08« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»10

殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

週末、ほかにも気になるレースたち。 

◆ここにも違うレースに出るべき馬が。
10月1日ドルトムント7R 16:40発走 芝2800m
第122回独セントレジャー(G3)
総賞金65000EUR サラ3歳牡牝 定量(58kg、牝2kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
13Atamane      牡3 58 カルバーリョ51 33512 ホファー    Winged Love
26Elcanos      牡3 58 スボリッチ 73 143105 ホファー    ACATENANGO
34N'oubliez jamais 牡3 58 デフリース 42 -9115 ブルーメ    Poliglote
42Schiaparelli   牡3 58 シュタルケ 64 11216 シールゲン   MONSUN
55Damascena     牝3 56 モンギル  61 19224 シールゲン   ACATENANGO
61Disrektion    牝3 56 ヘルフェンバ61 37421 ヒクスト    ACATENANGO
 とは言え、Schiaparelli が出て、そこそこ締まりのある構成になった。また実際、持ったままで楽勝というほどには軽いメンバーではなく、血統的にも何とかなる的な予断を持たせるような存在もそこそこあるかもな、みたいな雰囲気もあって。Damascena とかは同厩だけど一発はあるタイプかも。Elcanos もオイロパ賞3着ある Ebisu の下で、潜在能力は感じられる。この辺りがそこそこダービー馬を追い詰めてくれれば、来年のオレアンダー・レネンとかその辺りのもっさりした重賞戦線が楽しめそうではあるかなぁとも思われ。実際、ステイヤー結構フランスG3レベルでも活躍してるんだから、もうちょっと分厚くなってもいいかもなと。

◆久しぶりすぎるぜ、スペシャル。
9月30日ロンシャン6R 16:25発走 芝1600m
ダニエル・ヴィルデンシュタイン賞(G2)
総賞金130000EUR 3歳上 別定
(3歳56kg,4上58kg、本年G2馬1kg増,同G1馬2kg増、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
14Notability    牡4 59 スミヨン  123 619321 ジャーヴィスGB King's Best
28Svedov      牡5 58 パスキエ  275 21353 ルルーシュ   Exit to Nowhere
36Special Kaldoun  牡7 58 ブフ    389 27976 スマガ     Alzao
45Sendalam     牡4 58 スパニュ  212 44557 フアン     Sendawar
52Echo of Light   牡4 58 デットーリ 94 15休161 サイードUAE   Dubai Millennium
61Picaresque Coat  牡4 58 武豊    173 15392 池江泰寿JPN   ジェイドロバリー
73Hello Sunday   牡3 56 ルメール  93 63931 C.ヘッドたん  Poliglote
87Only Him     牡3 56 ペリエ   11 ---1休 ファーブル   Seeking the Gold
 *スペシャルカルドゥーンがマイルCS出たの何時だっけ、と一瞬考えてしまったが、もう3年かぁ。こんな形で再度日本馬と見える日が来るとは……って、確かマロワでテレグノ・ローエン辺りと対戦してもいるんですよね。なかなかの経験値である。それを含めて全体的に重賞勝ち馬が結構並んで割と分厚いメンバーで、前走バーデンで Lateral を倒した Notability は斤量がこなせればここでも強そうだが、Hello Sunday 辺りも侮れないものはあるか。ピカレスクコートとしてはなかなか厳しいメンバーを引いてしまった印象で、まずは相手なりに走れるかというところであるが、それ以上に内枠を引いて、ユタカにきっちりと馬場の状況を教える競馬をすることも大事かも知れない……と思いつつ、実は凱旋門って当日仮柵外すんだよなぁ。仮柵後競馬を欠陥G1というなら、凱旋門はその究極か?(笑)
#まぁ8頭なら全馬グリーンベルトに乗れるから公平ではありますが。

◆フォレ+アバイユくらいの価値はある、のかな?
10月1日4回中山8日11R 15:40発走 芝1200m
第40回スプリンターズS(GI)
総賞金180500000円 3歳上 定量(3歳55kg,4上57kg、牝2kg減)
枠馬 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎   前売 父
11Venus Line    牝5 55 秋山真一  286 361113 堀宣行   16.9 FUJI KISEKI
12Tagano Bastille  牡3 55 勝浦正樹  123 168休9 池添兼雄   136 Brians Time
23Les Arcs     せ6 57 サンマルタン3812 281111 ピットGB   9.2 Arch
24Meisho Bowler   牡5 57 福永祐一  207 休41427 白井寿昭  19.3 Taiki Shuttle
35She is Tosho   牝6 57 池添謙一  357 61221 鶴留明雄   5.9 SAKURA BAKUSHIN O
36Golden Cast    牡6 57 小牧太   418 111128 橋口弘次郎 84.9 Taiki Shuttle
47Ore Hamatteruze  牡6 57 柴田善臣  289 31110休 音無秀孝   6.6 Sunday Silence
48Keeneland Swan  牡7 57 イネス   447 41061017 森秀行    106 Distant View
59Benbaun      せ5 57 オドノヒュー288 22221 ウォレスGB 26.5 Stravinsky
510Blue Shotgun   牡7 57 藤岡佑介  517 11休384 武宏平   38.8 SAKURA BAKUSHIN O
611Tamamo Hot Play  牡5 57 渡辺薫彦  235 199休4 南井克巳  36.5 FUJI KISEKI
612Symboli Escape  牡5 57 蛯名正義  166 1休541 久保田貴士 18.0 SAKURA BAKUSHIN O
713Takeover Target  せ7 57 フォード  2212 休1372 ジャニアッAU 4.2 Celtic Swing
714Silent Witness  せ6 57 コーツィー 2418 7329休 クルーズHK  6.1 El Moxie
815Suteki Shinsukekun牡3 55 後藤浩輝  83 11217121 森秀行   17.1 Danzig
816Cheerful Smile  牝6 55 岩田康誠  308 18551 池江泰郎  11.6 Sunday Silence
 ただ、南半球のこれだけの強い馬が来てくれてるならば、本当は欧州からもう一枚くらい大ゴマが欲しかった気もしなくはない。Reverence……とまで言うと贅沢が過ぎるが、Linngari とか、ユタカ乗せるんだったらいっそこっち来ても良かったのにとか(笑)。ともあれ、こういうかっちりしたメンバーで日本の国際レースを見られるのはファンとしては幸いではあるし、また直前に*テイクオーバーターゲットに圧倒されてたらそれはそれで若干テンション上がらん部分もあるので、前走のシーイズトウショウの快勝なども非常に興趣としては良い方向に働いたのではないか。個人的には、G1でそう買うべき馬なのか、というのはあるけど、そのシーイズに◎を進呈したいレース。そろそろ、バクシンオーの親子制覇があってもいいんじゃないの、という風にも思うし、前走のように雨が助ける側面はあるかも知れない(その辺りで、ちと*サイレントウィットネスは微妙感もあるし)。あとは相手なりに走る*ベンバウンがこれだけ人気落ちてるならばそこそこ買える存在ではないか。ステキシンスケクンは前走が中身のある競馬だとは思ったが、3歳にこのレースをこの時期でやらせるのもなかなか容易ではない印象があり、オッズは理解できる。テイクオーバーは今回も押さえてはおくべきだろう。穴っぽい所に色々目移りしたくなる配当ではあるが、そういう中ではメイショウボーラーなどはなかなかの魅力。あとはシンボリエスケープと玉子ホットプレートを少々くらいの見立てになるかな。*レザークはちと判断に迷う。連勝して逆に好調期を逸するように見えるし、この手の欧州馬にとって中山のコーナリングは容易ならざる面はありそうだし(まぁチェスターで勝ってるくらいだから、コーナリング駄目とも思われませんが)。

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凱旋門賞確定、そして展望その4。 

◆枠順は黒、そして帽子は黄色。
10月1日ロンシャン7R 17:30発走 芝2400m
第85回凱旋門賞(G1)
総賞金2000000EUR 3歳上 定量(3歳56kg,4上59.5kg、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
12Deep Impact    牡4 595武豊    1110 休111休 池江泰郎JPN   サンデーサイレンス
21Hurricane Run   牡4 595ファロン  118 休1212 ファーブル   モンジュー
36Shirocco     牡5 595スミヨン  127 休11休1 ファーブル   MONSUN
45Pride       牝6 58 ルメール  237 休4113 de.R-デュプレ パントレセレブル
54Rail Link     牡3 56 パスキエ  64 21111 ファーブル   Dansili
68Sixties Icon   牡3 56 デットーリ 63 17311 ノセダGB    Galileo
77Irish Wells    牡3 56 ブフ    83 33611 ロオー     Poliglote
83Best Name     牡3 56 ペリエ   52 休1281 コレ      King's Best
 何か知らんけど、ディープインパクトについては気がついたら大変なことになっちゃったな、という気持ちである。2年前のドイツダービーの直後の自分に、「日本で物凄いスターシステムに乗っかった馬が凱旋門に出走したお陰で、一緒に凱旋門出るこの Shirocco もNHKのニュースとかで取り上げられるんだよ」と教えてあげても絶対信じなかったに違いない。余り煽りすぎる報道はともかくとして、とりあえずは、3冠を制してから1年近くが経ち、どうやらディープインパクトは凱旋門賞のゲートが開く瞬間をその場で迎えることが出来そうである、という現在の状況に関しては、池江郎師を初めとする陣営に、心から感謝したい。

◆挑戦ではなく。
 さて、ディープインパクトが「凱旋門賞に挑戦」というのが、世間のこのレースの捉え方とはなるだろう。
 しかし、自分はややその言い方に違和感がある。彼は果たして「挑戦者」であるのだろうか?勿論、日本競馬の海外に築いた地歩は未だそれほど大きくはなく、挑戦といわれればそうかも知れない。しかし、その一方で、海外に出走する馬は10年前に比べれば増え、レーティングはある程度のレベルで彼我の能力差を合理的に比較可能とした。そして、様々な遠征を通じて、多くのケースにおいては日本馬はその結果はともかく、ある程度以上「本来の能力を出し切る」競馬が可能となってきた。そういった中で、海外とわが国の競馬は随分と相対化の度が進んだのではないか。その意味では、挑戦というよりは、もっとシンプルに「勝負」と言えるのかもな、ということは考える。

