ひとまず、シリーズ完了、かな。随分gdgdしてしまいましたが。
てな訳で、過去記事へのリンクもどぞー。
・メジロドーベル@98エリ女
・セイウンスカイ@98菊花賞
・ダンツシアトル@95宝塚
・ノースフライト@94安田
・メジロマックイーン@92春天
◆NetKeiba:レース結果
*グラスワンダーは、まごうことなき天才としてターフに出現した。
彼が朝日杯で大レコードを打ち立てたとき、恐らくこの馬は現在の日本の競走馬のスタンダードにミスマッチした存在なのではとすら、一部から思われていたのである。しかし、その思い込みはふたつの面から突き崩される。一つは、明け4歳春での彼の故障。そしてもう一つは、日本競馬史上でも屈指とも言える優れたライバルたちの台頭である。そうした中で、彼のアイデンティティはたびたび危機に陥る。明け4歳の秋、歴史的とも言えるサイレンススズカ、*エルコンドルパサーの両騎との対決に置いて後塵を拝し、続くハンデ戦のアルゼンチン共和国杯でも惨敗したとき。明け5歳の春、京王杯スプリングCで子供扱いしたエアジハードに、本番の安田記念できっちり返り討ちを喰らったとき。決して安定しているとは言い難い彼のコンディションに、ファンは不安を募らせることが多かった。だがその度に、*グラスワンダーはまるで徳俵でうっちゃるかのように、シーズン終わりのグランプリで鮮やかな復活を果たして、その存在感を見せつけていた。有芝は98年グランプリの中山で、グラスの復活に抱き合って歓喜の涙を流していたカップルの姿が忘れられない。この馬は、ともすると全てを失いかねないところまで自身と自身のファンを追い詰めてしまう馬であり、しかしながらそんな場面で決して屈することなく己の天才を証明する馬であった。
しかし、彼の周りのライバルは、あの朝日杯で*グラスワンダーのみが突き破ったかと思われた日本競馬のスタンダードを、非情なまでに引き上げていた。中でも*エルコンドルパサーとスペシャルウィークは、海外の覇道と国内の王道の上で、グレード制史上それまでの馬が経験し得なかったような事績を積み上げていたのである。そして凱旋門2着を土産にエルコンドルが府中の引退式でターフに別れを告げる一方で、同日にスペシャルウィークは凱旋門賞馬を尻目に秋天からJCの連勝を果たし、前馬未踏の秋の王道3連勝に向けて歩を進めた。たかがこの3年も前には、凱旋門賞2着馬が日本から出ることはおろか、秋天→JC→有馬の連勝を果たせるかも知れない馬が出ることすら、想像の埒外であった。翻るに、この時のグラスが何を達成していただろう。彼は、まごうことなき天才と認められていても、チャンピオンとして証明したものは何もなかった。もし、有馬でスペシャルが勝利しグラスが敗れていれば。この馬は或いは、「ただのGI3勝馬」で終わってしまってたかも知れない。前年の有馬やこの年の宝塚以上の正念場が、またしても彼に訪れたのである。
このレースにおける、*グラスワンダーとスペシャルウィークのハナ差の攻防に、合理的な回顧を行うことは難しい。あれから8年以上が経過してなお、それは説明するに難しいものであるように思われる。あのレースが両馬の実力を正当に出し合った結果なのかすらも、正直論じることに聊かの愚かしさを感じる部分はある。同日の900万を1秒以上下回るタイムとか、そういう理屈に関係なく、その上で、僅差で食い下がったテイエムオペラオーやツルマルツヨシに勝利の必然性が全くなかったことだけは明らかに思われる。あの日の中山2500に1年後のテイエムオペラオーを連れてくれば、或いは両馬の攻防を半馬身くらい前できっちり睥睨していたのかも知れないが、そのオペラオーとこの日のオペラオーが同じ馬と思うべきでもないだろう。凱旋門の Montjeu と JC の*モンジューが残念ながら違う馬であったように。
強いて言えば、未だに自分はこの日の中山に神を見ているかも知れない、と思う。
おおかた馬体を合わせきって、或いは騎手の一からすれば差していてもおかしくないスペシャルが遂にグラスの前に鼻面を伸ばしきれなかったのは、何かがこの馬にそういう役割を与えたがらなかったからだと思うし、グラスが遂に自信の絶対能力ではなく、馬体を併せて「引き出される」力で最後スペシャルを抑えきったのは、何かがこの馬、この時代のスタンダードたるべき名馬に対して、相応のチャンピオンシーを与えたがったのではないか。
しかし、ある種の等価交換として、この時降臨した神は、*グラスワンダーからこの先進む道を奪ってしまったように思われる。翌年の日経賞に現れたこの馬は、もはや競走馬の体型を失ってしまっていた。この後の彼の競走成績を彼のものとすべきではないだろう。一方で、スペシャルウィークが数センチの差で埋め得られなかったピースを埋めるために、テイエムオペラオーはターフに君臨し、グラスを屠り、*メイショウドトウとナリタトップロードを引き連れて年間全勝の覇業を成し遂げたのである。
かくして、本朝の競馬は21世紀のポストモダンに流れ込んだのだ。
前世紀における困難、或いは*グラスワンダーとスペシャルウィークが競走馬としての全てを削ぎ込んでこの日の中山に争ったものは、後世の競走馬の多くにとって、ある程度以上にたやすく得られるものとなってしまった感がある。勿論、そんな現代の競馬においても感動は必ずや見いだされるものであり、それが競馬の底力であると、有芝は確信する。しかし、このレースが切り開いたポストモダンが再び切り開かれるまで、このレースの神のごとき感動が再現されるまで、我々はどれだけの時を待つことになるのだろうか?
てな訳で、過去記事へのリンクもどぞー。
・メジロドーベル@98エリ女
・セイウンスカイ@98菊花賞
・ダンツシアトル@95宝塚
・ノースフライト@94安田
・メジロマックイーン@92春天
◆NetKeiba:レース結果
*グラスワンダーは、まごうことなき天才としてターフに出現した。
彼が朝日杯で大レコードを打ち立てたとき、恐らくこの馬は現在の日本の競走馬のスタンダードにミスマッチした存在なのではとすら、一部から思われていたのである。しかし、その思い込みはふたつの面から突き崩される。一つは、明け4歳春での彼の故障。そしてもう一つは、日本競馬史上でも屈指とも言える優れたライバルたちの台頭である。そうした中で、彼のアイデンティティはたびたび危機に陥る。明け4歳の秋、歴史的とも言えるサイレンススズカ、*エルコンドルパサーの両騎との対決に置いて後塵を拝し、続くハンデ戦のアルゼンチン共和国杯でも惨敗したとき。明け5歳の春、京王杯スプリングCで子供扱いしたエアジハードに、本番の安田記念できっちり返り討ちを喰らったとき。決して安定しているとは言い難い彼のコンディションに、ファンは不安を募らせることが多かった。だがその度に、*グラスワンダーはまるで徳俵でうっちゃるかのように、シーズン終わりのグランプリで鮮やかな復活を果たして、その存在感を見せつけていた。有芝は98年グランプリの中山で、グラスの復活に抱き合って歓喜の涙を流していたカップルの姿が忘れられない。この馬は、ともすると全てを失いかねないところまで自身と自身のファンを追い詰めてしまう馬であり、しかしながらそんな場面で決して屈することなく己の天才を証明する馬であった。
しかし、彼の周りのライバルは、あの朝日杯で*グラスワンダーのみが突き破ったかと思われた日本競馬のスタンダードを、非情なまでに引き上げていた。中でも*エルコンドルパサーとスペシャルウィークは、海外の覇道と国内の王道の上で、グレード制史上それまでの馬が経験し得なかったような事績を積み上げていたのである。そして凱旋門2着を土産にエルコンドルが府中の引退式でターフに別れを告げる一方で、同日にスペシャルウィークは凱旋門賞馬を尻目に秋天からJCの連勝を果たし、前馬未踏の秋の王道3連勝に向けて歩を進めた。たかがこの3年も前には、凱旋門賞2着馬が日本から出ることはおろか、秋天→JC→有馬の連勝を果たせるかも知れない馬が出ることすら、想像の埒外であった。翻るに、この時のグラスが何を達成していただろう。彼は、まごうことなき天才と認められていても、チャンピオンとして証明したものは何もなかった。もし、有馬でスペシャルが勝利しグラスが敗れていれば。この馬は或いは、「ただのGI3勝馬」で終わってしまってたかも知れない。前年の有馬やこの年の宝塚以上の正念場が、またしても彼に訪れたのである。
