の働きではありました。打点は最終的に結構取れてたんだけど。
・イチロー悪い悪いと言われてた陰で、もっと悪かったドメさん。シカゴの空気は寒そうだ。
・でもドメさんは7四球で存在感。岩村もそんな良くはなかったけどやっぱり7四球で、この待ち球がメジャー流か。
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テーマ: WBC

ジャンル: スポーツ

野球  /  tb: 0  /  cm: 2  /  △top

てな訳で、コンデジ購入してみた。 

 淀橋百貨店にて、パナのTZ7をば。
 売りはズームと動画、とのことで、確かにズーム使うと色々撮り方のバリエーション利くよなぁという感じだけれど、個人的には今迄ずっとISO固定、絞りもそんなバリエーションないカメラでほぼ夜撮りが不可能だったのが、結構普通に夜景撮れるようになったのが嬉しかったり。

Nite of Takasago

 まぁこれは微妙に露出不足だったのでWindowsの無料ツールで露出いじったりしたので色が粗くなっちゃったけど、ほんのちょっとの修整でなかなか面白い色合いになる辺り、結構遊べるかなぁと。まぁ夜にそんなに出歩くのもアレではあるんだが。
 あと、動画はAVCHDは普通にコーデック入れるだけで見られるんだけれど、編集は結構キツげで、一方でMotion Jpegもサイズがやたらデカくなって再生時間も短い割には、言うほどサクサクとAVIとかに落として編集する、ってのがラクな訳でもない気がして、両方とも一長一短ではあり。まぁでも、ニコとかにうpしない限りは、AVCHDである程度圧縮率高い方が気楽ではあるのかな。
 まぁ40Kからするので、安いおもちゃでは無いかもだけど、またしばらく時間書けて使いつぶせばいいか。
よしなしごと  /  tb: 0  /  cm: 2  /  △top

週末雑記。 

 今日仕事してて何となく気づいたんだけれど、ccTLDの[ko]って、まだ未配分なんですね。
 一方、現在独立運動または検討中の国家でかなりかなり有力な割当先候補としてコソヴォがある訳ですが(まぁksとかkvな可能性もあるが)、もしkoを獲得した暁には、本朝から凄絶なドメイン獲得競争が繰り広げられる悪寒。年間10000ドルとか法外な金額とってもそこそこ商売になりそう。つか、お隣のモンテネグロは去年だったか[me]なんてかなり美味しいccTLDゲットしたんだけど、奴らの儲けはどんなもんだったんでしょ?(挨拶
 てな訳で、週末の生活雑記含め。

◆日曜日は、東京タワー。
Tokyo Tower from Akabanebashi

 ほぼ7年使い倒したFinepix 50iの退役記念、となるかも。
 自分の中では「ともかくピーカンの空だけはやたら綺麗に写すデジカメ」ってイメージではあったので、昨日のような天気で撮ることが出来たのは何より。しかし、天気良かったお蔭でやたら混んでたぞ、東京タワー。ここ自体、押上タワー(違)が出来たら微妙に縁遠くなりそうなので、もうそう何度も行くことがあるんだろうかって雰囲気だけど、さしあたり子連れ客が非常に多く見られたのはやはり「子供の頃に自分が経験したものを、我が子に追体験させたい」みたいな思いの人が多かったからであろうか。
 個人的には下から見上げた風景とかが工場萌え的な興趣を見せるとは思う。
 まぁ、うちの子が一番愉しんでたのは、屋上のきかんしゃトーマスの乗り物でしたけどね!
#こういうのを動画で撮っておくと、後で非常に食いつく。
#てな訳で、デジカメ動画の720p対応が始まった辺りでデジカメ物色中な次第。
Tower from Down Under


◆最近の、余り新しくないニコモノ。
 鉄道動画を掘ってる時に見かけた「チルノのパーフェクトさんすう教室」、漁ってみるとやたら踊ってみた系では人気になってるのな。結構色々見てる裡にヘビロテ気味な件。200人とか集めてるのは普通に凄い。あと、大陸中華にまで輸出されてやはり人海戦術的にやってるのもワロタ。

