良血馬2題。
◆アルティストロワイヤル(IRE)
*デインヒル×Agathe(Manila)×Albertine(Irish River)×Almyre[F8-f]
あれ、と思ったのはこの馬の3つ上の全姉は勿論トップクラスの名牝として鳴らした Aquarelliste なのだけれど、産地がこの馬はアイルランド。そして生産者も姉がアレフランス・ステーブルだったのにこちらはデイトン・インヴェストメント。どの道ヴィルデンシュタインの名義内でコロコロ変わってるだけっぽいのだけれど、複雑だなぁ。てな訳で、まぁこの一族の馬らしく、牝系のラインは同じイニシャルを守ってということで姉ともどもAではじまることだけは変わらないのですが。
この馬の配合を見ていてやはり面白いなぁ、と思うのは母 Agathe の配合。メインクロスは Wild Risk の4×3のインブリードで、母方に関しては母母父のところでクロス馬になっている。結構ヴィルデンシュタインはこの辺りの位置(祖母父とか曾祖母父とか)をクロス馬に使うのが好きであると何処かで読んだ記憶がある。ただ、この配合はそれだけに留まってはいない。Wild Risk の血統表をひもとくと、祖父に St.Simon 産駒の Rabelais がいて、母方は Blandford を挟んで Tourbillon の父 Ksar が入るのだけれど、父の Manila には Lyphard の祖母 Barra のところで Ksar と Rabelais の組み合わせが見られる。一方、Agathe の牝系を4代遡ったところに入る Labrador というマイナーな種牡馬がいるのだが、これもまた祖父 Rabelais に母父 Ksar。要するに、これだけマイナーな血脈の組み合わせを4本も一つの牝馬に入れているのである。この配合が意図的でないと思う方が難しい。系統繁殖として見事であり、名繁殖の相と言えるだろう。
こうしたフランス血脈的なエネルギーを秘めた母に対して、フランス血脈の希薄な*デインヒルとの組み合わせは、字面の3×4とかのクロスに比して、意図としてはアウトブリード的であり、エネルギーを解き放つ方向での競走馬向きな配合パターンであろう。しかし、配合として粗雑にならないのは、Lyphard と Danzig の間で橋渡しをする血脈の存在による。前者に関しては母父の Court Martial、後者に関しては祖母の Petitioner である。Court Martial の方が血が古く、Fair Trial×Hurry On×Gainsborough という累代。これに対して Petitioner はやや血が新しく代が降るが、父方に Fair Trial と Gainsborough、母方に Hurry On を入れて、弱いニックス的な関係にある。Lyphard の母 Goofed が Court Martial と Ksar×Rabelais の Barra の組み合わせで、ポジション的に良い場所にこの弱いニックスがフックされていると言えるだろう。
良血には違いなく、状態もフレッシュであり、やや*デインヒルと日本の馬場の相性には問題がある気はするものの、さほど人気しないならば魅力的ではあろう。ヤネはどうしたもんかであるが。ところで、ヴィルデンシュタインってこの血統でこんな馬作ってんのな。変態(褒め言葉)。馬名はそのまんま「王宮芸術家」で、馬主の本業が画商であることとの関連。
◆サデックス(GB)
Sadler's Wells×Remote Romance(Irish River)×Aviance(Northfields)×Minnie Hawk[F8-f]
はてさて、今年の Sadler's Wells のG1勝ちってどんなものかなぁ、と思って見てみると、恐らく自分の調べ忘れがなければ、この馬のラインラント、Yeats の金杯と愛レジャ、あとは Listen がフィリーズ狸を勝ってるくらいではなかろうか。大種牡馬 Sadler's Wells も直仔レベルに至ってはかくも落日の中にあるのだ、と感慨にふける部分ではあろう。なにしろ、英愛で勝ってる2頭、片方はステイヤーで片方は2歳であり、言わばメインストリームのG1からは退場しているのである。実際のところまだ現役種牡馬なだけにまだ活躍馬を出す余地は残っているが、まぁそんな感じで、時の流れを感じざるを得ない。
そういった中では、今年の Saddex のドイツでの活躍は、かろうじてこの種牡馬の息子が演じたメインストリームでのパフォであったとは言えるだろう。一方、ドイツ調教でこの種牡馬の仔が勝つのもこれまで極めて珍しい事例であったが、そういうドイツの半周遅れた主流の取り込みってのは完全にこの競馬国のスタイルではある。しかし、入れるときは入れるで、かなりの良血の部類を入れてきた、とは言えるだろう。現代におけるトップクラスの牝系である Best in Show 系であり、祖母は自身フェニックスSを制してG1馬となったほか、繁殖としても Chimes of Freedom、*フサイチデノンと2頭のG1馬を輩出、孫の代では本馬のほか*スピニングワールドや Aldebaran がいる。綺羅星のごとき近親の豪華さでは今年の招待馬中ではダントツである。そうした近親の中では距離適性的に近いのはフサイチであるが、実際の配合パターンとしては*スピニングワールドが近いか。この名マイラーと Saddex を比較すると、同じ Northern Dancer2×4 ではあるが、Nureyev が Special の直仔であり、Riverman が Never Bend の直仔であることによって Nasrullah が両側で一代上がってきており、更に Dalmary とあいまって Lady Josephine×Blandford の味付けが強くなる印象がある。この辺りでスピードが優先するタイプになるわけ。一方 Saddex は Special と Northern Dancer の間に Bold Reason が割り込み、Aviance と Riverman の間に Irish Star が割り込む。このことによって、サドラーズお得意の Bold Reason≒Lalun が出来るのはまずポイントであるが、これが出来ることによって La Troienne が一本増える。Best in Show 系の能力の源泉にはこの牝馬が内包する La Troienne の活用が重要であり、ここは一つのポイント。更に、Irish Star は Sweet Lavendar3×5 という牝馬クロスを持つが、Bold Reason がもってきた Turn-to にもこの血脈は入り、孫世代の Source Sucree が牝馬クロスとなる。こうした牝馬の柔らかさを取り入れた配合の馬が「牝馬重視」な血統ポリシーの根強いドイツに渡った、みたいな辺りでの偶然もなかなか面白いものだ。
実のところ、配合をこうして仔細に見ると、実馬はマイルハーフの専門家的になっているものの、やはり中距離タイプな印象は拭えない。その辺りを考えるに、どちらかというとパワーで距離をこなしているのかなと思われる面はある。実際、日本の馬場では Best in Show ってともするとパワー過剰で軽快さが足りないタイプも目に付くし。そういう点では、この馬も日本への適性って意味ではやや軽快さが足りない辺りでの難しさを持っているようには思われる。スピードが無いタイプではないので、どこまで喰らいつくような競馬が出来るか、であろうか。
馬名は Sadler に馬主の出身地の Dexheim をあわせたものだと JRA の競馬学校サイトにはあった。Dexheim 自体はマインツの南にちょっと行った辺りらしい。ラインヘッセンの田園地帯、つーかワインどころになるのかな。
◆アルティストロワイヤル(IRE)
*デインヒル×Agathe(Manila)×Albertine(Irish River)×Almyre[F8-f]
あれ、と思ったのはこの馬の3つ上の全姉は勿論トップクラスの名牝として鳴らした Aquarelliste なのだけれど、産地がこの馬はアイルランド。そして生産者も姉がアレフランス・ステーブルだったのにこちらはデイトン・インヴェストメント。どの道ヴィルデンシュタインの名義内でコロコロ変わってるだけっぽいのだけれど、複雑だなぁ。てな訳で、まぁこの一族の馬らしく、牝系のラインは同じイニシャルを守ってということで姉ともどもAではじまることだけは変わらないのですが。
この馬の配合を見ていてやはり面白いなぁ、と思うのは母 Agathe の配合。メインクロスは Wild Risk の4×3のインブリードで、母方に関しては母母父のところでクロス馬になっている。結構ヴィルデンシュタインはこの辺りの位置(祖母父とか曾祖母父とか)をクロス馬に使うのが好きであると何処かで読んだ記憶がある。ただ、この配合はそれだけに留まってはいない。Wild Risk の血統表をひもとくと、祖父に St.Simon 産駒の Rabelais がいて、母方は Blandford を挟んで Tourbillon の父 Ksar が入るのだけれど、父の Manila には Lyphard の祖母 Barra のところで Ksar と Rabelais の組み合わせが見られる。一方、Agathe の牝系を4代遡ったところに入る Labrador というマイナーな種牡馬がいるのだが、これもまた祖父 Rabelais に母父 Ksar。要するに、これだけマイナーな血脈の組み合わせを4本も一つの牝馬に入れているのである。この配合が意図的でないと思う方が難しい。系統繁殖として見事であり、名繁殖の相と言えるだろう。