 或いは、もう少し言い換えるならば「チャレンジングな実験」と言うべきかも知れない。
 先に書いたとおり「10年に一度の名馬であることの証明」のための、という文脈で。
 今年の凱旋門賞が「日本馬と外国馬のレベル差を占う舞台」であるとは、余り思われない。ある意味、そういうことはゼンノロブロイやハーツクライが十分にやってくれた面もある。現在の海外遠征の流れは香港國際賽事にホクセイシプレーなどの関西馬が出始めるようになって以降を一つの流れとするが、少しずつ継続的にそういう「挑戦」を繰り返した先達にはディープとその陣営は感謝してもし足りないだろう。その上で、ディープは新たな価値を創造することを試す競馬が出来る機会を得た、と思われるだけに。その上で、自分は*エルコンドルパサー以降の遠征では、常に日本馬には「日本でその馬が磨いたスタイル」を崩さない競馬をして欲しい、という意識を心のどこかに持っていた。*タップダンスシチーの凱旋門やイングランディーレのアスコット金杯でもそういう話をしたが、要するに、勝負以前のところで「日本競馬のスタイル」を試して欲しい、少なくとも「外国馬と同じことをして勝つ」だけではない何かを見せて欲しい、というのがある。幸いにして、頭数が少なくなったことで、「外国馬と同じことをする」必要が減ったのは、返す返すも運の良さ。
 そして、ディープインパクトはいつもの通りに、後からの競馬をするのだろう。
 それは確かに、勝利への最短距離ではないかもしれないが、それで勝利することによって日本のホースマンが得られるものは、最短距離を追求して勝利して得られるものよりも大きいのではないか。その上で、それが成功した場合に、或いはディープにはもう一つの、日本馬としての大きな挑戦を得る機会があるかも知れない。まぁそれを語るにはまだ早過ぎるが、ディープが日本の競馬界をそこまで連れて行く可能性を見出すには、これは一つの試練なのかもとも。

 さて、世界の競馬は1970年代のアメリカを中心に、その歴史的な頂点を経験した。Nijinskyの3冠、Mill Reef と Brigadier Gerard の栄光、Dahlia と Allez France の競艶、*グランディと Bustino の死闘、Secretariat の超絶、Forego の不屈、Seattle Slew の活劇、Affirmed と Alydar の決戦、Spectacular Bid の閃光。しかし、血統史的な必然としてのこの時代の後、馬産構造の変異は競馬界においてある程度以上の混沌を惹き起こし、その中でサラブレッドのレベルとして70年代の発展をそのまま受け継ぐことは出来なかったと思う(これもまた、馬産史においてよく起こることなのだが)。1990年代前半の英愛・北米競馬にはそんなある種の停滞感が感じられるが、そこからある程度回復した現在でもまだ、70年代のレジェンドに匹敵するような存在感のサラブレッドが続出するような栄華には到っていない。そして、ともすればそれは、サラブレッドという種の衰退と見られることもあったであろう。そんな中で、日本はややズレた時間軸の中でアジア・オセアニア諸競馬国の台頭の流れに乗り、ここに歴史的なクラスと言えるかもしれない馬を輩出した。その台頭が、再度世界のサラブレッドの長期的なバイオリズムの上昇に寄する結果となるのならば、この馬を作った日本のホースマンは競馬史に対し今まで経験し得なかったような貢献を果たしたと言えるのではないかと思う。
 果たして、この2006年の凱旋門賞がどのような意味づけになるのかを、いつかしみじみと振り返ることが出来る日が来るかどうか。ディープインパクトが勝利しても敗北しても競馬は続くし、ディープ自身も今暫くは同じような競走馬であり続ける気がするが、出来れば、より多くを未来に刻み付ける馬がディープインパクトであってくれればよいなと願う。

 Impact to the future !

◆以下余談。
9月30日ロンシャン7R 16:55発走 芝1950m
ドラール賞(G2)
総賞金130000EUR 3歳上 別定
(3歳55kg,4上57kg、本年G2馬2kg増,同G1馬3kg増、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
14Touch of Land   牡6 59 ルメール  3310 18休18 パンタル    ランド
21Manduro      牡4 59 スミヨン  125 23323 ファーブル   MONSUN
36Atlantic Air   牡4 57 テュリエ  124 86611 de.ニコレ    Kaldounevees
42Soldier Hollow  牡6 57 ペリエ   249 休5223 シールゲンGER In the Wings
53Boris de Deauville牡3 55 バルベロ  81 22172 ヴァッテル   ソヴィエトスター
65Sudan       牡3 55 パスキエ  71 22363 ルルーシュ   パントレセレブル
 思うに、この中で1番、2番、6番辺りは勝ち負けするかどうかはともかくとして、普通に凱旋門出てても全然おかしくはない馬であろう、ってことなのですね。にも拘わらずここに出てくるのは、やはりドラール賞自体が小頭数になっているから、という側面はあるのではないかとも思う。まぁ実際のところ出走表だけ見れば Soldier Hollow が確勝に近いといえばそうなんではあるけど。ともあれ、夙に語られる今年の凱旋門の小頭数ではありますが、全体としてはアンダーカードも比較的小頭数になりがちで、そちらに実を取りに行くという面もあり、要するに凱旋門のメンバー単体以上にフランス競馬のオープンの全体的な兼ね合いから生じたという面はあるのかなぁとも思われますな。

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凱旋門賞展望(その3) 

馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
1-Deep Impact    牡4 595武豊    1110 休111休 池江泰郎JPN   サンデーサイレンス
2-Hurricane Run   牡4 595ファロン  118 休1212 ファーブル   モンジュー
3-Shirocco     牡5 595スミヨン  127 休11休1 ファーブル   MONSUN
4-Pride       牝6 58 ルメール  237 休4113 de.R-デュプレ パントレセレブル
5-Rail Link     牡3 56 パスキエ  64 21111 ファーブル   Dansili
6-Irish Wells    牡3 56 ブフ    83 33611 ロオー     Poliglote
7-Sixties Icon   牡3 56 デットーリ 63 17311 ノセダGB    Galileo
8-Best Name     牡3 56 ペリエ   52 休1281 コレ      King's Best
 残念、現役最強の未勝利馬 Dragon Dancer が回避。
 あと、昨日ちょっと書いたオペラ賞のほうは、*ウィジャボードに Alexander Golrun、Germance と言った辺りが回避してしまって、こちらも一気に小頭数のレースとなってしまいましたな。なかなか全部揃うのは難しいや。

◆展開としては。
 ディープインパクトの幾つかの美点のうちに、「運の強さ」は確実に含まれるだろう。
 *サンデーサイレンス産駒を息長く活躍させるのが巧い厩舎に入ったこともさりながら、同期のライバルに磨耗される機会も少なかったこともそれに含まれるかもしれない。今年の凱旋門においても、その運は、「頭数の少なさ」「3歳のレベル」という辺りに現れた。仮に今年の凱旋門賞がフルゲート20頭かそれに近い数字であった場合、差しきる馬群の面積は確実にこの馬を苦しめたであろう。要するに、例えば*ウォーサンや Mubtaker 辺りが「単に出る」だけでも、それは結構なディープにとっての負荷であったには違いなかったのだろう。恐るべきことに、この両頭とも今はこの世にいないのだが。また平均以上の水準のフランス3歳最強馬がニエル賞から凱旋門賞に出れば、例年はその馬が圧倒的有利になるようにこのレースは出来ている。結局、現下のフォア賞がトライアルとして軽すぎる一方、愛チャンピオンがトライアルとして重すぎるから、であろうが。ともあれ、今年はそのニエル賞のレベルがどうも今ひとつという雲行き。この距離で3歳最強馬とされる Dylan Thomas もこの舞台を選ばず、英ダービー馬も結局順調さを欠いて回避した。個人的に去年の段階でこのレースを思うに、「3歳の新勢力が台頭し、多頭数の競馬になる」という前提でディープの圧倒的不利を予想したものだが、レースを前にその展開は予期したものよりも遥かに穏やかなものとなってしまった感はある。一方で Shirocco や Pride の成長などはそれをやや揺り戻すところでもあるが、それでも「1割も無い」と思ってた可能性が、随分上がった(敢えて何割という数字はださんが)には違いないだろう。
 そんな中で、ある意味展開の鍵となる馬は Pride なのかと思う。
 いずれにせよ、現在ディープインパクトを負かしたことのある騎手はこの世にルメールしかいないわけだが、そのルメールが、サンクルー大賞で図らずも Hurricane Run に土をつけ、フォア賞でそれがフロックでないことをある程度まで示した Pride の手綱を握る、という状況は如何にも味わい深い。この馬は、サンクルーでもフォアでも、Hurricane Run をマークするレース運びで、差し脚にかけて台頭している。しかし、もしルメールがディフェンディング・チャンピオン以上にディープインパクトを意識するならば、或いはハーツクライでやってのけたように、脚質を変えて先行し、ハナを奪うないしはハナを突付くような手応えでレースを運ぶのではないか。そもそもが、上述したように凱旋門はある程度先行馬に有利な条件である。そういう中で、障害競馬の名手の下に生まれ、馬の気持ちをコントロールする能力と馬場の伸びる部分を見る眼に長けたこの若き苦労人は、その自在さによって勝負を挑むように思われる。彼が慣れぬアスコットで頂点対決の後塵を拝したとき、或いは中途半端に待ちすぎたという悔恨が残るレースだったかもしれない、という予断も、そういった推測を手伝わせる部分ではある。
 勿論、この牝馬はハーツクライではない。しかし、それほど多くないチャンスの中で世界の頂点を争ってきたルメールにとって、有馬とキングジョージの意味は、例えばファロンやスミヨンらに比しても大きなものがあるだろう。
 一方で、ペースをやや一本気にしてしまうと、やはり Pride がハーツクライでない以上、他の有力馬ごとディープインパクトの好餌となる可能性は高い。つまり、ある程度先行する Hurricane Run にもやや辛目のペースを引いてしまう、ということである。一方でディープインパクトは、これまで繰り返したとおり、Hペースを平均ペース、平均ペースをSペースとして走ることができる馬であり、その意味でペースが早ければ早いほど相対的優位は高まる。ディープインパクトがやはり歴史的な名馬であると同時にある種歴史的な運を持つならば、ルメールの仕掛けが運を呼び込む、という場面はあるのかも知れないという、紙一重の勝負にはなるだろう。現に国内では、この馬の実力が運を呼び込むかのように、ペースが厳しくなってしまうレースが多かったのだから。さて、その中でルメールが Pride に勝ち負けを呼び込むためには、ある程度出入りのある乱れたペースにすることが重要となるであろう。ペースメイカーは不在なだけに、ある意味自分がイニシアティヴを握ろうと思えば握れる中で、その決断が出来るか、ということとなる。

