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殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

どどーんと、ワールドカップ(その3) 

 てな訳で、芝のほう。
 それにしても、日本から遠征している馬がいずれも○父でない一方で、それぞれのレースに海外からの○父が参戦しているというのはある種の皮肉な面ではあろうか。ある意味*サンデーサイレンスという種牡馬が存在したからこそこのような奇観が実現したと思うと、あらためてこの種牡馬が歴史的にどのくらいの空間を歪めたかについて慨嘆せざるを得ない面がある。で、この出走表は余り日本の馬の存在を前提とせずに作り始めたので基本的に日本の○父と輸入馬を区別していないのだけれど、この辺りの表現をどう折り合いつければよいのだろうなぁとは思ってしまった。
3月31日ナドアルシバ5R 19:55発走 芝2400m
人生いろいろシーマクラシック(G1)
総賞金US$5000000 4歳上 定量(56kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Bellamy Cay    GB  牡5 56 パスキエ  136 142休6 ファーブルFR  33/1 Kris
2Oracle West    SAF せ6 56 マーウィング237 52休32 デ・コックSAF  20/1 Western Winter
3Laverock     IRE 牡5 56 マカヴォイ 195 51休25 サイード    14/1 Octagonal
4Vengeance of Rain NZ  せ7 56 デルペッシュ219 105351 フェラーリスHK 10/1 Zabeel
5Red Rocks     IRE 牡4 56 ナカタニ  103 2231休 ミーハンGB    4/1 Galileo
6Best Alibi    IRE 牡4 56 デットーリ 92 631休6 サイード    10/1 King's Best
7Sir Percy     GB  牡4 56 ドワイヤー 75 21休7休 トレゴニングGB  4/1 Mark of Esteem
8Obrigado     FR  せ4 56 フローレス 155 -2231 ドライスデーUS 20/1 Enrique
9Sushisan     AUS せ5 56 シェイ   84 32休71 ブラウンSAF   33/1 フジキセキ
10Pop Rock     JPN 牡6 56 ペリエ   226 休7222 角居勝彦JPN    5/1 エリシオ
11Collier Hill   IRE せ9 -- マキュワン 4515 =出走取消= スウィンバンIR ---- ドクターデヴィアス
12Quijano      GER せ5 56 シュタルケ 1110 1休111 シールゲンGER  10/1 ACATENANGO
13Youmzain     IRE 牡4 56 ヒューズ  105 1121休 チャノンGB    8/1 Sinndar
14Honey Ryder    USA 牝6 54 ゴメス   2812 413休2 プレッチャーUS 14/1 Lasting Approval
15Host       CHI 牡7 56 J.ヴェラスケ198 984休2 プレッチャーUS 33/1 Hussonet
 去年のハーツクライ、*ウィジャボード、Alexander Goldrun というメンバーもなかなかであったが、その意味ではBCターフ馬が出走した辺りで今年もある種のクオリティは保つ形となったか。まぁ Sir Percy に関しては今回様子見かな。Collier Hill は取り消しちゃったけど、流石に年齢的に難しかったのかな。しかし、個人的にはオイロパを勝った Youmzain の地力がある程度気になる部分ではある。Red Rocks も悪い馬ではないのだけれど、BCはある意味 Hurricane Run の輝きが失われていた状況ならばメンバー的に恵まれていた面もあって。その意味では、Youmzain 辺りが欧州で Rail Link と再度干戈を交えるなりうるかどうかに注目すべきレースでもあるかな、とは思う。そしてその相手として、有馬2着のポップロックはまたとない好敵手ではあろう。基本的にこちらがそう勝ち味に早い馬ではないだけに、地力が足りればという所だが、このアトサキははてさて。一方で、台風の目としては、何と言っても Quijano である、とベタに言わざるを得まい。ドイツではAgl戦しか出てないだけに完全ノーマークだったわけだが、この3連勝は Laverock や Best Alibi など西欧の重賞クラスをきっちり破ったものであり、余程ナドアルシバ2400が手に合うのか。そうなると、Rail Link ばりにここも取ってしまうみたいな展開も無きにしもあらず、ではあるだろう。牝系は輸入系だが、質的には申し分もなく、母父 Unfuwain も良い。Acatenango 最後の大物・フェールホフ復活へのチャンスはあると見ておきたい。
3月31日ナドアルシバ6R 20:40発走 芝1777m
ドバイ免税店(G1)
総賞金US$5000000 北半球4歳上・南半球3歳上 定量(南3歳53.5kg,4上57kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Seihali      IRE 牡8 57 ムルタ   228 休3321 セルヴァラトナ 20/1 Alzao
2Best Name     GB  牡4 57 デットーリ 52 814休4 サイード    12/1 King's Best
3Stormy River   FR  牡4 57 ペリエ   114 1424休 クレマンFR   10/1 Verglas
4Irridescence   SAF 牝5 55 マーウィング168 154休3 デ・コックSAF  14/1 Caesour
5Lava Man     USA せ6 57 ナカタニ  3716 11711 オニールUSA    7/1 Slew City Slew
6Mystical     IND せ5 57 ドワイヤー 1916 11休11 ガナパシーIND  25/1 Alnasr Alwasheek
7Kapil       SAF せ5 57 フラッド  107 12休31 デ・コックSAF  20/1 Jallad
8Pompeii Ruler   AUS せ5 57 ニューイット127 3休711 プライスAUS    8/1 ジェニュイン
9Flashy Wings   GB  牝4 55 ヒューズ  94 休1123休 チャノンGB   25/1 Zafonic
10Admire Moon    JPN 牡4 57 武豊    127 休1321 松田博資JPN    5/1 エンドスウィープ
11English Channel  USA 牡5 57 J.ヴェラスケ1710 413休1 プレッチャーUS 10/1 Smart Strike
12Miesque's ApprovalUSA 牡8 57 カストロ  4012 141休5 ウルフソンUSA  10/1 Miesque's Son
13Daiwa Major    JPN 牡6 57 安藤勝己  217 1113休 上原博之JPN   11/2 サンデーサイレンス
14Formal Decree   GER せ4 57 マカヴォイ 166 1休112 サイード    14/1 ディクタット
15Bad Girl Runs   SAF 牝5 55 キネーン  86 1710休1 デ・コックSAF  33/1 Western Winter
16Linngari     IRE 牡5 57 シェイ   168 12451 ブラウンSAF   16/1 Indian Ridge
 去年も*デヴィッドジュニアが制し、今年は日本のチャンピオン級、アメリカからはBC馬と最強クラス(のヒキコモリ)が登場したこのレースではあるが、出走表で最初に目を奪われるのは何と言っても謎の馬 Mystical であろう。インドで17戦14勝のあと、当地で条件戦を選んで連勝。このクラスの名馬が国際的な大レースに出るのは果たしてどれくらいのケースがあったのであろうか。ひょっとして*オウンオピニオン以来?で、オウンが「インドのシンザン」と呼ばれてたとするならば、この馬は時間軸的には「インドのシンボリルドルフ」とか呼ばれてたりもしたのでしょうか?牝系はそれほど悪くはなく、曾祖母はメジロライアンなどでお馴染みの*シェリルの半妹。そこにウィンドフィールズ血統の Malvedo とか入る本馬の母の配合は何処かライアンに似るものがある、などと親近感も。まぁ条件戦の勝ちっぷりからは勝ち負けレベルではないにしても、このレベルの出走表にこんな馬が入る辺りは伊達に Ipi Tombe を出したレースじゃなく、免税店はナメてはいかんレースだとは思う。その上で、地元馬は意外と手ごわいレースであり、去年好走した Seihali とかは今年も着に絡んでくるかも。アドマイヤムーンは脚質を考えるとここも取りこぼしはありそうで、日本勢ではヘタに*ラヴァマンとかに絡まれなければダメジャーで……というレースにはなろう。南半球勢では北でも活躍した Linngari はそこそこやれるか。Pompeii Ruler はコックスプレート3着なら、ここでも一発は期待できるかも。ちょっと配合が軽いだけに、展開は巧く嵌って欲しいところではあるが。English Channel や Formal Decree など、微妙に扱いに難しそうな馬も多く、なかなか面白い内容のレースになることが期待できるとは思う。

◆追記。
 このレースも含めたワールドカップデイの出走表に、racingpost サイトに出てる予想オッズも追加しました。テツニーのオッズだけ異様に下がってる気がするのは気のせいか?つーかまさか、塀の中からの大量投票でもあったのでしょうかねぇ(笑)
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フィギュアスケートと、スターシステム 

 やや遅れ気味にはてブより拾ったエントリより。

「スター・システム」はもうやめたらどうか@かみぽこぽこ。

 まぁ、基本的に自分もスターシステム批判派なので、その趣旨の範囲では同意ですが。
 ただ、その上で思うのは、
「浅田真央くらいのレベルならスター認定してもいいんじゃね?」
と。理由は、彼女がある意味「競技としてのこの種目における、世界の第一人者である」から。ISUの年間ランキングにおいて1位であるし、新採点方式のレコードホルダーでもある浅田は、実際問題として「無冠の女王」的な位置取りにあるには違いないでしょう。勿論、前時代の第一人者で現在アマ休養中であるコーエンやスルツカヤがまだ正式には引退してないし、その世代をを倒していない(あ、一昨年のGPFではスルに勝ってるっけ)辺りでチャンピオンシー的にはどうかって面もあるのですが、若干勝ち鞍の面で軽く見られてる面もあるのかな、って気も。まぁあとは、容姿の問題か(笑)。
 その上で、浅田が今年はGPFもワールドも自爆気味に落としていて、ミスに泣かされている年でもあったのですが、実際のところ、入れてるプロのレベルが高いから、ってのはあったのですよね。今期の浅田は「200点取る」を一つの目標としてましたが、要するにそういうプログラムを作ってきてた、ってことではありました。言わばキレキレの状態で、悪い言い方をすれば確変的にGOEだのPCSだのを上げて取るのではなく、技術の基礎点と「いつも通りの」PCSだけで200を取ろうとしてた、と。前のエントリで「キムも200が見えてきた」的なことを書きましたが、右のような文脈で200取りにいけるのは、上の世代も含めても浅田だけだったでしょう。そういう意味では、やはり女子フィギュアの世界で抜けた選手には違いありません。その上で、浅田がミスしても勝てるほど女子フィギュアのレベルが現状低くないって辺りに安藤・マイスナー・キムの存在意義があるかと。もうちょっと言えば、スター扱いされるプレッシャーを所与のものとして受け入れた上で、レベルの違う演技をやりに行くというある種のノブレスオブリッジを課せられた選手でもあるのでしょう。

 その意味では、トリノまでの安藤へのスターシステムと同じ文脈で批判するとすれば、やや的外れな部分はあろうかと思われます。安藤はある意味村主・荒川時代において「若さ」や「分かりやすさ」による魅力に「地力」がついていってないフェーズにおいてスターに祭り上げられた訳ですが(全日本の優勝って世界的にはそんな意味あるタイトルでもないので)、浅田の場合は既に「地力上位」の状況な訳で。そして、そういう状況をある程度本人も承知しているからこそ、この競技における「柱」としての責任も実感しており、スターとして舞い上がる余地が少ないとも感じます。また、逆に物分りの良いメディアが「そっとしておいて」くれたとしても、本人の矜持に近い部分でプレッシャーを受ける立場にもあったでしょう。少なくとも、トリノ以前にに安藤が「4回転飛ぶ」と言ってた状況と、浅田が今シーズン「200点を取る」と言ってた状況には、現実感と言うかある種の重みは随分違ったものはあったでしょう。そして、スターシステムの弊害とは、そういう「責任」を内面化する以前にメディアに囃し立てられることによって、「柱としての責任」を背負える能力を本来持ってた筈のアスリートが、そのレベルに達する前に精神的なバランスを維持できなくなって「潰れる」ところにあるのでしょうから。
 まぁでも、そういう責任を16歳にして受け入れなければならない、って辺りがこのスポーツの過酷さであるなぁってのは痛感する部分ではあります。元々6.0採点の時代からリピンスキーのようなお子ちゃま選手が世界を制してしまうような年齢層の低い競技ではあるのですが、新採点でその辺りがやや固定化されている印象も無きにしもあらずで(今ジュニアで活躍中の長洲とかジャンとか、幼女にしか見えないんだけれど、多分2010年はこの辺りも脅威になりそうで)。