このレースにおける、*グラスワンダーとスペシャルウィークのハナ差の攻防に、合理的な回顧を行うことは難しい。あれから8年以上が経過してなお、それは説明するに難しいものであるように思われる。あのレースが両馬の実力を正当に出し合った結果なのかすらも、正直論じることに聊かの愚かしさを感じる部分はある。同日の900万を1秒以上下回るタイムとか、そういう理屈に関係なく、その上で、僅差で食い下がったテイエムオペラオーやツルマルツヨシに勝利の必然性が全くなかったことだけは明らかに思われる。あの日の中山2500に1年後のテイエムオペラオーを連れてくれば、或いは両馬の攻防を半馬身くらい前できっちり睥睨していたのかも知れないが、そのオペラオーとこの日のオペラオーが同じ馬と思うべきでもないだろう。凱旋門の Montjeu と JC の*モンジューが残念ながら違う馬であったように。
強いて言えば、未だに自分はこの日の中山に神を見ているかも知れない、と思う。
おおかた馬体を合わせきって、或いは騎手の一からすれば差していてもおかしくないスペシャルが遂にグラスの前に鼻面を伸ばしきれなかったのは、何かがこの馬にそういう役割を与えたがらなかったからだと思うし、グラスが遂に自信の絶対能力ではなく、馬体を併せて「引き出される」力で最後スペシャルを抑えきったのは、何かがこの馬、この時代のスタンダードたるべき名馬に対して、相応のチャンピオンシーを与えたがったのではないか。
しかし、ある種の等価交換として、この時降臨した神は、*グラスワンダーからこの先進む道を奪ってしまったように思われる。翌年の日経賞に現れたこの馬は、もはや競走馬の体型を失ってしまっていた。この後の彼の競走成績を彼のものとすべきではないだろう。一方で、スペシャルウィークが数センチの差で埋め得られなかったピースを埋めるために、テイエムオペラオーはターフに君臨し、グラスを屠り、*メイショウドトウとナリタトップロードを引き連れて年間全勝の覇業を成し遂げたのである。
かくして、本朝の競馬は21世紀のポストモダンに流れ込んだのだ。
前世紀における困難、或いは*グラスワンダーとスペシャルウィークが競走馬としての全てを削ぎ込んでこの日の中山に争ったものは、後世の競走馬の多くにとって、ある程度以上にたやすく得られるものとなってしまった感がある。勿論、そんな現代の競馬においても感動は必ずや見いだされるものであり、それが競馬の底力であると、有芝は確信する。しかし、このレースが切り開いたポストモダンが再び切り開かれるまで、このレースの神のごとき感動が再現されるまで、我々はどれだけの時を待つことになるのだろうか?
何となくニュース見てたら、通行人に自分がいた件(挨拶。
何にせよレースを見ててまず驚いたのは、*コンゴウリキシオーが行ききった直後で、いきなりタニノウォッカが引っかかりだしたところであった。近2走こそ短距離であったものの、昨年のダービー以降京都記念まで一貫して中距離で走り、なおかつ短距離の2走はいずれもスローであったのだから、遅いペースで折り合い欠くならまだしも、逆かよ、みたいな。まぁ実際ハイペースの方が掛かりやすい馬は時折見かけるものであるが、それにしても昨年のJC以降この馬が見せてきた直線での覇気の足りなさと比較すると、この剥き出しの闘争心自体が驚くべきであった。その意味では、タニノ復活の第一の功労者は、まずこのペースを作った*コンゴウリキシオーとなるのだろう。一方、この距離で前に行く選択肢は、ダービーで四位が植え付けたイメージをある種リセットする中で実現したものであり、ある程度先行するレースを繰り返していないで突然出来たかは微妙である。その点では、先行して何とか騙し透かす競馬に腐心したユタカの今年の騎乗が、この結果を導いた第二の功労者となるだろう。その上で、この日の同馬の仕上がりは、間違いなく今シーズン最高のものであった。それは、馬体の回復を主眼に置いた調教の変化に支えられて、精神面の充実に繋がったもののように思われる。この調教が第三の功労者と言えるか。
無論、それは乗り替わってこのレースを勝たせた岩田の功績を過小評価するものではない。そもそも、あれだけの馬にあのペースで引っ掛かられてなお冷静にエネルギーを消耗させずに乗れるのは。一流の騎手だからこそ可能な芸当である。そして、抜けた後のオーバーアクション気味な見せムチもまた、ここまでのレースで空を使うように最後後一押しが足りずに、ジャパンCやドバイ免税店のごとき世界的大レースを逸してきた馬に対するある種の愛情を持った鍛錬のように見えて、好感が持てた。四位やユタカも含めて、相応に考えて乗っていた部分はあり、今こそ主戦を失っているものの、騎手には恵まれているのだろうと思う。
一方で、この鮮やかすぎる勝利は、この馬の適性をやや短い方向に証明したということにはなるかも知れない。ダービーを制してJCで見せ場を作ったものの、この馬は本来長い距離の馬ではないのだろうと確信した向きは多かったのではないか。或いは「マックイーンがマイルを走らば」みたいな異論はあるかも知れないが、流石にマックもこの牝馬のダービーみたいな上がりは見せたことない訳で、やっぱりその時代の名馬で比較するならば、ベタだけれどオグリキャップとなるのだろう。意外にもマイルと長距離の両方で輝いたオグリは秋天と宝塚に縁がなかったが、この馬の今後において秋天なんかはそう言う意味で試金石かも知れない。まして、挑戦する相手がこの距離での能力・戦術力に卓越したダイワスカーレットのような馬であるならば。
香港勢は、*アルマダだけが走れる状態にあった感で、流石にこのクラスお馬が普通に走れば、この日のタニノウォッカみたいなのに出くわさない限り普通に勝ち負けになるのだろう。しかし、*グッドババの負けっぷりなど見てると本当に来日2回目の鬼門みたいなのはある訳で、果たしてどうしたもんかではあるが。*ブリッシュラックはドバイ3着馬をこの人気にするのは流石に美味しすぎると思って思わず突っ込んだが、今年は免税店とか島倉が比較的お釣りを残してシーズンに勢いを付けられるような展開だったのに対し、ワールドカップはやはり異次元の Curlin に能力引き出されて厳しいレースだったのかなと。*エイシンドーバーは最後の一押しに福永らしからぬ気迫が入っており、きっちり着を拾った。ただ、ここから逃げ馬辺りまでの混戦を見ると、スーパーホーネットが本来の調子であれば*アルマダの位置くらいは来られるくらいの力関係だったんじゃないのとか思ったりで。まぁこの辺りのメンバーはよく乗れても香港馬のいる安田ではちと足りない面はあるような。スパホに関しては滞在が裏目に出たのと、字面的に人気背負った分騎手が硬くなったデメリットもあったのでは、くらいであり、聊か不可解というか不本意な敗戦だったなぁと。
何にせよレースを見ててまず驚いたのは、*コンゴウリキシオーが行ききった直後で、いきなりタニノウォッカが引っかかりだしたところであった。近2走こそ短距離であったものの、昨年のダービー以降京都記念まで一貫して中距離で走り、なおかつ短距離の2走はいずれもスローであったのだから、遅いペースで折り合い欠くならまだしも、逆かよ、みたいな。まぁ実際ハイペースの方が掛かりやすい馬は時折見かけるものであるが、それにしても昨年のJC以降この馬が見せてきた直線での覇気の足りなさと比較すると、この剥き出しの闘争心自体が驚くべきであった。その意味では、タニノ復活の第一の功労者は、まずこのペースを作った*コンゴウリキシオーとなるのだろう。一方、この距離で前に行く選択肢は、ダービーで四位が植え付けたイメージをある種リセットする中で実現したものであり、ある程度先行するレースを繰り返していないで突然出来たかは微妙である。その点では、先行して何とか騙し透かす競馬に腐心したユタカの今年の騎乗が、この結果を導いた第二の功労者となるだろう。その上で、この日の同馬の仕上がりは、間違いなく今シーズン最高のものであった。それは、馬体の回復を主眼に置いた調教の変化に支えられて、精神面の充実に繋がったもののように思われる。この調教が第三の功労者と言えるか。