◆勝負の帰趨。
 ともあれ、ディープとしては恐らく欧州の馬場で斬れ味が鈍る、という負け方は無いように思う。既に調教もある程度進んでいる中で、レースセンスはともかく運動能力の塊のようなこの名馬はある程度「走り方」については習得している筈であろう。体調及び当日の不測を除外して、敗れるとすれば、やはり「差し切るタイミングを逸する」形で敗れるのではないか。ロンシャンやサンクルーというフランスの主場は、良馬場ならばG1レベルで33秒台の斬れ勝負が出やすい。そうなると、タイミングを逸すれば32秒台で突っ込んでくる必要があり、仮にディープが「飛んで」みせても先頭を差し切るには間に合わないというケースはあるのだろう。そういうタイミングのツボという点ではやはりスミヨン、ペリエといった地元の巧腕が一日の長を持つように思われ、その意味で Shirocco はある種の優位を保てているし、一方で特にペースが極端に遅くなればパスキエの Rail Link 辺りでも手強くなるかもしれない。一方で、ファロンはアイリッシュ的というか、馬群を抜け出す爆発力そのままに馬を先頭に押し出すことを得手とするように見える(日本で乗れてないのは、そういうタイトな馬群を得づらいからだろうか)。 Hurricane Run もキングジョージのイメージで先に仕掛ける馬を巧みに使って勝負に出ることが予想される。
 それでも、ディープインパクトは、まず外を回ってくるであろう。
 その場合に、直線入口で5番手以内に来られないならば、時機を逸したと見るべきであろう。ディープの追い込みの真髄は若駒Sのようなドンジリ強襲よりは、他の馬が動けないような部分から発進出来ることであり、それゆえに道中で前半は最後方につけられるのである。それをこの馬のスタミナと言うべきだが、このスタミナを動員することが最も肝要であり、フォルスでの進出の手応えが勝負を決するのではないか。勿論フォルスは難所であり、発進が早すぎれば最後に「飛ぶ」ことが出来ない訳だが、馬群が8頭ならば、いつものような直線的な動きで問題はないというのが救いではある。そして、フォルス明けの緩いカーブの制動。ここでの距離損を最低にしなければ、やはり最強クラスを相手にするといかにも厳しい。その2つをクリアできれば、その後に「いつも通り」の風景を見ることが出来るだろう。その時に、後からサプライズを演じる可能性としては、根性で併せるタイプの Hurricane Run よりは、一気に押し切れる Monsun 的な脚を秘める Shirocco なのかも知れない。
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凱旋門賞閑話休題~最も頭数の少なかった年。 

馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
1-Deep Impact    牡4 595武豊    1110 休111休 池江泰郎JPN   サンデーサイレンス
2-Hurricane Run   牡4 595ファロン  118 休1212 ファーブル   モンジュー
3-Shirocco     牡5 595スミヨン  127 休11休1 ファーブル   MONSUN
4-Pride       牝6 58 ルメール  237 休4113 de.R-デュプレ パントレセレブル
5-Rail Link     牡3 56 パスキエ  64 21111 ファーブル   Dansili
6-Irish Wells    牡3 58 ブフ    83 33611 ロオー     Poliglote
7-Sixties Icon   牡3 56 デットーリ 63 17311 ノセダGB    Galileo
8-Best Name     牡3 56 ペリエ   52 休1281 コレ      King's Best
9-Dragon Dancer   牡3 56 ホランド  70 22424 ラッグGB    Sadler's Wells
10-Germance     牝3 545メンディサバ65 11121 ルージェ    Silver Hawk
 という訳で、Championship Point はどうも登録ミスだったらしく(笑)、一方で来年も現役続行という Mandesha のオペラ賞回りが決定して(つーか、オペラ賞一体どーゆー豪華メンバーだよこれw)、恐らく10頭のラインも割りそうな雰囲気の凱旋門。展望は取り敢えず本日はお休み。本日の気になるお話としては、ファーブル師ペースを作る馬がいなくてスローになるのはしんどいなぁ、とのお言葉(レーポスなのでリンクはせず)。何か今ひとつ喰えない発言ではありますが、折り合いが結構キツいということなのでしょうかね。

 で、凱旋門の史上最小頭数は何時だろう、という話をするに、当然ネット時代だからそんなものは普通に置いてある訳で、優駿達の蹄跡さまより成績も引っ張ってこられる、1941年の7頭立てですな。この年の勝ち馬は、不敗で凱旋門を制したこの年の仏ダービー馬 Le Pacha。人気は DjebelJock のブサック軍団に譲ったものの、この両方はどちらがペースメイカーと言う訳でもなく普通に強い馬だったので(まぁどっちが強いかと言えば衆目一致で Djebel だったのでしょうが)、要するに代用品としての Jock の人気もそこそこ混ざってたのかなと。この時期と言えば当然第2次大戦な訳で、凱旋門賞自体がその前2年間中止の憂き目を見ております。パリって結構国境に近いので、そうオチオチ開催できないのですよね。で、この年に至って再開されたのは、前年既にパリが落ちていて、バトルオブブリテンも一息ついて西部戦線がある程度落ち着いた、という事情はあったのでしょう。ともあれ、久しぶりに再開された凱旋門ですが、ある意味大いなる憂いの中での開催、というべきであり、それを象徴するかのように、開催場所もロンシャンではなくル・トラン・ブルーでの代行開催でした。イギリス風に言えば「代行凱旋門」ですが、敗れた Djebel の方は、イギリスで2000ギニーを制し、ダービーをも手中にせん勢いだった最中に母国がマジノ線を突破される屈辱の中でエプソムでの栄光を得る機会を失い、なおかつ1年待ったこのレースで敗れたというのは、愛国者として鳴らしたマルセル・ブサックの心境や如何に、と思わざるを得ません。恐らく現役馬であった頃にして、この生産者としても Pharis とならぶ最高傑作の1頭として期する馬であったのではとも思われ。
 ともあれ、それに勝利した Le Pacha も、翌年現役に留まりつつも今ひとつ精細を欠いて引退しました。もっとも、まだ「マシ」であろうと思われるのは、ブサックやロトシール(ロスチャイルド)の名馬のごとくナチスドイツに接収されていなかったことでしょうか。とは言え、種牡馬としてこの馬は、ブサックの黄金時代を築いたライヴァルの Djebel に大きく後塵を拝する結果となります。それでも、名血の繁殖 Perfume(Djebel との間には My Babu を輩出し現代に至るサイアーラインを残す)との間に Marco Polo という馬を出し、同馬はニュージーランドで繋養されると種牡馬として大成功を収めて、メルボルンCの勝ち馬2頭など、多くの活躍馬を得て、その父系は南半球で1980年近くまで続いています。一方、Le Pacha の娘の*コンキユバインは日本で名牝カネケヤキを輩出しており、同馬は2冠を制した後、秋は菊花賞で同じく2冠馬シンザンに果敢に挑み、大逃げを打って5着に沈むも、堂々とした存在感で3冠の物語に花を添えました。こんな所で日本の3冠に縁がある、というのもなかなか不思議なものではありますな。この系統は東北青森牧場のカネの冠名でカネヒムロ・カネミノブなどを輩出し、最近ではカネヒキリを出し……てはいません(笑)。つーか、活躍馬が出ればそれなりに萌える牝系ではありますが。
 まぁそんな訳で、Le Pacha よろしくカップリングの同厩舎の実力馬を打ち破って、ディープインパクトがカネケヤキの霊の前に3冠馬としての矜持を見せ付けてくれることが出来るか、などとも思いを馳せつつ、閑話休題はこの辺りで。
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凱旋門賞展望(その2) 

馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
1-Deep Impact    牡4 595武豊    1110 休111休 池江泰郎JPN   サンデーサイレンス
2-Hurricane Run   牡4 595ファロン  118 休1212 ファーブル   モンジュー
3-Shirocco     牡5 595ペリエ   127 休11休1 ファーブル   MONSUN
4-Pride       牝6 58 ルメール  237 休4113 de.R-デュプレ パントレセレブル
5-Rail Link     牡3 56 パスキエ  64 21111 ファーブル   Dansili
6-Irish Wells    牡3 58 ブフ    83 33611 ロオー     Poliglote
7-Sixties Icon   牡3 56 デットーリ 63 17311 ノセダGB    Galileo
8-Championship Point牡3 56 クルハン  83 111993 チャノンGB   LOMITAS
9-Best Name     牡3 56 ○○○○  52 休1281 コレ      King's Best
10-Dragon Dancer   牡3 56 ホランド  70 22424 ラッグGB    Sadler's Wells
11-Mandesha     牝3 545スミヨン  64 11811 de.R-デュプレ Desert Style
12-Germance     牝3 545メンディサバ65 11121 ルージェ    Silver Hawk
 出走メンバー更新。オブライエン2騎はなさそう、ということでオミット。Germance はオペラだろうと思うし、Championship Point も先週リステッド使っちゃったら何処まで出る気あるのか、という雰囲気は無きにしも非ずですが。一応、現段階で頭数は10頭かな、と読んでます。因みに、馬番に関してはフランスということで馬主ソートにしています。多分、ディープインパクトはゼッケン番号1をつけて週末のロンシャンに現れるでしょう、と。

◆否定すべきではない、ローテ。
 ディープインパクトがステップを使わなかったのは、結果としては正しかった。
 ファーブルの両雄と Pride が全て出走するという異常に分厚いフォア賞になってしまった今年、このレースをもし使っていれば、勝ったとしても負けたとしても、ある意味本番を前に「手の内を見せてしまう」競馬になったことは間違いないだろう。一方で、日本から遠征して凱旋門を戦う場合にフォア賞以外のステップというのは考えづらく、ドーヴィル大賞とか半端なレースを使うのも斤量あるしまた微妙。愛チャンピオンを使うとそこである程度以上の能力を引き出されるので2走ボケ的な要素を考慮しなくてはならなくなるし、宝塚を使った以上イボアでインターナショナルを使うとやや休みが無い印象となる。蹄が弱いためにどうしても使い減りが出るディープとしては避けたい所だ。ほかではバーデン大賞が大きなところとしてはあるが、恐らくバーデンバーデンの外埒を襲えば若駒S以来のパフォを見られただろうというのはあるにせよ(てか、見てぇw)、インベタで進むロンシャン凱旋門賞のスクーリングの用は全く果たさないと思われるだけに(逆に言えば、*マリエンバードなんてよくあのローテで勝ったよなぁ、と感心する)。結局は、「フォア賞に出ないなら、何も使わないほうがマシ」で良かったのではないか。
 実際のところ、そもそも古馬の勝利の例が少ないレースなのである。ニエル賞のような必勝ローテが許されない以上、どうにも正解が無い中での選択肢であったには違いないだろう。単純に間隔を開けないという発想であれば、或いは宝塚を使わずに札幌記念辺りを一度叩いて凱旋門を狙う、ということも可能だっただろうが、それが「王道」をここまで歩んできたディープインパクトに相応しいローテだったかどうか、とも思われるし、そもそも桑園がパンクするし(笑)。