 ただ、そういう状況で浅田がスター扱いされることはある種の必然ではある一方であり、なおかつ当日の文脈として浅田の追い上げの方がむしろ少年漫画的にエモーショナルであったのも事実ではありますが、今大会でワールドを取ったのが安藤美姫である以上、今後彼女に対して「世界チャンプ」としてのリスペクトをもって遇してほしいなぁとメディアには願うところではあります。荒川静香は2004年の段階で世界チャンピオンになってた訳ですが、トリノ以前はヘタすると村主よりも扱いが低くなるような面もあって、ああいうのを繰り返して欲しくはないかなと。
#まぁ荒川さんの場合はオリンピック取れて結果オーライではありましたが。
そして、アスリートとしての評価軸によって「囃し立てられる」のならば、安藤はトリノの轍を踏むことなく、スケーターとして完成度を高めてくれるでしょうし、それが浅田にとっても目標であると同時にビハインドプレッシャーとして自らを奮い立たせるものになるでしょうから。
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どどーんと、ワールドカップ(その2) 

 先に、ダートのほうから。ってな訳で、中途半端なタイミングでメインも。
3月31日ナドアルシバ4R 18:55発走 ダ1200m
ドバイ・ゴールデン・シャヒーン(G1)
総賞金US$2000000 北半球4歳上・南半球3歳上 定量(北3歳55kg,北4上58kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Bishop Court Hill USA せ7 57 J.ヴェラスケ309 5休611 プレッチャーUS 12/1 Holy Bull
2Areyoutalkingtome GB  牡4 57 アーン   197 14115 サイザーGB    8/1 シングスピール
3Kelly's Landing  USA せ6 57 デットーリ 208 110休15 ケネリーUSA   12/1 Patton
4Marchand d'Or   FR  せ4 57 ボニーヤ  84 1617休 F.ヘッドFR   10/1 Marchand de Sable
5Thor's Echo    USA せ5 57 ダーカン  195 211休6 シーマー     7/2 Swiss Yodeler
6Tiza       SAF せ5 57 シェイ   216 2休823 ブラウン    25/1 Goldkeeper
7Agnes Jedi    JPN 牡5 57 武豊    307 11779 森秀行JPN    50/1 アグネスワールド
8Friendly Island  USA 牡6 57 ゴメス   188 372休1 プレッチャーUS  7/1 Crafty Friend
9Salaam Dubai   AUS せ6 57 ムルタ   255 421317 セルヴァラトナ 66/1 Secret Savings
10Terrific ChallengeUSA 牡5 57 マレン   198 114休1 ワトソン     8/1 ロイヤルアカデミー
11Bounty Quest   GB  せ5 57 ドワイヤー 203 21222 ワトソン    25/1 Fasliyev
12Thajja      IRE 牡6 57 R.ヒルズ  203 35424 ワトソン    33/1 Daylami
13Harvard Avenue  USA せ6 57 ナカタニ  245 -1128 オニールUSA   14/1 You and I
14Seeking the Best IRE 牡6 57 福永祐一  209 21126 森秀行JPN    33/1 Seeking the Gold
15National Colour  SAF 牝5 55 マーウィング118 111休1 タリーSAF     6/1 National Assembly
16Nightmare Affair USA 牡6 57 カストロ  4511 63365 マラーノUSA    7/1 Out of Place
 このレースはある意味簡単であり、調教師の欄に「USA」と書かれた馬の馬券さえ買っておけばほぼ問題はないのが例年のパターンであるが、今年はBCスプリント馬にその「USA」がついていない辺りをどうケアするか、って辺りであろう。去年も(当時はアメリカ馬であったが)結構好走してるだけに、ナドアルシバは向いてると考えると抑えておいたほうがいいのかも知れないが、まぁスプリント路線に安定勢力がなかなか出て来ないのは洋の東西をあまり問わないだけに、ここは逆転ありとみて、素直にBCスプリントで着取った馬を中心にすれば良いとは思う。アグネスジェダイは今ひとつ近走が冴えないが、去年結構見せ場を作ったので、あれを再現して欲しいな程度に。シーキングザダイヤは血統はともかくやっぱりアイルランド産でこのレースはなぁ、とは思ったり。謎の南アフリカ馬 National Colour がどの程度やれるかはちょっとだけ注目。勝てるとも思わんけど。
3月31日ナドアルシバ7R 21:20発走 ダ2000m
ドバイ・ワールド・カップ(G1)
総賞金US$6000000 北半球4歳上・南半球3歳上 定量(南3歳53kg,4上57kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Discreet Cat   USA 牡4 57 デットーリ 66 1休11休 サイード     6/4 Forestry
2Vermilion     JPN 牡5 57 ルメール  237 13休411 石坂正JPN    25/1 エルコンドルパサー
3Bullish Luck   USA せ8 57 プレブル  4911 64943 A.クルーズHK  33/1 ロイヤルアカデミー
4Kandidate     GB  牡5 57 サンダース 348 316休1 ブリテンGB   25/1 Kabool
5Premium Tap    USA 牡5 57 デザーモ  187 531休1 キメルUSA     7/1 Pleasant Tap
6Forty Licks    ARG 牡5 57 キネーン  139 -1114 ジョリーKSA   25/1 Not For Sale
7Invasor      ARG 牡5 57 原     119 1休1休1 マクローリンUS11/10 Candy Stripes
 ある意味、モハメド殿下が夢見たダートにおける世界頂上決戦が遂に実現した、という意味で、殿下にとっての感慨深い対決とはなるのだろう。ただ、その結果として小頭数になったのはご愛嬌ではあるか。その上で、この対決は去年もナドアルシバで現出しており、そこでは結果として斤量差以前の問題というミスマッチに終わっている。ある意味、Invasor にとって、このレースが「タイトル」という意味でブリーダーズC以上に取りたいレースかどうかは分からない。反面、この相手を倒す場所はここしかない、とJara……じゃなくて腹を括っての参戦でもあるのだろうか。そして一方で、モハメド殿下も、今後何度 Invasor に敗れていいけれども、この地でだけは完全に屈服させたいと思っているだろうし、その意味では巌流島的なマッチレースではあるだろう。しかし、競馬において2強ってのはなかなか不安定な構図ではある。結果としてはどちらかが圧勝する一方で、片方が脚を失ったら後続にも差されるような場面を想像するほうがむしろ自然なのかも知れない。そういう点では末のある馬がやはり怖いのだろう。やや安田記念の頃の輝きは失っているように思える*ブリッシュラック辺りは穴としては狙ってみて面白い場面かも知れない。また、ヴァーミリアンも無理してついていく必要は無いのではとも思う。それがナドアルシバの乗り方として正しいかはともかく、着をとるために後方待機はやり方としてはありかも知れない。それで負けたら全く見せ場が無い形で終わってしまう罠ではあるが、ともあれルメールらしい明鏡止水なレース運びを見られれば良いなとも思う。
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どどーんと、ワールドカップ(その1) 

 この辺は今年は割とさらっと流せる感じの日本馬だが、思えば去年の遠征馬は濃かったよなぁ。もしあれで結果が散々だったら、逆に少なからず凹んだ面はあったかも知れないと今更ながらに思ってしまったり。
3月31日ナドアルシバ2R 17:40発走 ダ1600m
ゴドルフィン・マイル(G2)
総賞金US$1000000 北半球4歳上・南半球3歳上 定量(南3歳54.5kg,4上57kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Impossible Ski  BRZ 牡5 57 ドミンゴス 155 21休24 ペレイラBRZ   10/1 Ski Champ
2Gold for Sale   ARG 牡5 57 キネーン  107 10休1210 ジョリーKSA   33/1 Not for Sale
3Dixie Meister   USA せ5 57 フローレス 225 3休141 カナーニUSA    6/1 Holzmeister
4Fusaichi Richard JPN 牡4 57 スミヨン  155 4513113 松田国英JPN   10/1 クロフネ
5Merlerault    USA せ4 57 パスキエ  144 -2311 デメルカステFR 14/1 ロイヤルアカデミー
6Killybegs     IRE 牡4 57 デットーリ 123 242休4 サイード     5/1 Orpen
7Nelore Pora    BRZ 牡5 57 ロサ    148 13休18 ニッケルフィBR 25/1 Romarin
8Gharir      IRE 牡5 57 ドワイヤー 101 46休62 チャーピー   20/1 Machiavellian
9Singing Poet   IRE せ6 57 オシェイ  63 休1132 チャーピー   20/1 シングスピール
10Blatant      GB  せ8 -- フレンチ  223 =出走取消= モハメド    ---- Machiavellian
11Boston Lodge   GB  せ7 57 アーン   446 休5561 ワトソン    10/1 Grand Lodge
12Spring at Last  USA 牡4 57 ゴメス   92 -2625 オニールUSA    7/1 Silver Deputy
13Court Masterpiece GB  牡7 57 マカヴォイ 337 13798 サイード     7/1 Polish Precedent
14Mullins Bay    GB  牡6 57 マーウィング113 2休2休2 デ・コックSAF   7/1 Machiavellian
15Bobobo Vortex   GB  せ8 57 ムルタ   5616 13172 ケレウェイGB  10/1 デインヒル
16Parole Board   USA せ5 57 ダーカン  105 休1811 シーマー    25/1 Dynaformer
 基本的にそれほど実績のある馬は多くなく、*ボボボボルテックスなんてもはや何年のJCダートに出てたのかがぱっと思い出せないような馬が出てたりって感じで、*コートマスターピースも欧州みたいな走りは国外では出来なさそうに思われるし、そうなるとあとは北米勢以外では実績でフサイチリシャールに匹敵するのはせいぜい Killybegs くらいになるのかとも。その意味では、中心になりそうなのは北米勢、実績では Spring at Last となろうか。Dixie Meister も普通に地力ありそうなので(っても、Discreet Cat の9馬身半後ろであるが)、この辺り相手にどの程度まともに走るかがフサイチの見所として注目しておきたい。地元・南米組は読みづらいけど、そう抜けた馬はいなさそうにも。Nelore Pora はブラジルらしいマイナー血統で、これは応援しておこうか。あと、キャリア浅い Singing Poet 辺りはどう出るか分からない不気味さも。まぁリシャールはまず先行することが第一かな。
3月31日ナドアルシバ3R 18:15発走 ダ1800m
UAE菊花賞(G2)
総賞金US$2000000 3歳 定量(南3歳59kg,北3歳55kg,牝2kg減)
枠 馬名      産地性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     予想 父
1Rallying Cry   USA 牡3 55 ダーカン  72 65休33 サイード    33/1 War Chant
2Jack Junior    USA 牡3 55 R.ヒルズ  20 --46休 ミーハンGB   33/1 Songandaprayer
3Joe Louis     ARG 牡4 59 キネーン  62 131休5 ジョリーKSA   66/1 Lode
4Day Pass     USA 牡3 55 ゴメス   32 -11休4 サイード    20/1 Five Star Day
5Victory Testuni  USA 牡3 55 武豊    72 11532 森秀行JPN    14/1 Gone West
6Traffic Guard   USA 牡3 55 イーガン  52 11922 ムーアGB    25/1 More Than Ready
7Bartola      ARG 牝4 57 ファレーロ 74 13211 マルドッティAR 33/1 Roy
8Greetings     BRZ 牝4 57 マレン   84 1休123 ニッケルフィBR 33/1 Choctaw Ridge
9Seal Point    USA 牡3 55 エデリー  31 -57休1 ロー      66/1 Point Given
10Asiatic Boy    ARG 牡4 59 マーウィング64 2休111 デ・コックSAF  Even Not For Sale
11Folk       USA 牝3 53 マカヴォイ 53 21休11 サイード     7/2 Quiet American
12Adil       KSA 牡3 55 デザーモ  43 -2111 ガルデルKSA   50/1 Torrey Canyon
13Eu Tambem     BRZ 牡4 59 デットーリ 87 111休1 サイード     7/2 Wild Event
 正直、総賞金にしてはメンバーの実績に今ひとつ微妙感が無きにしも、つーか去年出てた今年のワールドカップ勢がある意味ヴィンテージ過ぎたので、あれと比べると見劣るか。とは言え、エース格となる Eu Tambem は8戦7勝でブラジウから遠征してアルヘンティーナのナシオナルを取ってるのだから、実績的には文句をつけてはいけない馬。問題は、芝2500とかを勝ってる馬がダートでどの程度トップレベルを見せられるかであろうか。一応前走はマイル出走の Singing Poet を千切っているので能力はある筈だし、ナシオナルの勝ち時計が適度に凡庸なのも悪くはないが。これに Asiatic Boy が絡むが、これが勝ったら勝ったでやや「適性のある馬のレース」みたいになりそうではある。配合的にはゴドルフィンのブラジウ馬と牝馬を上と見ているだけに、将来性含めてそちらに肩入れしたいところではあるか。Folk はアメリカンな配合としてそこそこ定石が「なっている」感じの配合であり、ナドアルシバが「アメリカ的なもの」を選ぶのであればこちらかな、って気もする。
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枠順確定はえーよ>ドバイ 

