05« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»07

殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

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ハンブルク・ホルン開幕済。 

てな訳で、また出遅れなのだがorz
6月29日ハンブルク・ホルン2日7R 17:05発走 芝2400m
第112回ハンザ賞(G2)
総賞金 100000EUR 3歳上
別定(3歳50.5kg、4上58kg、4上前年7月以降G2勝馬1kg、同G1勝馬2kg増、牝2kg減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
16Adlerflug     GER 牡4 60 ヘリアー  73 112休7 J.ヒルシュバー In the Wings
25It's Gino     GER 牡5 59 マカヴォイ 66 11休11 フォフチェンコ ペルジノ
34Anton Chekhov   GB  牡4 58 デフリース 82 1236休7 ヒクスト    モンジュー
42Dickens      GER 牡5 58 スボリッチ 142 73休24 ブルーメ    KALLISTO
53Egerton      GER 牡7 58 ムンドリー 284 16休72 ラウ      グルームダンサー
61Poseidon AdventureIRE 牡5 58 ヘルフェンバ153 6休833 フィッゲ    Sadler's Wells
79Prince Flori   GER 牡4 58 ミナリク  125 374休1 スミルチェク  ランド
87Prinz       GER 牡4 58 ペドロサ  61 2262休 ヴェーラー   ランド
98Sommersturm    GER 牡4 58 カデドゥ  72 98止3休 J.ヒルシュバー タイガーヒル
 上がり馬 It's Gino は前走で Egerton や Poseidon Adventure 辺りを降して重賞初制覇となったが、その勢いで今度は Adlerflug や Prince Flori といったG1ホースに挑む局面。ただ、Adlerflug は前走からは確実に上積みはあるだろうし、一方で Prince Flori もフランスのリステを挟んできっちり調子を上げてきてる。実際相手の面子としては Gino が勝ってきたフランスのリステとは似たかよったかくらいかな、って所ではあるが、その上で斤量1kg貰ったら流石にバーデン大賞馬かなって気はするし、このレースの距離延長も味方するところではあろう。また、メンバーが強くなれば相手なりに走る Egerton も前走よりは明らかに良化するだろうから、ここはもう一つ続くかどうかと言うと、ちと微妙と見立てておこう。個人的には Prinz がエスターライヒで決戦に臨むケルンの王子様を後押しするような頑張りにもとか言ってみたくなるが、冷静に考えたらヴェーラー厩はブレーメンだっけか(笑)。あとは、去年千切られたとは言えダービー3着と馬場相性よさげな Anton Chekhov を穴としては気にしておきたい。
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アスコットの、メイン・イヴェント。 

 まぁ、そういう訳で。
 Yeats って馬は本当にエラいよなぁ、と改めて思ったりする訳ですが、今年もこうして無事に駒を進めてきた、イギリスのローカルヒーローに対して、今年はなかなかに国際的な顔ぶれが挑戦状を叩きつけた、みたいなレースで、何故かSAF産馬が2頭もいたりする。デ・コックというとSAF快進撃を象徴するような厩舎ではあるが、 Thundering Star は地元の16FのG1を制して勇躍海外遠征して絶賛連敗中、何となくイングランディーレを見るようで聊か涙を誘うが、いくら今年のSAF勢が強いといってもやはりステイヤーの道は厳しいか。Le Miracle はカドラン賞という勲章を得て2度目の挑戦。 去年の敗戦からどの程度上積みがあるか期待したいが、今年は不調。そんな中で、最大の挑戦者はやはり凱旋門3着の Sagara……よりは、やはりファーブル厩舎の不敗馬 Coastal Path とならざるを得ないか。にしても、デビュー戦から2400選んで一貫してステイヤーとして育ててるのはエラいとは思うんだけれど、これだけ快進撃してしまうと、逆にどっかで距離短縮するとか色気出さなかったんだろうか、みたいな部分を不思議に思ってしまうが、果たしてどうなんだか。
6月19日ロイヤル・アスコット3日3R 15:45発走 芝20F
ゴールドC(G1)
総賞金£225000 4歳上 定量(4歳9st、5上9st2lb、牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
18Baddam      GB せ6 128ヒューズ  325 休7579 ウィリアムズ  Mujahid
211Diamond Crest   SAF せ7 128ドワイヤー 317 6休1039 ボールディング Saumarez
310Finalmente    GB  せ6 128キネーン  185 335休1 カラハン    Kahyasi
49Geordieland    FR  牡7 128ケリー   306 522休1 オズボーン   ヨハンクアッツ
57Le Miracle    GER せ7 128ブフ    307 14休64 バルトロマイGE MONSUN
63Thundering Star  SAF 牡5 128シェイ   94 21休87 デ・コックSAF  Fort Wood
74Yeats       IRE 牡7 128ムルタ   1811 113休1 オブライエンIR Sadler's Wells
82Coastal Path   GB 牡4 126パスキエ  66 11休11 ファーブルFR  Halling
96Regal Flush    GB 牡4 126デットーリ 113 14休23 サイードUAE   Sakhee
105Sagara      USA 牡4 126マカヴォイ 91 523休10 サイードUAE   Sadler's Wells
111Allegretto    IRE 牝5 123ムーア   145 231休8 Sir.スタウト  Galileo
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偽メインレース。 

 本当のメインはロイヤル・ハント……でもない(笑)。
 で、今年もロイヤル・ハントを大真面目に予想しようかと思ったけれども、ダルくてあっさり挫折。……はサテオキ、まぁ Duke of Marmalade が今年の勢いを持続して中距離に覇を唱えられるか、みたいなレースではあるのだけれど、一方でライバルも前走でこのクラスの強豪 Creachadoir に惜敗して不敗街道は止まったものの勢いはまだ持続した格好の Phoenix Tower や、前年のケンブリッジシャーを制して重賞路線に転向し、惜しい3着を続ける Pipedreamer に、未勝利ながらG1出せば3着くらいは拾えてしまう Red Rock Canyon なんて辺りが気になる感じで、結構な上がり馬合戦的レースとなっていて、面子的に迫力はないもののフレッシュな印象はある。
 などと書きながら今日のレースの結果などをチェックすると……