こうしたフランス血脈的なエネルギーを秘めた母に対して、フランス血脈の希薄な*デインヒルとの組み合わせは、字面の3×4とかのクロスに比して、意図としてはアウトブリード的であり、エネルギーを解き放つ方向での競走馬向きな配合パターンであろう。しかし、配合として粗雑にならないのは、Lyphard と Danzig の間で橋渡しをする血脈の存在による。前者に関しては母父の Court Martial、後者に関しては祖母の Petitioner である。Court Martial の方が血が古く、Fair Trial×Hurry On×Gainsborough という累代。これに対して Petitioner はやや血が新しく代が降るが、父方に Fair Trial と Gainsborough、母方に Hurry On を入れて、弱いニックス的な関係にある。Lyphard の母 Goofed が Court Martial と Ksar×Rabelais の Barra の組み合わせで、ポジション的に良い場所にこの弱いニックスがフックされていると言えるだろう。
良血には違いなく、状態もフレッシュであり、やや*デインヒルと日本の馬場の相性には問題がある気はするものの、さほど人気しないならば魅力的ではあろう。ヤネはどうしたもんかであるが。ところで、ヴィルデンシュタインってこの血統でこんな馬作ってんのな。変態(褒め言葉)。馬名はそのまんま「王宮芸術家」で、馬主の本業が画商であることとの関連。
◆サデックス(GB)
Sadler's Wells×Remote Romance(Irish River)×Aviance(Northfields)×Minnie Hawk[F8-f]
はてさて、今年の Sadler's Wells のG1勝ちってどんなものかなぁ、と思って見てみると、恐らく自分の調べ忘れがなければ、この馬のラインラント、Yeats の金杯と愛レジャ、あとは Listen がフィリーズ狸を勝ってるくらいではなかろうか。大種牡馬 Sadler's Wells も直仔レベルに至ってはかくも落日の中にあるのだ、と感慨にふける部分ではあろう。なにしろ、英愛で勝ってる2頭、片方はステイヤーで片方は2歳であり、言わばメインストリームのG1からは退場しているのである。実際のところまだ現役種牡馬なだけにまだ活躍馬を出す余地は残っているが、まぁそんな感じで、時の流れを感じざるを得ない。
そういった中では、今年の Saddex のドイツでの活躍は、かろうじてこの種牡馬の息子が演じたメインストリームでのパフォであったとは言えるだろう。一方、ドイツ調教でこの種牡馬の仔が勝つのもこれまで極めて珍しい事例であったが、そういうドイツの半周遅れた主流の取り込みってのは完全にこの競馬国のスタイルではある。しかし、入れるときは入れるで、かなりの良血の部類を入れてきた、とは言えるだろう。現代におけるトップクラスの牝系である Best in Show 系であり、祖母は自身フェニックスSを制してG1馬となったほか、繁殖としても Chimes of Freedom、*フサイチデノンと2頭のG1馬を輩出、孫の代では本馬のほか*スピニングワールドや Aldebaran がいる。綺羅星のごとき近親の豪華さでは今年の招待馬中ではダントツである。そうした近親の中では距離適性的に近いのはフサイチであるが、実際の配合パターンとしては*スピニングワールドが近いか。この名マイラーと Saddex を比較すると、同じ Northern Dancer2×4 ではあるが、Nureyev が Special の直仔であり、Riverman が Never Bend の直仔であることによって Nasrullah が両側で一代上がってきており、更に Dalmary とあいまって Lady Josephine×Blandford の味付けが強くなる印象がある。この辺りでスピードが優先するタイプになるわけ。一方 Saddex は Special と Northern Dancer の間に Bold Reason が割り込み、Aviance と Riverman の間に Irish Star が割り込む。このことによって、サドラーズお得意の Bold Reason≒Lalun が出来るのはまずポイントであるが、これが出来ることによって La Troienne が一本増える。Best in Show 系の能力の源泉にはこの牝馬が内包する La Troienne の活用が重要であり、ここは一つのポイント。更に、Irish Star は Sweet Lavendar3×5 という牝馬クロスを持つが、Bold Reason がもってきた Turn-to にもこの血脈は入り、孫世代の Source Sucree が牝馬クロスとなる。こうした牝馬の柔らかさを取り入れた配合の馬が「牝馬重視」な血統ポリシーの根強いドイツに渡った、みたいな辺りでの偶然もなかなか面白いものだ。
実のところ、配合をこうして仔細に見ると、実馬はマイルハーフの専門家的になっているものの、やはり中距離タイプな印象は拭えない。その辺りを考えるに、どちらかというとパワーで距離をこなしているのかなと思われる面はある。実際、日本の馬場では Best in Show ってともするとパワー過剰で軽快さが足りないタイプも目に付くし。そういう点では、この馬も日本への適性って意味ではやや軽快さが足りない辺りでの難しさを持っているようには思われる。スピードが無いタイプではないので、どこまで喰らいつくような競馬が出来るか、であろうか。
馬名は Sadler に馬主の出身地の Dexheim をあわせたものだと JRA の競馬学校サイトにはあった。Dexheim 自体はマインツの南にちょっと行った辺りらしい。ラインヘッセンの田園地帯、つーかワインどころになるのかな。
今回から、馬名の由来を加えることにした。理由は山野長老がやんごとなき事情にて端折ってしまったため。昨日のエントリにもあとで加える。
◆スチューデントカウンシル(USA)
Kingmambo×Class Kris(Kris S.)×Classic Value(Copelan)×Queen Pat[F9-e]
この馬をJCダートに持ってきた理由としてオーナーサイドは「国際的なレースでこの良血馬の種牡馬価値を高めるため」と言ってるが、世の中にはドバイWCを勝ったのに「全然種牡馬評価が上がらなかった」とぼやいて日本に輸出された種牡馬とかいるんですよ、*キャプテンスティーヴとか*キャプテンスティーヴとか、みたいなことを思ってしまった。まぁでも、この馬もいかにも日本で成功してる血統だから、さしあたり日本でハクをつければ日本人はそこそこの値段で買ってくれるかも知れませんよ。
自身・母・祖母と3代続けて重賞ウィナーであり、近親もG1入着級はそこそこ出てたり、下級重賞の勝ち馬は多い。そういう成長軌道を描く牝系ということもあって、配合種牡馬の質がだんだん高くなってきたところで Kingmambo がついてこの馬が出てる、みたいな風にも。祖母の Classic Value の頃はまだやや地味な良質種牡馬 Copelan などをつけてたり、ではある。Hyperion に Domino という一風変わった血統の隠し味 Olympia を3本入れる。そっから Kris S. で Roberto と Princequillo が入り、Kingmambo で母方から Hyperion や Ribot の補給と、父方からは Mr.Prospector×Roberto のニックを狙う、みたいなのが全体的な見立て。どっちかというと「完成した牝馬」から名馬を作る Kingmambo としては珍しく、「自分の代で完成させた」みたいなタイプの一流馬ではあるか。Kris S. で Princequillo を手前に引き出してる辺りで名種牡馬 Kingmambo の地力を巧く乗せることが出来た配合のように見受けられる。因みに Mr.Prospector と Roberto に関しては Nashua のクロスが良い効果を発揮するのだけれど、Roberto の母 Bramalea にフランスの地力血統 Sardanapale が一本余計に入ることによって、Nashua 自身に存在する Sardanapale の効果を強化してミスプロの単調さの毒消しになる、みたいな印象。ワンペースではあるけどスタミナが強化されると思う。無論、Raralea≒Miss Dogwood の米血ニックもあるんだけれどもね。という訳で、ダート適性のある*エルコンドルパサー産駒的な適性を持ったタイプと見て良いと思われ、ヴァーミリアンとの対戦はまさに願ったり敵ったりというべきであり、両者の名勝負が見られる期待もある。反面、コケるときはどっちもコケたりして。