無論、それは乗り替わってこのレースを勝たせた岩田の功績を過小評価するものではない。そもそも、あれだけの馬にあのペースで引っ掛かられてなお冷静にエネルギーを消耗させずに乗れるのは。一流の騎手だからこそ可能な芸当である。そして、抜けた後のオーバーアクション気味な見せムチもまた、ここまでのレースで空を使うように最後後一押しが足りずに、ジャパンCやドバイ免税店のごとき世界的大レースを逸してきた馬に対するある種の愛情を持った鍛錬のように見えて、好感が持てた。四位やユタカも含めて、相応に考えて乗っていた部分はあり、今こそ主戦を失っているものの、騎手には恵まれているのだろうと思う。
一方で、この鮮やかすぎる勝利は、この馬の適性をやや短い方向に証明したということにはなるかも知れない。ダービーを制してJCで見せ場を作ったものの、この馬は本来長い距離の馬ではないのだろうと確信した向きは多かったのではないか。或いは「マックイーンがマイルを走らば」みたいな異論はあるかも知れないが、流石にマックもこの牝馬のダービーみたいな上がりは見せたことない訳で、やっぱりその時代の名馬で比較するならば、ベタだけれどオグリキャップとなるのだろう。意外にもマイルと長距離の両方で輝いたオグリは秋天と宝塚に縁がなかったが、この馬の今後において秋天なんかはそう言う意味で試金石かも知れない。まして、挑戦する相手がこの距離での能力・戦術力に卓越したダイワスカーレットのような馬であるならば。
香港勢は、*アルマダだけが走れる状態にあった感で、流石にこのクラスお馬が普通に走れば、この日のタニノウォッカみたいなのに出くわさない限り普通に勝ち負けになるのだろう。しかし、*グッドババの負けっぷりなど見てると本当に来日2回目の鬼門みたいなのはある訳で、果たしてどうしたもんかではあるが。*ブリッシュラックはドバイ3着馬をこの人気にするのは流石に美味しすぎると思って思わず突っ込んだが、今年は免税店とか島倉が比較的お釣りを残してシーズンに勢いを付けられるような展開だったのに対し、ワールドカップはやはり異次元の Curlin に能力引き出されて厳しいレースだったのかなと。*エイシンドーバーは最後の一押しに福永らしからぬ気迫が入っており、きっちり着を拾った。ただ、ここから逃げ馬辺りまでの混戦を見ると、スーパーホーネットが本来の調子であれば*アルマダの位置くらいは来られるくらいの力関係だったんじゃないのとか思ったりで。まぁこの辺りのメンバーはよく乗れても香港馬のいる安田ではちと足りない面はあるような。スパホに関しては滞在が裏目に出たのと、字面的に人気背負った分騎手が硬くなったデメリットもあったのでは、くらいであり、聊か不可解というか不本意な敗戦だったなぁと。
てな訳で、宿題にしてしまってた残り2レースの内、98年エリ女をまずは。
#いや、字数が絞れないなぁと思ってる内に寝かしてしまったので、結局削らず冗長に。
◆NetKeiba:レース結果
このレースを、圧倒的な1番人気で迎えたのは、前年の天皇賞馬にして年度代表馬のエアグルーヴである。
前年秋の彼女のパフォーマンスは、明らかに古馬のチャンピオンたるものであった。その後スイープトウショウが宝塚記念を制し、ヘヴンリーロマンスが松永幹夫に秋天をプレゼントしたが、秋天・JC・有馬の3つのG1で誇り高いレースぶりを示したグルーヴのパフォーマンスは明らかに一線を画する。エアグルーヴが3着に惜敗した97年の有馬記念が、メジロドーベルとエアグルーヴが直接対決した、最初の舞台となる。そして、このレースを境に、メジロドーベルという牝馬にとっての最大の目標は、牡馬ではなくて、この1世代年上の先輩オークス馬になったのかも知れない。大阪杯でのこの両頭のワンツーを見ながら、「やっぱり、ドーベルにとっての王子さまはグルーヴなんかな」ってなことを考えたりした。
この年辺りから、そしてこの後、メジロドーベルは牡馬混合のレースで精細を欠く走りしか出来なくなる。「オトコ嫌いのドーベル」とはよく言われるが、一方で前年には古牡馬初対戦のオールカマーをメンツ落ちとは言え軽くこなしており、この大阪杯も立派な古牡馬のG2であり、ドーベルも本質的に牡馬に通用しない馬でもなかっただろう。それでも、牡馬相手で負けてたのは、やっぱりそういう場所にグルーヴがいないと盛り上がらなかったのかな、なんてことも頭を過ぎるものではあった。
そしてこのレースで、両者は宝塚記念以来の再戦となった。
チャンピオンとは、難しいものである。
本来、真の強者は驕らずとも良いのではないかとも思うが、むしろ、チャンピオンであるからこそ相応のケレンが求められるような部分もある。この年のエアグルーヴも、春には「年内不敗」を打ち上げ、このレースでも「80%で勝つ」というようなコメントが陣営から出ていた。しかし、多士済々のこの時代、中1週で次走を控えて「80%で走る」で勝つことは難しい。今にして思えば、大阪杯は0.1秒差、宝塚は0.3秒差である。ある意味、3戦して全敗というほどの絶望的な差ではなかった。グルーヴがいる限りドーベルは燃えており、そしてドーベルにとって、憧れの存在は思うほど遠くはなかったのである。その上で、エアグルーヴは札幌記念以来のぶっつけ、しかも主戦の武豊は有名なアドマイヤベガの降着で騎乗停止となっていた。逆にメジロドーベルはデビュー以来の主戦を背に、トライアルの府中牝馬Sを重馬場で粘りきって、このレースを迎えていた。
レースが始まると、メジロドーベルは道中掛かり気味であり、グルーヴをマークするつもりが何と2コーナーを過ぎて折り合えずに追い抜く始末であった。しかし、この日のドーベルにおいて、そうした荒々しさこそがある意味モチヴェーションの顕れであったのかも知れない。4角では出しどころに苦しむが、直線強引に馬場の良いインに切れ込んだ。逆に、外から悠然と差しに掛かったエアグルーヴはラスト1Fで伸びを見せない。結局、一旦先頭のランフォザドリームを軽く抜き去ると、ドーベルはゴール前に吉田が立ち上がってガッツポーズを決めるような余裕振りで勝利に輝いた。この年のグルーヴ2度の勝利で2着に入っていた吉田にとっても、ある意味予期せぬ完勝の痛快さではあったか。
レース後、大川慶次郎氏は「80%で勝つ」という発言を詰って、「他の陣営に火をつけた」と評している。しかし当然ながら、馬にそんなものを知る余地はなかろう。その上で、このレースでのドーベルの上がりは33.5というものであった。確かにスローの京都なのだから上がりは出るのだが、本来ドーベルは「斬れる」タイプの馬ではなかったし、ならばこの馬も展開に泣いた可能性はあっただろう。恐らく、多くの名牝が、そうしてタイトルを逸した場面はあった筈である。そして、この日の力強いレースを振り返るに、陣営の発言以前に、ドーベルに何か「燃えるもの」はあったように思われる。ドーベルにとって、タイトルを幾つ取るかという以上に、エアグルーヴに勝利すること、ある種の「憧れの存在」を超えることがモチヴェーションになっていたのではないだろうか。
かくして、メジロドーベルは史上初の「G1を4つ勝った牝馬」となった。その後、女王杯を連覇して5つのタイトルとともに引退する。同時代にあって記憶さるべき名牝、エアグルーヴや*ヒシアマゾン、ダンスパートナーに対して、牡馬に対して分の悪かったドーベルはとかく「記録に残る牝馬」として位置づけられがちではある。しかし、或いはこの牝馬の、またその陣営の中で最も甘美な記憶は、取ったタイトルではなく、この日の快心の勝利ではなかったか。ならば、「G1のタイトルがこれだけあるのに顕彰馬になれないなんて」と嘆くこともあるまい。エアグルーヴに何度敗れても闘志を燃やし続けて勝利を得た感動によって、この牝馬が「記憶」されても良いのではないか、とも考えたりする。
#いや、字数が絞れないなぁと思ってる内に寝かしてしまったので、結局削らず冗長に。
◆NetKeiba:レース結果
このレースを、圧倒的な1番人気で迎えたのは、前年の天皇賞馬にして年度代表馬のエアグルーヴである。