 てな訳で、そろそろどどーんと出走表を出す季節が参りましたね。ってことで、早速。
3月31日ナドアルシバ1R 17:00発走 ダ2000m
ドバイ・カハイラ・クラシック
総賞金US$250000 アラ5歳上 定量(57kg,牝2kg減)
枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
1Kerbel Lotois   牡6 57 マレン   175 41436 シーマー    Kerbella
2Robbie      牡5 57 デフリース 96 131休3 A.トリブールGE Makzan
3Baher       牡6 57 テイラー  174 542休1 ルマルティネル Tidjani
4Yarike de Passerat牡5 57 フレンチ  72 12654 アル・ライヘ  Darike
5Charh       牡8 57 オシェイ  297 33231 チャーピー   Chndaka
6Dynamite     せ6 57 ムルタ   156 25394 ディーブ    Bibi de Carrere
7Al Jalfane    牡6 57 ドワイヤー 177 21111 ワトソン    Djouras Tu
8Al Moutawakel   牡5 57 ダーカン  95 11休52 シーマー    Dormane
9Mizzna      牝5 55 アヴランシュ84 122休1 ルマルティネル Akbar
10Madjani      牡7 57 R.ヒルズ  1110 111休1 ダフィールドた Tidjani
11Al Awal      牡8 57 アーン   344 61774 ワトソン    Bengali d'Albret
 何となく出馬を覗いてみたら、何とドイツからの遠征馬がいて驚いた。2枠の Robbie はオランダ産。で、トリブールにデ・フリースのコンビで馬主は Stall Lucky Stables ってことで、オランダ競馬出身の名スプリンターとしてドイツで一時代を築いた Lucky Strike 辺りと被るタイプの馬ですな。基本的に純アラ最大の生産国はフランスであり、このメンバーも父は全て仏産、母も大方フランスかアメリカが多い訳ですが、そんな中で異彩を放つのは単にこの馬がオランダ産というばかりではなく、母の Naira がロシア産である、って辺り。デルマで Robbie の血統を見るとその母の配合はなかなか強烈なインブリード。如何にもロシアっぽい名前の Priboj 4*5*4×3*5なんて多重クロスとともに、Nega≒Nasturcia の2×2なんてのも光る。さて、ここで現れる Priboj であるが、父系は Koheilan 系。これでピンと来る方は相当に病んだ血統マニア。曽祖父の Koheilan-IV には母父に O'Bajan が入るのである。この組合せは、*オーバーヤン五ノ七が Koheilan 系の種牡馬を得て本朝に歴史的な一大牝系を築き上げた(今でも公営の競馬場にかろうじて残るアラブの数頭に1頭はこの牝系であろう)のと同じものであり、実に親近感が沸くところである。
 実際のところはこのレース2連覇中で11戦10勝の傑物 Madjani(こちらはチュニジアの牝系出身で、アウトブリードって意味では Robbie と被る印象)が圧倒的に人気が予想され、同馬の馬主ハムダン殿下が4連勝中の Al Jalfane を含めて4頭出しという反則のようなマネをしているだけにそう簡単なレースではないが、日本にも馴染みのこの血統で、オランダ馬産とドイツ競馬の力を世界にアピールして貰いたいところである。……って、誰もこんなレースなど気にせんだろうけど。
タグ: 競馬  ドバイ  アラブ 
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フィギュア女子、4強の得点を振り返って。 

 浅田真央、安藤美姫、キミー・マイスナー、キム・ヨナ。
 基本的には、現在の女子フィギュアでは、この4人が抜けているのであろう。
 それぞれキャラも立っていて、良いライバルだとは思うし、その上で誰が誰のライバルってよりは、この4人が切磋琢磨することが現在のこの競技の見所である、とも言えるのではないか。結果としてワールドでもこの4人が1~4位を占めた訳だが、シーズン前半のグランプリ・シリーズから得点がどのように変動したかについて、ちょっとだけ回顧っぽく。
 図は、全部の要素をジャンプとスピン・ステップに分けて入れてます。ジャンプは基礎点7.5以上をオレンジ、スピ・ステはレベル4をオレンジで表記しております。あとは読んで字のごとくかと。

World Fs Ladies Protocol

◆一応解説。
 ☆ジャンプ
 ・種別と難度: A(アクセル)>Lz(ルッツ)>F(フリップ)>L(ループ)>S(サルコウ)>T(トーループ)
  3回転の場合、トリプルアクセル=7.5で、ルッツが6.0。そこから0.5点刻みで逓減。
 ・同じ3回転ジャンプを単独で2回行った場合、2回目のジャンプは2割減。(+SEQ)
  なおかつ、3回行える連続ジャンプが2回までしか行えなくなる。
  キム@ワールドの6つ目のジャンプは、その規定に引っ掛かるのでノーカウント。
 ・x3Lzなどのxは、後半ジャンプ。得点1割増。
 ☆スピン、ステップ
 ・技の後につく数字がレベル。1~4まで。結構細かい規定があり、選手にとってややこしい。
 ・xxSt=ステップ。Ciが周回(サーキュラー)、Slが横断(ストレートライン)。
 ・SpSq=スパイラル。片足を上げて8の字に周回してるアレ。
 ・xxSp=スピン。姿勢によってL(レイバック)、S(シット)、C(キャメル)、U(直立)の4種類。
  その他、Co(コンビ:複数姿勢の組合せ)とか、Cx(途中軸足変更)、Fx(スピン前に踏み切り)など。
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今更ながら、Jpn-1とかについてちとだけ。 

 個人的に、現状のパターン制に関して違和感があるとすれば、
「明らかにパート1国のグレード認定に関して、国際的に統一されたルールが存在するように見えない」
って部分ではあります。強いて言えば、その国ごとに決めた「変動相場としてのグレードの基準」が明確であり、それらのレースが性別以外の門戸を設けないのであれば、ほぼ何でもありに近いようにも。例えばパート2国のグレード認定に関してG1=115、G2=110、G3=105といった基準を求める一方で、それを全てのパート1国に墨守させていない状況は存在する訳で(例えばドイツとか。オセアニアや南アフリカもほぼ同様かと)。その一方で、日本に対して「パート1国」という名称だけ認めて、グレード認定に関して上述のパート2国向けの基準を適用するように求めているとすれば、それはまぁ「パート1」の定義自体が融通無碍すぎるというか、山野長老風に言えば「パート1」という表現が国際的な文脈で商標違反なのではないかって気がしなくもありません。
 その意味では、グレードにまつわる現状ってのは、JRA、ICSC両方ともに問題があるなぁとは思われ、3年くらいの移行期間を設けるとかした方が良かったかなぁとは思います。その間に、今回グレード適用外となったハンデG2辺りの交通整理をするとか(目黒記念を別定にするとかステイヤーズSの時期を変えるとか)、馬主やクラシック辺りの開放を進めるとか、グレードの昇格・降格基準に関しての議論を進めるとか、あと新名称を定着させるとか色々出来たでしょうし、その時期の間に「日本の新しいグレード文化」を確立することによって、よりすっきりとした形で日本をパート1国として位置づけることが出来たんではないかと思います。その辺りは、まぁ上の人も任期中に自分の功績にしたいとかまぁ色々事情はあって難しいところかも知れませんが、今ひとつ「えいや」でやってしまっている感は強いかも、と。一方で、ICSCの側もやや杓子定規に対応したことによって、「日本がパート2になっていることによるグレード価値の歪み」に関して是正するという本来の意図を満たしていない結果を招いてるようにも見えたりはします。個人的には、上述のような移行期間を設けた上で、ある程度その期間中のグレードは事前にはフリーパス、そのあと事後認定で格下げとか格上げするくらいの対応にすればよかったかな、とも(それは必ずしも不自然なことではなく、例えばダート変更された重賞のグレードをレート見て事後に降格するかしないか判断する、ってのとそれほど意味合いは変わらんのかと思われますし)。
 ともあれ、全体的にスマートではないやり方で落ち着いちゃったかなぁ、ってのはあり。南関東の(G2)(GI)みたいな感じの併記で良かった気はするんですよねぇ。例えば香港などでもそういうやり方は普通に行われている訳で。まぁルートコみたいにトプカプやボアジチのような国際レースをわざと国際基準に合わせて国内グレードまで含めてG2と表記しちゃうなんてやり方よりはマシではあると思いますが。あと、Jpn-1みたいな表記を使うのは、内向けと言うよりは多分に外向けで、要するに Bloodhorse とかで日本以外の国外G1に関しても GB-1 とか Fr-1 とかしてるのを見てそれを採用したのかなぁとも思われ。その意味ではややファンの側を向かないような対応かなって恨みはあるか。ただ、個人的にはこの問題って実際のところは数え年を満年齢に変更した、って辺りとさほど意味的には変わらず、暫くもにょっとした印象を与えるものの程なく定着して「そういうもの」と思われるのがオチっぽく予想してるので、まぁさほど大事でもないのかなぁとも。むしろ問題は、「グレードは今後変動相場となる」ことをJRAがちゃんと説明してないっぽく見える辺りで、それは変動相場にするのを内心嫌がってるのかとか、もしそれが嫌ならパート1なんて拒否り続ければ良かったのにとか、そういう予断(と書いて「のうないすきゃん」と読む)を残しちゃう辺りですかねぇ。
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テーマ: 競馬

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ISU World FS Champ. Ladies 

Ladies - Free Skating Judge Scores[PDF]

・最終組の並び順は、なかなか味わい深い。
・基本的にビハインド・プレッシャーな立場の経験が無いキムにとって、4強で最初の滑走はプラス。
・その上で、キムの自爆率がさほど高くないことを考えると、浅田の優勝の可能性はかなり低くはあるかな。
・字面的には、キムがGPF・浅田がNHK分滑れば0.25捲るんだけど、ユナに諸々上積みはあるかと。
・SPではコストナーが点を伸ばしたが、果たしてそこからFSで更に伸ばせるプロ持ってるのかはちと微妙。
・ヨロ選FSが114.33だしなぁ……。現状でユナの持ち点-5は結構デカい。
・実は、その辺りで一見有利なキムにも影を落とす面はあるかなとも思われる。
・或いは、4強で最初を引いたことによって、ジャッジがある程度「モノサシ」的な点付けをするかもって辺り。
・SPに関しては、コス&キミーが大幅PB更新で勢いをつけてくれた面があったのだが。
・って辺りで、なかなかFSとトータルで200近く入れてゲームを終わらせる、ってのも簡単ではないかも。
・そもそも、2Aが3回とかなプロで、点数的には稼ぎづらい面もあるし。
・ただ、GPFにプラスアルファを与えるような演技ならば、ジャッジも「キムでいいや」と思わせられるかも。
・ともあれ、あまり安全運転ではちょっとGOE加点が貰いづらい流れにはなりそう。
・そのような状況で、浅田が3A降りれば、ちょっと流れ的に場内の空気が変わるような演技になるかもしれない。
・基本的に、あの娘は3A降りちゃえば結構開き直り気味になれるとは思うので。
・まぁ、現状では3A降りる確率はそれほど高い数字には出来ないかな、って気はしなくも無いのですが。
・ただ、それが出来たら、今までの採点の流れだと結構FSで135超えとか銀河が出そうな気もする。
・ただ浅田がそれでキムを捲っても、今度はその空気がマイスナーと安藤に味方する可能性はあるかと。
・基本的にはこの両者に対するキムのリードは、男子のジュベールよりは低いだけに、ノーミス決めれば結構手ごわい。
・その上で、安藤の4Sは浅田対策だと思うが、それを考えなくてもよくなるのは安藤に余裕を与えるか。
・てな訳で、今のところはまたもやモロゾフマジック炸裂の悪寒、という展望にしておく。
・ただ、安藤、意外とPCS貰えないんだよなぁ、と思うと、ユナもそこまで余裕無いわけでもないか。
・まぁでも、自爆が少ないといいですね。
・因みに自爆が多ければキム有利ではあるが、キム自身が自爆ったら、安藤も釣られてマイスナーが残るかな。