 う、うお~、来たか、エスパーニャ!
 今年は確かにペ様がフランスで結構 Falco とかを持ってきてて力強いなぁと思ったけれど、まさかスペイン馬で*テイクオーバーターゲット喰っちゃうとは。正直、女傑2頭が原田さんに負けたショックが吹っ飛んだぞ(笑)。前走確かにマルちゃんの僅差2着だから弱くないのは分かってたけれど、それにしてもねぇ。これなら、メインはバルトロマイ師が頂きだな(ぇ。
6月18日ロイヤル・アスコット2日3R 14:30発走 芝10F
プリンス・オブ・ウェールジズS(G1)
総賞金£375000 4歳上 定量(9st,牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
16Ask        GB  牡5 126ムーア   104 休12休1 Sir.スタウト  Sadler's Wells
213Duke of Marmalade IRE 牡4 126ムルタ   113 23休11 オブライエンIR デインヒル
37Hattan      IRE 牡6 126サンダース 375 休12712 ブリテン    Halling
44Literato     FR  牡4 126デットーリ 139 11休126 サイードUAE   Kendor
511Loup Breton    IRE 牡4 126ルメール  93 32休13 v.ブリタニアFR Anabaa
610Petara Bay    IRE 牡4 126クロウリー 92 15休1336 ミルズ     パントレセレブル
78Phoenix Tower   USA 牡4 126ダーカン  54 11休12 セシル     Chester House
89Pipedreamer    GB 牡4 126フォーチュン84 11休33 ゴスデン    Selkirk
93Pressing     IRE 牡5 126カラン   256 211休2 ジャーヴィス  ソヴィエトスター
102Red Rock Canyon  IRE 牡4 126ヘファナン 120 223休3 オブライエンIR ロックオブジブラルタル
111Regime      IRE 牡4 126スペンサー 133 3休714 ベル      ゴーラン
1212Sixties Icon   GB 牡5 126キネーン  125 710休21 ノセダ     Galileo
135Stotsfold     GB せ5 126カービー  155 31休55 スウィンバーン Barathea
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ロイヤル開幕。 

◆本朝の名牝は復活した、さて欧州は?

という趣の古馬マイル。しかし Haradasun はオージーからクールモアにやってきた訳だが、キングズ・スタンドにも Matsunosuke とかいう名前の馬がいて、ちょっと笑えた。はサテオキ、昨年欧州を席巻した Darjina に Finsceal Beo も今年は2戦してまだ勝利がない状態で、昨年秋以降はなかなか苦労が絶えないという展開。ただ、ここはある種のライバル対決再びであり、本朝の名牝二騎がなかなか直接対決を今後しそうになさげな現状の中、百合姉妹伝説を継続するためにも、ここはお互い元気な姿を見せて欲しいものである(結局それかい。

 まぁ、空気を読まずに Linngari 辺りが勝つのも、それはそれで愉快なんだけどね!(ぇ。いずれにせよ、Sageburg 辺りには負けない方向で一つ。
6月17日ロイヤル・アスコット初日2R 14:30発走 芝8F
クイーン・アンS(G1)
総賞金£250000 4歳上 定量(9st,牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
14Arabian Gleam   GB 牡4 126サンダース 72 516休5 ノセダ     Kyllachy
23Cesare      GB せ7 126スペンサー 209 415休14 ファンショー  Machiavellian
310Haradasun     AUS 牡5 126ムルタ   176 3313休6 オブライエンIR Fusaichi Pegasus
49Honoured Guest  IRE 牡4 126マケイブ  72 13休911 オブライエンIR デインヒル
58Linngari     IRE 牡5 126ムーア   2410 1休1414 Sir.スタウト  Indian Ridge
62Mount Nelson   GB 牡4 126ヘファナン 62 休11休63 オブライエンIR ロックオブジブラルタル
711Sageburg     IRE 牡4 126ペリエ   74 44休31 d.R-デュプレFR Johannesburg
87Spirito del Vento FR せ5 126ルメール  187 6休331 ベギーニュFR  Indian Lodge
91Tariq       GB 牡4 126フォーチュン94 115休3 チャプルハイア Kyllachy
105Darjina      FR 牝4 123スミヨン  105 73休22 d.R-デュプレFR Zamindar
116Finsceal Beo   IRE 牝4 123マニング  135 65休52 ボルガーIRE   Mr.Greeley

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因みにディアナ本番は8月です。 

 愛m@s24をすっかり堪能しまくってましたが、流石に徹夜はしてません(挨拶。
 てな訳で、ダービーとディアナに向けて、というレースなのですが、予想ちゃんとしてないので、さしあたり Baila Me と Liang Kay をそれぞれ推しておく、ということで。
6月15日ケルン5R 16:05発走 芝2200m
ディアナ・トライアル(G2)
総賞金65000EUR 3歳牝 定量(57kg)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
16Auentime     GER 牝3 57 ヘリアー  41 521休4 オストマン   Dashing Blade
21Baila Me     GER 牝3 57 ブフ    11 ----1 バルトロマイ  SAMUM
34Goathemala    GER 牝3 57 キネーン  11 ----1 シールゲン   Black Sam Bellamy
42Lady Siro     GER 牝3 57 ペドロサ  31 -41休4 ヒクスト    AUENADLER
53La Peinture    GER 牝3 57 デフリース 31 -4休16 ヒクスト    パントレセレブル
68Larella      GER 牝3 57 スアーラント41 129休7 ラウ      Anabaa
77Servenya     GER 牝3 57 ペリエ   51 22休21 J.ヒルシュバー Dashing Blade
85Splash Mountain  IRE 牝3 57 モンギル  20 ---46 A.トリブール  パントレセレブル

6月15日ケルン7R 17:15発走 芝2200m
第173回ウニオン・レネン(G2)
総賞金100000EUR 3歳 定量(58kg、牝2kg減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
12Agapanthus    GER 牡3 58 ペリエ   21 --1休4 J.ヒルシュバー タイガーヒル
23Akiem       IRE 牡3 58 モンギル  31 --331 レーヴェ    Kutub
37Albahri      FR せ3 58 ブフ    21 ---12 デルザングルFR Bahri
48All The Winds   GER 牡3 58 ペドロサ  21 ---12 ヴェーラー   SAMUM
56Daressalam    GER 牡3 58 デフリース 22 ---11 ヒクスト    シングスピール
65Duellant     GER 牡3 58 キネーン  32 -7休11 シールゲン   Dashing Blade
74Liang Kay     GER 牡3 58 ヘリアー  42 12休13 オストマン   Dai Jin
89Little Fighter  GER 牡3 58 カルバーリョ30 -4休32 ブルーメ    モンジュー
91Santero      GER 牡3 58 レルミト  31 -16休5 ザウアー    Black Sam Bellamy
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中央競馬史に残る感動のレース:99年有馬記念、*グラスワンダー 