◆能力だけでは、という側面。
 とは言え、やはり何も使わないというのはリスクとしては残るものもある。恐らくその中で最も大きなのは、いわゆる「欧州馬に騙される」ということではないか。
 井崎脩五郎氏が昔よく明け4歳馬の対古馬緒戦で「古馬に騙される」という表現を使っていた。例としては古いところで(ローテもあったけど)シンボリルドルフのジャパンCとかが代表的で、比較的近年の事例となると、バブルガムフェローが*アヌスミラビリスに敗れた毎日王冠とか、テイエムオペラオーがホットシークレットに負けたステイヤーズ、となるだろうか。スペシャルウィークがJCでエアグルーヴを差せなかったのも似たような何かを感じた。勿論オグリキャップやナリタブライアン、*シンボリクリスエスのようにその壁をすんなり超える馬はいるんだけど、やっぱり簡単ではない何かがある、ということ。
 そして、それは欧州初挑戦という場でも往々にして起きやすいものかもしれない。典型としては、イスパアン賞において*クロコルージュに敗れた*エルコンドルパサーを挙げることが可能だろう。秋に再度対戦してエルコンドルは*クロコルージュを寄せ付けなかったが、あの敗戦は距離適性というよりは、やはり何か勝負の「ツボ」を覚えている馬が、そうでない馬に勝った、という印象を残すレースではあった。或いはキングジョージにおけるハーツクライにもそんな面はあったのかも知れない(あの馬の場合は海外2戦目だし、むしろあのレースはルメールの経験値の問題だろうとは思ったが)。それがディープに起こらない、という保証はない。
 また、ロンシャンは直線が長い割には前が残る競馬場である。比較的馬場が軽く、最後がバテ合いになる印象は英愛の競馬場と比較すれば薄い。しかも、比較的多くのレースを重ねる秋のロンシャンでは、日本同様に仮柵を外して凱旋門開催を迎えるので、どうしてもインが強くなりがちであり、スローで団子の展開となった場合にはインを取れる先行馬に味方する。一方で重くなったら本当にベタベタになるので、普通に先行馬が有利になる。そして、下り坂とフォルスストレートのコンボは、差し馬にとって仕掛けのタイミングを容易ならざるものとする、という要素もあるだろう。武豊という騎手は比較的ロンシャンを豊富に経験しているので、一定の程度でその面ではカバーしてくれる、というのはあるにはあるのだが。
 再度繰り返すが、ディープインパクトは、今年の凱旋門賞出走馬で、恐らく一番強いと思う。
 だが、ディープインパクトの走り自体が「圧倒的に強い」ことを前提とした走り方をする部分はあり、その意味では「一番強い」というだけでは勝利には足りないだろう、とも思う。地元馬の「勝利のツボ」に幻惑されずに、「圧倒的」な走りをしようとすること。その上で、それが容易ではないテクニカルなコースであるロンシャンをも屈服させること。いずれも、Hurricane Run や Shirocco という充実したライバルがいるレースにおいては、世界的に見ても10年に1度の名馬でないと出来ない芸当ではあるだろう。*パントレセレブルよりも、*モンジューよりも、*エルコンドルパサーよりも、Sakhee や Sinndar よりも、そして Giant's Causeway や Rock of Gibraltar のごとき中距離馬よりも、かなりの能力差がある馬。ディープインパクトがそこまでかは、流石に未知と言わざるを得ないのは事実である。ただ、勝った場合にはメンバーのレベル云々を超えた評価を得ることとなるに違いない。
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凱旋門賞展望(その1) 

馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
1-Deep Impact    牡4 595武豊    1110 休111休 池江泰郎JPN   サンデーサイレンス
2-Hurricane Run   牡4 595ファロン  118 休1212 ファーブル   モンジュー
3-Pacemaker     -- 595      -- ----- ファーブル  
4-Shirocco     牡5 595ペリエ   127 休11休1 ファーブル   MONSUN
5-Pride       牝6 58 ルメール  237 休4113 de.R-デュプレ パントレセレブル
6-Rail Link     牡3 56 パスキエ  64 21111 ファーブル   Dansili
7-Sir Percy     牡3 56 ドワイヤー 65 1休21休 トレゴニングGB Mark of Esteem
8-Sixties Icon   牡3 56 デットーリ 63 17311 ノセダGB    Galileo
9-Mandesha     牝3 545スミヨン  64 11811 de.R-デュプレ Desert Style
◆単純に、能力を考える。
 結論から言えば、一番強いのはディープインパクトではないか。
 キングジョージにおいても、プリンスオブウェールジズを臨戦した Electrocutionist とサンクルーを叩いた Hurricane Run に対して、明らかにローテという点では無理があったハーツクライが肉薄しているという現実は大きいだろう。少なくとも、2006年において最も能力の高い古馬は、ハーツクライとディープインパクトのいずれかになるのではないか、という気がしている。もうちょっと細かく3歳含めて比較、となるとまずは Dylan Thomas がモノサシとなるであろうが、この馬が愛チャンピオンでは*ウィジャボードと僅差。この牝馬はロイヤル開催で Electrocutionist に土をつけているが、相手は叩き途上であったことを考えると、やや能力は落ちるし、ハーツクライとの差と考えてもジャパンCの時の差で妥当なのだろうと思う(じゃぁ*アルカセット錦糸町はそんな強いのか、という疑問は出るかも知れんが、案外強かったんでねぇの?とも。ある意味この馬が青い勝負服を着ていれば今年のキングジョージももちょっと違った帰趨になったかも、とか)。そして、シックスセンスの香港での着差辺りを検討するに、恐らくディープも少なくともハーツと同程度の差を*ウィジャボード相手には保てる、とも思う。今年になってやや*ウィジャボードが10F特化になりつつあることを思えば、その差は少なくとも12Fレベルでは更に広がっている、とも言えるだろう。そうなると、コロネーションの Shirocco ともほぼ互角かそれ以上。一方で、最近成長著しい Pride も、凡そのレベルとしては*ウィジャボードと同程度に収まるならば、Hurricane Run がマックス値として Pride との現状着差+1馬身半程度といしても、これともほぼ対抗できる能力はあるのではないか。
 一方で、今年は英ダービーのレベルは低く、しかも Sir Percy の臨戦過程もそうは宜しくない。レジャーの Sixties Icon も、破った相手は Youmzain に負けてた組辺りと考えると、恐らく Rail Link や Dylan Thomas を上回るまでには到っていない。その Rail Link とて、ニエルで僅差破った Youmzain のオイロパの結果を見る限りでは、実質 Oriental Tiger 辺りとそう違わないのならば、Schiaparelli がまともに走れば相手になる的な部分はあるだろう。そこから+1,2馬身程度の現状着差があったとして、更に斤量の恵があるとしても、今ひとつ足りてる感じがしない。むしろ、Pride 辺りの方がまだ、やや上回るのではないかというところ。
 その上で、ディープインパクトがある意味底知れないのは、この手の能力の「高すぎる」馬としては稀なほど、故障知らずで安定して4歳の秋を迎えているところにあるのだろう。3冠馬で比較するならナリタブライアンは既にこの時期には故障を経験したし、シンボリルドルフがもしディープほど体調が安定していたなら、高松宮杯を叩いて明け4歳で凱旋門に出ていたかも知れない(少なくとも和田共弘の理想としてはそうだった)。一方で海外ではそもそもそんな能力の「高すぎる」馬が4歳まで現役を続けない。強いて言えばダービーを勝ってなおかつ4歳秋まで稼動し続けた*モンジュー、或いは古馬としても伝説を築いた Brigadier Gerard などが近代名馬としてはかなり「故障せず、息が長い」活躍をした部類に入るか。Hurricane Run も故障知らずではあるが、この馬は仏ダービーもどきで Shamardal に負けてることに象徴されるように、やや晩熟気味な面があり、むしろ Alleged 辺りに似るように思われる。ともあれ、この「不可思議な頑健さ」は、池江郎師をはじめとするスタッフの卓越した優秀さを物語るところであると同時に、「或いは、この馬はあれだけの能力を発揮してまだ『目一杯』ではないかも知れない」と思わせる部分がある。ならば、そのリミッターを外せれば、という幻想を未だに残しているのだ。勿論、その糊代は幻想に過ぎないかも知れないが、この馬において過剰ともいえる余裕は、勝負の舞台でのアドヴァンテージを築く面もあるにはあるのだろう。勿論、過信に触れる危険性とも表裏一体ではあるが。
 それにしても、Shirocco のパフォーマンスの向上を思うに、恐らくドイツ出身馬としては Star Appeal 以来の凱旋門賞に最も近い馬であるのは間違いないだろう、と思う。*ボルジアや*タイガーヒルは好走したし、Samum は結構人気になったが、やはりこの馬の現況に比べれば遥かに及ばないものとはなってしまうだろう。もはやファーブルの馬、というのはあるが、それ言っちゃうと Star Appeal だって凱旋門はオックス厩舎で勝ってるのだから、ドイツ人にとっても思い入れの強い場であるには違いない。ドイツ競馬のファンである有芝としては、恐らくディープインパクトがいなければ普通に Shirocco の優勝の可能性に期待を躍らせていただろう、ということを思ったりはする。そんな年に、単純な能力として恐らく最強であるのが日本の馬となる凱旋門とは……というのは、競馬ファンとしてもなかなか不思議な気分ではあったりするものだ。

 血統に関しては結構パラパラと触れてる馬が多いので、余り細かくはコメントしないが、配合として上位なのは普通にディープインパクトと Hurricane Run、やや重厚なタイプとして Shirocco と Sixties Icon、そこそこ面白いけど2400はちと長いかな……という辺りで Mandesha と Sir Percy という雰囲気になるでしょうか。Pride はなんか微妙に土臭いというか、ややワンペース気味に見えるかな、という感じ。流石に「あれぇ~」みたいな配合はこれだけのクオリティの出走表となると少ない。
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堪能した、本日の回顧。 

◆オールカマー。
12.2 - 11.9 - 12.6 - 12.4 - 12.4 - 11.7 - 11.5 - 11.6 - 11.8 - 11.4 - 12.6

 という感じで、見た目以上にラップが面白いというか、まぁ有馬でありがちなラップ。デラデラ辺りが差し込んでも、というレースでもあれど、流石にやや相手が悪かった、ということだろうか。これで残るんだからバランスオブゲームは着差以上に強い馬なんだけど、逆にこういうジリ的なレースだからこそ強いという部分で、何処か限定された強さがある一方で、これが同じようなラップを300m長い有馬で踏んじゃうと地力が足りないし、そもそも叩いて休み明けでナンボという馬なので、有馬の頃にはお釣りが無い、というのが。一方で、この手のラップに対応できる一方で、それを前でやっちゃうと流石に負荷のキツいコスモバルクではありましたが、今日は何ともいえない味のある競馬で、一番負荷の低いイン粘りでがっちり我慢しきった辺りは精神的な成長が感じられ、この辺り、ピンロクホースという既存のイメージでは余り考えてはいけないのかも知れない、という辺り、秋天やJCでもそうナメてはいけないという印象を感じさせるレースではあった。ただ、やはり使い減りはあるタイプなので、この馬もまずは秋天が大きな勝負となるかな、とは思う。乱ペースになったりしなければ勝ち負けもあるかなと思う一方で、そういう時に限って皐月賞宜しくダメジャー辺りにしてやられる場面もあるんではと案じてみたり(笑)。

◆神戸新聞杯。
12.2 - 11.1 - 11.0 - 12.3 - 12.5 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.7 - 12.0