馬名は、「生徒会」。祖母で Classic が母で Class になり、学級ってところからこの馬名が出てきたんだろう。しかし、私がアメリカの学校いたときは学級委員なんてものはなく、或いはこの馬主の環境でもそうであったので、一足飛びに生徒会になったのか。まぁ「ヒナギクさまとお呼び!」みたいな感はある。牡馬だけどな。
◆ペイパルブル(GB)
*モンジュー×Mialuna(Gone West)×Mamaluna(Roberto)×Kadesh[F2-o]
前にダービーとかニエル賞出たときの短評を見返すと、「母方が今ひとつ地力が足りない」とか「ややゴチャゴチャした 」とかで片付けられていた馬(笑)。しかし、それだけのレースに使われていたってのは少なくともオーナーサイド的には期待の裏返しであったのだろう。そんな3歳を送った同馬も今年はG1の出走はここまで一度もなく、少なからずトーンダウンした状態でこの舞台に出走となった。外様のスタウト厩舎ながら、クールモア的には Dylan Thomas の無念をこの馬で、という図式になるのか。
累代的には、4代母が Fleet Nasrullah 産駒なのだが、そこから母に Mahmoud と Royal Charger を内包した Lucky Mel、更に Royal Charger と Nasrullah の Roberto と繋いだあたりでやや Lady Josephine が累進しすぎた印象で、祖母の Mamaluna はナッソーの勝ち馬ながらやや先の展望として考えなければならないタイプ。そこにミスプロは配合手法的にはありだけれど、中途半端に洗練された Zafonic って辺りがちょっと微妙な辺りか。半弟に Machiavellian で強引に相似配合作りに行った St.Paul House がイタリアの重賞を制しているが。ただ、そういう軽い洗練されたタイプに*モンジューの重さを入れるのはバランス的には筋だし、ミスプロとサドラーズの相性は字面の印象よりは良好。ただこの配合ならば Northern Dancer 以外はアウトブリードで丁度良かったところを、結局 Roberto が乗っかってることで Hail to Reason が入る辺りで限界のある血統パターンには違いないのだろう。そこそこアメリカンな引き出しが出来てるので Polish Precedent 辺りならそこそこ面白そうって、もうあの馬も死んでるか。*ピルサ……いや、何でもない。ただ、ニックス依存型の*モンジューとしてはこういうタイプで重賞出せるんだみたいな意外な奥行きを感じさせる印象の産駒ではあったかなと。
馬名の由来は、「教皇の大勅書」。どういう由来でこういう名前になったんでしょうね。
◆ハリカナサス(IRE)
Cape Cross×Launch Time(Relaunch)×Pride's Palace(Majestic Prince)×Pride's Profile[F4-r]
シャノン(有芝は通常チャノンと表記する)師がフットボーラーとして成功してる、なんて話題も上がってるようだが、思えばチャノン師の馬って欧州だったらどこでも遠征してるイメージがあるんだけれどもひょっとして日本は初か?まぁ基本的に微妙な馬を手頃なレースに出させる才能には長けてる一方で、JCで勝負になるような馬なんかをさほど持ってるような厩舎ではないだけに、であるが。にしても、今年はせっかく Youmzain がいるんだから、そっちをお願いしたかった(苦笑。
さて、血統であるが、本馬の曾祖母 Pride's Profile はガゼルを制し、コーチ屋オークス2着、アラバマ3着となかなかの上級馬であった。Wrack のクロスなどがあるが、実態としてはかなり欧州よりな血脈の洗練を感じさせるタイプの牝馬で、全体的に Blenheim をパワー寄りに強調したタイプ。その娘の Pride's Palace もアウトブリード気味ながら、Blenheim の強い Gay Hostess を入れつつ Teddy を補強する手堅い配合の繁殖である。そこに Relaunch は一見ダート向きの配合っぽくも見えるけれど、Blenheim のクロスを継続するという点ではこれもパワー重視ながら芝適性も残す手筋か。ここで Djeddah が入るのは何気に本馬の配合ではちょっとした隠し味を演出するものとなる。して、本馬の配合はアウトブリード。異系に振りながら Native Dancer の代を下げてこの系統を入れるのはそこそこ気が利いている。その上で、Cape Cross には深くに Tudor Minstrel なんかが入り、この辺りと Gay Hostess の呼吸である程度芝向きの度合いは強まったのだろう。その上で、同じ父の*ウィジャボードなんかが母方にコテコテの重量感を滲ませていたのに対すると、どちらかというとおとなしめの中距離+αなタイプの母なだけに、Cape Cross でどの程度地力を引き出せてるのか、みたいな部分はある。ただ、この父自体は結構日本の軽い馬場はそこそこ向くタイプなので、父が出てればそこそこ能力分は走れるかな、みたいな思いはなくはない。で、実際にGSで2回惨敗してて、GFの方が安定してる成績なので、まぁ父が出てるかな、みたいな部分も。全体的な質の高さでバランス感のある配合だが、ちょっとワンペース系のようには見える。あがり勝負よりは先行して流れ込みたいだろう。その上で、2400に距離限界を見せる可能性は見込まないといけないが。
馬名の由来は、世界の七不思議として知られるマウソロス霊廟が建っていたハリカルナッソスというアナトリアの都市。港湾都市で入り組んだ地形が岬のようなので Cape Cross から連想されたのであろう。ファイナルファンタジーは多分関係ない。これが関係あったら、Pharis とかもゲーム馬名じゃ。
◆スチューデントカウンシル(USA)
Kingmambo×Class Kris(Kris S.)×Classic Value(Copelan)×Queen Pat[F9-e]
この馬をJCダートに持ってきた理由としてオーナーサイドは「国際的なレースでこの良血馬の種牡馬価値を高めるため」と言ってるが、世の中にはドバイWCを勝ったのに「全然種牡馬評価が上がらなかった」とぼやいて日本に輸出された種牡馬とかいるんですよ、*キャプテンスティーヴとか*キャプテンスティーヴとか、みたいなことを思ってしまった。まぁでも、この馬もいかにも日本で成功してる血統だから、さしあたり日本でハクをつければ日本人はそこそこの値段で買ってくれるかも知れませんよ。
自身・母・祖母と3代続けて重賞ウィナーであり、近親もG1入着級はそこそこ出てたり、下級重賞の勝ち馬は多い。そういう成長軌道を描く牝系ということもあって、配合種牡馬の質がだんだん高くなってきたところで Kingmambo がついてこの馬が出てる、みたいな風にも。祖母の Classic Value の頃はまだやや地味な良質種牡馬 Copelan などをつけてたり、ではある。Hyperion に Domino という一風変わった血統の隠し味 Olympia を3本入れる。そっから Kris S. で Roberto と Princequillo が入り、Kingmambo で母方から Hyperion や Ribot の補給と、父方からは Mr.Prospector×Roberto のニックを狙う、みたいなのが全体的な見立て。どっちかというと「完成した牝馬」から名馬を作る Kingmambo としては珍しく、「自分の代で完成させた」みたいなタイプの一流馬ではあるか。Kris S. で Princequillo を手前に引き出してる辺りで名種牡馬 Kingmambo の地力を巧く乗せることが出来た配合のように見受けられる。因みに Mr.Prospector と Roberto に関しては Nashua のクロスが良い効果を発揮するのだけれど、Roberto の母 Bramalea にフランスの地力血統 Sardanapale が一本余計に入ることによって、Nashua 自身に存在する Sardanapale の効果を強化してミスプロの単調さの毒消しになる、みたいな印象。ワンペースではあるけどスタミナが強化されると思う。無論、Raralea≒Miss Dogwood の米血ニックもあるんだけれどもね。という訳で、ダート適性のある*エルコンドルパサー産駒的な適性を持ったタイプと見て良いと思われ、ヴァーミリアンとの対戦はまさに願ったり敵ったりというべきであり、両者の名勝負が見られる期待もある。反面、コケるときはどっちもコケたりして。
馬名は、「生徒会」。祖母で Classic が母で Class になり、学級ってところからこの馬名が出てきたんだろう。しかし、私がアメリカの学校いたときは学級委員なんてものはなく、或いはこの馬主の環境でもそうであったので、一足飛びに生徒会になったのか。まぁ「ヒナギクさまとお呼び!」みたいな感はある。牡馬だけどな。
◆ペイパルブル(GB)
*モンジュー×Mialuna(Gone West)×Mamaluna(Roberto)×Kadesh[F2-o]
