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殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

エイシンフラッシュ配合解説@故郷との邂逅、異色の配合。 

 宮嶋さんに振って頂いた方を(挨拶。

百年のインフラ
百年のインフラ posted by (C)有芝まはる殿下。
DMC-G1 Lumix G 20mm/F1.7 ASPH. F1.7 1/80s ISO-400

 個人的には、King's Best は競馬場でもうちょっと活躍して欲しかった的な馬ではありましたが、2000ギニーSの実績はダテではなく、種牡馬としてそこそこ厚遇っぽいような遇され方をしていたような印象はあります。産駒リストとかをデルマで確認すると、妙に Sadler's Wells やら Caerleon, Darshaan, *デインヒル辺りの、英愛系で毛並みの良さげな母父が並びまくりで。
 そうした中で、2009年まででこの種牡馬からのG1馬は、Dubai Surprise(リディアテシオ)、Proclamation(サセックス)、Creachadoir(ロッキンジ)、King's Apostle(キリギリス) の4頭。まぁ「勝ちまくる」的なイメージではなく、しかもG1で一番長いのは Dubai Surprise のリディアテシオの2000で、それ以外はマイル~スプリント寄り。ただ、産駒全体の重賞実績見るとそこそこ長いところで頑張る馬もちらほらと。Not Just Swing(エドゥヴィル)とか、Oiseau Rare(ロワイヤリュー)など。多分、ガチガチに短距離と言うことはなくて、単に種牡馬としての能力が微妙に足りず、長いところで底力を出し切れないのでしょう。
 ニックス的に見れば、上述の重賞馬は大体 Sadler's Wells か、Mill Reef/Riverman とか、Nijinsky/The Minstrel 辺りを持っていて(強いて言えば、左から順にスピード寄りになる、か)、まぁサドラーは Kingmambo に対するニックスにしても、全体として単純に「普通に地力のある血統」を付けた馬が、母方から地力援護を受けた上で結果を出してます、的な雰囲気もあり。そうした中で、本朝で時折見られる King's Best 産駒は全体として長い距離をより指向してるのは、そうした「本質的なジリさ」ではあったのかも知れません。
 ただ、そうは言いつつも、母方にドイツ血統のみならず、Bahram や Acropolis、Prince Chevalier といった重厚な血脈を持っていた辺りは侮れず、例えば Nijinsky との組み合わせなんかはそうしたスタミナを輝かせる方向の片鱗をこの種牡馬の産駒において見せているようには思われ。

 さて、そうした中で、King's Best の母方にあるドイツ血脈を活用する流れってのは恐らく決して多くはなく、あったとしてもドイツローカルな文脈で細々と的な所はあったようにも。ここに来て Samum や Salve Regina のラインでデビューしてる馬もいるみたいではあれど。それと近い流れで、エイシンフラッシュは出て来ています。まぁ、厚遇されてたからこそ却ってドイツ繁殖との交合の機会がこれまで少なかったのでしょうな。
 King's Best の産駒傾向をざっと見た後に、*ムーンレディの組み合わせとして目に付くのが、*プラティニにおける Red God の存在と、Reliance の4×5というクロス。前者は、ある意味 Nijinsky の代用的な形でアメリカンな地力を父方への触媒として提供するものとなり、一方で後者は*ムーンレディが所々に散在させているフランス血統を、アメリカ血統と繋ぐブリッジの役割を果たす格好。これをベースのスジとすることで父母における Bahram 辺りまでが活力源となり、言わば、表面的にこの配合におけるキモとなる Birkhahn や Ticino といったドイツ血統のクロスを開花させるための土台としているような配合ではあります。
 恐らく、King's Best も*ムーンレディも、競走成績ほどグレートな繁殖かは議論がありそうですが、それでもこの両者の配合に少しずつ噛み合う余地があった中で、分かりやすいニックスに頼らず低温な配合からきっちり結果を出してきたのだろうなぁ、と。
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タグ: 血統 
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NHK狸、回顧ってよりはダノンシャンティ配合とか。 

 KIDSは、ハイペースで行こう!(挨拶。

Baby, Go!
Baby, Go! posted by (C)有芝まはる殿下。
DMC-G1 Lumix G 20mm/F1.7 ASPH. F2.2 1/200s ISO-800