 という予想が昨日の段階。
 浅田のFS135辺りは、結果として2A+3Tが回転不足になった辺りでの減点と考慮すれば、まぁまぁいい線の予想ではあったかな。その上で、マイスナーが案外であったか、って辺りでメダルの方向性は決まったか。にしても、キムは前半アレだけ巧くいってたのに、って辺りでコリアン独特の「巧く行き過ぎたときが最大の危機」ってのを地でやってしまった感はあり。或いは、3連続ジャンプの直前に一瞬もう勝てたと思ってしまったのでしょうか。プロトコル見ると失敗するところまででGOEにして6点近く加点されていて、結構「キムでいいや」 の空気は流れていたものの、結果としてそれがアダとなった辺りがなかなか運命的。ただ、もうちょっと安藤に対してクリアなリードをしていれば安全運転を終始意識するくらいで何とかなったかなぁとは思われますが。
 浅田にとって惜しかったのは、ステップ3Aが結局微妙に怪しい降り方になった辺り。勿論本人はGOEなんて意識するべくも無いので、あれで乗ったとは思いますが、結果としてステップ3AのGOEが-1で、あれがクリーンに降りれば+1.5だと考えると、結局この2.5ポイントが安藤との勝ち負けを分けたとも解釈できるわけで、Czardas への挑戦における限界、としか言いようのない結果ではあったかと。ただ、プロトコル見てても笑ってしまうくらい、あそこのGOEは両極端な判定になってて、微妙にヒキも悪かったのかも知れないですし、そこまでは「行けた」ってことでしょう。あとはアウェイでの錬度を高めることによって、4強時代を再度引っ張って欲しいところ。来期は3Aのコンビネーション飛べるといいっすね。
 一方で、安藤は予想として書いてたように、浅田さえいなければ現状の女子の基礎点考えればクアド飛ぶ必要は無かったわけで、こういう状況できっちりとノーミスをモチベートさせた辺りはまさにモロゾフ師の名伯楽っぷりを堪能させられたとも思う。結構自爆流れを引きずるかなぁとは案じられたのですが、キミーが中途半端に残してくれたのは、運もあったか。実際のところ、演技後半の4つの連続ジャンプはさほどGOEが稼げなかったし、昨日のショートも本人的にはかなり乗ってた割にはGOE伸びてなかった訳で、まぁ今日も相当に一杯一杯の演技ではあったと思うが、迷いが振り切れてたってのはある訳で、あの辺は心理マネジメントの賜物ではあると思う。
 個人的には、アンチ安藤な流れが強い中でも「あの娘は出来る子」ってのを内心思い続けて結果を出してくれたってことには、非常にいいもの見せてくれた的思いは強い。反面、浅田の少年漫画的な大逆転劇にちと期待したのも事実ではあるが(笑)、ともあれ、自爆大会の中で自分を見失わずに両者が滑れて日本ワンツーを実現したのは率直に喜ばしくもあり。
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ISU World FS Champ. Men 

Men - Free Skating Result Details@ISU

 こちらも見た、ということでヌルく北からのツッコミを期待しつつ。
 基本的には、アメリカ勢2人がある程度もにょった所の自爆流れをランビエールが止められるか、って辺りで、絶妙に流れを止めた一方で自身にプチミスが出るって辺りは、なかなか高橋のこの大会における豪運っつーか、この競技におけるホームアドヴァンテージ+α的な部分を感じた。ランビ後半の2Lz(Fだっけ?)+3Tできっちり3Lz降りてたら、あのスコアだと逆転されてたっぽいんですよね。そのランビエールは、或いはSPがきっちり決まっていたら逆に今日自爆したかなぁって感じもあって、モチベーションはやはりこのレベルでは大事なのだろうなというのもちと思った。ジュベールに関しては2chの感想戦でも「FS3位で勝ちに行くのもねぇ」的な意見と「逆に、あれだけ計算できるようになったのが成長」的な意見両方あったのですが、まぁバトルがある程度FSで微妙なだけに、前半の4T降りられたら流すってのは常識的には正しかったのでしょうねと。個人的には、今のフィギュアのルールならばそういう勝負の冷静さはあってもいいし、その上でスコアに出ないところの動きに洗練を加えれば、くらいの印象もありますが、どっちかというと後者の辺りでの喰い足りなさが議論を呼ぶのか。まぁあっしもフランス2騎ではプレ男君のほうが好感度ありますけど。
 全体見てると織田がFS6位とかなってるんだけど、確かにヴェルネルがキレキレ演技(勢い余って最後に1コケしたものご愛嬌。まぁ順位はあれがあってもなくても同じだったか)見せた辺りで「あれ、まだ織田3位?」と思ったものの、結局第3グループがかなり微妙な出来映えに終わってしまったと考えると、サンドゥやダヴィドフがプレッシャーを掛け切れなかったことでFS全体の流れとして若干ダレ気味な現地というやや残念な部分はあったのかなぁとは思われたりもします。まぁ日本が3枠取れたことは良しとせねばならんのでしょうけれど。ただ、織田クン、座薬……じゃなくてコンボ数被って6位では、捲れたって感覚も無いだろうし、複雑な気持ちではあろうなぁ。
 で、高橋に関しては、多分事前申告のプロとほとんど同じ要素で滑ってたように管見では見えたのですが(4T2回は、流石にあの一発目では出来ないでしょうし)、実際あれでSp,Stが大概Lv4行ってたとしても80いくかいかないかのプロのように見え、その上で4Tとコンビの回転不足はGOE微妙に減らされてるであろうことを考えると、ジャッジスコア見ずに書くのもなんですが、GOEが+7とか行っちゃってたら流石にジャッジが調整しすぎたかなって印象も無きにしも非ず。勿論、後半連続ジャンプでかなり乗せてきたし、あれが決まった上で最後のステップに入ると、見応えあるプロではありましたが。因みに去年のワールドだと、男子でジュベが+5.99、ランビ+4.20、女子でキミー+6.07、ソコロワ+5.43っていった辺りが高めのGOE加点だった訳ですが、今年は果たして。
 しかし、あれでもし最初の4Tがクリーンに入って、その勢いでヴェルネルよろしく高橋が2回クアド入れてたら点数的にどうなってたかのIfは微妙に妄想しがいのある展開ではあったなぁ。恐らく、そうなってたら今後ジュベールのことを終生「上村サイレンススズカ」と呼び続けたに違いありません(笑)。
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3歳馬配合メモ……ヴィクトリー、フライングアップル 

 ショウワモダン(涙。
 今週はフラワーはまぁいいでしょ、的に牡馬トライアルの勝ち馬のみ。

ヴィクトリー
*ブライアンズタイム×グレースアドマイヤ(*トニービン)×*バレークイーン(Sadler's Wells)×Sunny Valley[F1-l]
 久しぶりに*ブライアンズタイムの良駒が芝のクラシック路線に現れた訳だが、どうも今ひとつ配合的に掴みづらい存在としているのは、母のトニー×サドラーズという配合で、この手のパターンは余りブライアンの走る定式のフォーマット的な感覚はない。基本的に「ニックスで走る」この種牡馬の産駒としては異端にも思われる。そういった中で、母の良血をベースに走っている馬のようにも思われて、どちらかというとサンデー産駒的な味わいもあったりするのだが、個別で見ると一応トニーの Hyperion はある程度ブライアンにとってはベストではないがグッドな血脈であるし、サドラーズの Bold Reason は Hail to Reason×Forli ならばある程度使い回しが利く印象ではあるが。しかし、丹念にグレースアドマイヤの配合を見ていくと、Prince Chevalier のクロスをベースに Prince Rose が3本となり、うち1つは Nearco との組み合わせクロスで、これは比較的 Princequillo により Roberto らしい粘っこさを増幅する手筋とはなるのだろう。あとは、ちょっと遠いけれど Bois Roussel クロスも味がある。これも Roberto に強い Teddy に対して、別系統の Plucky Liege を補給する手となるため。それと組み合わせになってるのが Nasrullah に Fair Trial といずれも Lady 系なのがよく出来ている。まぁ難解な配合ではあるがそこそこ。ただ、ホウオーにはちょっとずつ負けそうにも見えるのがどうか。

*フライングアップル
Rahy×*ローザロバータ(Fire Maker)×May Day Ninety(Alydar)×May Day Eighty[F20]
 消えそうで消えないモノサシ馬って印象もあるものの、なかなか頑健。曾祖母の May Day Eighty がデラウェアとか勝ってるけど、配合も Hoist the Flag×Ridan×Prince John×War Relic とはなかなかクオリティが高い累代で、米血としては隙がない。流石はカルメット。そこにカルメットらしく Alydar をつけた後に、カルメットの迷走に合わせるように Fire Maker なんかが入った上で、良血の Rahy という見立て。ただ、配合としては面白いことに、その一番クオリティが低い Fire Maker のところで Grey Dawn なんかを得てることで、ここで Herbager×Mahmoud の組み合わせのクロスが Rahy との間に入っていて、この系統の隠し味的な部分を引き出している辺り。どうしても Nijinsky を入れたくなる Rahy であるが、搦め手としてはなかなか。結果として、血統の弱点が少なくなっているのが安定したレース振りに繋がっているようにも見える。ただ、Ridan とかあることを思うと Blushing Groom では今ひとつ勿体ないというか、どっちもそこそこ良血なのに出力としての爆発力はない配合でもあるように見える。或いはRahy じゃなくてその下の*シングスピール辺りを使ってくればもうちょっと面白い配合にはなってくれそうだし、スタミナもその方が上だっただろうなぁとは思うものの、まぁアメリカいる分にはその辺りの配合機会がそもそも存在しないか。
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テーマ: 競馬

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カーリング、ローエングリンと関係ないほうの。 

 一応、初日からBSで3日続けて見てる訳だが、それにしてもメディアのスルーっぷりつーか、スポナビもコラムニストの一人くらい青森に寄越せないものかと思うのだが、まぁ基本的にはトリノで人気出たといってもある種プチブレイク的な恨みはあったし、致し方ないか。トロさまの家でBS入ってたら色々感想うpしてくれたかも知れないのになぁ(笑)。それにしても、余りにスルーされてないので、素人感想を晒しておく。
 基本的にややペブルが細かい=軽い馬場コンディションになっているのか単に選手が掴めてないのか、ドローショットがなかなか止まってくれずにジリジリする場面が多い印象で、本日のイタ戦なども結構前半はそんな感じで決定力不足が目立つ展開でしたね。お互いスキップレベルでも止めるショットが微妙に止まらなかったりがあったようで。ただ、今日に関してはやや相手より一枚上だったというか、落ち着いて後半を進められていたように見えました。その上で、やはり昨日のロシア戦が惜しかったつーか痛かったですね。ていうか、あの試合が1試合目じゃなかったのは運が悪いというか、ある意味完全にスキップのミスで勝てる試合を落とした後にもう1試合って、精神的にかなりキツかったんじゃないかと想像され、やはり4人のゲームでもある程度1人の負担が大きい辺りはこのゲームの醍醐味でもあり難しさでもあるなぁとひしひし。ただ、その上で今日のイタリア戦はスイープが冴えていた印象もあって、こういう形で周りがいい感じで盛り立てるような展開になったことは、チーム全体として士気が上がる結果に繋がるといいなぁとは思いました。
 それにしても、ノルディックのワールドやったと思ったら今週はフィギュアスケートのワールドがあって、同じ週にこそっとカーリングのワールドまでやってしまうとは、本朝はなんつー贅沢なスポーツ大国なんでしょうなぁ。でも、出来ればカーリングとフィギュアを同じ開催週にするのは勘弁して欲しかった。しかも、同じ週に世界水泳までぶつかってやがるし。TVなんて1台しかないんだから、もうちょっと世界のスポーツ界にあたりましては適切なリソース配分して欲しかったです。

◆ところで。
 そのカーリング世界選手権サイトの写真コーナー(例によって美人が多いのはトリノと同様ですな)の、スコットランド代表。まんまマクトゥーム殿下……はもう死んでるからゲインズバラ・ファームの勝負服なのがちょっと面白かったです。勝負服はオフ会で(謎。
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テーマ: カーリング

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阪神大賞典……ナリタトップロードの不在。 

 近年の大賞典の中で、比較的ラップが似てるかな、ってのは、トップロード2度目、要するに大レコードじゃなかったほうの02年。

07:アイポ:13.1-12.1[13.1-13.4-13.4 - 12.4-12.3-13.5-13.1]12.8 - 12.9-11.7-10.9-11.4-12.2
02:ナリタ:13.6[13.1-13.3-12.9-13.2 - 12.6-12.7-13.3]12.9-12.4 - 11.9-11.4-11.1-11.4-12.1