前にダービーとかニエル賞出たときの短評を見返すと、「母方が今ひとつ地力が足りない」とか「ややゴチャゴチャした 」とかで片付けられていた馬(笑)。しかし、それだけのレースに使われていたってのは少なくともオーナーサイド的には期待の裏返しであったのだろう。そんな3歳を送った同馬も今年はG1の出走はここまで一度もなく、少なからずトーンダウンした状態でこの舞台に出走となった。外様のスタウト厩舎ながら、クールモア的には Dylan Thomas の無念をこの馬で、という図式になるのか。
累代的には、4代母が Fleet Nasrullah 産駒なのだが、そこから母に Mahmoud と Royal Charger を内包した Lucky Mel、更に Royal Charger と Nasrullah の Roberto と繋いだあたりでやや Lady Josephine が累進しすぎた印象で、祖母の Mamaluna はナッソーの勝ち馬ながらやや先の展望として考えなければならないタイプ。そこにミスプロは配合手法的にはありだけれど、中途半端に洗練された Zafonic って辺りがちょっと微妙な辺りか。半弟に Machiavellian で強引に相似配合作りに行った St.Paul House がイタリアの重賞を制しているが。ただ、そういう軽い洗練されたタイプに*モンジューの重さを入れるのはバランス的には筋だし、ミスプロとサドラーズの相性は字面の印象よりは良好。ただこの配合ならば Northern Dancer 以外はアウトブリードで丁度良かったところを、結局 Roberto が乗っかってることで Hail to Reason が入る辺りで限界のある血統パターンには違いないのだろう。そこそこアメリカンな引き出しが出来てるので Polish Precedent 辺りならそこそこ面白そうって、もうあの馬も死んでるか。*ピルサ……いや、何でもない。ただ、ニックス依存型の*モンジューとしてはこういうタイプで重賞出せるんだみたいな意外な奥行きを感じさせる印象の産駒ではあったかなと。
馬名の由来は、「教皇の大勅書」。どういう由来でこういう名前になったんでしょうね。
◆ハリカナサス(IRE)
Cape Cross×Launch Time(Relaunch)×Pride's Palace(Majestic Prince)×Pride's Profile[F4-r]
シャノン(有芝は通常チャノンと表記する)師がフットボーラーとして成功してる、なんて話題も上がってるようだが、思えばチャノン師の馬って欧州だったらどこでも遠征してるイメージがあるんだけれどもひょっとして日本は初か?まぁ基本的に微妙な馬を手頃なレースに出させる才能には長けてる一方で、JCで勝負になるような馬なんかをさほど持ってるような厩舎ではないだけに、であるが。にしても、今年はせっかく Youmzain がいるんだから、そっちをお願いしたかった(苦笑。
さて、血統であるが、本馬の曾祖母 Pride's Profile はガゼルを制し、コーチ屋オークス2着、アラバマ3着となかなかの上級馬であった。Wrack のクロスなどがあるが、実態としてはかなり欧州よりな血脈の洗練を感じさせるタイプの牝馬で、全体的に Blenheim をパワー寄りに強調したタイプ。その娘の Pride's Palace もアウトブリード気味ながら、Blenheim の強い Gay Hostess を入れつつ Teddy を補強する手堅い配合の繁殖である。そこに Relaunch は一見ダート向きの配合っぽくも見えるけれど、Blenheim のクロスを継続するという点ではこれもパワー重視ながら芝適性も残す手筋か。ここで Djeddah が入るのは何気に本馬の配合ではちょっとした隠し味を演出するものとなる。して、本馬の配合はアウトブリード。異系に振りながら Native Dancer の代を下げてこの系統を入れるのはそこそこ気が利いている。その上で、Cape Cross には深くに Tudor Minstrel なんかが入り、この辺りと Gay Hostess の呼吸である程度芝向きの度合いは強まったのだろう。その上で、同じ父の*ウィジャボードなんかが母方にコテコテの重量感を滲ませていたのに対すると、どちらかというとおとなしめの中距離+αなタイプの母なだけに、Cape Cross でどの程度地力を引き出せてるのか、みたいな部分はある。ただ、この父自体は結構日本の軽い馬場はそこそこ向くタイプなので、父が出てればそこそこ能力分は走れるかな、みたいな思いはなくはない。で、実際にGSで2回惨敗してて、GFの方が安定してる成績なので、まぁ父が出てるかな、みたいな部分も。全体的な質の高さでバランス感のある配合だが、ちょっとワンペース系のようには見える。あがり勝負よりは先行して流れ込みたいだろう。その上で、2400に距離限界を見せる可能性は見込まないといけないが。
馬名の由来は、世界の七不思議として知られるマウソロス霊廟が建っていたハリカルナッソスというアナトリアの都市。港湾都市で入り組んだ地形が岬のようなので Cape Cross から連想されたのであろう。ファイナルファンタジーは多分関係ない。これが関係あったら、Pharis とかもゲーム馬名じゃ。
母父*ノーザンテーストの両者。どちらも社台的な完成度を表現してはいる、かな。
◆ゴールデンダリア
フジキセキ×ナイストレビアン(*ノーザンテースト)×*クリスタルガーデン(Alleged)×Memory Garden[F2-c]
また牝馬みたいな馬名が……。はサテオキ、この馬の牝系を辿ると4代母の Scottish Verdict はひとかどの繁殖として、孫の代に Valid Appeal, Desert Vixen という競走および繁殖で有意義なきょうだいを出した。うち、後者の方が競走実績では上回り、同時代の名牝であるが、日本では専ら*リアルシャダイの母として知られる。その累代は In Reality×Moslem Chief であり、これを本馬の祖母 Crystal Garden と比較すると、Alleged の所で若干後詰め的に Moslem Chief の父と母の血が入れられているのが面白い。その上で、フジキセキを入れた本馬にはさらに、In Reality がこれまた後詰めで入っている。更に*リアルシャダイとサンデーはともに Hail to Reason 系。こうして見るとこの馬はちょっとだけリアルテーストっぽい組成を持っているとも言えなくはない。この手合いだとムッシュシェクルとかステージチャンプのようなステイヤーがいたなぁ、と思い出してみたり。まぁ組成だけで言えば、弾丸娘*ブロードアピールなんかも違う意味で通じる部分が出てくるので、一概ではありませんが(笑)。
で、組成ではなく配合の流れで行くと、本馬の母父に*ノーザンテーストを入れてる段階で牝系の内包する Alibhai が利くパターンではあり、これはリアルテーストのスタミナと共通する面はあろう。反面、フジキセキのクロスではその Hyperion の継続よりは Milicent≒Bold Bidder での Bold Ruler と Princequillo の組み合わせ、そして Milan Mill≒Prince John での Princequillo と Count Fleet の組み合わせが発生し、どちらかというと Alleged の違う面を引き出している。距離は長い方がいいが、ワンペースよりは斬れた方がいいタイプか。
◆タスカータソルテ
ジャングルポケット×ブリリアントカット(*ノーザンテースト)×*ジエヌインダイアモンド(Irish Ruler)×Diamonds for Dolly[F-11]
フサイチホウオーと並んでジャンポケ産駒として期待されたこの馬が、結局クラシックに間に合った。淀を得手とする辺りは正統派過ぎるホウオーとはちょっと毛色が違う様子を見せてはいるが。
この馬の半姉のジェミードレスは結構レース出ればそこそこ人気するようなオープン級の牝馬であったが、結果として重賞の勝利には縁がなかった。トニーテーストであるから、血統的に惹かれる人は多かったであろう。一方でジャンポケ自身が Hyperion を累積させている存在なだけに、この Hyperion の系統繁殖の濃さはなかなかにアクが強いものを感じさせる。〆て Hyperion の本数は13本で、血量は13.48%であるから、量だけで言えば4×4のクロスくらいは入っている。
一方で、牝系を辿ると曾祖母の Diamonds for Dolly がなかなか強烈で、Heliopolis3×4、Bull Lea3×3の相似配合。そして近親に活躍馬があまり出ない牝系なのだけれど、こういう血脈を見て祖母の*ジエヌインダイアモンドを購買してたとするならば、80年代社台の目利きはやはり唸らされる。その祖母は Sir Gallahad を父方から2本得て、むしろ米血を強調しており、そこから Hyperion に持っていく配合の手順のバランスがこの馬を支えていると言えよう。そして、本馬との配合も Hyperion ばかりが目に付く一方で、こっそりと Nodouble 辺りを経由して Double Jay のような原初的な米血をクロスさせている辺りでギリギリのバランスが垣間見られる。一方で、*トニービンのもう一つの特性としての Nasrullah に関しては、Bold Ruler が一本入るのみであり、ここの扶助は余り強いとは言えない。Rough Shod のお陰で Nasrullah が「利く」格好の Nureyev を入れたジャンポケとはその辺りが違っており、そういう意味では異質なのだろう。一方で、アクが強い血統なだけに、父以上に「走る場所を選ぶ」面があるかも知れない。