 ひとまず、シリーズ完了、かな。随分gdgdしてしまいましたが。
 てな訳で、過去記事へのリンクもどぞー。

メジロドーベル@98エリ女
セイウンスカイ@98菊花賞
ダンツシアトル@95宝塚
ノースフライト@94安田
メジロマックイーン@92春天

NetKeiba:レース結果



 *グラスワンダーは、まごうことなき天才としてターフに出現した。
 彼が朝日杯で大レコードを打ち立てたとき、恐らくこの馬は現在の日本の競走馬のスタンダードにミスマッチした存在なのではとすら、一部から思われていたのである。しかし、その思い込みはふたつの面から突き崩される。一つは、明け4歳春での彼の故障。そしてもう一つは、日本競馬史上でも屈指とも言える優れたライバルたちの台頭である。そうした中で、彼のアイデンティティはたびたび危機に陥る。明け4歳の秋、歴史的とも言えるサイレンススズカ、*エルコンドルパサーの両騎との対決に置いて後塵を拝し、続くハンデ戦のアルゼンチン共和国杯でも惨敗したとき。明け5歳の春、京王杯スプリングCで子供扱いしたエアジハードに、本番の安田記念できっちり返り討ちを喰らったとき。決して安定しているとは言い難い彼のコンディションに、ファンは不安を募らせることが多かった。だがその度に、*グラスワンダーはまるで徳俵でうっちゃるかのように、シーズン終わりのグランプリで鮮やかな復活を果たして、その存在感を見せつけていた。有芝は98年グランプリの中山で、グラスの復活に抱き合って歓喜の涙を流していたカップルの姿が忘れられない。この馬は、ともすると全てを失いかねないところまで自身と自身のファンを追い詰めてしまう馬であり、しかしながらそんな場面で決して屈することなく己の天才を証明する馬であった。
 しかし、彼の周りのライバルは、あの朝日杯で*グラスワンダーのみが突き破ったかと思われた日本競馬のスタンダードを、非情なまでに引き上げていた。中でも*エルコンドルパサーとスペシャルウィークは、海外の覇道と国内の王道の上で、グレード制史上それまでの馬が経験し得なかったような事績を積み上げていたのである。そして凱旋門2着を土産にエルコンドルが府中の引退式でターフに別れを告げる一方で、同日にスペシャルウィークは凱旋門賞馬を尻目に秋天からJCの連勝を果たし、前馬未踏の秋の王道3連勝に向けて歩を進めた。たかがこの3年も前には、凱旋門賞2着馬が日本から出ることはおろか、秋天→JC→有馬の連勝を果たせるかも知れない馬が出ることすら、想像の埒外であった。翻るに、この時のグラスが何を達成していただろう。彼は、まごうことなき天才と認められていても、チャンピオンとして証明したものは何もなかった。もし、有馬でスペシャルが勝利しグラスが敗れていれば。この馬は或いは、「ただのGI3勝馬」で終わってしまってたかも知れない。前年の有馬やこの年の宝塚以上の正念場が、またしても彼に訪れたのである。

 このレースにおける、*グラスワンダーとスペシャルウィークのハナ差の攻防に、合理的な回顧を行うことは難しい。あれから8年以上が経過してなお、それは説明するに難しいものであるように思われる。あのレースが両馬の実力を正当に出し合った結果なのかすらも、正直論じることに聊かの愚かしさを感じる部分はある。同日の900万を1秒以上下回るタイムとか、そういう理屈に関係なく、その上で、僅差で食い下がったテイエムオペラオーやツルマルツヨシに勝利の必然性が全くなかったことだけは明らかに思われる。あの日の中山2500に1年後のテイエムオペラオーを連れてくれば、或いは両馬の攻防を半馬身くらい前できっちり睥睨していたのかも知れないが、そのオペラオーとこの日のオペラオーが同じ馬と思うべきでもないだろう。凱旋門の Montjeu と JC の*モンジューが残念ながら違う馬であったように。
 強いて言えば、未だに自分はこの日の中山に神を見ているかも知れない、と思う。
 おおかた馬体を合わせきって、或いは騎手の一からすれば差していてもおかしくないスペシャルが遂にグラスの前に鼻面を伸ばしきれなかったのは、何かがこの馬にそういう役割を与えたがらなかったからだと思うし、グラスが遂に自信の絶対能力ではなく、馬体を併せて「引き出される」力で最後スペシャルを抑えきったのは、何かがこの馬、この時代のスタンダードたるべき名馬に対して、相応のチャンピオンシーを与えたがったのではないか。
 しかし、ある種の等価交換として、この時降臨した神は、*グラスワンダーからこの先進む道を奪ってしまったように思われる。翌年の日経賞に現れたこの馬は、もはや競走馬の体型を失ってしまっていた。この後の彼の競走成績を彼のものとすべきではないだろう。一方で、スペシャルウィークが数センチの差で埋め得られなかったピースを埋めるために、テイエムオペラオーはターフに君臨し、グラスを屠り、*メイショウドトウとナリタトップロードを引き連れて年間全勝の覇業を成し遂げたのである。
 かくして、本朝の競馬は21世紀のポストモダンに流れ込んだのだ。
 前世紀における困難、或いは*グラスワンダーとスペシャルウィークが競走馬としての全てを削ぎ込んでこの日の中山に争ったものは、後世の競走馬の多くにとって、ある程度以上にたやすく得られるものとなってしまった感がある。勿論、そんな現代の競馬においても感動は必ずや見いだされるものであり、それが競馬の底力であると、有芝は確信する。しかし、このレースが切り開いたポストモダンが再び切り開かれるまで、このレースの神のごとき感動が再現されるまで、我々はどれだけの時を待つことになるのだろうか?
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一本取られた、安田記念回顧。 