 基本的にはあの年よりはテンで先行のやりあいが微妙に存在したり、毎年ちと全馬掛かり気味になってラップが上がる1周目ゴール板でラップのラップの上がり具合が大きかったのだが、傾向としては13秒台の出たラップの長さとかもほぼ同様であり、道中の雰囲気としては近くはあるだろう。その上で、今年これだけのメンバーがそろいながら、と思うのはやはりラスト6Fからの加速具合。ある意味、これもナリタトップロードがある程度突き気味な中で演じられたと思うのだが、02においては6F目からラップが3度に亙って0.5秒ずつ上がっており、この辺りがトップロ一流の早仕掛けではあったのだが、今年の場合は同じ箇所で13.1-12.8-12.9と鈍い上がり具合で、残り4Fから一挙に11.7となり、そこから10秒台の瞬発力争いとなった。要するに似た道中なのに、そこからの「勝負の方向性」がずいぶん異なっている。その上で、天皇賞における「5Fの末脚」という古馬トップレベルのコンテンツを魅せる観点からすると、今年の大賞典は今ひとつトライアルとしてのホットさが足りないようにも思われた。もし、ほかの路線からそれを補完するような存在がいればいいのであるが、今年に関しては春天を目指す馬の中では、今日の人気上位4頭に匹敵する存在はいないであろう。それゆえに、一定以上のレベルを期待したかったのだけれど、ここでそういう志が見られないと、またイングランディーレやスズカマンボの台頭を許すのではないか、という一抹の不安も残した部分はあった。
 さて、4歳~7歳までの世代を代表するステイヤー自慢たちの中で、ナリタトップロードたるに最も近い存在はどの馬だったのだろうか。個人的には、デルタブルースであったと思う。人気はドリームパスポートであったが、この馬はむしろテイエムオペラオーに近い文脈でこのレースに臨んできたようにも思われる。逆にここを押し切っていれば先達同様の王道に乗る資格はあるかな、とレース前には思っていたくらいで。メルボルンCにおける押し切りは記憶に新しいし、別定のハンデがあったから、先に仕掛けるのはセオリーかなと思って予想をしていた。しかし、或いはこのペースだとハナに立たなければならないかも知れないといった予断があったのか、或いはドリームパスポートが掛かり気味になってそれをアイポが追いかける展開になってから判断をスイッチしたのか、かなり後ろで競馬を進めてしまった。この辺りで、前哨戦をやや淡白なものとした責を負うのは岩田である気がする。勿論、結果論としては天皇賞で勝てればよいのだし、もとよりこの馬自身がさほど休み明けから走る訳ではないので、今日のレースとして2kg余分に背負ってあの結果ならば存分以上であるとは思うのだが、この上位4頭の中での唯一のG1勝ち馬としての矜持みたいなのを主張するのが、天皇賞の制覇にあたっては要求されるのではないかなぁと思わされた。
 一方で、角居陣営がやはり2頭立てのアドヴァンテージを持ってるなぁと痛感させられたのは、ユタカの動き。今回のレースを見ていて、彼は完全に倒すのはドリパ1頭と見切ってレースをしていたように見えた。それは勿論最近の安藤勝が如何に彼にとって脅威となっているか的な部分も手伝っていたのであろうが、一方で同じ勝負服の2頭出しならば、まずは喧嘩しに行く相手はデルタブルースでは有り得ないってことなのだろう。つまり、両者はお互いに漁夫の利を得るチャンスを窺いあっていたようにも見える。今回の岩田の選択にもその辺りが手伝った部分はあったのだろう。一方で、今日のトウカイトリック辺りのパフォがどの程度このトップ勢の中でのノイズとして利いてくるか、って辺りが本番の帰趨として重要な要素になるかも知れない。その上で、駆け引きの裏をかくならば、後ろから行ってもワンペースなタイプのこの馬には不向きであり、むしろここで先行に戻す手もあるかも知れないが……。
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レース回顧  /  tb: 0  /  cm: 6  /  △top

歴史の闇に消された王 

 5世紀の三韓は百済に、久爾辛という王がいる。
 書紀の百済記引用の記述が正しければ、この王の父腆支王は414年に死去した。字面の紀年としては294年であるが、この時代のこの史料の常識としては、干支は2回り繰り下げられる。時あたかも高句麗の広開土王の席巻する時代、父王は同盟先の倭で人質として待機しつつ、倭人の警護を受けながら渡海し即位した経緯を持つ。その帰朝にあたっては本国に留まっていた叔父が簒位を狙っており、忠臣に助けられて王座を得るなど、なかなか容易ならざる展開はあったらしい。そして、書紀所伝の百済記が伝えるところによると、久爾辛もまた、長じる前に父に死なれたことで苦しい立場にあったようである。つまり、木満致なる官人が大后と密通しており、政務をほしいままにしていたと伝えられる。木満致は倭人と韓人の間に生まれた混血であり、一部の学者は蘇我氏の祖先と同一視をしている。一方で、大后である久爾辛の母は八須夫人と三国史記に名が伝わるが、こちらもまた、父王が適齢である頃に倭に滞在していた事情もあって、倭人説がある女性である(そうであるならば、この王もまた倭で生を受けたとなるのだろう)。広開土王の仕掛けた三国の戦乱は地理的に海を隔てた倭に利する面はあり、百済にも比較的倭の勢威が強めに浸潤していた時代にこの王は即位したと言えるだろう。倭は、乱れた百済の宮廷に対して干渉し、木満致を更迭して自国に召喚したと記す。
 そのような中で即位した久爾辛であったが、そのようにして大后や重臣のくびきが外れるや、416年には東晋に朝貢して、倭に先んじて鎮東将軍の称号を得ると、東晋が宋にかわるや鎮東大将軍に進号される。鎮東大将軍はこの後、百済王に代々伝わる称号として、100年後の武寧王に至るまで墓碑などにも大書されるものとなった。海を隔てた驕慢な隣国に対して、格上となる称号を持つ心地よさはあったかも知れない。一方で妹を倭に嫁がせるなど、先代からの同盟を維持しつつ、南朝との交流を通じて外交で存在感を示すことがこの王のテーマとなっていたようだ。朝鮮半島における仏教伝来の嚆矢となる阿道上人が熊津に甲寺を創建したのもこの王代となる420年とされる。424年には再度遣使を送ると、以後、毎年にわたって朝貢を行う徹底ぶりであった。南朝の史書にはその名を余映と記録される。恐らくは百済の歴史の中でも、このように頻繁な南朝への遣使を行った王はいないように見える。430年に、次代の毘有王が朝貢して爵号を継ぐまで、その関係は継続したようである。その没年は430年、或いは429年の比較的遅い時期に絞られるだろう。父・祖父辺りの事情を考慮すると400年前半から半ばあたりに生まれたと思われる久爾辛は、夭折の君主であった。その死を詳らかに伝える資料は、内外に残ってはいない。
 しかし、この王について、半島の正史である三国史記が伝えるものは、余りにも少ない。久爾辛王記の全文を引用しよう。
 久爾辛王 腆支王長子 腆支王薨 即位
 八年 冬十二月 王薨
 僅か、これだけである。欠史と言ってもよい。
 欠史と言えば本朝の八代の欠史が知られるが、あれは始祖伝説の系譜を指示する意味合いがあったし、后の名前や陵墓の記事、年齢などの僅かな情報はあった。この王は勿論始祖でもなく、既に有史の只中にあって、その事績が悉く消えているという点で、やはり異常であろう。
 しかも、その伝えられる即位年・没年も、日本書紀所伝の百済史料や南朝の宋書といった、より信頼できる同時代性の高い史料を考慮した場合に首肯できないものとなっている。それは420年~427年とされるが、即位前の幾許かを腆支に、没後の幾許かを毘有に吸収されているのだろう。この史書は、その前後の諸王に関しては、比較的近隣国の史料ともよく同期するような紀年を残しているだけに、このズレは書紀における紀年の不自然さ以上に目立つものである。そして、この王の王名もまた謎めいている。久爾辛は「くにしん」と読めるが、それは古代の本朝で三韓の王族を指す「コニキシ」に通じるようにも聞こえるのだ(白村江の後、本朝に亡命した百済王族は「百済王=くだらのこにきし」という氏を与えられている)。要するに、王名が「王」のようにも。そして、南朝が記した余映という中華名について、三国史記は不自然にも腆支に比定してしまった。言わば名前までもが、半島の歴史の中で徹底的に抹消されているようにも見えるのだ。
 一体、複雑な国際情勢のもとで生まれ、恐らくどう上に見積もっても30歳にも満たずに世を去ったと思われるこの若き王に、どのような「歴史から消されなければならない」事情があったのであろうか。その上で、わざわざ欠史としてその存在だけが指示されるのは、一体どのような事情なのであろうか。
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静粛に対する要求の高さ 

 どうせネタ的にはこないだのエントリと微妙に被るし、増田でレスした方が読む人は多そうだが(苦笑)、敢えてバイネームでトラバにする。

妊娠の一番大事な時期である妊娠初期は……@増田
妊婦だけじゃなくて産んだ後も大変。
そもそも、赤ちゃん連れで電車やバスに乗るだけで、周りから白い目で見られる。
赤ちゃんが泣き出そうもんなら、それこそこれ見よがしに連れて出て行け的な視線を浴びる。
ファミレスに行くのだってはばかられる。
だから基本的に赤ちゃん連れだと出歩けなくって内にこもっちゃう。
 思うのだが、「白い目で見る」とか「出てけと言わんばかり」とあるが、実際に「優先席座るな」とか「子供泣かすなら外でやれ」と言われたことがある人は流石に本朝においても相当に運の悪い部類であろうし、また現実にそういうことを言い出す輩が出た場合、普通に観客である周囲の人物の多数から同情されるのは妊婦や子供連れの方ではないかと愚考する。その意味では、子供を連れて出歩くことに関して余り引け目を感じるのはどうだろうか、と思わなくもない。また、特に満員電車においてはそうであるが、物理的に人の目が多いので、って問題もあるかも。例えばラッシュの電車で視界に入る50人程度のうち1人か2人がそういう目で見てたとしても、所詮は2%か4%の少数派であると考えれば、少々はラクになるんではないかと(まぁそういう気の持ち方が難しい、ってのは重々承知しますが)。

 ただ、本朝の公共空間についてやや自分が気になるのは、この周囲の増田にも散見されるように、とにかく「静粛に対する要求が高い」ことである。この辺り、香港の地下鉄などで華人が携帯電話でまくし立ててる姿とは対照的な部分ではあるが、東京では日常の屋外で聞く人の声は小さい。また、デパートや家電屋などでも、販売員が声を掛けるケースはめっきり減ってきたが、これは景況の悪化による人的リソースの問題もさりながら、「静かに商品を選ぶ」消費者の側に配慮してのことであろう。
 特に満員電車においてはこれはシビアであり、例えば路上ならばまだ「ギャハハー、感じワルー」とかダベってそうなDQNもひっそりとしたものである。小学生ですら結構車内での会話は周囲2m程度にしか耳にすることが出来ない程度の小声でひっそりと喋っていることが多い。今朝も電車で顔見知りの小学生が麻智さんと話してるんだが、人の流れで少々離れてしまうと半分もその話し声は聞こえなかったりする。一方、鉄道各社も携帯での通話やヘッドホンの音漏れに対して口酸っぱく注意を呼びかけている。結局は、子連れなどがある程度疎んじられるとすれば、最も大きいのはこの「静粛に対する要求」に係る部分であろう。ベビーカーやスリング・おんぶ紐が場所を取るのは堪えられても、泣かれたらイラっと来る向きは多いには違いないだろう。或いは、上の増田においても自分がされた場合の予測を元に、自分の子供が泣き出すことに引け目を感じる面はあるようにも。
 その上で、例えば席を譲る際に「どうぞ」と声をかけること自体も、この「静粛主義」の中では通常よりも気合が必要な行為となるのではないかと思う。また有芝は男なので何とも判断しがたいが、例えば痴漢などが発生する場合、女性が驚いた声を出せば結構それで周囲が異常を察知して、そこから更に進んだ加害を食い止められると思うのだが、そのような状況が少ないから難しいのであろう。それが困難なのは、当然女性における繊細な恐怖心があるのだろうが、電車においてそのような発声をすることに関しての道徳的な障壁が大きく手伝っているのではと想像する。実際、痴漢冤罪の類も、そのような中間的な状況をすっ飛ばして「この人、痴漢です!」とまで言わないと発声が正当化されないゆえに続発する恨みがあるのではないか。
 かくにも、公共における見知らぬ者同士のオーラル・コミュニケーションへの禁忌に近いものが社会において負の影響を与えているように思われるのであるが、この「静粛への要求」が過剰なものではないか、という件についてもうちょっと社会全体が疑問を持っても良いのだろう。マナーがやや陋習に傾き始めているというか、マナーによる快適さの代償の方がが高くついている面もあるってことなんでは。
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3歳馬配合メモ……アドマイヤホクト、エミーズスマイル 