◆ゴールデンダリア
フジキセキ×ナイストレビアン(*ノーザンテースト)×*クリスタルガーデン(Alleged)×Memory Garden[F2-c]
また牝馬みたいな馬名が……。はサテオキ、この馬の牝系を辿ると4代母の Scottish Verdict はひとかどの繁殖として、孫の代に Valid Appeal, Desert Vixen という競走および繁殖で有意義なきょうだいを出した。うち、後者の方が競走実績では上回り、同時代の名牝であるが、日本では専ら*リアルシャダイの母として知られる。その累代は In Reality×Moslem Chief であり、これを本馬の祖母 Crystal Garden と比較すると、Alleged の所で若干後詰め的に Moslem Chief の父と母の血が入れられているのが面白い。その上で、フジキセキを入れた本馬にはさらに、In Reality がこれまた後詰めで入っている。更に*リアルシャダイとサンデーはともに Hail to Reason 系。こうして見るとこの馬はちょっとだけリアルテーストっぽい組成を持っているとも言えなくはない。この手合いだとムッシュシェクルとかステージチャンプのようなステイヤーがいたなぁ、と思い出してみたり。まぁ組成だけで言えば、弾丸娘*ブロードアピールなんかも違う意味で通じる部分が出てくるので、一概ではありませんが(笑)。
で、組成ではなく配合の流れで行くと、本馬の母父に*ノーザンテーストを入れてる段階で牝系の内包する Alibhai が利くパターンではあり、これはリアルテーストのスタミナと共通する面はあろう。反面、フジキセキのクロスではその Hyperion の継続よりは Milicent≒Bold Bidder での Bold Ruler と Princequillo の組み合わせ、そして Milan Mill≒Prince John での Princequillo と Count Fleet の組み合わせが発生し、どちらかというと Alleged の違う面を引き出している。距離は長い方がいいが、ワンペースよりは斬れた方がいいタイプか。
◆タスカータソルテ
ジャングルポケット×ブリリアントカット(*ノーザンテースト)×*ジエヌインダイアモンド(Irish Ruler)×Diamonds for Dolly[F-11]
フサイチホウオーと並んでジャンポケ産駒として期待されたこの馬が、結局クラシックに間に合った。淀を得手とする辺りは正統派過ぎるホウオーとはちょっと毛色が違う様子を見せてはいるが。
この馬の半姉のジェミードレスは結構レース出ればそこそこ人気するようなオープン級の牝馬であったが、結果として重賞の勝利には縁がなかった。トニーテーストであるから、血統的に惹かれる人は多かったであろう。一方でジャンポケ自身が Hyperion を累積させている存在なだけに、この Hyperion の系統繁殖の濃さはなかなかにアクが強いものを感じさせる。〆て Hyperion の本数は13本で、血量は13.48%であるから、量だけで言えば4×4のクロスくらいは入っている。
一方で、牝系を辿ると曾祖母の Diamonds for Dolly がなかなか強烈で、Heliopolis3×4、Bull Lea3×3の相似配合。そして近親に活躍馬があまり出ない牝系なのだけれど、こういう血脈を見て祖母の*ジエヌインダイアモンドを購買してたとするならば、80年代社台の目利きはやはり唸らされる。その祖母は Sir Gallahad を父方から2本得て、むしろ米血を強調しており、そこから Hyperion に持っていく配合の手順のバランスがこの馬を支えていると言えよう。そして、本馬との配合も Hyperion ばかりが目に付く一方で、こっそりと Nodouble 辺りを経由して Double Jay のような原初的な米血をクロスさせている辺りでギリギリのバランスが垣間見られる。一方で、*トニービンのもう一つの特性としての Nasrullah に関しては、Bold Ruler が一本入るのみであり、ここの扶助は余り強いとは言えない。Rough Shod のお陰で Nasrullah が「利く」格好の Nureyev を入れたジャンポケとはその辺りが違っており、そういう意味では異質なのだろう。一方で、アクが強い血統なだけに、父以上に「走る場所を選ぶ」面があるかも知れない。
今週のトライアル勝ち馬とか或いはG1馬とかはまた後ほど、ってことで前の週の分からのバックログを先に。スイートピーはまぁ……スルーで(笑)。今週3頭書くことになるんだったらついでで書くかも書かないかも、くらいで。
◆ヒラボクロイヤル
タニノギムレット×*マーズヴァイオレット(Mr.Prospector)×Spit Curl(Northern Dancer)×Coiffure[F5-g]
何となくカワカミプリンセスっぽいもっさりした馬名であるが、平田牧場はサラブレッドではなく肉食豚の牧場で、かつてはチョウカイの冠名で走っていたものが、冠名をダサくしたところでクラシック候補の出る皮肉(笑)。で、チョウカイと言えば勿論代表馬はチョウカイキャロルですが、その配合は Northern Dancer→Vaguely Noble→Mr.Prospector→*ブライアンズタイムという累代。で、ヒラボクロイヤルの累代血統をご覧になると分かるとおり、母に入るNDとミスプロは共通である一方で、父のタニノギムレットはBT産駒ですから、この成功馬の配合のコンセプトで重賞馬を得たのは面白い。しかし、チョウカイキャロルの骨太さを支えていたのが Vaguely Noble だったことを考えると、ちと見劣り感が出るのは事実で、ある程度別物の配合とはなるだろう。
しかし、徒に劣化している訳でもなく、配合をよく見ると6代目で牝馬 Traffic Court のクロスが現れる。そこの周縁には Alibhai や Eight Thirty といった中距離パワー型の血脈が揃っており、これは*ブライアンズタイムの母 Kelley's Day との良質な組み合わせクロスを提供している辺りがなかなか渋みのある配合でもあり。そして次の代では Sir Gaylord が入ることにより Princequillo を導入しており、これと牝系深くに入る Count Fleet の存在は Mr.Prospector に対する持続力の血脈として使いでがあるだろう。また、ギムレットも自身が Kelley's Day のパワーを活用した配合をしており、その意味ではギムレット的な方向性をよく活かしており、結果としてキャロル同様府中2400はよく合うが、やや馬場が渋るかペースが平均早目くらいで流れる必要はあるかと。
◆ロングプライド
サクラローレル×ムゲン(*アジュディケーティング)×サンヨーアロー(ミスターシービー)×タニイチパワー[F11-f]
祖母のサンヨウアローは言わずと知れたダートの名優ウイングアローの母。ダートで成功しても種牡馬としてはなかなか機会が得られることが無い馬産事情であるだけに、こういう形ででも血統が繋がれることは喜ばしくはあるのだろうな、と思う。サクラローレルもまた、そこそこの成功ながらなかなか目立てる機会が少ない(この点ではライヴァルのマヤノトップガンと共通する)ところで、この辺りでダートグレードで目立つ馬に成長すればいいが、とは思うが。
とは言え、ローレル自身、シンコールビーとか出してるし、必ずしもダート向け種牡馬という訳でもないだろう。その辺りは、バリバリのダート種牡馬*アサティスから出たウイングアローとは若干イメージが異なる部分もある。一方で、母父*アジュディケーティングはやはりバリバリのダート種牡馬なので、そちらの影響は見られるか。その上で、この配合で真っ先に目に付くのは*ボールドラッドUSA≒Resolver の組み合わせクロスであろう。Misty Morn は名牝であり、米ダートらしいパワーを非常によく表現する Grey Flight の系統。このパワーが引き出されている印象はある。また Princequillo がここから呼ばれるのは、ウイングアローに近い血統パターンとしては評価すべきだろう。一方で、この馬の個性としては、サンヨウアローに5本も入る Vatout に対して、ローレルには Herbager や Saint Cyrien のような受け口となる仏血が存在する辺り。この辺りがプラスに出るか或いはダートでは余り要求されないズブさを引き出してしまうかがこの馬の成否となるかもしれない。
◆ヒラボクロイヤル
タニノギムレット×*マーズヴァイオレット(Mr.Prospector)×Spit Curl(Northern Dancer)×Coiffure[F5-g]