 それにしても、チルノって東方動画にしては歌詞もちゃんとあるし、ニコマスに輸出されても全然おかしくなさそうだけれど、ほぼガン無視状態になってるのは面白いというか。御三家の中でもアイマス×ボカロでは結構相互乗り入れあるように見える一方で、東方はそういう点では受容というか需要の構図がちょっと異なってる、みたいな部分の象徴であるようにも思われた。
 ところで、鉄道×ニコマスな動画では、最近やっとこ見つけたこれがヘビロテ気味。サビからのシンクロはかなり良好。


◆ニコニ広告。
 面白い試みなんだけれど、いきなり政治工作ネタで使われたのは聊か出鼻をくじかれた印象。履歴に名前とか残るんで、ある程度NGユーザを設定とか出来るようなのが必要なんだけれど、あんまりシステムのカスタマイズを複雑にすると余分なところで煩雑になるのもどうかってのが悩み所かな。
 個人的にはオークション的な感じで、単数または複数のユーザがポイントを持ち寄って、作って欲しい動画の委嘱をMAD職人に優良で頼むような繋がりを仲介するシステムとかあったら面白いと思うんだけれど、それこそ権利侵害するような作品を堂々と表立って頼めないよなぁ、って辺りで壁にぶつかるところがあり。詰まるところ、マッシュアップはステークスホルダーが増えすぎる、って問題ではあるか。
よしなしごと  /  tb: 0  /  cm: 3  /  △top

初音ミク、或いは21世紀生まれの「息のしない巨大な怪獣」 

 何となく、増田で話題になってた辺りから幾つか派生記事などを読みつつミク話などを。
 なお、文中に「初音ミク」とあるのは、ほぼボカロエンジンの疑似声楽シンセサイザーソフト……つか、MEIKO・KAITO・CVシリーズ・がくっぽいど諸々と読み替えて下さって結構。

 初音ミクの曲について思うのは、スケール感の希薄さである。ぶこめで「ダイナミックレンジのなさ」と書いたが、そういう部分でのパンチ力の欠如みたいなのは人間のボーカルと比較した場合に際立つ部分であり、その意味ではフルートに対するリコーダー、ピアノに対するチェンバロ的な面は感じられる。けだし、現状の「機械」のスペック的な限界、ではあろう。
 ただ、音楽を作曲する側やエンジンを開発した側、声を吹き込んだ声優といったバックグラウンドはあくまで人間なので、「機械」である範囲は限定的に過ぎず、「機械」というギミックに拘りすぎることが却って「音楽」として色眼鏡で見ている、という辺りでの本旨との矛盾が、件の増田がフルボッコを喰らった大きな原因であろうか。
 一方で、ストラヴィンスキーがオルガンを評したように、初音ミクを「息のしない仮想の怪獣」と言い切るのは一つの評としてはありなんじゃないかな、とは考える。それは、初音ミクという装置が人間を擬態しつつ、ある種「人間的」な音楽体験から最も離れた部分にあるから、みたいな辺りに求めるべきなのであろう。

 思うに、それは「ライヴ演奏の不可能性」である。

 例えば坂本教授や小室被告は「機械の音楽」で一世を風靡したが、彼らは普通にギグをやり、ファンはライヴで演奏者と「出会う」ことが出来た。Perfume はライヴですら口パクっぽく見えるのだが、一方で彼女達はダンスとMCの能力を備えているからファンはそれを愉しむことができる。翻って、ミクはどうであろうか。プリセットで「調教された」歌を出す以外のスキルを持たないミクは、観客と聴衆が相対する文脈で、一期一会の音楽を奏でることが出来ないという点において、他の声楽・器楽と際立った違いを見せる。
 もうちょっと言えば、CDやラジオなどの媒体を通した音楽は「調教されたミク」と同様にある程度プリセットされたものには違いないが、その「テイク」自体は一期一会であり、全く同じものを再現することは不可能な代物である。一方で、ミクの歌声において、「調教」そのものは個々人のスキルによって生み出された人間的な職人芸であるが、一度セットすればその設定値を再現するのはそう困難なこととは思われず、基本的に「メルト」は何処で聴いても同じ「メルト」なんではないか(まぁ、CDなどで販売する際にセッティングを微妙に変えるとかはありそうだが)。