前年秋の彼女のパフォーマンスは、明らかに古馬のチャンピオンたるものであった。その後スイープトウショウが宝塚記念を制し、ヘヴンリーロマンスが松永幹夫に秋天をプレゼントしたが、秋天・JC・有馬の3つのG1で誇り高いレースぶりを示したグルーヴのパフォーマンスは明らかに一線を画する。エアグルーヴが3着に惜敗した97年の有馬記念が、メジロドーベルとエアグルーヴが直接対決した、最初の舞台となる。そして、このレースを境に、メジロドーベルという牝馬にとっての最大の目標は、牡馬ではなくて、この1世代年上の先輩オークス馬になったのかも知れない。大阪杯でのこの両頭のワンツーを見ながら、「やっぱり、ドーベルにとっての王子さまはグルーヴなんかな」ってなことを考えたりした。
この年辺りから、そしてこの後、メジロドーベルは牡馬混合のレースで精細を欠く走りしか出来なくなる。「オトコ嫌いのドーベル」とはよく言われるが、一方で前年には古牡馬初対戦のオールカマーをメンツ落ちとは言え軽くこなしており、この大阪杯も立派な古牡馬のG2であり、ドーベルも本質的に牡馬に通用しない馬でもなかっただろう。それでも、牡馬相手で負けてたのは、やっぱりそういう場所にグルーヴがいないと盛り上がらなかったのかな、なんてことも頭を過ぎるものではあった。
そしてこのレースで、両者は宝塚記念以来の再戦となった。
チャンピオンとは、難しいものである。
本来、真の強者は驕らずとも良いのではないかとも思うが、むしろ、チャンピオンであるからこそ相応のケレンが求められるような部分もある。この年のエアグルーヴも、春には「年内不敗」を打ち上げ、このレースでも「80%で勝つ」というようなコメントが陣営から出ていた。しかし、多士済々のこの時代、中1週で次走を控えて「80%で走る」で勝つことは難しい。今にして思えば、大阪杯は0.1秒差、宝塚は0.3秒差である。ある意味、3戦して全敗というほどの絶望的な差ではなかった。グルーヴがいる限りドーベルは燃えており、そしてドーベルにとって、憧れの存在は思うほど遠くはなかったのである。その上で、エアグルーヴは札幌記念以来のぶっつけ、しかも主戦の武豊は有名なアドマイヤベガの降着で騎乗停止となっていた。逆にメジロドーベルはデビュー以来の主戦を背に、トライアルの府中牝馬Sを重馬場で粘りきって、このレースを迎えていた。
レースが始まると、メジロドーベルは道中掛かり気味であり、グルーヴをマークするつもりが何と2コーナーを過ぎて折り合えずに追い抜く始末であった。しかし、この日のドーベルにおいて、そうした荒々しさこそがある意味モチヴェーションの顕れであったのかも知れない。4角では出しどころに苦しむが、直線強引に馬場の良いインに切れ込んだ。逆に、外から悠然と差しに掛かったエアグルーヴはラスト1Fで伸びを見せない。結局、一旦先頭のランフォザドリームを軽く抜き去ると、ドーベルはゴール前に吉田が立ち上がってガッツポーズを決めるような余裕振りで勝利に輝いた。この年のグルーヴ2度の勝利で2着に入っていた吉田にとっても、ある意味予期せぬ完勝の痛快さではあったか。
レース後、大川慶次郎氏は「80%で勝つ」という発言を詰って、「他の陣営に火をつけた」と評している。しかし当然ながら、馬にそんなものを知る余地はなかろう。その上で、このレースでのドーベルの上がりは33.5というものであった。確かにスローの京都なのだから上がりは出るのだが、本来ドーベルは「斬れる」タイプの馬ではなかったし、ならばこの馬も展開に泣いた可能性はあっただろう。恐らく、多くの名牝が、そうしてタイトルを逸した場面はあった筈である。そして、この日の力強いレースを振り返るに、陣営の発言以前に、ドーベルに何か「燃えるもの」はあったように思われる。ドーベルにとって、タイトルを幾つ取るかという以上に、エアグルーヴに勝利すること、ある種の「憧れの存在」を超えることがモチヴェーションになっていたのではないだろうか。
かくして、メジロドーベルは史上初の「G1を4つ勝った牝馬」となった。その後、女王杯を連覇して5つのタイトルとともに引退する。同時代にあって記憶さるべき名牝、エアグルーヴや*ヒシアマゾン、ダンスパートナーに対して、牡馬に対して分の悪かったドーベルはとかく「記録に残る牝馬」として位置づけられがちではある。しかし、或いはこの牝馬の、またその陣営の中で最も甘美な記憶は、取ったタイトルではなく、この日の快心の勝利ではなかったか。ならば、「G1のタイトルがこれだけあるのに顕彰馬になれないなんて」と嘆くこともあるまい。エアグルーヴに何度敗れても闘志を燃やし続けて勝利を得た感動によって、この牝馬が「記憶」されても良いのではないか、とも考えたりする。
先に、ちょっと海の向こうの方。
なにこの文句なしの名勝負。
競馬後進国の訳分からん父を持つ芦毛の牝馬が91年ぶりの牝馬制覇を目指して、直線堂々と仕掛けて先頭立ったところを、最後100mで4戦不敗の上がり馬が差し込んで力強く競り落として牡馬の意地を見せたと思ったも束の間、今度は外からアイルランドの遠征馬が1頭違う脚色で強襲して来るが、これと併せ馬に持ち込むと根性で脚色を合わせて筒一杯残しての粘り勝ち。フランスの土着血統をそこら中に散りばめた馬が、実績の割に名馬に恵まれなかった鞍上に初のクラシックをプレゼントするという結果。これフランスの客として見てたら、相当に痺れるよなぁ。一つのレースで2度勝負ポイントが出て来るのも美味しい展開だし。
それにしても、メンディサバルと言えば前回のG1勝ちは確か Germance のサンタラリと記憶しているが、この馬の母親は日本の競馬場でデビューした*ゲイリーティアラ。今度は親が日本に縁のある馬を倒す側に回ったのは、ちょっとした皮肉であったか。
で、本朝のダービー。
まずは、苦言から。勿論、四位のアレ。
確かに、ヤジは結構見苦しいものではあったかも知れないし、言い返す義理もあるに違いないだろう。自分的にも赤星のアレとかが昨日の今日であったので、免疫があった部分も認める。しかし、仮にも、東京優駿である。140試合以上あるリーグ戦の序盤の1試合とは話が違う。日本で最高の檜舞台の勝者としてマイクを向けられているのだ。言わば、最も競馬に外部からの耳目が集まる日である。その場であの態度とるのは、プロとして褒められるべきではないだろう。そして、もし、この騎手にとってダービーを勝利した感慨がたかだか客の野次ごときで薄れるものでしかないのならば、その勝ち馬にこの騎手が乗ったことは率直に競馬人全体の不幸だろうし、逆に感慨が深かったからこそ野次られたくなかったというなら、それでもダービーに対するリスペクトを見せるつもりで、自重すべきではなかっただろうか。
ただ、レース結果について言えば、ある意味皐月賞の裏返し的な面があった展開でもあり、その意味では騎手の判断が導いたダービーではあった。言わば、川田が「逃げ」でやったことを四位が「外差し」で実現したレースとも言えよう。NHKマイル、オークスに続いて雨上がりのレースではあったが、今日の方が当日の気候の良さで馬場の乾きが早く、インが粘りやすい展開が続いており、騎手のイン意識が強かった。そこで、逆転の発想的に思い切り大きく外に出して、1頭気持ちよく走らせて伸びてきたのである。ディープスカイのコースについてきたのは、直線ではじき飛ばされ気味に外に押し出されたフローテーションだけであった。この中途半端でない判断が勝利に繋がったことについて、四位は皐月賞の時の川田程度に褒められても良い。その上で、馬の実力もある程度抜けていた印象で、展開一つで変わるような見た目でもなく、この世代の重賞の中ではこれまで一度も見られなかったような会心のレースではあっただろう。配合も世代内では上位だったと思われるし、ダービー馬に相応しい勝利だった。願わくば、皐月賞馬の先行力との堂々とした戦いを見せて欲しくもあったが、それについては皐月の不調から立て直してきたスマイルジャックがある程度以上代役を果たしてくれたか。