何となくカワカミプリンセスっぽいもっさりした馬名であるが、平田牧場はサラブレッドではなく肉食豚の牧場で、かつてはチョウカイの冠名で走っていたものが、冠名をダサくしたところでクラシック候補の出る皮肉(笑)。で、チョウカイと言えば勿論代表馬はチョウカイキャロルですが、その配合は Northern Dancer→Vaguely Noble→Mr.Prospector→*ブライアンズタイムという累代。で、ヒラボクロイヤルの累代血統をご覧になると分かるとおり、母に入るNDとミスプロは共通である一方で、父のタニノギムレットはBT産駒ですから、この成功馬の配合のコンセプトで重賞馬を得たのは面白い。しかし、チョウカイキャロルの骨太さを支えていたのが Vaguely Noble だったことを考えると、ちと見劣り感が出るのは事実で、ある程度別物の配合とはなるだろう。
しかし、徒に劣化している訳でもなく、配合をよく見ると6代目で牝馬 Traffic Court のクロスが現れる。そこの周縁には Alibhai や Eight Thirty といった中距離パワー型の血脈が揃っており、これは*ブライアンズタイムの母 Kelley's Day との良質な組み合わせクロスを提供している辺りがなかなか渋みのある配合でもあり。そして次の代では Sir Gaylord が入ることにより Princequillo を導入しており、これと牝系深くに入る Count Fleet の存在は Mr.Prospector に対する持続力の血脈として使いでがあるだろう。また、ギムレットも自身が Kelley's Day のパワーを活用した配合をしており、その意味ではギムレット的な方向性をよく活かしており、結果としてキャロル同様府中2400はよく合うが、やや馬場が渋るかペースが平均早目くらいで流れる必要はあるかと。
◆ロングプライド
サクラローレル×ムゲン(*アジュディケーティング)×サンヨーアロー(ミスターシービー)×タニイチパワー[F11-f]
祖母のサンヨウアローは言わずと知れたダートの名優ウイングアローの母。ダートで成功しても種牡馬としてはなかなか機会が得られることが無い馬産事情であるだけに、こういう形ででも血統が繋がれることは喜ばしくはあるのだろうな、と思う。サクラローレルもまた、そこそこの成功ながらなかなか目立てる機会が少ない(この点ではライヴァルのマヤノトップガンと共通する)ところで、この辺りでダートグレードで目立つ馬に成長すればいいが、とは思うが。
とは言え、ローレル自身、シンコールビーとか出してるし、必ずしもダート向け種牡馬という訳でもないだろう。その辺りは、バリバリのダート種牡馬*アサティスから出たウイングアローとは若干イメージが異なる部分もある。一方で、母父*アジュディケーティングはやはりバリバリのダート種牡馬なので、そちらの影響は見られるか。その上で、この配合で真っ先に目に付くのは*ボールドラッドUSA≒Resolver の組み合わせクロスであろう。Misty Morn は名牝であり、米ダートらしいパワーを非常によく表現する Grey Flight の系統。このパワーが引き出されている印象はある。また Princequillo がここから呼ばれるのは、ウイングアローに近い血統パターンとしては評価すべきだろう。一方で、この馬の個性としては、サンヨウアローに5本も入る Vatout に対して、ローレルには Herbager や Saint Cyrien のような受け口となる仏血が存在する辺り。この辺りがプラスに出るか或いはダートでは余り要求されないズブさを引き出してしまうかがこの馬の成否となるかもしれない。
という訳で、ここ2週の牝馬の上がり馬組。
◆ザレマ
ダンスインザダーク×*シェンク(Zafonic)×Buckwig(Buckfinder)×Dickie Ludwig[F4-m]
基本的にはマルカシェンクという結構良質な兄がいるのでそれとの比較になるが、そういう点でいけば*ダンシングキイが入るか入らないかの違いではある。そして、この配合においてはそれは結構デカい。まずは Dinner Partner≒Flaming Page の組み合わせがこの牝馬には存在しており、それが*シェンクの The Minstrel≒Buckpasser と直接的に呼応する。要するに、Nijinsky と Buckpasser のニックを世代を降って複雑化した配合の見立てである。これは手筋としては素晴らしい一方で、やや The Minstrel が加わることでサンデー的斬れよりはパワー系の能力を引き出す側面はあるだろう。一方で、*ダンシングキイの牝系に隠れる Graustark の存在もまた大きい。Hyperion との血統的な筋をサンデーとの配合で確保したこの血脈に対して、*シェンクの側では曾祖母の父 T.V.Commercial の母に Your Hostess の名前が見て取れる。これによってザレマには Flower Bowl≒Your Hostess の6×5の擬似クロスも発生する。これはパワーに加えて地力も強化する手筋とはなろう。それにしてもタニノやダスカにも存在するこの Boudoir の仕掛けがこの牝馬に入る偶然は面白い。
さて、こうして見ると*シェンクの配合から提供される要素自体がある程度劣化*ダンシングキイ的であることに気づくであろう。それを敢えて「劣化」と呼べるのは Mr.Prospector による距離限界にあるのは当然である。結果としてこの「ギア1本」の血脈がサンデー本来の切れ味とそれを支える*シェンク内のトリックに対してマイナスに作用することでマルカシェンクは半端な1800馬化してると有芝は見ている(今後秋天とか勝たれたらごめんなさい、ですが)。そこの支えとなるのは Gone West 内の Secretariat のスタミナがどの程度 Graustark のような Ribot の血によって活性化されるかであるとは思うが、やや遠いのが微妙か。2200ベストっぽいが、ジリ向けペースを得られれば。
◆ベッラレイア
ナリタトップロード×*マリスターII(Baldski)×Pink Dove(Argument)×Perfect Pigeon[F3-o]
トップロードの種牡馬としてのポイントは母父の Affirmed の米血にあるように思われるが、母父 Baldski は Nasrullah2×3の名繁殖 Too Bald の仔で Nijinsky 産駒。そうなるとどうしても繁殖としては主流が強すぎる血統になる訳で、例えば代表産駒でテストSを勝った Chaposa Spring などはペルーのマイナー血統を活用して成功するという手筋となったし、牡馬で比較的活躍した Appealing Skier も母父は Man o'War 系の Valid Appeal。そして、本馬の母*マリスターIIも比較的同馬の産駒の中では成功の部類に入るが、母父にはDC国際とかプランスロゼ大賞とか何故か前時代的な国際大レースの勝ち鞍が目に付くフランスのズブ馬(と言いつつナニゲに仏2000ギニー3着だが) Argument などが入るという感じで、このフォーマットに従っている。ただ、本馬から見て4代母となる Pink Pigeon にこっそりMahmoud≒Nasrullah3×3などが入っている辺りで系統繁殖としての整合性を保っている辺りが好感で、それが繁殖として重賞ウィナーを輩出した背景とは言えるのではないか。
その上で、ナリタトップロードは自身がマイナー父系でありながら Nasrullah のラインクロスを持っている辺りで、まぁ基本的な見立てとして細かい仕掛けはないものの無難な組み合わせとして相性面ではまずまずであるようにも見える。
その上で、ちょっと面白いのは母側において比較的マイナー血脈である Argument の中に Crafty Admiral が入る、って辺り。この馬は、Bull Dog=Sir Gallahad の強い全兄弟クロスを持ち、Affirmed の中で配合のアクセントとして有効な存在である。それがクロスに加わるのはプラス。更に、ここに Fighting Fox が存在することにより、Nijinsky の配合の中で Gallant Fox=Fighting Fox というこれまた Sir Gallahad 系の全兄弟クロスが絡む辺りで確かにこの馬は Affirmed を効果的に使えていると言えるだろう。地力では落ちるかも知れないが、トップロード的な長距離の斬れを秘めた馬であろうとは思う。
◆ザレマ
ダンスインザダーク×*シェンク(Zafonic)×Buckwig(Buckfinder)×Dickie Ludwig[F4-m]