 何となくニュース見てたら、通行人に自分がいた件(挨拶。

 何にせよレースを見ててまず驚いたのは、*コンゴウリキシオーが行ききった直後で、いきなりタニノウォッカが引っかかりだしたところであった。近2走こそ短距離であったものの、昨年のダービー以降京都記念まで一貫して中距離で走り、なおかつ短距離の2走はいずれもスローであったのだから、遅いペースで折り合い欠くならまだしも、逆かよ、みたいな。まぁ実際ハイペースの方が掛かりやすい馬は時折見かけるものであるが、それにしても昨年のJC以降この馬が見せてきた直線での覇気の足りなさと比較すると、この剥き出しの闘争心自体が驚くべきであった。その意味では、タニノ復活の第一の功労者は、まずこのペースを作った*コンゴウリキシオーとなるのだろう。一方、この距離で前に行く選択肢は、ダービーで四位が植え付けたイメージをある種リセットする中で実現したものであり、ある程度先行するレースを繰り返していないで突然出来たかは微妙である。その点では、先行して何とか騙し透かす競馬に腐心したユタカの今年の騎乗が、この結果を導いた第二の功労者となるだろう。その上で、この日の同馬の仕上がりは、間違いなく今シーズン最高のものであった。それは、馬体の回復を主眼に置いた調教の変化に支えられて、精神面の充実に繋がったもののように思われる。この調教が第三の功労者と言えるか。
 無論、それは乗り替わってこのレースを勝たせた岩田の功績を過小評価するものではない。そもそも、あれだけの馬にあのペースで引っ掛かられてなお冷静にエネルギーを消耗させずに乗れるのは。一流の騎手だからこそ可能な芸当である。そして、抜けた後のオーバーアクション気味な見せムチもまた、ここまでのレースで空を使うように最後後一押しが足りずに、ジャパンCやドバイ免税店のごとき世界的大レースを逸してきた馬に対するある種の愛情を持った鍛錬のように見えて、好感が持てた。四位やユタカも含めて、相応に考えて乗っていた部分はあり、今こそ主戦を失っているものの、騎手には恵まれているのだろうと思う。

 一方で、この鮮やかすぎる勝利は、この馬の適性をやや短い方向に証明したということにはなるかも知れない。ダービーを制してJCで見せ場を作ったものの、この馬は本来長い距離の馬ではないのだろうと確信した向きは多かったのではないか。或いは「マックイーンがマイルを走らば」みたいな異論はあるかも知れないが、流石にマックもこの牝馬のダービーみたいな上がりは見せたことない訳で、やっぱりその時代の名馬で比較するならば、ベタだけれどオグリキャップとなるのだろう。意外にもマイルと長距離の両方で輝いたオグリは秋天と宝塚に縁がなかったが、この馬の今後において秋天なんかはそう言う意味で試金石かも知れない。まして、挑戦する相手がこの距離での能力・戦術力に卓越したダイワスカーレットのような馬であるならば。

 香港勢は、*アルマダだけが走れる状態にあった感で、流石にこのクラスお馬が普通に走れば、この日のタニノウォッカみたいなのに出くわさない限り普通に勝ち負けになるのだろう。しかし、*グッドババの負けっぷりなど見てると本当に来日2回目の鬼門みたいなのはある訳で、果たしてどうしたもんかではあるが。*ブリッシュラックはドバイ3着馬をこの人気にするのは流石に美味しすぎると思って思わず突っ込んだが、今年は免税店とか島倉が比較的お釣りを残してシーズンに勢いを付けられるような展開だったのに対し、ワールドカップはやはり異次元の Curlin に能力引き出されて厳しいレースだったのかなと。*エイシンドーバーは最後の一押しに福永らしからぬ気迫が入っており、きっちり着を拾った。ただ、ここから逃げ馬辺りまでの混戦を見ると、スーパーホーネットが本来の調子であれば*アルマダの位置くらいは来られるくらいの力関係だったんじゃないのとか思ったりで。まぁこの辺りのメンバーはよく乗れても香港馬のいる安田ではちと足りない面はあるような。スパホに関しては滞在が裏目に出たのと、字面的に人気背負った分騎手が硬くなったデメリットもあったのでは、くらいであり、聊か不可解というか不本意な敗戦だったなぁと。
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本日の独仏。 

 昨夜寝る前にダービーで New Appproach が勝ったと聞き、いやぁ本朝の東京優駿に続いて、こちらもスジ悪気味のマイルからのローテで勝っちゃうのかぁと思いつつ、じゃぁベルモントで Big Brown 止める馬は前走マイルだろと思いつつも北米のマイルなんて滅多にねぇよとセルフツッコしてたところ、果たして勝利したのは唯一前走が1マイル1/16だった Da' Tara とは、今年のマイルハーフはもうすっかりこんな感じのレースばっかりだなぁ。独仏のダービーはまだ残ってるけれど、果たして。

◆そのダービー戦線。
6月8日ミュンヘン6R 16:35発走 芝2000m
バヴァリアン・クラシック(G3)
総賞金50000EUR 3歳 定量(58kg、牝2kg減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
15Diacaro      GB 牡3 58 ビエトリーニ41 4149休 ブルーメ    Alhaarth
23Idolino      GER 牡3 58 ヨハンション21 --1休8 J.ヒルシュバー Tertullian
31Il Divo      GER 牡3 58 ペドロサ  21 ---12 ヴェーラー   Dashing Blade
47Kamsin      GER 牡3 58 シュタルケ 32 -2休11 シールゲン   SAMUM
52Lancetto     FR 牡3 58 ヘルフェンバ30 -5休32 ホファー    Dubai Destination
66Lone Star     GER 牡3 58 ファンデケレ40 235休4 M.トリブール  KALATOS
74Walzertraum    USA 牡3 58 ヘリアー  21 ---61 J.ヒルシュバー Rahy
 ここは春季賞の勝ち馬 Kamsin を注目すべきレースか。確かにそのレースの2着馬 Lancetto や活躍馬 Walzerkonigin の仔 Walzertraum などもいるし、Lone Star などは未勝利ながら前走は仏ギニー馬の4着だったりして面白いが、ダービー適性的にはこの父と同じ服色の Samum 産駒がどこまでやれるかを見ておきたい所だろう。配合を見ると、ある種衝撃的なのは Sadler's Wells の4×4というクロス。80年代生まれの馬がもう4代目でクロスってのは何か時代の流れを感じるし、その上でまだサドラーズの後継種牡馬はやっとこ*モンジューと Galileo が定着しはじめてるくらい、みたいな現況とのブレも趣があるというか。ただ、それに留まらず Surumu クロスの合わせ技や Derring-Do, Hyperion のサポートなども入っており、父も制したこの舞台で名乗りを上げて欲しいなと。