 確かに平坦である程度前の残る中京であり、しかもラップレベルとしては朝日チャレンジの0.7遅れという点で、昨年のディープや一昨年のカメハメハの時計レベルよりは一枚落ちる印象はあるが、それでもこのタイム、そして残り5Fから加速するという骨太な流れで2番手粘ってフサイチリシャールを押さえきったソングオブウインドのパフォーマンスは褒められるべきであろう。勿論エルコンドルパサー産駒なのでこういう非斬れ勝負みたいなのはある程度向いているのもあるし、逆に淀3000ではある種の瞬発力は求められるとは言え、ペースの乱れ方次第では面白いかも知れない、という辺り。問題は、本番の逃げ馬が案外もっと斬れ勝負系のスロー逃げを造りに行く可能性がある(シャナオー辺りも行くとは思われんし)という辺りで、今日のレースを再現できるか、という辺り、更に、少なくとも前にいる馬と併せて差すという点では今日もそうだけれど2冠馬は名人芸的なものを持っているので、というのも気になるが、エルコンドルパサーの初G1、案外出るかもよ的な楽しみはある。
 一方で、レースそのものの印象としては、メイショウサムソンの負かし方はテイエムオペラオーと同じ、というか、あの差しはアグネスデジタルの秋天だよな、みたいな雰囲気を残した。勿論、休み明けのレースではあるのだけれど、あれが現況出来るというのは、ナリタトップロード以下に1度目の5歳時のテイエムオペラオーが得ていたマージンよりも小さいのかも、という印象も残した部分はあり。むしろ、切れ味勝負で新味を見せることが、3冠へ向けての残された一つのピースなのかな、という印象も残したレースではあった。勝ち馬に関しては、馬体を併せなかったことが勝因ではあるのだけれど、次もう一回石橋守がやらせてくれるかどうか、という辺りでしょうし、一方で石橋守がどの程度ドリームを「意識して」しまうか、というのも3冠の帰趨には大きく関わる部分かなとも。にしても、今日のレースが出来るなら、リシャールとメインには菊に出て欲しい気がした。レースとしては、かなり面白くなったかもなのにな、と。

◆izaさんよぉ。
 何か、この記事がどうもアレなので。
ヨーロッパ競馬では有力馬の陣営が有利な流れにするため、勝敗を度外視してラビット、いわゆるペースメーカーを出走させるケースが目立つ。このラビットがペースをつくるという本来の役目ではなく、自陣営の有力馬のライバル馬を妨害することさえあるのだ。一時は斜行などあまりにも露骨なケースが目立ったため、規制されるようになったが、ライバル馬の横に張り付いてプレッシャーをかけたり、馬群から出られなくする分には問題ない。
 04年の凱旋門賞で17着に終わったタップダンスシチーも、先に行こうとすれば競りかけられたり、後ろの馬からは突かれたりと、厳しいチャージを受けた。
 えーと、タップダンスシチーに競りかけていた馬なんだけど、
英国ダービー馬 North Light でございますがな。
 あの陣営はペースメイカーを用意してなかったし、普通に自力勝負してたんだけどなぁ。その上で、結構いい着順に残っていたから、個人的にはあのダービー馬は字面の成績よりは強い印象を有芝には残しているのです。ローテも、愛ダービーからのぶっつけだったしねぇ。しかし、どのみちディープインパクトってこの頭数ならば後ろから競馬して外回すという日本と変わらないレースパターンになりそうな訳で、勿論そんな競馬で凱旋門が取れるかという議論はあっていいけど、ペースメイカーに何かされるなんてのは全然例示として意味無いじゃねぇかと思うわけですが、如何なものか。ところで話は変わるが、ここで出てるペースメイカーって、どうせ Near Honor なんだろうなぁと思ったら、凱旋門に登録してないのね。

◆凱旋門といえば。
 ぶくまにもカイタノだが、JAIRより。
ロマネ氏は以下のように語った。「我々は、ロンドンのウォータールー(Waterloo)駅に、凱旋門賞の巨大ポスターを貼りだしています。去年と一昨年の開催では55,000人の観客が入りましたが、内15,000~22,000人がイギリス人でした。イギリスからは毎年、イギリスのファンを楽しませる為に衛兵も派遣されています」。
 えーと……(^_^;;;
 要するにアレか、凱旋門でもドーバー海峡を越えて昼間から街中に上半身裸で練り歩いて気勢を挙げまくる大英帝国の文化遺産たるフー……ゲフゲフン、ジョンブル各位がおいでになる、ということなのでしょうかね?
 まぁそれはそれとして、リヴァプドリアンって見てると何故か競馬好きと被るっぽいように思われるのですが、それは有芝の偏見だろうか?というか、それはどっちかっつーとクラブに所属してたオーウェンとかハマンとか(本当はエヴァートニアンだけど)マッカとかのイメージがあるだけかも。あとは穴場の人とか(笑)。まぁ、ナショナルはリヴァプールな訳で、競馬どころには違いないでしょうけれど。
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子供にも分かる、というのは難しいが。 

 はてブなどで話題になってた、「子供に聞かれて説明できない国歌を歌わない理由」の話について、何となく将来自分の子供に対してどんな風に教えればよいのだろう、みたいな所も含めて何となく考えさせられたので、エントリ立ててみる。コメ欄長すぎて読んでないので(笑)、色々被ってる部分もありそうですが。
 まずは、メインの方から回答を並べてみましょうか。
・別の国歌が無いということは、選択肢が無いのに、それでも歌わないのは変。
・どうして別の国歌を作りもしないでグダグダ言ってるのが変。
 恐らく、日本人の過半数は「別の国歌を作ろう」ということを全く真面目に考えていません。そんな中で「別の国歌」を作るためには、まず国歌を作曲するよりも、「別の国歌を作ろう」と思う人を増やさないといけません。そのため、国歌を変更しようとする人はまず「今の国歌には問題がある」ということをアピールしようとします。このように公務員としての義務を違反することにより「問題がある」と思っている人がいることをアピールして、国歌を変更したほうがいいと思う人を増やすのも、この教師達の活動の目的ではあるでしょう。

・海外に出て別の国に住んでみれば、別の国がどんなに国歌を大切にしているかが分かる。変。
 シンガポールもそうですが、世界の多くの国ははじめからそこにあったわけではなく、他の国から独立したり、自分達を支配していた国王などを倒したり、或いは未開の地を自分達で切り開いて国を作りました。そうやって「自分たちが作った」国、という意識があれば、その国のシンボルとしての国歌を大事にする気持ちも分かるでしょう。
 ところが日本を見てみましょう。土地を切り開いて国らしい国が出来てから1500年以上、歴史的にも他の国から独立したという記憶は無いですし、天皇を倒したこともありません。日本人の多くは、あたかも日本が「はじめからそこにあった」かのように思っています。「自分たちが作った」国という意識の強い国に住んでる人に比べて、さほど国歌を大切にしないのは、そう不思議でもないのでしょう。

 続いて、各論の方に関して。こっちはやや話が難しげになるが。
1)じゃあ、私が学校で歌っているのは違法なの?
 歌うことが違法なのではなく、「歌わなければいけない」とすることが違法だと、この訴えを起こした人たちは主張しています。なお、今回は地方裁判所での判決でしたが、これと似たような訴訟は数多く起こされていて、「歌わなければいけない」とすることが違法じゃないとした判決も多く出されています。
 因みに、最高裁判所で「現在の国旗と国歌(を定めた法律)が憲法違反だ」と判断がされれば、「『国歌』として君が代を歌う」のは憲法違反かも知れませんが、今回の訴訟はそういう趣旨ではありません。

2)私の学校の先生はみんな歌ってるけど、どうして違う先生が400人もいるの?
4)シンガポール人はちゃんと起立して歌うのに、日本人の、それも先生が、どうして起立しないの?
5)先生って公務員なのに、そんなんでいいの?
 日本では、多くの先生が「自分の好きなように生徒に教えたいことを教えればいい」と思っています。そして、そのような先生の中には、現在の日本という国が嫌いな人もいます。国歌に対して起立しないのは国に対して抗議していることを意味しますが、つまりは、この400人の先生の多くも多分現在の日本という国が嫌いで、だから抗議しているのでしょう。その先生に給料をあげてるのは日本という国なのですが、それについてその先生たちがどう思ってるかは、よく分かりません。多分、それは分からなくてもいいことなので、気にしないであげましょう。先生にもよく分からんひとはいるのです。

3)海外で国歌を斉唱する機会があるとき、違う国歌があるの?
 日本ではそういうのは無いですね。ただ、イギリスにスコットランドやウェールズという地方がありますが、ここに住む人は自分をイギリス人と思うよりもスコットランド人・ウェールズ人と思うようです。そして、彼らはサッカーなどでは独自の代表を作って、イギリスとは違う国歌を歌います。

6)歴史って60年前のことだけど、さっきのTVの先生たちって60歳より若そうだけど知ってるの?
 直接知ってることはまずないでしょう。人から聞いた話として知ってるだけでしょうが、中には直接知ってる人からちゃんと話を聞いた人はいるかも知れません。それは、一人一人の先生たちに聞いてみないと何とも言えないでしょう。

7)9条で戦争を放棄している日本に軍国主義ってあるの?
 ありません。
 ただ、国歌や国旗は憲法よりも古い歴史(といってもせいぜい数十年程度ですが)を持っていて、その歴史の中で日本が軍国主義だった時期があるのは事実です。しかし一方で、その歴史の中には日本が世界を驚かせるような近代化を成し遂げた時期もありました。日本の国歌や国旗を支持しない人(今回の判決を出した裁判官を含む)は前者のような事実を気にしますし、逆に後者のような歴史が戦後含めて存在することが、現在の国歌や国旗が幅広く支持されている理由ではあるでしょう。

8)国歌を歌わないで 1人三万円って どういうことなの?
 オトナにとっては、三万円は小額ではありませんが、さして大金でもありません。金額はそんなに意味は無いでしょう。そもそも、上に書いたようにこの人たちも勝訴ばかりではないので、そう儲かる仕事ではないとは思います。
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オイロパとフェスティヴァル 