基本的にはマルカシェンクという結構良質な兄がいるのでそれとの比較になるが、そういう点でいけば*ダンシングキイが入るか入らないかの違いではある。そして、この配合においてはそれは結構デカい。まずは Dinner Partner≒Flaming Page の組み合わせがこの牝馬には存在しており、それが*シェンクの The Minstrel≒Buckpasser と直接的に呼応する。要するに、Nijinsky と Buckpasser のニックを世代を降って複雑化した配合の見立てである。これは手筋としては素晴らしい一方で、やや The Minstrel が加わることでサンデー的斬れよりはパワー系の能力を引き出す側面はあるだろう。一方で、*ダンシングキイの牝系に隠れる Graustark の存在もまた大きい。Hyperion との血統的な筋をサンデーとの配合で確保したこの血脈に対して、*シェンクの側では曾祖母の父 T.V.Commercial の母に Your Hostess の名前が見て取れる。これによってザレマには Flower Bowl≒Your Hostess の6×5の擬似クロスも発生する。これはパワーに加えて地力も強化する手筋とはなろう。それにしてもタニノやダスカにも存在するこの Boudoir の仕掛けがこの牝馬に入る偶然は面白い。
さて、こうして見ると*シェンクの配合から提供される要素自体がある程度劣化*ダンシングキイ的であることに気づくであろう。それを敢えて「劣化」と呼べるのは Mr.Prospector による距離限界にあるのは当然である。結果としてこの「ギア1本」の血脈がサンデー本来の切れ味とそれを支える*シェンク内のトリックに対してマイナスに作用することでマルカシェンクは半端な1800馬化してると有芝は見ている(今後秋天とか勝たれたらごめんなさい、ですが)。そこの支えとなるのは Gone West 内の Secretariat のスタミナがどの程度 Graustark のような Ribot の血によって活性化されるかであるとは思うが、やや遠いのが微妙か。2200ベストっぽいが、ジリ向けペースを得られれば。
◆ベッラレイア
ナリタトップロード×*マリスターII(Baldski)×Pink Dove(Argument)×Perfect Pigeon[F3-o]
トップロードの種牡馬としてのポイントは母父の Affirmed の米血にあるように思われるが、母父 Baldski は Nasrullah2×3の名繁殖 Too Bald の仔で Nijinsky 産駒。そうなるとどうしても繁殖としては主流が強すぎる血統になる訳で、例えば代表産駒でテストSを勝った Chaposa Spring などはペルーのマイナー血統を活用して成功するという手筋となったし、牡馬で比較的活躍した Appealing Skier も母父は Man o'War 系の Valid Appeal。そして、本馬の母*マリスターIIも比較的同馬の産駒の中では成功の部類に入るが、母父にはDC国際とかプランスロゼ大賞とか何故か前時代的な国際大レースの勝ち鞍が目に付くフランスのズブ馬(と言いつつナニゲに仏2000ギニー3着だが) Argument などが入るという感じで、このフォーマットに従っている。ただ、本馬から見て4代母となる Pink Pigeon にこっそりMahmoud≒Nasrullah3×3などが入っている辺りで系統繁殖としての整合性を保っている辺りが好感で、それが繁殖として重賞ウィナーを輩出した背景とは言えるのではないか。
その上で、ナリタトップロードは自身がマイナー父系でありながら Nasrullah のラインクロスを持っている辺りで、まぁ基本的な見立てとして細かい仕掛けはないものの無難な組み合わせとして相性面ではまずまずであるようにも見える。
その上で、ちょっと面白いのは母側において比較的マイナー血脈である Argument の中に Crafty Admiral が入る、って辺り。この馬は、Bull Dog=Sir Gallahad の強い全兄弟クロスを持ち、Affirmed の中で配合のアクセントとして有効な存在である。それがクロスに加わるのはプラス。更に、ここに Fighting Fox が存在することにより、Nijinsky の配合の中で Gallant Fox=Fighting Fox というこれまた Sir Gallahad 系の全兄弟クロスが絡む辺りで確かにこの馬は Affirmed を効果的に使えていると言えるだろう。地力では落ちるかも知れないが、トップロード的な長距離の斬れを秘めた馬であろうとは思う。
ショウワモダン(涙。
今週はフラワーはまぁいいでしょ、的に牡馬トライアルの勝ち馬のみ。
◆ヴィクトリー
*ブライアンズタイム×グレースアドマイヤ(*トニービン)×*バレークイーン(Sadler's Wells)×Sunny Valley[F1-l]
久しぶりに*ブライアンズタイムの良駒が芝のクラシック路線に現れた訳だが、どうも今ひとつ配合的に掴みづらい存在としているのは、母のトニー×サドラーズという配合で、この手のパターンは余りブライアンの走る定式のフォーマット的な感覚はない。基本的に「ニックスで走る」この種牡馬の産駒としては異端にも思われる。そういった中で、母の良血をベースに走っている馬のようにも思われて、どちらかというとサンデー産駒的な味わいもあったりするのだが、個別で見ると一応トニーの Hyperion はある程度ブライアンにとってはベストではないがグッドな血脈であるし、サドラーズの Bold Reason は Hail to Reason×Forli ならばある程度使い回しが利く印象ではあるが。しかし、丹念にグレースアドマイヤの配合を見ていくと、Prince Chevalier のクロスをベースに Prince Rose が3本となり、うち1つは Nearco との組み合わせクロスで、これは比較的 Princequillo により Roberto らしい粘っこさを増幅する手筋とはなるのだろう。あとは、ちょっと遠いけれど Bois Roussel クロスも味がある。これも Roberto に強い Teddy に対して、別系統の Plucky Liege を補給する手となるため。それと組み合わせになってるのが Nasrullah に Fair Trial といずれも Lady 系なのがよく出来ている。まぁ難解な配合ではあるがそこそこ。ただ、ホウオーにはちょっとずつ負けそうにも見えるのがどうか。
◆*フライングアップル
Rahy×*ローザロバータ(Fire Maker)×May Day Ninety(Alydar)×May Day Eighty[F20]
消えそうで消えないモノサシ馬って印象もあるものの、なかなか頑健。曾祖母の May Day Eighty がデラウェアとか勝ってるけど、配合も Hoist the Flag×Ridan×Prince John×War Relic とはなかなかクオリティが高い累代で、米血としては隙がない。流石はカルメット。そこにカルメットらしく Alydar をつけた後に、カルメットの迷走に合わせるように Fire Maker なんかが入った上で、良血の Rahy という見立て。ただ、配合としては面白いことに、その一番クオリティが低い Fire Maker のところで Grey Dawn なんかを得てることで、ここで Herbager×Mahmoud の組み合わせのクロスが Rahy との間に入っていて、この系統の隠し味的な部分を引き出している辺り。どうしても Nijinsky を入れたくなる Rahy であるが、搦め手としてはなかなか。結果として、血統の弱点が少なくなっているのが安定したレース振りに繋がっているようにも見える。ただ、Ridan とかあることを思うと Blushing Groom では今ひとつ勿体ないというか、どっちもそこそこ良血なのに出力としての爆発力はない配合でもあるように見える。或いはRahy じゃなくてその下の*シングスピール辺りを使ってくればもうちょっと面白い配合にはなってくれそうだし、スタミナもその方が上だっただろうなぁとは思うものの、まぁアメリカいる分にはその辺りの配合機会がそもそも存在しないか。
今週はフラワーはまぁいいでしょ、的に牡馬トライアルの勝ち馬のみ。
◆ヴィクトリー
*ブライアンズタイム×グレースアドマイヤ(*トニービン)×*バレークイーン(Sadler's Wells)×Sunny Valley[F1-l]
久しぶりに*ブライアンズタイムの良駒が芝のクラシック路線に現れた訳だが、どうも今ひとつ配合的に掴みづらい存在としているのは、母のトニー×サドラーズという配合で、この手のパターンは余りブライアンの走る定式のフォーマット的な感覚はない。基本的に「ニックスで走る」この種牡馬の産駒としては異端にも思われる。そういった中で、母の良血をベースに走っている馬のようにも思われて、どちらかというとサンデー産駒的な味わいもあったりするのだが、個別で見ると一応トニーの Hyperion はある程度ブライアンにとってはベストではないがグッドな血脈であるし、サドラーズの Bold Reason は Hail to Reason×Forli ならばある程度使い回しが利く印象ではあるが。しかし、丹念にグレースアドマイヤの配合を見ていくと、Prince Chevalier のクロスをベースに Prince Rose が3本となり、うち1つは Nearco との組み合わせクロスで、これは比較的 Princequillo により Roberto らしい粘っこさを増幅する手筋とはなるのだろう。あとは、ちょっと遠いけれど Bois Roussel クロスも味がある。これも Roberto に強い Teddy に対して、別系統の Plucky Liege を補給する手となるため。それと組み合わせになってるのが Nasrullah に Fair Trial といずれも Lady 系なのがよく出来ている。まぁ難解な配合ではあるがそこそこ。ただ、ホウオーにはちょっとずつ負けそうにも見えるのがどうか。