サクセスブロッケンは芝適性もやはりあったと思うが、それ以前に全体の上がりタイムに比してもバテ方が半端でなかった辺り、やはり距離は間違いなく長かったのだろう。クラシック2冠で鮮やかにバテた母を思い出さずにはいられない部分はあった。幸いにしてJCダートは300m短縮してくれてるので、気落ちせずにダートで立て直して欲しいし、それに飽き足りないなら海外含めて選択肢はある。アドマイヤコマンドは「インで競馬」の理想の展開であったが、他の馬も同じことを目指してる中で、一歩パンチ力がが足りなかったのが最後の差になっていたようにも。上位馬はほぼ全馬ソツなく乗った印象ではあったが、レインボーペガサスはここで前走の斬れが見られなかったのは、コースへの適性であったか。イン我慢を昼から頑張っていたユタカの騎乗に応えたブラックシェルは、序盤の不利もあって3着。ただ、ことこの馬についてはディープスカイとの実力差は既にNHKマイルの段階でほぼ明白だった訳で、仮に気持ちよく走って2着はあっても、勝ちきれるレースだったかというとやはりちょっと疑問であって、まぁディープスカイの強さをある程度間接的に証明していた存在だったのかも。
それにしても、ディープスカイについては、NHKマイルのときに、ある程度長い目で見るならばダービーは回避するのが正解かもと書いたし、今でもそう思っている。その意味で、陣営にとってこれからの調整というのは決して容易ならざるものではあるだろうな、とも。しかし、仮に今後がそう実りあるものでなかったとしても、それが何だ、と今なら言えるだろう。
この馬は、ダービー馬なのだから。
そして、ダービーにそこまでリスクを賭けた美しさと、騎手自身の好騎乗があったと思うからこそ、この馬のための舞台で、晴れがましさ以外のものを持ち込まないで欲しかったな、という思いは正直あるんだよなぁ、と。
◆予想エントリの※欄。
なかなか面白い議論で、エントリもあげたい気分なのですが、暫くレスお待ち下され。
なにこの文句なしの名勝負。
競馬後進国の訳分からん父を持つ芦毛の牝馬が91年ぶりの牝馬制覇を目指して、直線堂々と仕掛けて先頭立ったところを、最後100mで4戦不敗の上がり馬が差し込んで力強く競り落として牡馬の意地を見せたと思ったも束の間、今度は外からアイルランドの遠征馬が1頭違う脚色で強襲して来るが、これと併せ馬に持ち込むと根性で脚色を合わせて筒一杯残しての粘り勝ち。フランスの土着血統をそこら中に散りばめた馬が、実績の割に名馬に恵まれなかった鞍上に初のクラシックをプレゼントするという結果。これフランスの客として見てたら、相当に痺れるよなぁ。一つのレースで2度勝負ポイントが出て来るのも美味しい展開だし。
それにしても、メンディサバルと言えば前回のG1勝ちは確か Germance のサンタラリと記憶しているが、この馬の母親は日本の競馬場でデビューした*ゲイリーティアラ。今度は親が日本に縁のある馬を倒す側に回ったのは、ちょっとした皮肉であったか。
で、本朝のダービー。
まずは、苦言から。勿論、四位のアレ。
確かに、ヤジは結構見苦しいものではあったかも知れないし、言い返す義理もあるに違いないだろう。自分的にも赤星のアレとかが昨日の今日であったので、免疫があった部分も認める。しかし、仮にも、東京優駿である。140試合以上あるリーグ戦の序盤の1試合とは話が違う。日本で最高の檜舞台の勝者としてマイクを向けられているのだ。言わば、最も競馬に外部からの耳目が集まる日である。その場であの態度とるのは、プロとして褒められるべきではないだろう。そして、もし、この騎手にとってダービーを勝利した感慨がたかだか客の野次ごときで薄れるものでしかないのならば、その勝ち馬にこの騎手が乗ったことは率直に競馬人全体の不幸だろうし、逆に感慨が深かったからこそ野次られたくなかったというなら、それでもダービーに対するリスペクトを見せるつもりで、自重すべきではなかっただろうか。
ただ、レース結果について言えば、ある意味皐月賞の裏返し的な面があった展開でもあり、その意味では騎手の判断が導いたダービーではあった。言わば、川田が「逃げ」でやったことを四位が「外差し」で実現したレースとも言えよう。NHKマイル、オークスに続いて雨上がりのレースではあったが、今日の方が当日の気候の良さで馬場の乾きが早く、インが粘りやすい展開が続いており、騎手のイン意識が強かった。そこで、逆転の発想的に思い切り大きく外に出して、1頭気持ちよく走らせて伸びてきたのである。ディープスカイのコースについてきたのは、直線ではじき飛ばされ気味に外に押し出されたフローテーションだけであった。この中途半端でない判断が勝利に繋がったことについて、四位は皐月賞の時の川田程度に褒められても良い。その上で、馬の実力もある程度抜けていた印象で、展開一つで変わるような見た目でもなく、この世代の重賞の中ではこれまで一度も見られなかったような会心のレースではあっただろう。配合も世代内では上位だったと思われるし、ダービー馬に相応しい勝利だった。願わくば、皐月賞馬の先行力との堂々とした戦いを見せて欲しくもあったが、それについては皐月の不調から立て直してきたスマイルジャックがある程度以上代役を果たしてくれたか。
サクセスブロッケンは芝適性もやはりあったと思うが、それ以前に全体の上がりタイムに比してもバテ方が半端でなかった辺り、やはり距離は間違いなく長かったのだろう。クラシック2冠で鮮やかにバテた母を思い出さずにはいられない部分はあった。幸いにしてJCダートは300m短縮してくれてるので、気落ちせずにダートで立て直して欲しいし、それに飽き足りないなら海外含めて選択肢はある。アドマイヤコマンドは「インで競馬」の理想の展開であったが、他の馬も同じことを目指してる中で、一歩パンチ力がが足りなかったのが最後の差になっていたようにも。上位馬はほぼ全馬ソツなく乗った印象ではあったが、レインボーペガサスはここで前走の斬れが見られなかったのは、コースへの適性であったか。イン我慢を昼から頑張っていたユタカの騎乗に応えたブラックシェルは、序盤の不利もあって3着。ただ、ことこの馬についてはディープスカイとの実力差は既にNHKマイルの段階でほぼ明白だった訳で、仮に気持ちよく走って2着はあっても、勝ちきれるレースだったかというとやはりちょっと疑問であって、まぁディープスカイの強さをある程度間接的に証明していた存在だったのかも。
それにしても、ディープスカイについては、NHKマイルのときに、ある程度長い目で見るならばダービーは回避するのが正解かもと書いたし、今でもそう思っている。その意味で、陣営にとってこれからの調整というのは決して容易ならざるものではあるだろうな、とも。しかし、仮に今後がそう実りあるものでなかったとしても、それが何だ、と今なら言えるだろう。
この馬は、ダービー馬なのだから。
そして、ダービーにそこまでリスクを賭けた美しさと、騎手自身の好騎乗があったと思うからこそ、この馬のための舞台で、晴れがましさ以外のものを持ち込まないで欲しかったな、という思いは正直あるんだよなぁ、と。
◆予想エントリの※欄。
なかなか面白い議論で、エントリもあげたい気分なのですが、暫くレスお待ち下され。
ブログがちょっと色々あって1週間書けず。今日の出走表も……ちと残念だがスキップ。
◆先週の回顧。
つーほどではないけれど。個人的にはあのレースでタニノウォッカに勝ったのがエイジアンウインズって辺りで改めてこの世代の牝馬の地力に敬服した部分はあり。Archipenko 辺りとのシンクロニシティも面白かったし……ってか、*サクラフブキが Archipenko の上だって全然気付いてなかったっす(笑)。ともあれ、一番勢い的にG1に近づいているフェーズの時にお誂え向けに牝馬G1がそこにあった、みたいな印象はあるが、あれくらい走れるならば、多分現金マイル辺りでも普通に好走は出来そうだし、恐らく今年の海外遠征しそうな馬の中では一番結果が出せそうなタイプかな?なんてことも。……って、あぁ、1頭もう勝ってるのがいたんだっけか(笑)。
タニノウォッカのユタカの乗り方は、ドバイでの結果を考えるならばどう考えてもあれしかないし、あれで乗って負けるならば、もう馬の側の気力の問題でしょ、と。「勝てる脚を使う」ことへの恐れみたいなのが馬の中にあるような負け方ではあり、まぁ時々そういう感じの馬はいるような。こういうところで再生工場的に機能する騎手って言えばまず的場が思いつくんだけれど、勿論調教師の方なので現役ではない。地方騎手ってのもまた、そういうのとは違うんだよね、って辺りで最近の騎手選びは難しいなと。