 その辺りは、自分には「ボカロの軽さ」と見受けられる。
 言わば、音波という揮発的な媒体を扱うコミュニケーションの、揮発的ゆえのある種のテンションが欠落するように思うし、「作曲」としてはともかく「演奏」としては、例えばパヴァロッティがトゥーランドットを歌うときにはある意味「毎回一から調教しなおしてる」ような作業をしてることを考えれば、お手軽の謗りは免れないであろう。
 一方で、初音ミクには偶然に、ニコニコ動画という場が与えられた。前にも書いたとおり、ニコ動という場に飛び交うコメントは、極めて揮発的である(その動画の人気との比例ではあるが)。その「揮発性の高いエクスピリアンス」と混交されたときに、初音ミクは意表をつくように輝いた、ように見える。もうちょっと言えば、音楽というものが擬似同期的に共有されるようなコミュニケーションに放り出された場合に、音楽そのものは必ずしも「揮発的」である必要が無くなった、とは言えるかも知れない。

 そして、「初音ミクとは何か」を説明する以上に難しいのは、恐らくそうした擬似同期ネットワークの外にいる人に対してミクの良さを説明すること、なんじゃないか、という気はする。外人で普通にミクを気に入ってコスを着てみたり、自分のiPodに入れる人もいるんだろうけれど、それは恐らく「ミクの見た目」とか「作曲の良さ」という、我々「こちら側」の人間がトータルパッケージとして愉しんでいるものの中の一部を切り取って愉しんでいるに過ぎないんではなかろうか。
 ともあれ、そうした「コミュニティ的な溝」ってのは、単なる音楽ジャンル以上の深さはあるし、ある意味我々が過去当たり前のように受け止めてきた音楽の「一期一会」的性質を半ば無効化するような仕掛けってのは外部的には脅威にすら感じられるかも知れない。これを埋めるのはネットの変容なのか、世代交代なのか、或いは擬似発声エンジンの進化なのか。いずれにせよ、これが「定着」する頃に我々が経験する「音楽らしきもの」は、現在のミクなんかとも全く似て非なるものなのかなぁと思いつつ、その時代に我々はどういう思いでこのデバイスを振り返るのかな、などとも。
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サラ系余談 