◆*フライングアップル
Rahy×*ローザロバータ(Fire Maker)×May Day Ninety(Alydar)×May Day Eighty[F20]
消えそうで消えないモノサシ馬って印象もあるものの、なかなか頑健。曾祖母の May Day Eighty がデラウェアとか勝ってるけど、配合も Hoist the Flag×Ridan×Prince John×War Relic とはなかなかクオリティが高い累代で、米血としては隙がない。流石はカルメット。そこにカルメットらしく Alydar をつけた後に、カルメットの迷走に合わせるように Fire Maker なんかが入った上で、良血の Rahy という見立て。ただ、配合としては面白いことに、その一番クオリティが低い Fire Maker のところで Grey Dawn なんかを得てることで、ここで Herbager×Mahmoud の組み合わせのクロスが Rahy との間に入っていて、この系統の隠し味的な部分を引き出している辺り。どうしても Nijinsky を入れたくなる Rahy であるが、搦め手としてはなかなか。結果として、血統の弱点が少なくなっているのが安定したレース振りに繋がっているようにも見える。ただ、Ridan とかあることを思うと Blushing Groom では今ひとつ勿体ないというか、どっちもそこそこ良血なのに出力としての爆発力はない配合でもあるように見える。或いはRahy じゃなくてその下の*シングスピール辺りを使ってくればもうちょっと面白い配合にはなってくれそうだし、スタミナもその方が上だっただろうなぁとは思うものの、まぁアメリカいる分にはその辺りの配合機会がそもそも存在しないか。
今週分はさくさくやってしまおう。土曜日のオープン勝ち馬より。
◆アドマイヤホクト
サクラバクシンオー×リドルミー(*カーネギー)×*エニグマ(Ahonoora)×Princess Ru[F8-c]
サクラバクシンオー記念のようなレースになってしまいましたが、ある意味サンデーが○外を撥ね退けたこと以上に、バクシンオーがこうして○外を撥ね退けたことは特筆すべきなのかも知れませんな。基本的な見立てとしては、累代が Princely Gift→Ahonoora と軽くきたところで*カーネギーで、ここで一旦競走馬としては捨て手を打って、次の代の繁殖として何とかスタミナを最低限確保して種牡馬の選択肢を増やした上で、バクシンオーを入れてみたってところか。で、Princely Gift クロスなども生じるわけですが、むしろ面白いのは曾祖母の Princess Ru の配合。これと本馬の祖父サクラユタカオーに入る Big Game を見比べると、Nasrullah、Big Game、Pharos=Fairway、Blandford という4つの組み合わせを近い代から遠い代に亙って共有していて、ほぼ8分の5くらいまでは同血な関係。このニックスを活用しつつ、サドラーズに関してはお得意の Northern Dancer クロスで料理してみました、って次第。しかし、Nasrullah の奇跡の血量の教科書のようなユタカオーの配合におけるもう一方の美点であるところの Solario と Hurry On の組み合わせのような渋いスタミナ系の仕掛けは配合の中には見出されず、ひたすらスピード部分でコアとなる擬似クロスが前面に出ているだけに、やはりスプリンターに特化した血統パターンには違いないだろう。欧州的な雰囲気が強いので、坂のある中山よりは、淀や中京がよく似合うと思う。
◆エミーズスマイル
アグネスタキオン×エミスフェール(*ホワイトマズル)×グレイエミネンス(*トニービン)×*グレイキル[F5-g]
基本的にはサンデートニーの形を受け継いでいて、その意味ではまずは配合としてはひとつのパターンを作っている。その上で牝系を見るとマルゼンスキーなどを出した Quill の系統で、Princequillo×Count Fleet という重厚な仕掛けを持つが、この組み合わせは母において*ホワイトマズルからも供給され、地力は底堅い。しかも、Quill から3代に亙り Hyperion×Son-in-Law の組み合わせクロスが入る配合の執拗さも特筆すべき。そこに*トニービンを配した Hyperion の塊のようなグレイエミネンスはトニー初期の素質馬として印象に残る。字面の割にはこれも繁殖としては今ひとつであった(レミニセンスはそこそこ走ったけど)が、やっと孫の代でオープン馬を出してその字面を証明できた、ってところではあるか。
本馬においては、配合レベルで興味深いのは*ホワイトマズルとアグネスタキオンの組み合わせで出来る Raja Baba≒Tyrant の擬似クロス。まぁタキオンにおいて Bold Ruler を強調しちゃうのがどの程度巧手かどうかは議論が分かれそうではあるが、やや上述したようにゴテゴテした配合で素質を持て余し気味のこの牝系においてはそれなりに利く手かも知れない。その上で、タキオンとマズルで Alycidon のクロスが出来る辺りも、サンデー系の手筋としては面白いところではあるだろう。良血らしい手数の多さを秘めた見所ある配合ではあると思われ、3強ガチガチな牝馬路線ではあるが、捻り手として考えてもいいかも。
◆アドマイヤホクト
サクラバクシンオー×リドルミー(*カーネギー)×*エニグマ(Ahonoora)×Princess Ru[F8-c]
サクラバクシンオー記念のようなレースになってしまいましたが、ある意味サンデーが○外を撥ね退けたこと以上に、バクシンオーがこうして○外を撥ね退けたことは特筆すべきなのかも知れませんな。基本的な見立てとしては、累代が Princely Gift→Ahonoora と軽くきたところで*カーネギーで、ここで一旦競走馬としては捨て手を打って、次の代の繁殖として何とかスタミナを最低限確保して種牡馬の選択肢を増やした上で、バクシンオーを入れてみたってところか。で、Princely Gift クロスなども生じるわけですが、むしろ面白いのは曾祖母の Princess Ru の配合。これと本馬の祖父サクラユタカオーに入る Big Game を見比べると、Nasrullah、Big Game、Pharos=Fairway、Blandford という4つの組み合わせを近い代から遠い代に亙って共有していて、ほぼ8分の5くらいまでは同血な関係。このニックスを活用しつつ、サドラーズに関してはお得意の Northern Dancer クロスで料理してみました、って次第。しかし、Nasrullah の奇跡の血量の教科書のようなユタカオーの配合におけるもう一方の美点であるところの Solario と Hurry On の組み合わせのような渋いスタミナ系の仕掛けは配合の中には見出されず、ひたすらスピード部分でコアとなる擬似クロスが前面に出ているだけに、やはりスプリンターに特化した血統パターンには違いないだろう。欧州的な雰囲気が強いので、坂のある中山よりは、淀や中京がよく似合うと思う。
◆エミーズスマイル
アグネスタキオン×エミスフェール(*ホワイトマズル)×グレイエミネンス(*トニービン)×*グレイキル[F5-g]
基本的にはサンデートニーの形を受け継いでいて、その意味ではまずは配合としてはひとつのパターンを作っている。その上で牝系を見るとマルゼンスキーなどを出した Quill の系統で、Princequillo×Count Fleet という重厚な仕掛けを持つが、この組み合わせは母において*ホワイトマズルからも供給され、地力は底堅い。しかも、Quill から3代に亙り Hyperion×Son-in-Law の組み合わせクロスが入る配合の執拗さも特筆すべき。そこに*トニービンを配した Hyperion の塊のようなグレイエミネンスはトニー初期の素質馬として印象に残る。字面の割にはこれも繁殖としては今ひとつであった(レミニセンスはそこそこ走ったけど)が、やっと孫の代でオープン馬を出してその字面を証明できた、ってところではあるか。
本馬においては、配合レベルで興味深いのは*ホワイトマズルとアグネスタキオンの組み合わせで出来る Raja Baba≒Tyrant の擬似クロス。まぁタキオンにおいて Bold Ruler を強調しちゃうのがどの程度巧手かどうかは議論が分かれそうではあるが、やや上述したようにゴテゴテした配合で素質を持て余し気味のこの牝系においてはそれなりに利く手かも知れない。その上で、タキオンとマズルで Alycidon のクロスが出来る辺りも、サンデー系の手筋としては面白いところではあるだろう。良血らしい手数の多さを秘めた見所ある配合ではあると思われ、3強ガチガチな牝馬路線ではあるが、捻り手として考えてもいいかも。