◆それでも、皇帝と言えば白坂。
てな訳で、皇成とかアドマイヤとかのアレについてだが。
個人的には、馬主が転厩するってったら、その判断が絶対なんだから、別にしょうがねぇだろ的なことは思うし、過剰に調教師の側に立つのは逆に「厩舎村」のロジックを大事にしすぎる、みたいな部分を感じるし、果たしてどうかなぁ、みたいなことは思ったり。つか、成金じゃなくても、別にああいう下品なことする馬主は世界各国津々浦々にゴマンといる訳で、例えば最近亡くなった、奥さんがブサイクで評判の、コードギアスみたいな名前の厩舎に馬持ってた青い勝負服のユダヤ系馬主氏の一家とかそんな感じでしたよねぇとも。
勿論、そういう馬主を好むかどうかは競馬ファンの自由な訳ですが、ある程度馬主のオーソリティみたいなのはボトムラインとして認識されるもんではないかな、ってことは再確認しておきたいところ。その上で、まぁ所詮は社台がもっといい客連れてきたら段々敬遠されるんだろうなぁくらいのオチではあるのですけれど。
◆そろそろ、今日のレース。
なんか、ニコニコ貼り付けに何時の間にかFC2が対応してるっぽいので、テスツがてらに。
何か、フジの映像も場内映像も、丁度大事なところで画面からトールポピーが切れてるんですよねぇ。まぁそうじゃなくても、勝ち馬が伸びた瞬間に「上、何か無茶な伸び方してるな、これで切り裂けたらトール勝ちだろ」くらいは思ったし、逆にあそこでインを取りに行って、割と正攻法的な伸び方をしていたエフティマイアを抑えきったとするならば、騎手としては会心だよなぁみたいなことは思ったんだけれど。
個人的には、本線はレッドアゲート鉄板くらいに思ってたというか、まぁ別路線から1頭は買いたいレースだったしその中ではレッドが抜けてる、くらいの気持ちだったのだけれど、展開がちょっと桜花賞組に向いちゃったなぁ、という感じ。とは言え、ブラックエンブレムに負けてるようでは全く言い訳にならないけど。で、桜花賞組の相手は結局とっかかりが全然掴めなくて、パドック気配で見てたのだけれど、トールはパドックまではかなりチャカついてて、これはまじーなくらいの気持ちだったのに、馬場入ったら普通に折り合い風味ではあり、やられるかも的な予感はあった。ジャンポケもなんか掛かるシーンがあってもレースになるとピタっと折り合ってたんだよなぁ、ダービーの時、みたいなことを思い出したりして。母も好配合(だけど、La Troienne が苦手なサンデーの限界もあった)で繁殖としてもそこそこ評価出来るタイプだったので、個人的にはこの馬が勝ったことについては悪い気はあんまりしない。ただ、それこそ柏木氏の言うとおり、普通だったらアレは降着だろうと思うし、4頭を1頭で妨害して勝つ、ってのは平場を含めてもある種のレコードではないかと思う。そして、そういう珍記録の持ち主としてもこの馬は記憶されないといけないのだろう。
で、柏木氏が「クラシックだからこそ『勝負に行く』ことを評価する」と「クラシックだからこそ、ルールは厳密にされるべき」という二つの選択肢を挙げられてたが、集保的には前者であったか(笑)。しかし、これを聞いて、何となく巨人の原監督が「2-3ならば打者は際どい球は勝負に行くべき、という意味で審判にもストライクを取って欲しい」みたいに言ってるのを何となく思い出したものである。
◆先週の回顧。
つーほどではないけれど。個人的にはあのレースでタニノウォッカに勝ったのがエイジアンウインズって辺りで改めてこの世代の牝馬の地力に敬服した部分はあり。Archipenko 辺りとのシンクロニシティも面白かったし……ってか、*サクラフブキが Archipenko の上だって全然気付いてなかったっす(笑)。ともあれ、一番勢い的にG1に近づいているフェーズの時にお誂え向けに牝馬G1がそこにあった、みたいな印象はあるが、あれくらい走れるならば、多分現金マイル辺りでも普通に好走は出来そうだし、恐らく今年の海外遠征しそうな馬の中では一番結果が出せそうなタイプかな?なんてことも。……って、あぁ、1頭もう勝ってるのがいたんだっけか(笑)。
タニノウォッカのユタカの乗り方は、ドバイでの結果を考えるならばどう考えてもあれしかないし、あれで乗って負けるならば、もう馬の側の気力の問題でしょ、と。「勝てる脚を使う」ことへの恐れみたいなのが馬の中にあるような負け方ではあり、まぁ時々そういう感じの馬はいるような。こういうところで再生工場的に機能する騎手って言えばまず的場が思いつくんだけれど、勿論調教師の方なので現役ではない。地方騎手ってのもまた、そういうのとは違うんだよね、って辺りで最近の騎手選びは難しいなと。
◆それでも、皇帝と言えば白坂。
てな訳で、皇成とかアドマイヤとかのアレについてだが。
個人的には、馬主が転厩するってったら、その判断が絶対なんだから、別にしょうがねぇだろ的なことは思うし、過剰に調教師の側に立つのは逆に「厩舎村」のロジックを大事にしすぎる、みたいな部分を感じるし、果たしてどうかなぁ、みたいなことは思ったり。つか、成金じゃなくても、別にああいう下品なことする馬主は世界各国津々浦々にゴマンといる訳で、例えば最近亡くなった、奥さんがブサイクで評判の、コードギアスみたいな名前の厩舎に馬持ってた青い勝負服のユダヤ系馬主氏の一家とかそんな感じでしたよねぇとも。
勿論、そういう馬主を好むかどうかは競馬ファンの自由な訳ですが、ある程度馬主のオーソリティみたいなのはボトムラインとして認識されるもんではないかな、ってことは再確認しておきたいところ。その上で、まぁ所詮は社台がもっといい客連れてきたら段々敬遠されるんだろうなぁくらいのオチではあるのですけれど。
◆そろそろ、今日のレース。
なんか、ニコニコ貼り付けに何時の間にかFC2が対応してるっぽいので、テスツがてらに。
何か、フジの映像も場内映像も、丁度大事なところで画面からトールポピーが切れてるんですよねぇ。まぁそうじゃなくても、勝ち馬が伸びた瞬間に「上、何か無茶な伸び方してるな、これで切り裂けたらトール勝ちだろ」くらいは思ったし、逆にあそこでインを取りに行って、割と正攻法的な伸び方をしていたエフティマイアを抑えきったとするならば、騎手としては会心だよなぁみたいなことは思ったんだけれど。
個人的には、本線はレッドアゲート鉄板くらいに思ってたというか、まぁ別路線から1頭は買いたいレースだったしその中ではレッドが抜けてる、くらいの気持ちだったのだけれど、展開がちょっと桜花賞組に向いちゃったなぁ、という感じ。とは言え、ブラックエンブレムに負けてるようでは全く言い訳にならないけど。で、桜花賞組の相手は結局とっかかりが全然掴めなくて、パドック気配で見てたのだけれど、トールはパドックまではかなりチャカついてて、これはまじーなくらいの気持ちだったのに、馬場入ったら普通に折り合い風味ではあり、やられるかも的な予感はあった。ジャンポケもなんか掛かるシーンがあってもレースになるとピタっと折り合ってたんだよなぁ、ダービーの時、みたいなことを思い出したりして。母も好配合(だけど、La Troienne が苦手なサンデーの限界もあった)で繁殖としてもそこそこ評価出来るタイプだったので、個人的にはこの馬が勝ったことについては悪い気はあんまりしない。ただ、それこそ柏木氏の言うとおり、普通だったらアレは降着だろうと思うし、4頭を1頭で妨害して勝つ、ってのは平場を含めてもある種のレコードではないかと思う。そして、そういう珍記録の持ち主としてもこの馬は記憶されないといけないのだろう。
で、柏木氏が「クラシックだからこそ『勝負に行く』ことを評価する」と「クラシックだからこそ、ルールは厳密にされるべき」という二つの選択肢を挙げられてたが、集保的には前者であったか(笑)。しかし、これを聞いて、何となく巨人の原監督が「2-3ならば打者は際どい球は勝負に行くべき、という意味で審判にもストライクを取って欲しい」みたいに言ってるのを何となく思い出したものである。
◆ラップ:12.2-11.0-11.4-12.1-12.5-11.7-11.2-12.1
遅いと言えば遅いし、キツいと言えばキツい、微妙なラップ。