 今週分はさくさくやってしまおう。土曜日のオープン勝ち馬より。

アドマイヤホクト
サクラバクシンオー×リドルミー(*カーネギー)×*エニグマ(Ahonoora)×Princess Ru[F8-c]
 サクラバクシンオー記念のようなレースになってしまいましたが、ある意味サンデーが○外を撥ね退けたこと以上に、バクシンオーがこうして○外を撥ね退けたことは特筆すべきなのかも知れませんな。基本的な見立てとしては、累代が Princely Gift→Ahonoora と軽くきたところで*カーネギーで、ここで一旦競走馬としては捨て手を打って、次の代の繁殖として何とかスタミナを最低限確保して種牡馬の選択肢を増やした上で、バクシンオーを入れてみたってところか。で、Princely Gift クロスなども生じるわけですが、むしろ面白いのは曾祖母の Princess Ru の配合。これと本馬の祖父サクラユタカオーに入る Big Game を見比べると、Nasrullah、Big Game、Pharos=Fairway、Blandford という4つの組み合わせを近い代から遠い代に亙って共有していて、ほぼ8分の5くらいまでは同血な関係。このニックスを活用しつつ、サドラーズに関してはお得意の Northern Dancer クロスで料理してみました、って次第。しかし、Nasrullah の奇跡の血量の教科書のようなユタカオーの配合におけるもう一方の美点であるところの Solario と Hurry On の組み合わせのような渋いスタミナ系の仕掛けは配合の中には見出されず、ひたすらスピード部分でコアとなる擬似クロスが前面に出ているだけに、やはりスプリンターに特化した血統パターンには違いないだろう。欧州的な雰囲気が強いので、坂のある中山よりは、淀や中京がよく似合うと思う。

エミーズスマイル
アグネスタキオン×エミスフェール(*ホワイトマズル)×グレイエミネンス(*トニービン)×*グレイキル[F5-g]
 基本的にはサンデートニーの形を受け継いでいて、その意味ではまずは配合としてはひとつのパターンを作っている。その上で牝系を見るとマルゼンスキーなどを出した Quill の系統で、Princequillo×Count Fleet という重厚な仕掛けを持つが、この組み合わせは母において*ホワイトマズルからも供給され、地力は底堅い。しかも、Quill から3代に亙り Hyperion×Son-in-Law の組み合わせクロスが入る配合の執拗さも特筆すべき。そこに*トニービンを配した Hyperion の塊のようなグレイエミネンスはトニー初期の素質馬として印象に残る。字面の割にはこれも繁殖としては今ひとつであった(レミニセンスはそこそこ走ったけど)が、やっと孫の代でオープン馬を出してその字面を証明できた、ってところではあるか。
 本馬においては、配合レベルで興味深いのは*ホワイトマズルとアグネスタキオンの組み合わせで出来る Raja Baba≒Tyrant の擬似クロス。まぁタキオンにおいて Bold Ruler を強調しちゃうのがどの程度巧手かどうかは議論が分かれそうではあるが、やや上述したようにゴテゴテした配合で素質を持て余し気味のこの牝系においてはそれなりに利く手かも知れない。その上で、タキオンとマズルで Alycidon のクロスが出来る辺りも、サンデー系の手筋としては面白いところではあるだろう。良血らしい手数の多さを秘めた見所ある配合ではあると思われ、3強ガチガチな牝馬路線ではあるが、捻り手として考えてもいいかも。
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3歳馬配合メモ……ココナッツパンチ、ダイワスカーレット 

 サボっていた、先週の分をば。勝ち馬はどちらも既出にて、2着馬をどうぞ。

ココナッツパンチ
マンハッタンカフェ×*ココパシオン(*グルームダンサー)×*ゲートドクール(Lomond)×Gay Apparel[F4-r]
 英語表記が Coconut Punch だったらココナットパンチじゃねぇか。
 母の*ココパシオンって馬はともかく良血であり、全妹のリトルオードリーは日本で活躍したが、祖母・曾祖母のレベルでキズになるような血脈がほとんど存在しないのは大したものである。その上で配合に関しても Northern Dancer クロスの上に Nearco≒All Moonshine とか入ってたり、Blushing Groom≒Gay Apparel などという渋いクロスも作られていたりと、配合フェチ的には感心をそそる部分がある。一方で*グルームダンサーや Lomond 辺りの前面の字面が結局押しが弱かった辺りで、繊細な良血馬的な限界がリトルオードリー辺りにも見られた。繁殖としては双方ともそのポテンシャルを発揮しているとは言い難いのが惜しいが(少なくともリトルは配合相手が悪いと思うw)、ようやくいい候補が出てきたかな?という新馬→弥生賞2着の離れ業。
 サンデー系との配合では、上述の All Moonshine のような血脈、それから Blushing Groom 辺りの Hyperion は利き所であろう。それは*サトルチェンジにこっそり入るドイツ経由の Tudor Minstrel や Law Society の Heliopolis がサンデーとの配合で利いていたからでもある。更に、Turn-to のクロスが母から継続されるのも良い点ではあるか。Turn-to には Craig an Eran という馬が入るが、本馬の4代母にはそれと呼応する Buchan が4×4で入っている。Buchan≒Craig an Eran の擬似クロスと言えば、セイユウがこのクロスを得てサラブレッドに並び立つ怪物となったことは、笠雄二郎氏が指摘済み。ただ、この母の血脈をフル稼働させた手筋でもないので、配合的にはもう一工夫を得られる機会はあるかなとも。

ダイワスカーレット
アグネスタキオン×スカーレットブーケ(*ノーザンテースト)×*スカーレットインク(Crimson Satan)×Consentida[F4-d]
 タニノウォッカには完全に遊ばれちゃったけれど、この馬も後ろを6馬身千切ったのだから、生まれた年が悪かった面もあるか。
 この馬の母スカーレットブーケはある種の*ノーザンテーストの能力と限界を象徴するような言わばテースト正統後継者的な牝馬というイメージを競馬初級者時代に持っていた馬であるが、それを象徴するのは Northern Dancer≒La Menina という擬似クロスであろう。すなわち、この両者は Nearco, Mahmoud, Lady Angela≒Tracery という3つの共通の組み合わせを近い代で持つ組み合わせのクロスとなる。どちらかというとテーストの限界ってよりはこのクロスの厚さが競走馬としての微妙さをもたらしたのかも知れないが、それならば活きるのはむしろ繁殖で、となるのだろう。その上で、*サンデーサイレンスとのダイレクトな配合においては、その中で特に Lady Angela≒Tracery といった辺りがサンデー相手に直接的に働く面があって、それが一介のサンデーテーストよりも上回る出力をダイワメジャー辺りで発揮させた面はあるが、一方で、アグネスタキオンのようなサンデー産駒が父となる場合、既にタキオンにおいて*リマンドのような血脈がある程度自分の色をつけた Hyperion をもたらしている辺りがどう出るか、となるだろう。その意味では近親でいくとヴァーミリアン辺りが*エルコンドルパサーのもたらした Hyperion を持っていて、それとの折り合いがつくのに時間かかったのと同様な意味での晩成さはあるかも知れない。個人的には繁殖としてむしろ楽しみかな?とも。
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トンデモがトンデモを呼びつつ 

 finalventの日記における歴史ネタにちとだけ。

聖徳太子は実在人物であることはかなり疑わしい。このあたりの日本史は根本的に疑わしい。また、白村江戦後は日本は唐のGHQ下にあった可能性もある。
 そもそも倭或いは日本が同エントリで指摘されている通り古代ルートコ(敢えて突厥とは書かん)と大差ない「化外」であるとするならば、そこに対する征伐がもしあったとすれば、それは後漢における班超、明における鄭和のごとく、本国の支援は最低限なものであり、切り取った土地は征伐者が宰領する性質のものであろう。この辺りで、百済や高句麗に対するスタンスと同一のスタンスで唐が倭に臨んだとは若干想像しづらいなと。言うなれば、郭務悰の類のコンキスタドーレスはこの地で自ら王たるべく本朝に対して向かっていた、としなければ話が通じないんでは。その上で、彼らの意図が成功していたならば、それはそれで中華史書において列伝を割いてある程度大書されるべき事跡となっただろうが(少なくとも往時の唐朝は、倭が朝鮮諸国相手に大国ヅラ出来るくらいの国だとは認識してたのだから)、それが失敗したから舊唐書もその辺りはスルーしている訳で。で、有芝の私見としては、唐朝としては劉仁軌伝にて新羅及百濟・耽羅・倭四國酋長赴會と記録される泰山封禅の儀式をもって白村江の戦後処理は終了とみてたのかなと(余談なれど、もし日本という国号がこの時期以降に成立したものだとすれば、その国号変更は、易姓革命ってよりはこの戦後処理をある程度までご破算にするトリックだった可能性はあるかもとは思う)。そして新羅がこの封禅のあとも独立を保っていたのと同様、本朝も基本的には政権を移譲してはいなかったのだろう。時間軸的にそれ以降で書紀に出てくる郭務悰やら李守真やらの動きはかなり唐からみて勝手にやってたっぽく。
 ついでに言えば、そういうGHQ的な仮説ってのは現代中華の歴史学者からは全然出てこないですよね。半島からはこの手合いがやたら湧いてくるのとは、結構対照的。この辺りは結局、向こうの蓄積した正史読みの教養からすれば、或いは常識レベルで棄却されてる仮説なんではって気も。

4. キリシタンのやっかいな問題がある。
 4の補足。
こういう⇒Kenjya_27
 てーか、逆に言えばそれだけ急速に拡張したのは「戦国の日本人が一神教を受け入れた」からってよりは、「戦国の日本人に多神教的な解釈でキリスト教を受け入れる予知を、サンフランシスコをはじめとする往時の宣教師たちが確立したため」なんでねぇの、ってのが素朴な疑問としてあり。まぁこの辺りの東洋への布教史に関して決して明るい訳ではない……つーか厨房レベルな訳だが、基本的には戦国日本におけるキリスト教って、浄土真宗(或いは一向宗)のヴァリエーションなんではってイメージも結構あって。
#「マリ阿弥陀如来さまがみてる」みたいな感じで。
 その上で、戦国期の本朝をめぐる宗教的な素地ってのは確かに一向宗にしてもやや一神教的な性格も帯びてなくはないとは思うのですが、結局は「極楽浄土」って考え方も日本人の場合には「死んだら神になる」という解釈として受け入れられているとも思われ、その意味ではユダヤ系諸教のような文脈の一神教としては決して受け入れられていなかったと考える方が穏当か。まぁでも、こういう書き方をすると、例えばゲルマン諸族などが古代から中世にかけてキリスト教を受け入れたのもある種多神教的な思考をキリスト教が受け入れた側面があるから、みたいな話にはなって、結局どこも大して変わらん、という話にはなったりする面も出てくるものなれど。
 ところで、戦国~織豊の本朝において、和訳聖書ってのはどの程度普及してたのでしょうかね。印刷されていたって話はぐぐったら出てきたし、現実に上の引用のリンク先などに書かれてる規模で信徒がいたならば普及してても全然おかしくないけど、その辺で経典がらみの訓詁学的な部分が往時の知識人の間でどの程度進んでたかは興味があったりする。ただ、布教のテクニカルな流れとしては、グラスルート的な流れを尊重してたのかもなとは思われるが。
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「最後の授業」と、ナショナリズム 

 相当昔のブロゴスフィアで話題になったことを、ふと思い出したので、適当にメモ書きしておく。

『最後の授業』はフィクション度が高い@ARTIFACT ―人工事実―
NHK「ひるどき日本列島」と国語教育@余丁町散人(橋本尚幸)の隠居小屋
最後の授業@詞織
「最後の授業」の神話性@it1127の日記
帰国生からみた『最後の授業』と歴史教育
『パリ・アルザス・プロヴァンス ―アルフォンス・ドーデ『最後の授業』の問題域』

 「最後の授業」というのは、ある程度我々の世代以上にしか通じない話題、ではあろう。
 自分の時にはまだかろうじて残っていたらしいが、私自身の記憶としては、小学校の高学年の時に姉の教科書で読んで感動したけど、自分がその年になった時の教科書には存在しなかったくらいの呼吸で落ち着くので、ちょうど30代真ん中辺りが分水嶺となるのではないかなと。この作品が何故に国語の教科書に採用されなくなったか、というと、結局は「エルザース・ロートリンゲン両地域(長いので、以下「両地域」と表記する)においてフランス語は母語でも何でもなく、かの作品自体がフランス人中心主義に過度に偏っている」といった批判があったとのこと。一方で、この作品の扱っている内容は、歴史における民族の翻弄を分かり易く描くものであり、やや相対化した視線で歴史の教材として取り上げれば、単に暗記ではなく「考える」ための素材として成り立つのではないか、などといった意見も。