◆ロワイユ・デュプレ祭かよ。
6月8日シャンティ5R 16:15発走 芝2100m
ディアヌ・エルメス賞(G1)
総賞金800000EUR 3歳牝 定量(57kg)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
19Proviso      GB 牝3 57 パスキエ  52 12休33 ファーブル   Dansili
213Sanjida      IRE 牝3 57 フェード  61 3休332 d.R-デュプレ  Polish Precedent
38Zarkava      IRE 牝3 57 スミヨン  44 11休11 d.R-デュプレ  Zamindar
43Prima Luce    IRE 牝3 57 マニング  52 519休1 ボルガーIRE   Galileo
511Top Toss     IRE 牝3 57 テュリエ  53 11休12 d.ニコレ    Linamix
67Wait and See   FR 牝3 57 ブフ    61 24527 コレ      モンジュー
71Belle et Celebre FR 牝3 57 メンディサバ41 42休21 d.R-デュプレ  パントレセレブル
82Satan's Circus  USA 牝3 57 ルメール  74 21休11 ルージェ    Gone West
910Kitty Matcham   IRE 牝3 57 ヘファナン 72 11休910 オブライエンIR ロックオブジブラルタル
104Leo's Starlet   IRE 牝3 57 デットーリ 33 -1休11 d.R-デュプレ  Galileo
1112Belle Allure   IRE 牝3 57 ボニーヤ  52 149休1 プリチャードゴ Numerous
125Gagnoa      IRE 牝3 57 ムルタ   63 101休12 ファーブル   Sadler's Wells
136Goldikova     IRE 牝3 57 ペリエ   42 11休22 ヘッド兄    Anabaa
 相方のジョッキークラブは牝馬の Natagora も含めて仏産馬のルネッサンス的な構成であったが、向こうに馬が持ってかれすぎたのか一転こちらは生産地だけ見ると完全にアイルランドの出先状態。まぁレース的には抜けた存在の Zarkava を巡って、みたいなモードだけれど、そこに相手になるサンタラリ馬や不敗馬までロワイユ・デュプレ厩舎ってのはある種異彩を放つレース。つか、デットーリは何か妙にフランスでお助けマン的様相を呈しているなぁ。このどっちかとか勝っちゃったら相当にKY的な結末でそれはそれで面白いかも知れないが、Leo's Starlet はX経路にモロ Miswaki が鎮座する牝馬向けな配合であり、まぁ面白そうな馬ではある。Green Tune 経由でもう一本ミスプロが入るのは明らかに余計だと思うんだけどね(苦笑)。ただ、バクチ的にはそういうKYよりは Goldikova の逆襲とかフレンチクールモア(何か「フレンチクルーラー」と似てるw)の Gagnoa の良血、或いはお約束のルージェ上がり馬 Satan の勢いとかに逆転の目を見る方が良いかも知れず、ただどれもちょっとずつ足りないっぽくて2冠に向けての視界は相応かなと。
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本場の、ダービーである。 

 ダービーというと、チャーチルによるダービーを勝つことは一国の宰相云々、が広く知られるが、実はこれには元ネタがあって、それはヴィクトリア時代の貴族にして大馬主である5代ローズベリー卿の若き日の発言。曰く「人生で3つ成し遂げたいことがある。ダービー馬のオーナーになること、莫大な遺産を持つ貴婦人を妻とすること、そしてこの国の宰相になることだ」と。果たして、そう豪語した卿は実際にロスチャイルドの一人娘と結婚し、3頭のダービー馬(Ladas, Sir Visto, Cicero)に恵まれ、大英帝国の首相(1894-95)となり、自らの野望を全て達成した。まさに、マッチョの鑑である。因みにこのマッチョマンはサッカーにも造詣が深く、スコットランドのFA会長を勤めていたそうだが、ウィキペによるとイングランドとの試合で代表のユニを自分の勝負服の色に変えて試合をさせたことがあるとかいう面白すぎるエピソードもあったりします。はサテオキ、んなわけで、チャーチルは恐らくこの3つのうちで最も難しいのは「ダービー馬のオーナー」であると言いたかったのかと。
 ローズベリー卿の宿願は「富と、権力と、趣味と」に因数分解が出来るだろう。
 その上で、チャーチルの発言を読み直すと、味わい深い。人間にとって最も奥が深いのは、富を掴み取ることでも、権力を追い求めることでもなく、趣味の世界で道を究めること、ではないだろうか。その上で、富と権力に対して並列に「趣味」を並べる辺りが英国人のある種の紳士道であり、本朝の上流階級において聊か欠けがちな部分であるなぁ、と慨嘆する。やっぱメシが不味い方が趣味に色々と欲求を振り向けたくなるものなんだろうか?
 てな訳で、ダービー・ステークス。

6月7日エプソム・ダウンズ5R 16:00発走 芝12F10yd
マルフク・ダービーS(G1)
総賞金£1250000 3歳牡牝 定量(9st、牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
112Alan Devonshire  GB 牡3 126ムルレナン 71 223休4 トンプキンズ  Mtoto
21Alessandro Volta GB 牡3 126ヘファナン 52 31休41 オブライエンIR モンジュー
39Bashkirov     GB 牡3 126マケイブ  40 34休53 オブライエンIR Galileo
42Bouguereau    GB 牡3 126ムンロ   61 3休127 チャプルハイア Alhaarth
510Casual Conquest  IRE 牡3 126スマレン  22 --1休1 ウェルドIRE   Hernando
66Curtain Call   FR 牡3 126スペンサー 62 215休1 クマーニ    Sadler's Wells
713Doctor Fremantle GB 牡3 126マカヴォイ 52 21休21 Sir.スタウト  Sadler's Wells
815Frozen Fire    GER 牡3 126キネーン  31 -18休2 オブライエンIR モンジュー
98Kandahar Run   GB 牡3 126ダーカン  53 11休21 セシル     ロックオブジブラルタル
1011King Of Rome   IRE 牡3 126ムルタ   51 111休52 オブライエンIR モンジュー
117Maidstone Mixture FR 牡3 126オコネル  101 103241 マーフィ    Linamix
123New Approach   IRE 牡3 126マニング  75 11休22 ボルガーIRE   Galileo
1317Rio de la Plata  USA 牡3 126デットーリ 73 214休2 サイードUAE   Rahy
144River Proud    USA 牡3 126T.R.クイン 72 17休43 コール     Proud Citizen
155Tajaaweed     USA 牡3 126R.ヒルズ  32 -110休1 Sir.スタウト  Dynaformer
1614Tartan Bearer   IRE 牡3 126ムーア   32 -2休11 Sir.スタウト  Spectrum
1716Washington Irving IRE 牡3 126C.オドノヒュ30 -4休22 オブライエンIR モンジュー