 で、ダービー展望とか何かをTwitterにgdgdと書いた訳だが。
 実際、個人的には青葉賞よりもNHKマイルの方が良いトライアルなのではと思いつつ、だからといって今年の展開を見て、これがダービー向きのレースかというと、ちょっと。確かに、ちょっと時計が早いくらいの方が反動が少々あってもトライアルとしては優秀には違いないのだけれど、このペースで後方からズドンと差した馬だと、人気的にはやや過剰となるように思われ、買いづらいには違いなく。その上で、ブービーが同日次レースのマイル準オープン勝ち馬よりも早い時計を出すというコンディションで、ある意味スローでのタイム差が殆ど無いレースと似たような「時計のアテのならなさ」はあったように思われる。一方で、負かした相手という点でも、モノサシ属性の強いダイワバーバリアンにあの着差と見れば、やはりヴィクトワールピサは弥生賞であれよりは離していた、と考えると、まぁ展開的に恵まれてたことまで加味してそう威張れはしない。

 ただ、ダノンシャンティの配合は結構好きだったりする。
 恐らく、フジキセキの色々な配合パターンの中で、Mark of Esteem は最も相性の良いBMSではなかろうか。理屈的にフジキセキに Mill Reef 系はニック的に作用しやすそうなパターンではあり、一応この種牡馬の最強産駒であると思われる Sun Classique などを出している(率的にはそれほどではない、気もするが。つか単純にミスプロでいい的にも思ったりw)。そこで絡むナスキロは、Mark の場合牝系経由からも入る。
 しかも、Darshaan から In Reality の War Relic クロスと連動もあるし、ダンス一族でお馴染みの Dinner Partner なんかも、Hail to Reason との相性は良好で、特に本馬の場合 Halo クロスとも連動しよう。実に手数の多いパターンだ。そこに加わる祖母が、現代最強クラスの繁殖牝馬として鳴らした Glorious Song なのだから、鬼に金棒と言うべきではあろう。
 しかしここで、Halo クロスの是非、とはなろうか。
 基本的には、近交馬の Halo はクロス対象としてそこまで悪手ではない。ただ、やはりある程度アクの強いタイプにはなりがちであろう。まして本馬のように3×3と近くなると。そうした場合に、確かに父側の Le Fabeleux、母側の Herbager とそれなりに異色の血を入れて受け流す面はあるものの、配合全体としてのサポートとして、父の祖母と母父におけるナスキロだけ的な印象はある。Glorious Song も祖母の代まで来ると Hyperion は弱まるし、そこの不在はもとよりフジキセキの弱点ではあり。またその上で、Mark of Esteem 自身がマイラーであったという辺りも引っ掛かると言えば。
 しかし整合性としてはかなり高い配合には違いなく、こういう牝馬と交配する機会を得たフジキセキは、まぁ長生きすれば色々いいことあるよな的な部分を感じたりはする。その意味では、このG1勝利だけにとどまらず、ハイレベル世代の一翼を今後も担い続けられるような活躍を期待したいし、何にしても寿命の短いイメージの強い厩舎ながら、もう一つ何処かでピークパフォーマンスを見せるような結果は欲しいよな、と。
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ジャパンC外国馬配合解説、その2。 

 つか、今年はそんなにヴァーズに大量登録されとるんか(挨拶。

サンシャイン水族館 AquaFantasia 入口
サンシャイン水族館 AquaFantasia 入口 posted by (C)有芝まはる殿下。

 てな訳で、後半の部。

マーシュサイド(USA)
Gone West×Colonial Play(Pleasant Colony)×Meteor Stage(Stage Door Johnny)×Northern Meteor[F23-b]

 母馬の血統を見ると、この馬の意外なジャパンC適性が浮かんでこよう。
 すなわち、23号族にして Cornish Prince→Northern Dancer→Stage Door Johnny→Pleasant Colony という累代。これは、Bold Ruler 産駒の Bold Hour→Northern Dancer という累代に、Pleasant Colony×Stage Door Johnny のジャパンC馬にかなり近い配合である。つか、母馬の血統見て「何処の*タップダンスシチーだよ」と真っ先に思ってしまうというか。
 まぁそうは言っても一致するのは半分だけな訳で、そこに父 Gone West となるとどうか、ではあるが、潜在的には日本の馬場向きタイプかなぁというようには思われるし、また世界の合田が指摘するとおり、「一発屋」的な血統であり、G1未勝利(1着入線はあるが)の今年なんかは、それこそ不気味であるとは言えようか。大陸間遠征の経験も、去年の来日と今年の島倉で十分経験済みであるのは特筆すべき。
 配合としてはまぁタップ的な母の配合を累進させた感はあり、それなりに基礎値は高いという所ではあるが、逆にアメリカの Gone West らしいちょっとB級を交えたゴテゴテ感に今ひとつ欠ける感はあり、字面に比して一発のインパクトは弱いかも知れない、とも思われ、まぁその辺りがアメリカの成績にも表れているのかなぁとも。馬場的には持ち時計よりは向いてそうではあるので、押さえで一考かなとは思うが。