 個人的には、蓮実氏辺りが書いているようなドーデ批判、すなわち「フランス中心主義」への論難みたいなのは、実はしっくりこなかったり。というのは、結局、それならばもし両地域がドイツ語方言の領域であり、彼らにとって「フランス語(そして恐らくはベルリンのドイツ語も)が『牢獄の鍵』ではない」とすれば、果たして彼らにとって最も幸せなことは、両地域が独立して自らの母国語を教育の主体とすることであるのか、或いは19世紀的公教育のポリシーをある程度曲げる形であの時点での彼ら住民たちを「アルザス人」として教育すべきだったのかが、どーもしっくり来ないから。それは、詰まる所「多民族国家」としてマイノリティの座に甘んじつつもある程度の自治を国家内で得ている地域が、得てして民族自決を過剰に適用して血で血を洗うような敵意をお互いに抱いてしまった国家(ユーゴとかユーゴとか1930年代のエスパーニャとか)なんかと比較して全般的に幸運な面があるのではないかなぁ、とも思われるからでもある。
 欧州にはこの両地域以外にも、独自のアイデンティティを持ちつつ少数民族として特定の国に編入されている地域は数多くある。両地域やエウスカディのごとく国境に接するようなものでなくても、ブルターニュやガリシアのように地形的に最果てのものなどもあったり。恐らくそれらが普通に独立していたら、欧州はある意味で中世領邦国家に回帰するだろう。その上で、近代においてこれらの諸邦が国民国家に再編されたのは、近代というシステムがこれらの少数民族を不幸にするシステムだったのかというと恐らく必ずしもそうではなく、それなりに政治的なリソース配分における暗黙的なバランス調整や、地域ごとのアイデンティティの再編を正当に踏んでのものである側面も考えられるのではないだろうか。

 その上で、当然(散人氏の指摘するような)「フランスに帰属しようとするアルザス人」なるアイデンティティを持っていた人物も、またその逆も、当時の両地域には数多くあったのは事実であろう。フランツ君なんかもフランス語が好きかどうかはサテオキ、ある程度そういう志向を家族などを経由してある程度無意識のうちに持っている子供として描かれており、それは当時の両地域において、かりに多数派ではなくとも、決して不自然なものではなかったと言える。例えばサルトルとシュヴァイツァーなどはこの地域生まれの親戚同士であるけど、前者の家族が「ドイツに帰属することを拒否して」パリに移住した例もあったりする訳で。
 凡そ、民族としてのアイデンティティと国民としてのアイデンティティとは、常に一体化させられるべきものでも無いのだろう。逆に言えば、そこへの過剰なこだわりが不寛容を生む面もあるだろうし。その意味では、ドーデのこのテクストを歴史から光を当てることによって「単なる虚構だったんだ」などと片付けてしまうのは、ある意味では、まだ国境とか民族という重力に魂を曳かれ続けているってことなのかも知れない。上述のリンクにおける子供たちの感想などを見ていても、まだその辺りの未熟さも窺える気がする。その上で、「歴史の教材」としてこれを扱うにしても、実は課題としてはなかなか厄介というか、思いのほか複雑な内容を抱えている面があって、教える学年をどの辺りに設定するのかについては苦労するなぁ、なんてことも思ったり。

 一方で、ドーデのテクストを批判するとすれば、「国語」が結局「何を教えるものなのか」についてだろう。結果として、アメリア……ゲフゲフン、アメル先生にとってそれはVive la France.の3語に集約した。つまり、国語教育が愛国心教育である、という姿勢についてだろう。で、我々が国語を学ぶ目的は愛国心を育むためだろうかというと、恐らくは違うんじゃないかとは思う。国語はむしろ「ランゲージ・アート」であり、言わば口語文語により、「人に伝える」技術を養うことである。読書を行わせるのも、感想文を書かせるためではなく、「伝えられる」立場に立つことによって「どのように伝えようとしているか」の技術を考察させること、それを通じて、自分の感情の言語化可能な範囲をより広げることに資するためだろう。勿論、公教育という教え手の側の立場として「一定のアイデンティティを教育を通じて培う」権利はあると思うが、反面「愛国心」のごときベクトルがこの文脈に絡むことは、「伝える」ことの可動範囲を狭める方向に働く懸念もある(ここでは「愛国心」を挙げたが、勿論教師個人の政治的バイアスが愛国心に反する方向に極度に絡んだとしても、同じ問題は発生するだろう)。その意味では、この作品が国語の教科書から外された判断は、そこそこ妥当ではないか、とも思われ。

 ただ、教科書において、どのような教材に子供が感動し国語を学ぶことを動機付けられるかは、人それぞれではあるだろう。その上で義務教育においては、出来るだけ多くの子供が何処かで感動を得られるようにする必要が出てくると思う。その意味ではこういう作品が一つくらい入るのは悪くないのかも知れない。実際、ある程度感動的な作品には違いないから。
 一方で思うのは、多くの子供を感動させるために余りにも雑多な方向の作品を収録しても、それはそれで多くの子供について「年に一つくらいしか感動できるポイントが無い」意味で等しく殆どの子供にとって「つまらん教科書」になっちゃうのかな、という問題。で、恐らく現実に今の教科書自体がそういう方向で「つまらない」ものになってる、って面はあるのだろう。実際、自分の時代も国語の教科書って大半はつまらなかったし、それは現在の子供も多分そうなんだろうなぁ、と。国語ってのは、そういう意味でかなり子供によって個別的な要素が強い教科であり、そういう意味では子供をアトラクトしにくい面が本質的に備わってる、だけど本当に「ランゲージ・アート」としての目標を達成するためには幅広く教材を用意しないといけないのも事実で、つくづく教えるに難しい科目なんだろうなぁ、なんて慨嘆。

◆最後に、この話題のおさらいとして。
 アカデミックな立場からの両地域史とその言語教育の経緯に関しては、以下を参照されたい。
 ナショナリズムに関して、政治的な立ち位置を排したバランスの良い論文だと思う。
 -アルザスの地域主義と言語政策@岡田朋子氏
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テーマ: 歴史

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ヒナの気持ちについての整理 

 完全に出遅れ気味のトラバ。

ヒナギク考察 ~少女の変化と恋心~@ぷらずまだっしゅ!
 ヒナギクの心理について微妙に危ない橋を渡ってるなぁと思うのは一番最初の登場シーンなのですが。

ヒナギク登場

 ここで、ヒナギクに借金の話が聞こえていたんじゃないの?みたいに思ってしまう部分はあったりする訳で、その上でもしヒナがこの上のコマの台詞をちゃんと聞いていたとすれば、ハヤテのことをどう思ったんだろうってのはそこそこ興味深いIfではありますな。ていうか、そうするともっと一直線にハヤテに惚れちゃったりするんだろうか、みたいな。或いは、この辺りは結構後付けで「迷う女の子」みたいなキャラクターにシフトさせていった部分も疑念としては25%くらいは持っていたりもしまする。
 ていうか、結構最初のうちの印象としてはやはり読み返してても「かなり普通に惚れてるんだけど、それを見せない心の強さを持っている」的なギミックかと思っていたのですよね。まぁ逆に言えば冒頭のシーンがやや火田クンの叙述トリックであったのかも知れません。その辺りでシフトが変わるシーンがお化け退治編、ということになるのかなとも思われ、その意味ではあの抱きつきシーンで完全に「素でやってる」っぽさを見せた辺りに、カーム氏の意見とは逆の意味でヒナギク読み的に確かにインパクト強いシーンだなぁというのは思うところであります。
 一方で、恋心に気づいてなかったとすると案外ヒナのハヤテへの思いってのは段々募ってくるものというよりは、スズメを助けた瞬間辺りからずっと比較的フラットに「何となくほかの男の子と違う、気になる子」だったのかなぁと思われます。むしろ、吊り橋でいじめられた辺りが一番フラグ的には重要なポイントだったのかも。そこで嫌いになればいいのに嫌いになりきれなかったあたりで、自分の気持ちが何なのだろうと問い始めるきっかけになったようにも思われます。そういう状況の中で西沢さんのバレンタインが、その気持ちを加速させる最大の要因ではあった訳でありますが。
 その上で、ずっとフラットに持っていた気持ちが何であるかを知る瞬間として、ハヤテの借金を知る瞬間が結構サラっと書いているけれども大事な場面なのかなぁとも思われたり。その中での伏線として面白かったのは、白鳳の人たちはみんなハヤテが「何か分からんけど、見た目が貧相だから貧乏な人らしい」ことを姉の雪路含めて大概は見抜いているのですけれども、ヒナギクだけがそれに一度も気づいてなかった、って辺りですね。ただ、こういう感じで「一目見た瞬間に分かる事」を足掛け7巻くらいにわたってずっと探し続けてたとすると、ある意味この娘は西沢さんやナギよりはずっと純情なのかなぁ、みたいなことは考えてしまったりもします。そしてその純情さというかカラっとした感じがまた魅力なのでしょう。
 まぁ、純情というか天然って意味では、恐らく永遠の17歳の人が一番最右翼なんではないか、とも思われますが(笑)。
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テーマ: ハヤテのごとく!

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: ハヤテのごとく  ヒナギク 

子連れ通勤者がボソッと呟いてみる。 

 まぁ、流石にずっと続けるのは子供がかわいそうなんで、3月までの一時的な措置ではあるんですが、そんな通勤時のひとときより。

日本の少子化対策は無策か?@ちびたとお散歩
ですが、日本に一時帰国したときに
バギーなしで電車に乗ったところ
同じ車両に乗っていた子連れのお母さま方は5組。
全てのお母さんがお子さん一人は抱っこして立って乗っていました。
車内には大学生くらいの若者も、遅い通勤客らしいサラリーマンも
座って携帯メール、寝ている、漫画を読んでいる・・・。
 と、今朝の電車で携帯開けてこのエントリを目にした次の瞬間に、前に座ってた人が赤ちゃんを抱っこしていた人に席を譲ってくれた件。
 つーか、優先席付近で携帯ではてブなんぞ見てる俺が一番ダメな人なのだろう(苦笑)。因みに前に座ってた人の目線からは勿論私の携帯の画面は見えませんので、本当に偶然ってのは面白いもんだなぁとも。という訳で、まぁこんな話も出てくるのだろうけれど、実際のところ子供が生まれてあちこちに出かける機会はあるのですが、傍目から見てるよりも全然周囲は赤ちゃん連れに優しいってのは折に触れて気づかされた面かもしれない。とりあえず目が合ったらにっこりとしてくれるおばちゃんとかは多いし、小学生の女の子が声をかけてくれたり、ベビーカーで階段突っ込むしか選択肢がない時に周りの人に助けてもらったりとか、まぁ色々と助けて貰えるものだなぁと思う自分は、多分人生ナメてる楽天家なのだろうか。麻智さんに言わせれば「この子はお父さんに似て運が良いのだろう」ということであるが、そういう運命的なもの以前に、まぁ結構世の中の人たちは多くの場合潜在的に「子供には優しくしたい」的な善意を持っているのではないかなとも思われます。
 ただ現実には「いや、うちは助けて貰えてない!」みたいなことを言う人も多いのでしょうけれど、何となく思うのは、上述したような「潜在的な善意」をくすぐるにはちょっとしたトリックが必要なのかもって辺り。例えばある種「赤ちゃんらしい符牒」のようなものは眼に見える形で用意した方がいいのかもなとは思う。要するに見た目として「赤ちゃんらしく」するというか、例えばベビーカーでも、マクラーレンとかでありがちな渋い紺色とかよりは(いや、あれはあれでいいと思うんだけど)、安物でも淡いピンクとか水色とかのようなカラーを主体にすると何となーく声とかかけやすくなるのかなとかも考えたり。で、考えるに、基本的に「親子連れが弱者だから」いたわって貰えるというよりは「赤ちゃんだから」いたわって貰える、みたいなイメージがあるので(つーか麻智さんも妊婦のころはあんまり席譲ってもらえんとこぼしてたんで)、その意味では弱者としてのアピールよりも赤ちゃん力の向上の方がこの手の社会的な支援を受ける際には重要なのかなぁとも。何か少子化云々よりも処世術的な話になってしまいますが。
 などと思いつつリンクを辿ると、下のようなエントリが。