 そろそろサボリモードともいかない訳で。

◆凱旋門を占うレース、か?
9月24日ケルン・オイロパ2日8R 17:15発走 芝2400m
オイロパ賞(G1)
総賞金160000EUR 3歳上 定量(3歳55.5kg、4上60kg、牝2kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
16All Spirit    牡4 60 ペドロサ  112 休1786 ザウアー    プラティニ
23Brisant      せ4 60 ヘルフェンバ73 13334 M.トリブール  Goofalik
32Egerton      牡5 60 ムンドリー 142 111144 ラウ      グルームダンサー
41Enforcer     牡4 60 ドワイヤー 275 33344 ミュアーGB   Efisio
57Oriental Tiger  牡3 555ボシェルト 81 34332 オストマン   タイガーヒル
65Youmzain     牡3 555ヒューズ  94 39112 チャノンGB   Sinndar
74Quelle Amore   牝3 535ペドロサ  72 41482 ヴェーラー   MONSUN
 ドイツはさしあたりダービー馬 Schiaparelli とバーデン大賞馬 Prince Flori という大駒2枚が出走を控えての、というレースとなってしまったことで、どうしても海外2頭に目が行ってしまうレースになったのはアレではあるのだが、そうは言っても出てくる馬といてはなかなか面白い所が出てくれたのは救いであろう。Enforcer は歴史的叩き合いのキングジョージ、でその主役3頭から遅れたグループの最先着。因みに遅れたといっても1馬身3/4だから、まぁ悪くは無い。一方の Youmzain は上がり馬として台頭し、ニエル賞で Rail Link の差の無い2着の後、ヘタレてこちらを目指してきた。正直、3歳圧倒的有利の凱旋門において、ファーブル第3の牡馬(、と書いて「おとこ」と読む)としての Rail Link が読みづらいというのは未だにあるのだが、このレースでのアトサキはある程度それを占うものになるかも知れないし、またこの両頭に対して Oriental Tiger 辺りがどの程度相手なりに走るかという辺りでドイツの現況もある程度見えるのではないかとも思われる。予想としては Oriental Tiger も Egerton も相手なりに能力出せるので、そこそこ食い下がるとは思うが、スイングするレースでドイツ競馬の意義を見せて欲しい所であります。

◆G2巧者対決の予感。
9月23日ケルン・オイロパ初日7R 17:00発走 芝1600m
オイロパ大マイレ(G2)
総賞金65000EUR 3歳上 別定
(3歳55kg、4上57.5kg、本年G2勝馬1.5kg, G1勝馬3kg増、牝2kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
12Arcadio      牡4 59 スボリッチ 96 休1115 シールゲン   MONSUN
28Bebe Vettori   牡4 575ペドロサ  115 31111 ヴェーラー   Vettori
31Willingly     牡7 575デフリース 305 35227 M.トリブール  Second Set
44Lateral      牡3 55 モンギル  85 33113 シールゲン   シングスピール
55Mannico      牡3 55 ヘルフェンバ63 6休14止 ホファー    Banyumanik
66Raptor      牡3 55 シュタルケ 43 111休4 ホファー    AUENADLER
73Vega's Lord    牡3 55 ムンドリー 95 911111 ラウ      Lord of Men
87Aurea       牝3 53 ボイコ   102 33113 A.トリブール  SILVANO
 Arcadio も Lateral も能力は高いけれども今ひとつ大きな所に脱皮しきれない面はある訳だが、恐らくドイツの2000以下ではトップであることには間違いないし、まずはG2という舞台なら頂点対決らしいレースになって貰いたいものである、とは思う。それにしても Eagle Rise と Martillo の時代から一気に遷移してしまったもんだよなぁ、と、去年の出走表などを見返しながら思った。Anna Monda が社台に買われず現役に留まっていれば物語として更に締まったのかなとも惜しまれるが。

◆ユートピア、こっち出ても良かったのに。
9月23日アスコット・フェスティヴァル5R 16:20発走 芝8F
エリザベスII世女王S(G1)
1着賞金£145000 3歳上 定量(3歳8st13lb,4上9st3lb、牝3lb減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
18Court Masterpiece 牡6 129ファロン  297 休6321 ダンロップ   Polish Precedent
21Librettist    牡4 129デットーリ 87 11111 サイードUAE   Danzig
32Proclamation   牡4 129マカヴォイ 74 111休3休 サイードUAE   King's Best
43Araafa      牡3 125スミヨン  83 休4115 ノセダ     Mull of Kintyre
57George Washington 牡3 125キネーン  85 1休123 オブライエンIR デインヒル
64Ivan Denisovich  牡3 125ヘファナン 113 73821 オブライエンIR デインヒル
76Killybegs     牡3 125M.ヒルズ  93 1114102 B.W.ヒルズ   Orpen
85River Tiber    牡3 125マケイブ  51 2休1104 オブライエンIR デインヒル
54Nannina      牝3 122フォーチュン104 121234 ゴスデン    Medicean
 で、フェスティヴァル。
 Court Masterpiece ってそういえばドバイでは何故かゴド狸などに出て(マイラーならちょっと距離頑張って免税店でもいいとは思うが)惨敗してた訳ですが、その後サセックスを勝ったのだからあれは無駄ではなかった、ということなのでしょうか。その時レベルの違いを見せた我らが*ユートピアはというと、どうやら来週の凱旋門サブカで復帰とのことではあるが、どうせならフェスティヴァルの舞台で再度この馬を迎え撃つという場面があっても良かったよなぁ。ただ、それをしないのは、結局古馬の大将格を失ったゴドルフィンとしても、入れ替わるように台頭してきた日没社ノートPCを大事にしたいという面はあろうか(妄想。Proclamation もそう弱い馬ではないわけで、結局ゴドクールの団体戦ではあろうが、キネーンが今ひとつな状態でなかなかクールモアもラクではない。むしろ個人的には母系に色々面白い血をゴチャゴチャといれてる Arrafa 辺りが一発として面白いとは思う。
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凱旋門トライアル・デイ 

 突然ですが、諸事情にてフランス行けなくなりました。・゚・(ノД`)・゚・。
という訳で、当日東京でオフして下さる方を募っております。オフ場所としてはパブリック・ヴューか有芝自宅のいずれかでどうよ。それなりに掲示板とかで募集に応えてくれる人がいたら、具体的にケントウしようかなと。

9月10日ロンシャン4R 15:20発走 芝2400m
フォア賞(G2)
総賞金130000EUR 4歳上牡牝 定量(58kg、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
12Hurricane Run   牡4 58 ファロン  108 休1121 ファーブル   モンジュー
25Near Honor    牡8 58 ソージョー 393 10休476 ファーブル   Highest Honor
34Shirocco     牡5 58 スミヨン  116 1休11休 ファーブル   MONSUN
43Divine Story   牝5 565ボニーヤ  222 23外59 プリチャール  Vettori
51Pride       牝6 565ルメール  227 2休411 d.R-デュプレ  パントレセレブル
 Divine Story の戦績を見たうえでこの出走表を見て思うのは、ファーブルそこまで必死に Pride ごときを潰しに行かんでも(笑)ということだったり。まぁここで Pride に負けちゃったら欧州最強馬が変わっちゃうよ、みたいな話も言われかねん訳ですが。それにしても、何時からニャーはペースメイカー担当になったのか、というのも気になってみたり。普通にどっかで条件戦とか走ってもいいのになぁ、みたいなのは思うけど、この馬もサンクルー以来とは。ただ、その上で Shirocco 対 Hurricane Run というアトサキもなかなかに面白いというか、Shirocco がまだ力を維持しているかの試金石にはなろうかとも思うのですが、結構こういうトライアル的なレースでヤラズを見せるような気分屋ではあるので、まぁ Hurricane Run→Pride の順番で入線しそうでもあるなぁみたいなことも思ったりはします。

9月10日ロンシャン5R 15:50発走 芝2400m
ヴェルメイユ賞(G1)
総賞金300000EUR 3歳上牝 定量(3歳54kg,4上58kg)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
110Royal Highness  牝4 58 テュリエ  82 2休264 バリー     MONSUN
211Wurfscheibe    牝4 58 ムンドリー 104 休5511 ラウGER     タイガーヒル
32Freedonia     牝4 58 ジレ    53 1休211 ハモンド    Selkirk
44Montare      牝4 58 ペリエ   141 休5222 ピース     モンジュー
51Mandesha     牝3 54 スミヨン  53 711失1 de.R-デュプレ Desert Style
65Time On      牝3 54 ヒューズ  83 11617 ダンロップGB  Sadler's Wells
79Alix Road     牝3 54 ブフ    81 13354 ボラックたん  Linamix
86Fermion      牝3 54 ファロン  62 休6121 オブライエンIR Sadler's Wells
98Mysterious Lina  牝3 54 パスキエ  122 22122 デメルカステル Linamix
107Ponte Tresa    牝3 54 ルメール  101 31283 de.ニコレ    Sicyos
113Mary Louhana   牝3 54 マイヨ   100 46262 デルザングル  Loup Solitaire
 ヤマニンメルベイユ賞(嘘。
 何気にドイツ上がりの古牝馬2頭が参戦しているのが個人的な注目ポイントとはなりますが、それを合わせても全体的に3歳が7頭と多めになっているのは、まぁ競走馬の層もあるのでしょうけれど(愛チャンが相対的に温いので大将格がそっち流れるとか)、今時古馬が4kgもくれてやるという斤量差にもある、のかも知れませんな。まぁそれ言ったらバーデン大賞は5kgだけど。Wurfscheibe 辺りでも何とかなるかなぁ、というメンバーかというと微妙で、まぁ抜けた Alexandrova がオペラ直行ではあるものの、やはりそこそこ堅実そうな馬も多く、隙は少ない構成ではあるのかも知れない。アスタルトを制して距離再延長してきた Mandesha という牝馬は(失格したクロエ賞も1着入線だから、実質4連勝)よくよく牝系を見たら Mumtaz Mahal 以来アガIII→アリ→アガIV→ザーラたんと4代にわたってアガ・カーンのもとを離れていない繁殖なのですな。Petite Etoile を通ってない系統では意外と少ないと思われ、そういう意味では貴重な馬なのかも。配合はそう衒っていないものの。Montare や Time On も結構潜在能力ありそうでちょっと手強いか。

9月10日ロンシャン6R 16:20発走 芝2400m
ニエル賞(G2)
総賞金130000EUR 3歳牡牝 定量(58kg、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
14Youmzain     牡3 58 ヒューズ  84 13911 チャノンGB   Sinndar
22Rail Link     牡3 58 スミヨン  53 止2111 ファーブル   Dansili
33Bremen      牡3 58 ペリエ   62 1休125 ファーブル   Sadler's Wells
41Sudan       牡3 58 パスキエ  61 32236 ルルーシュ   パントレセレブル
55Papal Bull    牡3 58 ファロン  84 111018 Sir.スタウトGB モンジュー
66Dragon Dancer   牡3 58 ホランド  70 22242 ラッグGB    Sadler's Wells
 Sinndar というと Visindar はやや食わせ物のままこのシーズンを終わってしまっている感はあるが、それに変わってという感じの上がり馬 Youmzain。母の配合字面はサドリーフに Troy ありーの Blue Swords=Bluehaze ありーのとまぁ素晴らしいけど、それと Sinndar の組み合わせというのはそれほど緻密な印象は無かったりして、まぁ Sinndar なら Sadler's Wells とはそこそこ相性いいとは思うのですが、潜在能力は感じつつまだ肉とも魚とも言いづらい。もう一方の有力馬にして仏リアルダービー馬 Rail Link は3代父のうち3頭が Danzig、Kahyasi、Nureyev と、Northern Dancer 主要系統を並べてみた、という配合。Princequillo のコアが無いのがちと足りない感を出すけど、それ以外での配合バランスは悪く無さそう。アブデュラ殿下らしい良血っつーか。ややゴチャゴチャした Papal Bull よりはどちらも一枚上っぽい感じではあるかな。取り敢えず、まずは世界最強未勝利馬 Dragon Dancer がストリークを続けるには十分なメンバー、と言っておこう。ユジェーヌ・アダム賞ですら空気を読める馬なんだから、ここもきっちり2着か3着で終わってくれるであろうと期待は持っておりますが(笑)。