ラスト2F目で11.2なんて時計が出るのだから結構余力がある状態で直線に向いているという見方も成立すれば、ラストで12秒かかってるんだからキツいラップで足を使い切っているという見方も成立するのだろう。しかし、ある程度はっきりした傾向として、着順掲示板は全て3角2桁の位置取りから追い込んできた馬、となった。その辺りを考慮すると、前にとって厳しく後ろにとって楽なラップ、くらいでまとめられるか。*ゴスホーケクンなんかは、あれだけすんなり先行出来たのだから調子は上向いてたのだろうけれど、ラチぴったりのような走りが出来ない馬場では、逃げは余りよい選択肢ではなかったかも。捕まってからはかなり非力な感じで順位を下げてしまった。レッツゴーキリシマはちょっとダッシュがつかなかったというか、やや中途半端な位置取りで、期待していただけにやや不甲斐なさはあったが、この展開ではどう乗っても、ではあっただろう。
その上で、後ろのヨーイドン組はある程度位置取りの差は出て、内通過の3頭と外通過の2頭の間に3馬身の差が開いて、これは普通に位置取りの差ではあろう。とは言っても、上位はバラバラ入線で、恐らくドリームシグナルや*ファリダットを含めても、後方から伸びた馬の中で資質として上回っていたのがディープスカイだった感はある。馬場が乾いていればもうちょっと雨上がりの府中らしく前残りになったり、逆にもっと馬場が重ければ資質を出し切れなかった可能性もあって、まぁ微妙なところに馬場が落ち着いてくれたことの運はあったようには思うが。アグネスタキオンの牡馬G1としては、ロジック、キャプテントゥーレに続く格好になったが、1番人気では初勝利であり、まぁこれも直前で押し出されるようなものなだけにさほどのプレッシャーではなかったかもだが、相応な意義は認められるだろう。母*アビが Six Crowns≒Carmelize という牝馬を絡めた強クロスを入れた、典型的な繁殖向け配合をしており、皐月賞馬同様、まぁG1馬としてさほど恥ずかしくない配合と言うべきでもある。つか、個人的にはこの馬の配合の方が好み。未勝利脱出に時間が掛かりすぎたせいで大物感をもたれていなかったことは評価におけるキズとなったが、そのキャリア的な字面よりは高い能力があったのではないか。
*タイキフォーチュン、*クロフネ、キングカメハメハという偉大な先達が成し遂げてきた毎日杯馬NHKマイル不敗伝説を結果として継承する格好となったが、過去の府中1600なら阪神2000辺りの適性がリンクしやすかったのに対し、府中が変質してきたのが昨今の傾向だが、一方で毎日杯の側が距離を200m短縮し、コーナー2回+長い直線コースのレイアウトに改まったことで、以前の同レースとは違った意味で府中のマイルと良くリンクするレースになっているように見えるのが面白いところではあった。その上で、資質的には前走など見てもクラシックの表街道を進んで良かった馬のような気はするが、それこそ未勝利を上がるのに時間が掛かった時点で「無理は出来ない」的な判断があってのこのレース選択だったのだろう。それだけに、クラシックを捨てても今後に長い目で期待する面が陣営にはあったと思われ、それに見合ったレース選択を今後も期待したい。同じ父のロジックはダービーに色気を見せたが、素直に秋に備えるのが賢明ではないか。とはいえ、そこから先はある程度高い目標を持つような気概で、強く育てて欲しいなと思う。まだ、このレースを勝ったくらいでは、エルコンやカメのごとき過去の大概な名馬たちも「チャレンジャー」に過ぎなかったのだから。
遅いと言えば遅いし、キツいと言えばキツい、微妙なラップ。
ラスト2F目で11.2なんて時計が出るのだから結構余力がある状態で直線に向いているという見方も成立すれば、ラストで12秒かかってるんだからキツいラップで足を使い切っているという見方も成立するのだろう。しかし、ある程度はっきりした傾向として、着順掲示板は全て3角2桁の位置取りから追い込んできた馬、となった。その辺りを考慮すると、前にとって厳しく後ろにとって楽なラップ、くらいでまとめられるか。*ゴスホーケクンなんかは、あれだけすんなり先行出来たのだから調子は上向いてたのだろうけれど、ラチぴったりのような走りが出来ない馬場では、逃げは余りよい選択肢ではなかったかも。捕まってからはかなり非力な感じで順位を下げてしまった。レッツゴーキリシマはちょっとダッシュがつかなかったというか、やや中途半端な位置取りで、期待していただけにやや不甲斐なさはあったが、この展開ではどう乗っても、ではあっただろう。
その上で、後ろのヨーイドン組はある程度位置取りの差は出て、内通過の3頭と外通過の2頭の間に3馬身の差が開いて、これは普通に位置取りの差ではあろう。とは言っても、上位はバラバラ入線で、恐らくドリームシグナルや*ファリダットを含めても、後方から伸びた馬の中で資質として上回っていたのがディープスカイだった感はある。馬場が乾いていればもうちょっと雨上がりの府中らしく前残りになったり、逆にもっと馬場が重ければ資質を出し切れなかった可能性もあって、まぁ微妙なところに馬場が落ち着いてくれたことの運はあったようには思うが。アグネスタキオンの牡馬G1としては、ロジック、キャプテントゥーレに続く格好になったが、1番人気では初勝利であり、まぁこれも直前で押し出されるようなものなだけにさほどのプレッシャーではなかったかもだが、相応な意義は認められるだろう。母*アビが Six Crowns≒Carmelize という牝馬を絡めた強クロスを入れた、典型的な繁殖向け配合をしており、皐月賞馬同様、まぁG1馬としてさほど恥ずかしくない配合と言うべきでもある。つか、個人的にはこの馬の配合の方が好み。未勝利脱出に時間が掛かりすぎたせいで大物感をもたれていなかったことは評価におけるキズとなったが、そのキャリア的な字面よりは高い能力があったのではないか。
*タイキフォーチュン、*クロフネ、キングカメハメハという偉大な先達が成し遂げてきた毎日杯馬NHKマイル不敗伝説を結果として継承する格好となったが、過去の府中1600なら阪神2000辺りの適性がリンクしやすかったのに対し、府中が変質してきたのが昨今の傾向だが、一方で毎日杯の側が距離を200m短縮し、コーナー2回+長い直線コースのレイアウトに改まったことで、以前の同レースとは違った意味で府中のマイルと良くリンクするレースになっているように見えるのが面白いところではあった。その上で、資質的には前走など見てもクラシックの表街道を進んで良かった馬のような気はするが、それこそ未勝利を上がるのに時間が掛かった時点で「無理は出来ない」的な判断があってのこのレース選択だったのだろう。それだけに、クラシックを捨てても今後に長い目で期待する面が陣営にはあったと思われ、それに見合ったレース選択を今後も期待したい。同じ父のロジックはダービーに色気を見せたが、素直に秋に備えるのが賢明ではないか。とはいえ、そこから先はある程度高い目標を持つような気概で、強く育てて欲しいなと思う。まだ、このレースを勝ったくらいでは、エルコンやカメのごとき過去の大概な名馬たちも「チャレンジャー」に過ぎなかったのだから。
◆ラップ:13.3-12.1-11.4-12.2-12.1-12.2-11.8-12.8-12.6-12.5-12.7-12.3-11.8-11.3-11.5-12.5
今まで余り真面目にそう考えていなかったが、ホクトスルタンは、どこかでこのレースを勝利するのが正当な馬ではないか、と思った。このラップは、正直相当逃げ馬にとっては厳しい。3F目11.4とリスクを踏んでリードを広げたにもかかわらず、その後12.2-12.1というラップをこちらが踏んでるのに後ろが差を詰めてきた。結局、コーナリングでもう一度11.8などというタイミングを踏まざるを得ない。それでいて、残り5Fで12秒台前半と残り900くらいで加速を行って最後は全馬12秒台という消耗戦になってしまった。このレースで4着に粘れたのだから、メジロマックイーンの仔という字面だけのステイヤーでないのは明白であろう。惜しむらくは、まだこの展開でも現状のアサクサキングスに敗れていたとするならば、未だに成長の途上ではあるかも知れない。出来ることならば、この馬が天皇賞を勝利する姿を見たいものだな、という思いを強くしたレースであった。