[ふと思う]子ども連れは弱者か@深く考えないで捨てるように書く
「子連れの保護者」を弱者とみるかどうかは、かなり微妙な線である。
連れられている子どもは弱者である。保護者はその子どもの存在ゆえに弱者とみなされるが、子どもと保護者を分離したら、そこには弱者である子どもと弱者とはいえない大人が現れる。
 結局、弱者というものはアドホックだから、というお話なのでしょう。
 例えば、満員電車において女性が10kgそこらの斤量を抱えて立ってなければならないならば、まずそれは弱者と見なさなければならないのではないか、とは思う。その一方で、例えば上のエントリで指摘されるとおり、保護者を弱者とはみなすべきではないという見方もあるだろう。或いは同じ電車に乗り合わせた不妊治療中の女性なり不妊以前の喪女から見れば、赤ちゃんを連れて保育園などに出かける行為それ自体が強者の振る舞いと見なされる、なんて可能性まであるかも知れません。その上で、本朝においてとかく「弱者に対して非寛容」みたいな状況が蔓延しているとすれば、「弱者としての立場」がアドホックなものとしてではなく固定的なものとして認知されているからなのかな、とは思われます。その上で、弱者じゃないものや限定的な弱者がその立場を普遍化させようとする動きに対して、警戒心が若干強くなりすぎているのかも。この辺りの話は先日suVene氏のエントリにもあったけれど、まぁ実際世のルールとしてそういうアドホックな弱者性というのを共通認識として、まずはその境界線を切り分けるみたいなことが同意として成立してない辺りは、世の中苦労が多いところか。ただいずれにしても、実際のところ弱者だから云々的な主張を余りやりだすと、結果として弱者同士の不毛な利権争いの中で強者のディヴァイド・アンド・ルールに取り込まれる罠もあるので、まぁ余りガツガツ行き過ぎない方がいいかもとか(話が完全に脱線。
 あと、もいっこ。

[読んで書く]日本の社会だって捨てたもんじゃない@深く考えないで捨てるように書く
 子供が生まれて1年近くが過ぎて思うのは、「子供が出来る」ことによって自分が今まで組み込まれていなかった社会に組み込まれたなぁ、ってこと。DINKSやってた頃はマンションなりアパートなりでも、全然回りの人たちとかは気にかけずに過ごしてたものなのですが、子供が生まれるとある意味そうはいかなくなるというか、結構同じ世代の子供がいるところとの付き合いが出来たり、また外でもママ友だとか保育園だとか病院だとか役所だとか、そういうソーシャルな関係が色々出来てくる。その点では結婚の場合、ある意味子供出来るまでは同棲と同じような部分があって、友達づきあいとかネットづきあいとか独身時代のソーシャルな世界と大差がなかって意味ではインパクト小さかったかも、とも。で、この両方を見ると、子供が出来てからの社会はやはり「助け合い」の要素が結構大きい。この辺りはネットとかでのある種の孤独な殺伐さとは異質な部分ではあると思う(無論子供のいる社会も違う意味で殺伐とした面はあろうが)。ただ、今の世の中は、企業社会とかはまぁまた別として、結局結婚して子供が出来るまではこうした「助け合う社会」みたいな部分から距離を置いて個人主義的に生きられるんだなぁとも痛感したり。その上で、独身者がそういう「子供のいる社会」を想像する視野が足りないケースとか、子供が出来てもそういう「子供が出来る以前の社会」をひきずったりするケースなんてのは結構ネットの書き込みだの世の中の事件だの見てるとあるんだろうなぁ、なんてことを考えますね。
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3歳馬配合メモ……トーセンキャプテン、ローレルゲレイロ 

 本当はエラティス仔の予定だったが、故障してしまったので普通にアーリントンの1,2着で。まぁ勝つ馬しか取り上げないとなると、ローレルゲレイロみたいなのはなかなかヒットしてこないので、たまにはこういうのも。

トーセンキャプテン
ジャングルポケット×サンデーピクニック(*サンデーサイレンス)×*アトール(Caerleon)×Shirley Reef[F2-i]
 この馬もフサイチホウオー同様叩き合って味のあるところを見せたが、やはりホウオーと同様にトニーサンデーの配合。そのニックスについては既に触れたし、まぁ4分の3同じだとそっから先を書くのに苦労しますな(笑)。その上で、ホウオーは曾祖母がフランスのクラシック馬であったが、こちらは祖母がイタリアのオークス馬。Mill Reef に対して Caerleon という往時としては相当にベタな配合は、Princequillo を得つつ Djeddah 経由で La Troienne を入れて米血の整合性を高めたようなイメージ。ただ、曾祖母の段階で Nasrullah が相当に累積しているだけに重石はあるもののやや我慢が利かない配合で、結果エプソムでは足りなかった。それでも日本馬として当時はかなり名誉な欧州での重賞制覇を果たしているのだから褒めるべき馬ではあったが。本馬の場合は、そういう配合に対してトニー経由である程度潤沢な Hyperion を付加するという形で上がやや重めの配合となる。その上で、Nureyev のところが Sadler's Wells だったらとか、微妙に配合面で惜しいポイントも多く、その辺りで字面の良血度も含めて何となく器のサイズとしては先に触れたイクスキューズ辺りに近いと思う(勿論こっちの方が距離は持つだろう)。ただ、見た目的には結構ハートはあるタイプなので愉しめるか。もっとも、それだけに結構ギリギリのレースが続く中で、故障せずに能力を蓄え続けることが出来るかという辺りが課題となってくるタイプか。

ローレルゲレイロ
キングヘイロー×ビッグテンビー(*テンビー)×モガミヒメ(*カコイーシーズ)×モガミポイント[F1-b]
 この馬の父のキングヘイローはとかくガチャガチャした近親交配が目に付く馬で、同じ近親交配でも同期の*エルコンドルパサーのような様式美には欠けるあたりで血統派に懐疑の目で見られがちだった馬であるが、配合の目指す方向としてはこれはこれでありだったのではないかと思うという意味でそこそこ自分は肩入れしている方だったのかもしれない。しかし、Sir Gaylord が結構近い代でクロスしてるのに更に Halo で3本目の Turn-to 入れたりしてる辺りなんか見ると、欲張りすぎな配合だよなぁという印象はあった。結果、欲を出しすぎて器用貧乏になったのがこの父の特色とも思う。
 さて、そんな話の後に本馬を見ると、母のビッグテンビーには4代目に Mill Reef とボールドラッドUSAが入っており、なかなか綺麗なナスキロのダブルクロスとなっている。その上で Caerleon とマルゼンスキーは Nijinsky と Princequillo の組み合わせクロスで Princequillo 色が強い。そして本馬においては、上述した Sir Gaylord が Turn-to と Princequillo の組み合わせに加わる。更にそれを、父の曾祖母 Squander とマルゼンの母*シルが Buckpasser と Princequillo の4分の3同血で締める、って具合。言わばこの馬の基調は「Princequillo を欲張りすぎた」配合となっていて、その意味ではキングヘイローの正統後継者的に映る部分はあって、現実に同じように勝ち切れないでいる。この辺りで、Princequillo が外交馬である辺りが、結構クロスとしてリスキーになっているか。父と同様に目指す方向性としては面白いので、見守っていきたい。
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マル外はアメリカで走ってます 

↑最も身もフタも無い回答例。

マル外はどこへ消えた?@傍観罪で終身刑

 基本的には、外国産馬のレベルは為替レートと連動するものには違いないでしょう。
 その意味では、2000年以降の為替レートはやはり少なからず円安基調なので、まぁ結果として○外の輸入数が減少するのは致し方ないかなと思われます。ただ、それをさておいても、外国産がある程度以上馬主をアトラクトしなくなった要因ってのは何だろうなぁ、みたいなのは考えてしまうところですよね。その上で、元々○外が市場において魅力となっていたのはその「早熟性」故だったのかと思っています。この早熟性の部分でさほど魅力がなくなったことが要因としてはまずあるかなぁって気はしますね。2000年に旧八大競走への外国産開放は動き出した訳ですが、それゆえに外国産を「早熟」に絞って購入する集中力が落ちてしまったという購買的な問題はあるかも知れません。一方で、日本側も特に育成レベルで早熟な方面にかなり対応して行った上で、血統面でも*アフリートや*フォーティナイナーという、輸入されなければアメリカでリーディングを争えるような名種牡馬を引き抜いたことで、国産でそこそこ早熟な馬が作れるようになった面もあるでしょうか。またセレクトセールにようなショウケースを作って、ブランド的な対抗力を築いた面もあるでしょう。
 そのような形である程度○外の足腰を弱めた一方で、実際に開放された天皇賞では*アグネスデジタルや*シンボリクリスエスのような○外の名馬が席巻するシーンもあった訳で(○外では同時代に*タップダンスシチーの活躍もあった。こちらは天皇賞を完全に無視してたが)、その意味では○外の波がまだクラシックレベルに及ぶ余地はあったと思うが、一方である程度レースが開放されたことで○外の「ブランド力」が落ちてきた、みたいな面はあるかも知れません。去年辺りに海外開放ネタを書いたときもちょっと触れたように「規制の作るギミック」からほぼ解放されている現状は、○外の馬からある種の「舶来の権威」を削ぎ落とした面はあったかなとも思われます。勿論、これが外国産の輸入を減少させる要素となったとすれば、それはタイミングの問題でもあったのでしょう。やはり、ある程度のモメンタムがあった時期に一気呵成な開放を行っていた場合、ギミックがなくとも外国産のブランドは存続し、言わば関東馬に対する関西馬的な扱いを受けてたんだろうな、とは思われます。そして、トップレベルの馬産ではかなり貧すれば鈍する的な状況に陥っていたのでしょう。かって偏屈爺師が○外への開放に対して反論していたとき、競走を外国産に開放したことで国内馬産のレベルが挙がった例など歴史的にないという趣旨の議論をされていました。その意味では、JRAのとった開放路線はかなりの時間をかけつつその隘路をこじ開けてしまった印象もあります。そうして、国内馬産をレベル面では支えきって、上位において国際競争に耐えうるものを作った点は率直に評価されるべきなのでしょう。
 一方それが「馬産全体を守れたか」、は問われるべきものではあります。
 結果として馬産は外国産の輸入が落ち込んだことによって苦境を脱せたかというと、まずそうとは言えない状態。その理由は何かといえば、まずは地方競馬の崩壊によってパイが少なからず縮小している、ってのは大きいでしょう。現在の地方競馬の下級クラスの賞金水準は、恐らくフランスやイギリス辺りの最下級条件の賞金にも劣るようなレベルまで来てしまっているように見え、要するに存続している競馬場でも賞金のパイという面で既に大幅に萎縮してしまっている。そして、国内馬産のレベルがある程度上がってしまったからこそ、そういった状況における縮退的な対応、つーか「身の丈にあった馬産のモデル」が講じられなかったことで、中小馬産はある意味牛と競走するカエルのような状況に陥ってしまっているのでしょう。個人的には例えば*テイクオーバーターゲット的な、趣味的・ミクロ的な馬産がある程度底辺の支えとなるようなモデルはあってもいいと思うのですが、ああいうのが本朝で萌芽する兆しは感じられません。その上で、地方との交流の拡大はある意味「地方のために道路を整備したら、その道路整備が過疎化を早めた」国土政策の轍をきれいに踏んでしまったようにも思われ。その意味では、競馬の市場開放は、ある意味「その問題に絞って成功する」ところに血道をあげすぎた結果、成功はしたけれどもややその中で「手段の目的化」的な罠に陥ってる恨みはあるようにも思われます。「格差があることを前提に、ある程度みんなが幸せになれる」方法論は、現在割かれているリソースを再配分しつつ、もう一度知恵を合わせて模索して行くべき部分なのかなと思われますね。

◆んー。
 何か微妙に地に足の着いてないエントリ。悪い意味で評論家的。
 たまにはわむはコメントではなくトラバでじっくりとこの手の話に勝負してみてください(姑息な予防線

◆ところで。
 有芝はいまだに前時代的な「*マルガイ」的な輸入馬表記を続けているのですけれど、それは単に散文の中で「マルガイUSA」的な国略称表記をするのが自分的に違和感あるから、みたいな面はあります。最近はデルマ任せなので余り書かないけど、もしテーブルで血統表組むようなエントリをあげる場合には、その中に限定して国略称表記にすることは吝かではないのですが。因みに、もし国略称表記を地の文でも受け入れるとしたら、ある程度見やすいように国略称にはカッコを入れようかなと思うし、また文中で複数出現する場合には2度目以降は国略称を省略するつもりではあります。ただ、実のところはアメリカの血統ライター的な人の文章をたまに見ると未だに *Princequillo 的な表記が根強くて、それの顰に倣うという非常にスノビッシュな背景もあったりして(笑)。
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