 さて、微妙に中途半端に終わっていたので、サラ系話続き。

 前回はイギリスにおけるサラ系の対応について書いた訳ですが、実際、プライアー氏がまとめたHalf-Bredは確かにサラブレッドとは認定されていなかったものの、彼らの多くは比較的19世紀前半など競馬草創期からさほど遠くない時代まで遡れたりすることも多く、例えばロジユニなどの牝祖は1830年代生まれとかだったりします。要するに、潜在的にサラブレッドになれたかも知れないクラスの牝馬が比較的後発だった、くらいのケースが多いように思われますが、一方で、日本のサラ系の場合はガチで血統書がなかったり、或いは本当に牝祖がサラブレッドではなく、アラブやトロッターだったりするケースも多かった訳で、まぁこの辺りはカイソウやイナボレス辺りの血統を意識した人ならご存じではありましょうか。
 そういった意味では、日本のサラ系ってのは実際、本当に「雑多」な部分があり、言わばサラ系内でのS/N比が良好ではなかったために、実際に*ミラや*バウアーストツクのような、或いは実際サラブレッドだったかも知れない血脈においても「サラ系」としてのマイナスイメージを背負いやすい立場に置かれていた、という恨みはあるかなぁとは思われます。
 一方で、JRAなどでもこうしたサラ系を応分に評価するべく、オーストラリアまで調査を行ったりした辺り、必ずしも一方的に無碍に扱われた訳ではないのかな、とは思われますが、やはり種牡馬になった時に相手を全部サラ系にしてしまう(そしてそこからの修正にメチャクチャ年数が掛かる)辺りのディスアドヴァンテージは、どうしても市場に出した時には不利になったのは致し方ない部分はあるでしょう。
 イギリスでも、前回述べたようにB-1号族は衰亡し、B-3号族に英国サラ系では恐らく最強と思われる Quashed(オークス、アスコット金杯)が現れたものの、そこからまた一時期停滞する時期があり、いずれにせよどの国においても受難であったとは言えるでしょう。そうした中で、Quashed 登場から約30年を経て、このB-3号族から名繁殖が登場します。その名は、Lavant。皮肉にも、ジャージー・アクトの標的と言える Tourbillon を祖父に持つこの牝馬から、16戦8勝してジュライCを制する名スプリンター Lucasland が生まれると、立て続けに半弟の*ソーブレスドもジュライCやナンソープを制して、トップクラスのスプリンターとして君臨しました。その他の子も含めて勝ち馬率も高く、明らかに一流と言える実績を残したこの牝馬は、曾祖母の父に例の Shogun が入るため、このままではあと5代サラブレッド交配しないと「サラ系」を脱出できなかったところ、遂に*ソーブレスドが4歳となる1969年に「サラブレッド」として認められた次第。
 一方で、こうした経緯を経て「サラ系」から「サラブレッド」に地力でのし上がる最後の一押しとなった*ソーブレスドが本朝に輸出されたのは、あまりにも皮肉と言うべきか。まぁ Princely Gift のトップクラスの産駒ならば、日本人が目をつけないはずが無かったと言えばそうですが(苦笑)。しかし種牡馬としては札幌記念(ダ2000で前年のライフタテヤマと同タイムだから結構強かったと思うが)のフォスタームサシくらいしか出せず、サラブレッド認定もちょっと……という感じの結果に。母父で入るオギティファニーは結構いいスプリンターだったなぁ。
 ともあれ、現在はミラ系は8代経って90年代辺りからサラブレッド認定される馬も出始めており、フジヤマビザンなどはそうしたサラ卒業組でそこそこ走った成功例の1頭。またヤグラステラの孫世代で何とかいい馬出れば、というところですが、果たして。
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欧州の柔軟さは一日にして成らず 

 未だに「*ロジンスキーっぽくて冴えないんだよなぁ」と思ってる訳ですが(挨拶。
#でも、ああいう母父と祖母父の馬をさらっと去年夏の段階で褒められる笠センセには、まだ全然敵わないなぁ。

欧州の柔軟さが生み出した名馬ロジユニヴァースと、日本の頑なさが滅ぼしたミラ系@名牝達の後宮

 このBritish-Halfbredファミリーの話題をいち早く取り上げたことに対して、ばにい氏に敬意を表する一方で、結構これだけでは説明し切れていない部分もあるんじゃないかなぁ、あと一概に「欧州の柔軟さ」がそう簡単に実現するような書き方ならば、それは些か後知恵かなぁ、と思いつつエントリをば。因みにぶこめに「補足する必要が」とか書いてた段階では、いや稀少種って言っても*ソーブレスド輸入されてますやん、とツッコミを入れたかったくらいの軽い意図ではあったりしたのですが(笑)。
 基本的には、この*ロジンス……いやロジユニヴァースの属するB-3号族がサラブレッドに編入されたのは1969年のことですが、この「B-3号族」という括りは既に1950年代の段階で家族の食卓ことファミリー・テーブルの第1巻、俗に言う「ボビンスキー・テーブル」の段階でイギリスの名サラ系として名を連ねていました。関係ないけど、有芝はFT3を「白井テーブル」、FT4を「奧野テーブル」と呼んでますが、実用する機会がありません。
 はサテオキ、この浩瀚なインデックスの中にこうした牝系が編入されたのもまた、そこから更に遡る先人の資料収集の賜がありまして、1914年に競馬史家のF.M.プライアーという人が――恐らくはブルース・ロウなどの影響もあったのでしょうし、1913年のジャージー・アクトに対する反動の意味もあったのでしょうが――、ハーフブレッド・スタッドブックなる資料を編纂して、上位のサラ系ファミリーを収集した、というのが後の「B-なんとか号族」の事の始まり。ビバ大英帝國の偏屈爺(婆?)。そこに、更に当時の国際化の流れを踏まえて、1922年にはアメリカ(ジャージー・アクト的にはむしろこっちのが問題とされてた訳ですね)やオーストラリアのサラ系ファミリーを加えた第2版にブラッシュアップした、という次第。
 しかし、当時のサラブレッドを巡る環境はこうしたサラ系生産者のサポートを行う向きには厳しかったのが実態であり、この時代に Clorane, Mayfowl, Prospector, Shogun などを擁して活躍した May Day の牝系(B-1)をジェネラル・スタッドブックに編入する運動がアイルランドの生産者・馬主の団体によってなされた時も、結局アピールは認められず、ほどなくこの牝系は衰退の道を辿ることとなりました。また、恐らくプライアー氏の編纂の中でも、それに漏れたまま埋もれていった牝系が相当数あったことは想像に難くありません。一方で、こうしたサラ系がイギリスで一定の価値とバックアップを受けていた背景には、障害競馬の層の厚さがあった、という事情があります。サラ系の誹りを受けつつも、繁殖の文脈をある程度離れたハント競馬においては、比較的門戸の差別も薄かったでしょうし、またこうした牝系が、フラットという単純明快競争とは違った良さを持っていた可能性も考えられるところではあります。こうした後背地と、前述したような偏屈な史料蒐集者を輩出するような成熟した競馬文化、この両者が、ジャージー・アクトのような熾烈な逆境からも、ある程度まで(あくまで、ある程度まで。)牝系を守る役割を果たしていた、というのは本朝の歴史の短い戦前・戦後の競馬との違いとはなるでしょうか。