 このレースに関していえば、基本はヨーク・ダンテの勝ち馬を信頼したいことが多い。で、今年は3戦目で勝利した Tartan Bearer。母は Highland Gift だから、このレース2着のギニー馬*ゴーランの全弟でありんす。JC出たときも結構褒めてた、綺麗なバランスの好配合であり、兄を見ると父 Spectrum の軽さも時折垣間見られたものの、キングジョージも制しているのでまずは本格派と言ってもいい血統であろう。これに僅差で2着した Frozen Fire はドイツ産なだけに気になる存在。ディアナ馬 Flamingo Road の近親なんですね。母父 Woodman って辺りでまぁこの距離でプラスとは思われないし、配合的には別にドイツ色は無いので積極的に推したいとは思わんのだけれど、まぁローテ的に穴で一考だし、今回のクールモア勢の中ではまぁ一番肩入れ出来るのかなと。
 で、人気どころは Tartan に加えてアイルランドの不敗馬 Casual Conquest と、サドラーズの良配合馬 Curtain Call 辺り。前者は Hernando 産駒で、後者はその Hernando の母 Whakyliric が入る、なんてのは面白いライバル関係であり。個人的には今の Sadler's Wells 産駒をそこまで推すのもどうなんかな、みたいなことは先週のジョッキークラブなんか見てて思ったりしたんで、こっちは見送り気味かなみたいなことも思う。Casual の方は配合全体の整合性はともかく、曾祖母に Ribotが分厚くて、それに対して Niniski を父から入れるならば結構その粘っこさは生きると思うし、ダービーは何となく Nijinsky の係累に強くあって欲しいみたいな気持ちはあるので、1番人気ではあるがこれを本命にすべきかなとも考えている。New Approach はいい馬だし、腰据わってダービー目指してれば推してもよかった馬だけれど、このローテは如何にもどうよ。Rio de la Plata の南米血統は面白いんだけれど、Rahy でダービー勝たせるほどではないか。ムルタの King Of Rome はダービーでは余り手を出したくないような母系で。ならばむしろ、スタウト厩舎の Tajaaweed 辺りの土臭さに一票を投じるべきかな。

あとは、前座はオークスでなく敢えてこちらを。
凱旋門で頑張った Getaway、好メンバーを抑えてどうやら一番人気らしい。このクラスなら活躍してもドイツに戻ってきてくれたりするだろうか。まぁ、がんがれ。

6月6日エプソム・ダウンズ4R 15:25発走 芝12F10yd
ジャドモント・コロネーションC(G1)
総賞金200000£ 4歳上 定量(9st、牝3lb減)
馬枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
15Big Robert    GB 牡4 126ドワイヤー 142 96休86 ミュアー    Medicean
211Getaway      GER 牡5 126パスキエ  106 124休1 ファーブルFR  MONSUN
310Macarthur     GB 牡4 126ヘファナン 72 36休71 オブライエンIR モンジュー
49Multidimensional IRE 牡5 126ダーカン  84 15休44 セシル     デインヒル
58Papal Bull    GB  牡5 126ムーア   156 1137休 Sir.スタウト  モンジュー
61Red Rocks     IRE 牡4 126デットーリ 175 439休1 ミーハン    Galileo
77Soldier of FortuneIRE 牡4 126ムルタ   95 5115休 オブライエンIR Galileo
86Song of Hiawatha GB  牡4 126C.オドノヒュ61 27612休 オブライエンIR Sadler's Wells
93Youmzain     IRE 牡5 126ヒューズ  175 242休5 チャノン    Sinndar
102Anna Pavlova   GB  牝4 123ハナガン  189 3116休 ファイー    Danehill Dancer
114Turbo Linn    GB 牝5 123スウィンバン108 1110休2 ネルソン    Turbo Speed
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世界七帝国のカラクリを実際に検証してみた 

 まぁ、ただの座学ですが。

「世界七帝国の一つ」欧米列強、徳川政権下の日本を認識@asahi.com

 この話が出てるのは18世紀後半というかまぁ大黒屋さんなのでエカチェリーナ期な訳ですが、その時期というと勿論、神聖ローマ帝国がまだ名跡を残していた時代ではある、ってのはまず頭に入れないといけないかと思われます。で、神聖ローマ帝国にしても或いはロシア帝国にしても、欧州において当時「帝国」を名乗っていた国は、それをアウグストゥスを祖とするローマの帝冠の後継者として名乗っていた、みたいな事情はありました。ただ、アウグストゥスというとやや語弊があるかもで、もちょっと言えば「キリスト教帝国としてのローマ」の後継者を名乗っていた、と言っても良いでしょう。その上で、「キリスト教帝国としてのローマ」というのは、「神の国を実現するための、地上の国」であり、そのために諸族の王侯を睥睨する存在、という理念を帯びます。まぁ宗教改革の洗練を経た18世紀にもなると、んなもん完全に建前論ではあるんですけれど、少なくとも、彼らが未だ「ローマの後継」を僭称していたというのは事実であった、と。

 で、思うんですが、そういうパラダイムのもとに「帝国」という言葉を意識していたのが18世紀後半の現況であったとするならば、往時の欧州人における「帝国」像は当然、現代的なそれとは違う形を帯びるものではあるでしょう。要するに、国家が「何がしかの天の理をベースに、異なる部族を結んでいること」を王権ロジックとして打ち立てていることみたいなのが「帝国」の第一義であり(異なる部族といえば、ロシア皇帝の号は「全ルーシのツァー」である)、例えば後の「ナポレオン帝国」や「大英帝国」のような実力本位で多文化の上位に君臨する帝国像みたいなものとは必ずしも被らなかったのではないかと。余談ながら、そういう意味ではナポレオンの意義ってのは、市民革命による近代化された価値観をベースとした「実力本位」の生々しくかつ合理的な世界のあり方を欧州全体に敷衍したこと、にあるのかも知れないなぁと思ったり。

 では、そんな往時の欧州人が異教、ローマ風に表現すれば蛮族(笑)の国家に対して「帝国」と認めるロジックがどうであったか、みたいな辺りに本件のカギはあるのかなぁと思われます。その上で、王権のロジックが大事であって国家の規模は二の次であった、それと、ある程度異なる文化を持つ諸邦に宗主権を持っていた、みたいな辺りが問われるのでしょう。そうした場合、チンギス・ハンを神聖化したモンゴルの後継を称するムガールや清朝、ムハンマドの後継者たるカリフの地位を継承したオスマン朝などは、まぁ普遍的な王権ロジックによる「帝国」として、規模以外の部分でも相応しかろうかと思われます。あと、七つ目の帝国となるペルシャ(ガージャール朝)は、18世紀前半の梟雄ナディール・シャーが大暴れして切り取った領土をある程度回収しつつ、余り聖俗の結びつきは強くないものの、シーア派でまとめている感じ。
 一方で日本はというと、戦国において織田信長以降、天下人が自身を神格化するような動きが発生しています。この流れにおいて、恐らく外見的には、ディオクレティアヌス辺りの古代的皇帝崇拝と似たような性質を帯びる王権のロジックが存在するように外国からは見えたのかも知れません。ただ、実態としてはその神格化は神道をもとに行われており、その司祭の長としてミカド(現代は天皇という)が存在していたのだから、ある意味中世カトリック的な性質も織り交ざっていたようには受け止められていたのでしょうが。いずれにせよ、そうした王権ロジックの上で、彼ら天下人たちは領邦国家的な日本の大名をある程度纏め上げた存在であったことから、江戸初期くらいに鎖国で退いた側の記憶としては、「帝国的」なものを本朝に見出したのかなとも。