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さぁ、大レースも目白押し。 

 てな訳で、まずは土曜分だけ。

◆正式名称はニュー・セントレジャーまたはセプテンバーS(嘘
9月9日ヨーク4R 15:45発走 芝13F197yd
代行セントレジャーS(G1)
1着賞金£269705 3歳牡牝 定量(9st、牝3lb減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     配当 父
11Ask        牡3 126ウィンストン51 321112 Sir.スタウト  20/1 Sadler's Wells
210Championship Point牡3 126クルハン  63 2休1119 チャノン    20/1 LOMITAS
32Fire And Rain   牡3 126オドノヒュー21 --1休6 オブライエンIR 14/1 Galileo
43Galient      牡3 126ロビンソン 52 休1125 ジャーヴィス  25/1 Galileo
56Jadalee      牡3 126ドワイヤー 72 休5221 トレゴニング  8/1 Desert Prince
69Mountain     牡3 126ダーレイ  81 42867 オブライエンIR 16/1 モンジュー
78Puerto Rico    牡3 126出走取消? 62 311093 オブライエンIR 33/1 Sadler's Wells
87Red Rocks     牡3 126ヒューズ  82 11222 ミーハン    4/1 Galileo
911Sixties Icon   牡3 126デットーリ 52 61731 ノセダ     11/8 Galileo
105The Last Drop   牡3 126R.ヒルズ  61 125174 B.W.ヒルズ   50/1 Galileo
1112Tusculum     牡3 126ヘファナン 42 31休41 オブライエンIR 7/1 Sadler's Wells
124Mont Etoile    牝3 123M.ヒルズ  72 休1214 ハガス     25/1 モンジュー
 という訳で、戦争もないのに、代行セントレジャーである。古来よりイギリスではクラシックはそれぞれニューマーケット・エプソム・ドンカスターで行われるものを正統として、代行で競馬場が変わった際にはレース名を変えて半ば「準クラシック」として扱うような部分があり、この評価で行くと大戦中の3冠馬 Gainsborough などは「偽トリプル・クラウン」的な扱いにもなっていた訳ですが(勿論実際のところ Gainsborough の偉大さにケチをつけられるべきでは全く無いだろう)。
 個人的には Championship Point の一発大駆けに期待でありますが、それにしてもこの Galileo の異常繁殖っぷりはどうしたものか。確かにそこそこいい実績は挙げてはいるが、でもG1でこれだけ出しまくるのはなかなか珍しいというか。サドラーズ系10頭に Danzig、Nijinsky 各1頭というのは何とも壮観であります。一応ざざっと出走表を見る感じだと、12F重賞のゴードンS組とグレート・ヴォルティジュール組に分かれる、というような図式で前者に Sixties Icon とか Jadalee 辺り、後者に Red Rocks とか人気薄いろいろ。あとは別路線でオブライエン組で、アタマは Tusculum、という趣ですが、にしても一番手がヘファナンというのは何とも微笑ましい。バリードイルもちょっと格下若手騎手を日本で修行させればいいのにねぇ、と脱線ついでに。Red Rocks は好走すれば凱旋門で最強未勝利馬 Dragon Dancer とのアトサキが気になります。

◆東の代表決定戦、にはなったか。
9月9日ベルモント9R 17:12発走 芝内11F
第48回マンノウォーS(G1)
総賞金$500000 3歳上 定量(3歳121lb、4上126lb)
枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     ML 父
1Crown Point    牡4 126カステラーノ212 35休27 ドンク     15/1 Honor Grades
2Go Deputy     牡6 126J.ヴェラスケ166 32休11 プレッチャー  6/1 Deputy Minister
3Showing Up    牡3 121C.ヴェラスケ65 11611 タッグ     5/2 Strategic Mission
4Cosmonaut     牡4 126ルパルー  164 44915 ビアンコーヌ  8/1 Lemon Drop Kid
5Ramazutti     牡4 126デカルロ  143 26274 プレッチャー  15/1 Honor Grades
6Cacique      牡5 126プラド   166 42122 フランケル   2/1 デインヒル
7Relaxed Gesture  牡5 126ナカタニ  164 休12235 クレメント   7/2 Indian Ridge
 イメージとしてはアメリカの毎日王冠的な感じの伝統的な芝レースではありますが、歴史は意外と浅い。今回はアーリントン2着・セクレタとソドダンの勝ち馬がまぁ間隔的には同じというローテでぶつかるということになって、まずまずの興趣。The Tin Man および欧州馬(今年は何が来るのかねぇ)辺りへの再挑戦権争い、みたいな所にはなりましょうか。前評判的にはどうもソドダンの評価が下がる、というのはある程度致し方ないか。とは言え、人気になってるアーリントン2着の Cacique とて、セクレタよりも1秒も遅い時計、という意味ではちょっと気になってしまうところで、一方 Relaxed Gesture は潜在的には最右翼っぽいけど今ひとつ調子が出てないという感じの配当。これならば、6戦5勝のセクレタ勝ち馬 Showing Up には良いチャンスではあるか。逃げてアーリントンより強い時計を出しているのはアピールできる所だろう。Kitten's Joy 級で終わりそうな悪寒もするが、芝馬のレベルを底支えする存在にはなっていいかも。

◆女丈夫か、世代交代か。
9月9日レパーズタウン5R 15:55発走 芝10F
愛チャンピオンS(G1)
総賞金1000000EUR 3歳上 定量(3歳9st,4上9st7lb、牝3lb減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     配当 父
14Ace        牡5 133キネーン  173 24726 オブライエン  16/1 デインヒル
26Mustameet     牡5 133マクダナー 187 41111 プレンダーガス 41/5 Sahm
31Zenno Rob Roy   牡4 133ムーア   103 休1636 Sir.スタウトGB 35/1 Lear Fan
43Alexander Goldrun 牝5 130マニング  2810 55212 ボルガー    17/5 Gold Away
55Ouija Board    牝5 130スペンサー 199 32151 ダンロップGB  9/4 Cape Cross
62Dylan Thomas   牡3 126ファロン  84 休1314 オブライエン  12/5 デインヒル
 何とも読みにくい配当は、betfair のものです。で、まぁこのレースはそういう傾向かも知れないけれど、小頭数。人気を支えているのが牝馬、という辺りで「時代は10ハロン」というのが段々徒花化しているようにも見えるのだけれど、恐らくこのレースには今後 Giant's Causeway とか Rock of Gibraltar の子とかがもっと出てこないといけないのだろうなぁとは思いますね。Galileo があれだけステイヤー方向に向かってしまっている現状とかを思うと(笑)。ただ、問題はちょっとマイルが弱っている辺りで、今回も Mustameet とか Rob Roy みたいなローテでもうちょっと強い馬が出てこないと、ってのはあるかも知れませんな。一応今年はフランスで日没社小型ノートパソコン(笑)がマロワ・風車連覇してはいるけど、風車出られたらこっちには来られない訳で、やはり3歳辺りが地味だったのもあるか。
 ただ、そんな中では Dylan Thomas がまだ3歳を引っ張る、というのはあるでしょう。前走は4着も、3歳にとって古馬初対戦になりがちなジャドモントはそう簡単な舞台ではないし、あれで見切るべきではないだろうなぁと。ただ、ここを勝ったら勝ったで、多分凱旋門では要らなくなるから、まぁ適度に頑張ってね、というかそもそもこの馬は凱旋門出ない?(不勉強

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「人工授精で試験管ベビー」とは言わない件 

 Bewaad氏の最近の日記からリンクされた昔の記事のコメ欄で宮嶋さまのコメントを見て
なんというのか、人工授精に関する知識があまりにぶっとんでいるので驚きなのですが。
そもそも人工授精(といっても技法は色々あります)、まず針を刺して卵巣から卵子を持ってくるわけですから、それなりに侵襲を伴います。随分痛みを軽減できるようにはなりましたが、排卵誘発剤使うには変わりありませんから、内分泌の方は多少狂うわけで。自然受精が望めるカップルにこれを施す医者は余程の金の亡者かと。
次に、受精卵がちゃんと着床する可能性はかなり低いわけです。で、失敗を何度も繰り返せば金銭的負担も肉体的負担も増す。今回の事例の場合前者は事実上無視できるにしても後者は万人に共通の問題で、しかも回数を重ねるごとに歳を取りより受胎率は下がっていくわけです。でどうするかというと、一度に複数の受精卵を子宮にいれるわけですな。かつて話題になった五つ子はそのパターンで、技術が進歩した現代にあっては胎内に戻す受精卵の数も減ってきたとはいえ、双胎・品胎・噐胎の割合は相変わらず高いわけです。まあ、明治四年だったかの太政官布告で双子以上の場合は先に生まれた方が兄姉と決まっていますから、皇位継承順の問題は生じないわけですが、まあ感情的なものはいろいろと難しいでしょうな。そもそも皇統譜に双子の記録があるのかどうか存じませんが、宮内庁はそういう扱いに苦慮するような事はさせないのではないかと思いますし、現に双胎でないこと(間引きという可能性はさすがにないでしょう)は明らかなわけで、人工授精だの生み分けだのは個人的には論外と思っております。
 冒頭で大見得を切られてる割にはそんなに正しいことを言ってないように見えるので(まぁ自分などにおいてもそれはよくある話であり、別に腐しているつもりは全くありませぬ>宮嶋さま)、ちとチャチャをば。
#ある程度宮嶋さまならご存知であろう事柄も部分的には言及すると思いますが、まぁメモということで。
##しかし「品胎」って言葉は知ってましたが「噐胎」は初めて聞きました。勉強になった。