 いい加減寝たいので、後半に続けるつもりで。
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ジェネラル・イエサダ(違)の凱旋、見たよ。 

 長文常駐ウェルカム、但しイケメンに限る(挨拶。
#イケメンかどうかは有芝が脳内で適当に判断しております。
##ところで、あのやりとりに両方スターつけてた有村さんの心境が気になる。

 てな訳で、篤姫の流れで天地人見てた人たちが徐々に潮を引き始めて大河視聴率が落ち込んでるっぽいみたいな話題も出ている昨今ではありますが、そんなに篤姫いいなら堺雅人目当てでこの映画を見るってのはよいのではないかと思われるが(さすがに「メリケンサック」は毛色が違いすぎるしな……)、的なツボをつくこの作品、しかし実際に公開日にしては結構客入りまばらで、まぁこの辺りも不況故なのであろうか。

 てな訳で、ジェネラル・ルージュの凱旋。原作未読、バチスタ未見。
 一応ネタバレ回避的に区切る。
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ひなケーキ 

 え、うちは男の子だったんではって?
 親がケーキ喰えればいいんだよ、ケーキ喰えれば!

ひなケーキ

 てな訳で、高砂駅前のコージーにて安ケーキをゲット。これでまた今月末には誕生日ケーキを喰うんだぜ。スイーツ(笑)。そういえば、過日ファミレスなどに久しぶりに行ったのだけれど、明らかに食事終わった時点で腹がパンパンだぜ状態で食前に調子扱いて頼んだサンデーが残ってることに夫婦で愕然としたのだけれど、いざ出てきたら普通に食べられて、別腹の底力を見せつけられた思いでした。

◆ぶくま補遺。
 で、うちの子はベビーカーを卒業した、訳ですが、さすがにまだ2歳なので、実際結構歩くのをしんどがったりする、ってのは良くある話。ひどい時には散歩に連れて行って50m歩いたところで抱っこを要求されて「それでは散歩にならんわ!」と逆ギレすることもある訳で、保育園なんかも急いでいる時はどうしても自転車に頼ったりとかあって、実際の所きっちり運動させるのはこの時期なかなか大変。
 ただ、それにしては頑張るのは、雨の時。
 以前、雨降った時にファミリーサポート宅から家まで大体600mくらいの距離があるんだけれど、何故か一生懸命嫌な顔せずに歩いて、最後には走る元気まであった時には子供の体力ってのもバカにならんもんだなぁと感心してしまったけど、今日も雪が降り始める中で、普通に保育園からずっと泣かずに歩いて帰ったりとかしてて、これは何なんだろうなぁみたいなことを思ったり。
 ある種の覚悟、みたいなのがそういう状況では子供なりに出てくるもの、なのかねぇ。
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