 ただ、この記事において留意しておくべきなのは、要するにこういう情報ってのはロシアという「帝国」のロジックを守る側の国のものであり、この国において「帝国」の立場を重視することがメリットであるからこういう扱いになるのであって、上述したように宗教革命でプロテスタントはある程度宗教分離に移行をはじめ、啓蒙主義が従来の王権論を克服しつつある欧州にあって、余りTo-Dateなパラダイムではない、ということ。実態として、19世紀初頭にはナポレオンによってこのパラダイムは止めを刺されてるわけでして。だから、ぶこめとかで「ジョン万次郎はどうだったんだ」とか書かれてるけど、そりゃ時代も降ってしかもプロテスタントの連邦国家たるアメリカでんなこと言っても、みたいなのはあったでしょうねと。
 一方で、「帝国」として遇されていること、そしてそれには上述のように天皇の権威も絡んでいること(記事中の北槎聞略にも「皇朝」という言葉があることに留意)は、ある程度まで、江戸期に興隆した日本の尊王思想的な国家観を側面から支えるものになったのかも知れない、みたいな部分は考慮に値するかなと思われます。実際、この「七帝国」論は、水戸学の会沢正志斎辺りにも言及されてるらしいので。

◆因みに。
 本朝が大国と欧米から認識されていたか否かについては、元記事の議論とはあまり関係ない気はします。ただ、基本的には、コンキスタドーレスみたいなのが少々ちょっかいかけたくらいではビクともしない国家である、みたいなのは戦国期には既に気づかれてた訳で、その上で例えば唐入りみたいなハッタリをかましてたこともあって、結構厄介な国との認識はあったように思われます。ともかく、狭い国土の割にやたら文明化された人口が多いイメージはあったんではと。

◆標題は。
 ホッテントリメーカーより。
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中央競馬史に残る感動のレース:98年エリザベス女王杯、メジロドーベル 

 てな訳で、宿題にしてしまってた残り2レースの内、98年エリ女をまずは。
#いや、字数が絞れないなぁと思ってる内に寝かしてしまったので、結局削らず冗長に。

NetKeiba:レース結果



 このレースを、圧倒的な1番人気で迎えたのは、前年の天皇賞馬にして年度代表馬のエアグルーヴである。
 前年秋の彼女のパフォーマンスは、明らかに古馬のチャンピオンたるものであった。その後スイープトウショウが宝塚記念を制し、ヘヴンリーロマンスが松永幹夫に秋天をプレゼントしたが、秋天・JC・有馬の3つのG1で誇り高いレースぶりを示したグルーヴのパフォーマンスは明らかに一線を画する。エアグルーヴが3着に惜敗した97年の有馬記念が、メジロドーベルとエアグルーヴが直接対決した、最初の舞台となる。そして、このレースを境に、メジロドーベルという牝馬にとっての最大の目標は、牡馬ではなくて、この1世代年上の先輩オークス馬になったのかも知れない。大阪杯でのこの両頭のワンツーを見ながら、「やっぱり、ドーベルにとっての王子さまはグルーヴなんかな」ってなことを考えたりした。
 この年辺りから、そしてこの後、メジロドーベルは牡馬混合のレースで精細を欠く走りしか出来なくなる。「オトコ嫌いのドーベル」とはよく言われるが、一方で前年には古牡馬初対戦のオールカマーをメンツ落ちとは言え軽くこなしており、この大阪杯も立派な古牡馬のG2であり、ドーベルも本質的に牡馬に通用しない馬でもなかっただろう。それでも、牡馬相手で負けてたのは、やっぱりそういう場所にグルーヴがいないと盛り上がらなかったのかな、なんてことも頭を過ぎるものではあった。

 そしてこのレースで、両者は宝塚記念以来の再戦となった。

 チャンピオンとは、難しいものである。
 本来、真の強者は驕らずとも良いのではないかとも思うが、むしろ、チャンピオンであるからこそ相応のケレンが求められるような部分もある。この年のエアグルーヴも、春には「年内不敗」を打ち上げ、このレースでも「80%で勝つ」というようなコメントが陣営から出ていた。しかし、多士済々のこの時代、中1週で次走を控えて「80%で走る」で勝つことは難しい。今にして思えば、大阪杯は0.1秒差、宝塚は0.3秒差である。ある意味、3戦して全敗というほどの絶望的な差ではなかった。グルーヴがいる限りドーベルは燃えており、そしてドーベルにとって、憧れの存在は思うほど遠くはなかったのである。その上で、エアグルーヴは札幌記念以来のぶっつけ、しかも主戦の武豊は有名なアドマイヤベガの降着で騎乗停止となっていた。逆にメジロドーベルはデビュー以来の主戦を背に、トライアルの府中牝馬Sを重馬場で粘りきって、このレースを迎えていた。
 レースが始まると、メジロドーベルは道中掛かり気味であり、グルーヴをマークするつもりが何と2コーナーを過ぎて折り合えずに追い抜く始末であった。しかし、この日のドーベルにおいて、そうした荒々しさこそがある意味モチヴェーションの顕れであったのかも知れない。4角では出しどころに苦しむが、直線強引に馬場の良いインに切れ込んだ。逆に、外から悠然と差しに掛かったエアグルーヴはラスト1Fで伸びを見せない。結局、一旦先頭のランフォザドリームを軽く抜き去ると、ドーベルはゴール前に吉田が立ち上がってガッツポーズを決めるような余裕振りで勝利に輝いた。この年のグルーヴ2度の勝利で2着に入っていた吉田にとっても、ある意味予期せぬ完勝の痛快さではあったか。