その上で、リスクを取ったという点では、勝ち馬も相当なリスクを取ってレースを奪ったことが印象に残る結果となった。
このレースで最も速いラップは600-400の4コーナー際で計時されているが、その速い時計の中で一番速い時計を出したのだから、展開論的には相当な負荷をこの馬は請け負った格好となる。敢えて勝負にいって、それで押し切るのは、流石は岩田康誠といったところであろう。配合的にはこのレースで軽快に2番手を飛ばしたアドマイヤメインの従兄弟となるが、彼の菊花賞での優れたパフォーマンス(そして本レースでのアシストぶり)を踏まえた上で、母父に*ヘクタープロテクターよりは明らかに重厚な*リアルシャダイが入ったことを考えるならば、春天を勝てない血統と見るのは早計ではないか。馬体重が大幅に伸びてから安定した成績を残している辺り、故障後のリハビリが馬を強くした印象がある。その上で、併せて決して強くない*フレンチデピュティにおいて、ある程度アメリカのダート競馬的な出し抜けを演じて見せたのは、結果として仕掛けとしても正しかったように思われる。
その上で、メイショウサムソンの武豊は最後まで内にヨレ気味に伸びる馬に対して左鞭を変えずに叩き合って、結果アタマ差と敗れた。本来ならば、出し抜けを喰らった段階でまだ自分に脚が残っている以上、ゴール前で併せ馬にするような絵の方が勝算は高かったように思われるが、出し抜けた段階である程度横の距離があっただけに、正攻法で応対する判断ではあったのだろう。ただ、それがメイショウサムソンの競馬かというと、自分の中では余りそうは思われず、その意味でこの日のサムソンは勝ち馬と同等以上のポテンシャルは証明しつつも、敗北としては必然的な敗北という印象の結果とはなった。ただ、それをもってユタカの乗り方が間違ってるとか手が合ってないとかいうのとも違って、今日のレースの流れがそういうものだったように見える。それにしても、正直この馬が馬券に絡んでくるところは全く想像していなかったんだけれど、逆にホクトスルタンの作ったペースの、特に最後の仕掛けが競馬の王道というタイミングであっただけに、この馬に再浮上の余地が出たのかも知れない。時折見せる惨敗が息の長い活躍を支えているようにも見えるのは、皮肉な部分ではある。
最終的に1番人気となっていたアサクサキングスではあるが、実際のところ大阪杯で3着だったことを考えるならば、この馬はダイワスカーレットに負けたレースにおいて、決して本調子とは言えなかったのではないか。確かに、何回やってもあの日のダスカにこの馬が勝てなかったと言おうと思えば言える気はするけれど、それでもあの展開でエイシンデピュティに差されるのがこの馬本来の出来ではあるまい、と思うならば。その意味では、1番人気で負けたのが悪いと言うよりは、1番人気にしたファンが悪い、という結果であるようには思われる。まぁそれでも、着は拾いそうな馬だけにああいう人気になったんだろうし、結果もそのまんまというのがまた面白くはあるんですが。宝塚ではもうちょっと上がり目あってもいいというか、今のところは暫定◎くらいの扱いで。4歳の現状を考えると、タニノとダスカという両名牝をより輝かせる役割に過ぎなくとも、この馬の負うものは大きいに違いないであろう。
以下の馬は、結果としてこの天皇賞の流れに負けた、というべきか。1周目の手応えとか見るとアドマイヤフジなんてかなりいい感じに見えるんだけれど、この馬には3000超える距離はちと長いのかも、なんてことも。トウカイトリックは期待してたんだけれど、馬体が絞れてない辺り、調教が積みきれなかったのかな。
今まで余り真面目にそう考えていなかったが、ホクトスルタンは、どこかでこのレースを勝利するのが正当な馬ではないか、と思った。このラップは、正直相当逃げ馬にとっては厳しい。3F目11.4とリスクを踏んでリードを広げたにもかかわらず、その後12.2-12.1というラップをこちらが踏んでるのに後ろが差を詰めてきた。結局、コーナリングでもう一度11.8などというタイミングを踏まざるを得ない。それでいて、残り5Fで12秒台前半と残り900くらいで加速を行って最後は全馬12秒台という消耗戦になってしまった。このレースで4着に粘れたのだから、メジロマックイーンの仔という字面だけのステイヤーでないのは明白であろう。惜しむらくは、まだこの展開でも現状のアサクサキングスに敗れていたとするならば、未だに成長の途上ではあるかも知れない。出来ることならば、この馬が天皇賞を勝利する姿を見たいものだな、という思いを強くしたレースであった。
その上で、リスクを取ったという点では、勝ち馬も相当なリスクを取ってレースを奪ったことが印象に残る結果となった。
このレースで最も速いラップは600-400の4コーナー際で計時されているが、その速い時計の中で一番速い時計を出したのだから、展開論的には相当な負荷をこの馬は請け負った格好となる。敢えて勝負にいって、それで押し切るのは、流石は岩田康誠といったところであろう。配合的にはこのレースで軽快に2番手を飛ばしたアドマイヤメインの従兄弟となるが、彼の菊花賞での優れたパフォーマンス(そして本レースでのアシストぶり)を踏まえた上で、母父に*ヘクタープロテクターよりは明らかに重厚な*リアルシャダイが入ったことを考えるならば、春天を勝てない血統と見るのは早計ではないか。馬体重が大幅に伸びてから安定した成績を残している辺り、故障後のリハビリが馬を強くした印象がある。その上で、併せて決して強くない*フレンチデピュティにおいて、ある程度アメリカのダート競馬的な出し抜けを演じて見せたのは、結果として仕掛けとしても正しかったように思われる。
その上で、メイショウサムソンの武豊は最後まで内にヨレ気味に伸びる馬に対して左鞭を変えずに叩き合って、結果アタマ差と敗れた。本来ならば、出し抜けを喰らった段階でまだ自分に脚が残っている以上、ゴール前で併せ馬にするような絵の方が勝算は高かったように思われるが、出し抜けた段階である程度横の距離があっただけに、正攻法で応対する判断ではあったのだろう。ただ、それがメイショウサムソンの競馬かというと、自分の中では余りそうは思われず、その意味でこの日のサムソンは勝ち馬と同等以上のポテンシャルは証明しつつも、敗北としては必然的な敗北という印象の結果とはなった。ただ、それをもってユタカの乗り方が間違ってるとか手が合ってないとかいうのとも違って、今日のレースの流れがそういうものだったように見える。それにしても、正直この馬が馬券に絡んでくるところは全く想像していなかったんだけれど、逆にホクトスルタンの作ったペースの、特に最後の仕掛けが競馬の王道というタイミングであっただけに、この馬に再浮上の余地が出たのかも知れない。時折見せる惨敗が息の長い活躍を支えているようにも見えるのは、皮肉な部分ではある。
最終的に1番人気となっていたアサクサキングスではあるが、実際のところ大阪杯で3着だったことを考えるならば、この馬はダイワスカーレットに負けたレースにおいて、決して本調子とは言えなかったのではないか。確かに、何回やってもあの日のダスカにこの馬が勝てなかったと言おうと思えば言える気はするけれど、それでもあの展開でエイシンデピュティに差されるのがこの馬本来の出来ではあるまい、と思うならば。その意味では、1番人気で負けたのが悪いと言うよりは、1番人気にしたファンが悪い、という結果であるようには思われる。まぁそれでも、着は拾いそうな馬だけにああいう人気になったんだろうし、結果もそのまんまというのがまた面白くはあるんですが。宝塚ではもうちょっと上がり目あってもいいというか、今のところは暫定◎くらいの扱いで。4歳の現状を考えると、タニノとダスカという両名牝をより輝かせる役割に過ぎなくとも、この馬の負うものは大きいに違いないであろう。
以下の馬は、結果としてこの天皇賞の流れに負けた、というべきか。1周目の手応えとか見るとアドマイヤフジなんてかなりいい感じに見えるんだけれど、この馬には3000超える距離はちと長いのかも、なんてことも。トウカイトリックは期待してたんだけれど、馬体が絞れてない辺り、調教が積みきれなかったのかな。