 件のカップルの場合には、やや高齢という要素を差し引けば自然受精が期待できるカップルであるという前提の上で、むしろ「産み分け」の方が重要であった、ということは間違いなく言えるでしょう。で、その産み分けの一般的な方法ですが、マイクロソートなりパーコールなりとあるものの、理屈としては当然のことながら精子の選り分けでありますので、母側に特に大きな制約が無ければ方法としては人工授精=AI(Artificial Insemination)、となるのではないでしょうか。ところで、上で宮嶋さまは「人工授精」という技法が色々あると言った上で「まず針を刺して」という所に行かれてしまうのですがこれが間違いであり、人工授精ってのは種雄牛のザーメンをポンプで雌牛に突っ込んでるのと同じ要領でして(馬産でAIをやるかどうか、というのもこれで、要するに性交を伴わない種付けを認めるかどうかっつー話)、特に針を刺すというようなシロモノではありません。針を刺して胚を抽出するというものは「体外受精」=IVF(In Vitro Fertilization)であり、これは厳密には「人工授精」と区別されるべきものでしょう。勿論、AIにおいてもケースによっては排卵誘発剤は使われるかも知れませんが(まず不妊治療ならば「両側の確率」を高める必要があるので、併用となるでしょう)、これも産み分けの場合は少なからずオプション的にはなるのではないかなと。つーか、多胎だとハズレを貰う卵子が出る確率も増えますんで。
 と、ハズレという話をしましたが、要するに上述した「一般的な方法」による産み分けの成功率は75%から上見て80%程度でして、まぁそれほど百発百中な訳ではありません。まぁ選り分けたとは言っても実際のところは有意に大量な精子を流す訳で、その中にハズレが混入する確率もそうは低くはないでしょうし、逆に顕微授精とかで行ったとしても1匹だけ遺伝子確認して流すなどという精密なものではありませんから(そもそも1匹だけではそいつがちゃんと受胎可能な元気な香具師かどうかも分かりませぬ)、結局そう厳密に意図した通りにはならない、という事情もあるようでして。
 ただ、実際のところは、現在の医学ならば体外受精を利用して100%男女が産み分けられる、という方法はあって、それは受精卵を作った後に着床前診断=PGD(Preimplantation Genetic Diagnosis)によって性染色体をチェックする、という方法であります。これによって、顕微授精を行った中から望む性別のものだけを凍結して都度1つずつ試してみる、みたいなことをすればそう長くない期間のうちに単胎で成功するのも可能となるでしょう。ただ、卵子や精子であれば男女の細胞の一部、で済むでしょうが、なにしろ相手は受精卵なのですから、着床前診断で「生命の選別」を行うのは倫理的には相当にヤバ過ぎる行為であり、まぁ当然のごとく重篤な遺伝性疾患を診断する以外の目的での使用は医師にとってタブーですね。当然野次馬的には「いや、菊のカーテンの向こうでは何が行われるか」みたいな言い草で或いはそれをやってても……みたいな話も出てはくるのでしょうが、正直そんなリスクを踏むくらいならば、こんな事態になるまでにもうちょっと色々やれたことはあるでしょうし(大室寅之祐的替え玉とかwwww)、まぁ今回そういう方法が使われていたという推論は、陰謀論の範疇を出ないところではありましょうな。

 という訳で、仮に今回の新宮さまが「男子を産むための何らかの作為的な手法」を用いていた受胎された可能性があったとしても、恐らくそれはAIの範疇に留まっていたであろう可能性は高く、宮嶋さまが触れたような意味合いでリスクを踏んでいた=体外受精などで紀子さまが負担を掛けられていた、という可能性をバイパスした上で行われることは可能ですよ、と。
#勿論AIならば父母双方とも負担が無い、という訳ではありませんが。
一方で、恐らく百発百中の方法を踏んでないだろうと考えるとやはりある程度は確率を高めたとは言えどちらに転ぶか分からない要素はあった訳で、そりゃあれだけ一世一代の大バクチでどっちの性別か予め見るなんてのは怖すぎてできねぇよなぁ、なんてことも思ったりはしました。まぁ周囲というか担当医は事前に分かってた(分からないでいる方が全然難しい)んでしょうけれど、本人達は……ねぇ。
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親王ご誕生 

 QMA本のトム杯ポスターを見た麻智さんが「この二人って親子?」と訊いてきました(挨拶)。

 はサテオキ。
 まぁ、基本的な反応としては以前書いたこれとか、ご懐妊前に書いたベース的な論議をそう逸脱する所ではないのですが、ちょっとだけ思ったのは、今回の祝儀ムードは思ったより高いというか、実質的に世の空気が「将来の天皇陛下が生まれた」みたいに流れてしまっている辺りで、そういうことを考えたうえで安定継承に関する議論を進めるならば、皇室典範の改正は「養子の導入」という方向になるべきものなのかな、という辺り。要するに、現在残っている常陸・三笠・桂の三家くらいを定員として、30代半ばより若い既婚の旧皇族(ないしは皇別摂家でもいいかも知れんですが)のうち、意思のある人を養子縁組すれば、ということで、まぁそんなに成り手がいるか判らないけど、ひとまず男子が一定以上優先されるシステムと見立てるならば、サポートと成る宮家のメンテナンスというのは必要になってくるのかなと。
 私は基本的にネット右翼さんがもりもりしてるご時世とは言え、世の戦後派の多数はリベラルなもんだろうというイメージはあったのですが、そういう意味では日本人、こと天皇に関してはかなり保守的だったのかもみたいな部分は富田メモ以来の傾向として感じさせられる事例ではありました。まぁ私自身は所詮血統ヲタの歴史ヲタなので、個人的には父系が繋がりそうというのは吉祥といえば吉祥な訳ですが。前に宮嶋さまも書いてましたが、これで自分が死ぬまでは凡そ男系の天孫朝が維持されるであろう、と思うとまぁその先は後世の人に任せる辺りであり、そこまで維持されるならばある種の感慨はある、というところで、まぁともあれ新宮さまには無事に育っていただきたい、ということに尽きるでしょうか。
 あともひとつ感慨だったのは、麻智さんが言ってたのだが、「人生で宮様が生まれるというニュースを聞くのはこれが最後かもしれない」という辺り。実際のところ、新宮様(そして愛子さま)もどうせ恐らく晩婚になるだろうなぁというのは確かに予想されるわけで、そうなった場合には確かにもう自分が60も後半くらいの年にやっと次の……となったらその年に自分が生きてるかは確かに自信が無い所ではあり。とか言って、案外紀子さまが頑張って4人目作っちゃったりしてな、という笑い話にはなった一方で、せめてまぁ自分の子供が嫁貰う程度までは生きておきたいとも思った訳ですが、これもどうなることやら。ただ、この世代の宮様ならば、少なくとも数十年後には現在の産み分け技術が相当に進化してることは予想され、まぁ性別に関しては1/512の不運を引く、なんて事態よりは余程マシにはなるのだろうなぁ、なんてことも思うと、あながち皇室典範改正は必要になるのだろうか、みたいなこともアタマを過ったりもした部分はあったり。
 と、大雑把に感慨をメモった所で本日は終了。
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バーデン大賞である。 

9月3日バーデンバーデン大開催最終日6R 17:00発走 芝2400m
第134回フォルクスワーゲン・バーデン大賞(G1)
総賞金750000EUR 3歳上 定量(3歳55kg,4上60kg、牝2kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
19Donaldson     牡4 60 デフリース 93 休1167 ラウ      ランド
25Egerton      牡5 60 ムンドリー 132 休11114 ラウ      グルームダンサー
82Fracas      牡4 60 スペンサー 63 147休2 ワックマンIRE In the Wings
46Norse Dancer   牡6 60 イーガン  324 11休813休 エルズワースGB Halling
57Dickens      牡3 55 スボリッチ 52 休1412 ブルーメ    KALLISTO
66Oriental Tiger  牡3 55 ボシェルト 71 休3433 オストマン   タイガーヒル
72Prince Flori   牡3 55 ミナリク  42 -1149 スミルチェク  ランド
81Saddex      牡3 55 ペドロサ  63 13114 ラウ      Sadler's Wells
98Schiaparelli   牡3 55 シュタルケ 54 11121 シールゲン   MONSUN
 それにしてもアーリントン・ミリオンでもちょっと思ったのだけど、レーシング・シリーズというのはその実質はともかくとして、字面としては結構外国馬の(ドバイとか香港とか日本のような銭ゲバ競馬国以外の)シリーズ該当レースへの参戦をモティヴェートしていた面はある。芝さんもアーリントンの時に「Soldier Hollow の勝てるメンツだった」と言う話をされてたけど、これも Fracas や Norse Dancer ごときにやられるかぁ、というのは感じてみたり。いや、無事だったら Norse はそこそこ手強いけど、春ボロボロの休み明けですからねぇ。
 という訳で、Egerton と Donaldson というある意味ネタ的には美味しい古馬に対してダービー1~4着馬がどの程度圧倒できるかによって世代のレベルを問い直すレース、とはなるのだろう。WM日程のために途中でレースを挟むことが出来なかったが、期せずしてローテが一本槍化してしまったお陰できれいにスライドしてきたという感じ。まぁその中でも、やはり Schiaparelli は対古馬の経験も一つ積んでるわけで、普通に抜けてるとはなる訳で、兄貴の外ラチ突撃(当時は日本人的にはとても珍しかったが、新潟改修のお陰である意味日本でもありふれた光景にはなりましたなw)に負けないパフォが見られるかどうか、という話となるでしょうか。
 でも、Donaldson にまたやられた、みたいなネタもちょっと期待してみたりして(笑)。

9月3日ロンシャン5R 15:55発走 芝1600m
ロンシャン風車賞(G1)
総賞金300000EUR 3歳上 定量(3歳56kg、4上58kg、牝1.5kg減)
馬枠 馬名      性齢斤量 騎手   戦勝 近走成績  厩舎     父
12Librettist    牡4 58 デットーリ 76 休1111 サイードUAE   Danzig
24Indesatchel    牡4 58 カラン   164 98休46 ワックマンIRE Danehill Dancer
38Manduro      牡4 58 スミヨン  115 32332 ファーブル   MONSUN
47Irridescence   牝5 565スパニュ  138 5休11休 ハモンド    Caesour
51Stormy River   牡3 56 テュリエ  94 13214 クレマン    Verglas
66Aussie Rules   牡3 56 ファロン  93 51744 オブライエンIR デインヒル
73Kentucky Dynamite 牡3 56 ルメール  73 休1512 de.R-デュプレ Kingmambo
85Quiet Royal    牝3 545ペリエ   72 21休25 ラフォンパレア ロイヤルアカデミー
 Manduro 出とるやん!とユタカ様のツッコミ。まぁ腐すわけでは無いけど、スミヨンがら空きで確保できるならば使ってみようというファーブル師の気持ちも分からんではありませんな。それを含めて、何かあれよあれよとG1馬になってしまった Librettist に対してリヴェンジのチャンスではあるかな、というメンバー。いや、3歳勢はG1馬が2頭いるし、強いメンバー相手に勝ってきてる Irridescence も勿論まともに走れば実力上位ではあるけど、後者に関してはキングジョージの展望で触れたとおり、ドバイ明けの直後というのは信頼度をある程度差っ引く必要はあるし、そろそろ順番が Manduro に、というムードはありありかなぁとは思いつつ。
 ところで、マロワとムーランって、基本的に似たメンバーが出てくるし、そんなに格が違うのか日本で漫然と見てると微妙な部分があるのですが、実際の所賞金はマロワが600000EURで、都合2倍。そう考えると、*タイキシャトルなんかは志の高いレース選択をしてたのかもね、なんてことも考えてみる。あと、ローエングリンとテレグノシスのフランス遠征、似た着順にはなってレート的には前者の方が高かったけど、ムーランで好走したローエンとマロワで好走したテレグノ、負けた相手ではその後BC勝った Six Perfections の方が上だったわけで、勝浦の逃がした魚のほうが大きかったってか。

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