 レース後、大川慶次郎氏は「80%で勝つ」という発言を詰って、「他の陣営に火をつけた」と評している。しかし当然ながら、馬にそんなものを知る余地はなかろう。その上で、このレースでのドーベルの上がりは33.5というものであった。確かにスローの京都なのだから上がりは出るのだが、本来ドーベルは「斬れる」タイプの馬ではなかったし、ならばこの馬も展開に泣いた可能性はあっただろう。恐らく、多くの名牝が、そうしてタイトルを逸した場面はあった筈である。そして、この日の力強いレースを振り返るに、陣営の発言以前に、ドーベルに何か「燃えるもの」はあったように思われる。ドーベルにとって、タイトルを幾つ取るかという以上に、エアグルーヴに勝利すること、ある種の「憧れの存在」を超えることがモチヴェーションになっていたのではないだろうか。
 かくして、メジロドーベルは史上初の「G1を4つ勝った牝馬」となった。その後、女王杯を連覇して5つのタイトルとともに引退する。同時代にあって記憶さるべき名牝、エアグルーヴや*ヒシアマゾン、ダンスパートナーに対して、牡馬に対して分の悪かったドーベルはとかく「記録に残る牝馬」として位置づけられがちではある。しかし、或いはこの牝馬の、またその陣営の中で最も甘美な記憶は、取ったタイトルではなく、この日の快心の勝利ではなかったか。ならば、「G1のタイトルがこれだけあるのに顕彰馬になれないなんて」と嘆くこともあるまい。エアグルーヴに何度敗れても闘志を燃やし続けて勝利を得た感動によって、この牝馬が「記憶」されても良いのではないか、とも考えたりする。
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ダービー(と偽ダービー)回顧。 

 先に、ちょっと海の向こうの方。



 なにこの文句なしの名勝負。
 競馬後進国の訳分からん父を持つ芦毛の牝馬が91年ぶりの牝馬制覇を目指して、直線堂々と仕掛けて先頭立ったところを、最後100mで4戦不敗の上がり馬が差し込んで力強く競り落として牡馬の意地を見せたと思ったも束の間、今度は外からアイルランドの遠征馬が1頭違う脚色で強襲して来るが、これと併せ馬に持ち込むと根性で脚色を合わせて筒一杯残しての粘り勝ち。フランスの土着血統をそこら中に散りばめた馬が、実績の割に名馬に恵まれなかった鞍上に初のクラシックをプレゼントするという結果。これフランスの客として見てたら、相当に痺れるよなぁ。一つのレースで2度勝負ポイントが出て来るのも美味しい展開だし。
 それにしても、メンディサバルと言えば前回のG1勝ちは確か Germance のサンタラリと記憶しているが、この馬の母親は日本の競馬場でデビューした*ゲイリーティアラ。今度は親が日本に縁のある馬を倒す側に回ったのは、ちょっとした皮肉であったか。

 で、本朝のダービー。
 まずは、苦言から。勿論、四位のアレ。
 確かに、ヤジは結構見苦しいものではあったかも知れないし、言い返す義理もあるに違いないだろう。自分的にも赤星のアレとかが昨日の今日であったので、免疫があった部分も認める。しかし、仮にも、東京優駿である。140試合以上あるリーグ戦の序盤の1試合とは話が違う。日本で最高の檜舞台の勝者としてマイクを向けられているのだ。言わば、最も競馬に外部からの耳目が集まる日である。その場であの態度とるのは、プロとして褒められるべきではないだろう。そして、もし、この騎手にとってダービーを勝利した感慨がたかだか客の野次ごときで薄れるものでしかないのならば、その勝ち馬にこの騎手が乗ったことは率直に競馬人全体の不幸だろうし、逆に感慨が深かったからこそ野次られたくなかったというなら、それでもダービーに対するリスペクトを見せるつもりで、自重すべきではなかっただろうか。

 ただ、レース結果について言えば、ある意味皐月賞の裏返し的な面があった展開でもあり、その意味では騎手の判断が導いたダービーではあった。言わば、川田が「逃げ」でやったことを四位が「外差し」で実現したレースとも言えよう。NHKマイル、オークスに続いて雨上がりのレースではあったが、今日の方が当日の気候の良さで馬場の乾きが早く、インが粘りやすい展開が続いており、騎手のイン意識が強かった。そこで、逆転の発想的に思い切り大きく外に出して、1頭気持ちよく走らせて伸びてきたのである。ディープスカイのコースについてきたのは、直線ではじき飛ばされ気味に外に押し出されたフローテーションだけであった。この中途半端でない判断が勝利に繋がったことについて、四位は皐月賞の時の川田程度に褒められても良い。その上で、馬の実力もある程度抜けていた印象で、展開一つで変わるような見た目でもなく、この世代の重賞の中ではこれまで一度も見られなかったような会心のレースではあっただろう。配合も世代内では上位だったと思われるし、ダービー馬に相応しい勝利だった。願わくば、皐月賞馬の先行力との堂々とした戦いを見せて欲しくもあったが、それについては皐月の不調から立て直してきたスマイルジャックがある程度以上代役を果たしてくれたか。
 サクセスブロッケンは芝適性もやはりあったと思うが、それ以前に全体の上がりタイムに比してもバテ方が半端でなかった辺り、やはり距離は間違いなく長かったのだろう。クラシック2冠で鮮やかにバテた母を思い出さずにはいられない部分はあった。幸いにしてJCダートは300m短縮してくれてるので、気落ちせずにダートで立て直して欲しいし、それに飽き足りないなら海外含めて選択肢はある。アドマイヤコマンドは「インで競馬」の理想の展開であったが、他の馬も同じことを目指してる中で、一歩パンチ力がが足りなかったのが最後の差になっていたようにも。上位馬はほぼ全馬ソツなく乗った印象ではあったが、レインボーペガサスはここで前走の斬れが見られなかったのは、コースへの適性であったか。イン我慢を昼から頑張っていたユタカの騎乗に応えたブラックシェルは、序盤の不利もあって3着。ただ、ことこの馬についてはディープスカイとの実力差は既にNHKマイルの段階でほぼ明白だった訳で、仮に気持ちよく走って2着はあっても、勝ちきれるレースだったかというとやはりちょっと疑問であって、まぁディープスカイの強さをある程度間接的に証明していた存在だったのかも。

 それにしても、ディープスカイについては、NHKマイルのときに、ある程度長い目で見るならばダービーは回避するのが正解かもと書いたし、今でもそう思っている。その意味で、陣営にとってこれからの調整というのは決して容易ならざるものではあるだろうな、とも。しかし、仮に今後がそう実りあるものでなかったとしても、それが何だ、と今なら言えるだろう。
 この馬は、ダービー馬なのだから。
 そして、ダービーにそこまでリスクを賭けた美しさと、騎手自身の好騎乗があったと思うからこそ、この馬のための舞台で、晴れがましさ以外のものを持ち込まないで欲しかったな、という思いは正直あるんだよなぁ、と。

◆予想エントリの※欄。
 なかなか面白い議論で、エントリもあげたい気分なのですが、暫くレスお待ち下され。
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