コンデュイット(IRE)
Dalakhani×Well Head(Sadler's Wells)×River Dancer(Irish River)×Dancing Shadow[F1-l]

 4代母 Sunny Valley と言えばまず*バレークイーンであり、アンライヴァルドからブルーコンコルド、カンパニーに至るまで、今年は何かと本朝の競馬のBuzzの中にこの牝系が見え隠れした感があるが、そのツテで行くとアドマイヤフジ辺りが有馬で穴開けたりするのかしらん。欧州でも名ステイヤーの Millenary や愛オークスの Petrushka、チャンピオンSの Spectrum など活躍馬は出ており、本馬もその列に入る。
 さて、一方で今のところは Dalakhani の代表産駒的な位置づけの同馬であるが、Dalakhani の種牡馬としての滑り出しは、*モンジューや Galileo といったちょっと上の世代の活躍馬に較べると、ボチボチ的な微妙さではある。ただ、そこそこ出てるG2、G3クラス含めた重賞馬の配合などを見てると、比較的ニックスをシンプルに狙えば結果が出るようにも見受けられ、例えば愛オークスの Moonstone なんかは Buckpasser と Princequillo の両取り的になる Caerleon を入れてきっちり結果を出した格好。一方で、本馬のように Sadler's Wells を絡める選択もあるはずで、伸び白は期待できるようにも思うが、或いはアガ・カーン・スタッドが今ひとつ「攻め」の種牡馬稼業をしてない辺りが「地味さ」の原因なんだろうか。
 この馬自身は、母の段階で既に Riverman を使って Sadler's Wells と Never Bend のニックスを得ており、それが機能していたからこそ、ここで Mill Reef≒Riverman でその流れを継続する作りが「当たった」のだとは思われる。反面、サドリーフって欧州での成功例の割には本朝で殆ど見ない(まぁサドラーズ自体そんな走らんけど)辺りで、適性をどう見るか、であるか。
 冒頭にも書いたような「Buzz」の要素を考えると、手を出してみたくなる欧州馬、ではあるんだけれど、人気もしちゃいそうだし、うーん。
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ジャパンC外国馬配合解説、その1。 

 お散歩写真的にはコンデジも便利だし、平置き出来る場所を探しながら夜景撮影も悪くはない(挨拶。

夜の西郷さん
夜の西郷さん posted by (C)有芝まはる殿下。

 てな訳で、人気薄い方を3頭ざざっと。

インターパテイション(USA)
Langfuhr×Idealistic Cause(*ハビトニー)×Special Idea(Cresta Rider)×Incredible Idea[F10-c]

 母父*ハビトニーってナイスネイチャだよなと思いつつ、ウラカワミユキの仔以外で母父*ハビトニーの馬が全然思い出せなかった件(苦笑。日本で殆どインパクトを残さず、それでも何故か再輸出の口があって「90年代の*ラヴァマン」として名高き(逆か?)西のヒキコモリ去勢馬 Best Pal を輩出した成功に、「失敗した種牡馬は積極的に返してあげた方がいいよね~」という議論のネタとなった。
 はサテオキ、本馬であるが、曾祖母の Incredible Idea はYouth 経由で Fast Turn≒Sir Gaylord という4分の3同血を持ち、産駒は結構下級ながら勝ち数の多い頑健なタイプが目立つ。その血脈に、Sir Gaylord 系の*ハビトニーを入れて安上がりな系統繁殖的に仕上げた母の Idealistic Cause もやはり頑健タイプとして相応の活躍を収めた。間にも Blue Prince が入る血脈は Princequillo が強いと見受けられるが、そこに Round Table を内包した Langfuhr を入れて、「Princequillo で支える Northern Dancerクロス」という非常に古典的なNDインブリード成功例を見せる辺り、いかにも母父*ハビトニーという古めかしさではある。4回目のターフ・クラシックで遂に満願叶ったのは牝系の頑健さ故か。乱ペースで3着くらいまでは来るかもな*ストラテジックチョイス臭はある。

ジャストアズウェル(USA)
A.P.Indy×No Matter What(Nureyev)×Words of War(Lord at War)×Right Word[F17-b]

 母はデルマー・オークスと、微妙ながらG1馬で、G1馬だからこそA.P.Indyなんかがつく機会もあり。曾祖母 Right Word はNasrullah-Princequillo-Count Fleet と3枚揃えの相似配合で、繁殖としては好材料。そこに、Ribot や Prince Chevalier で地力強化な Lord at War もまぁまぁ。そんなんで、近親にもBCクラシックの Raven's Pass が居るわけで、字面としては良血馬には違いないだろう。ただ、A.P.Indy との配合は、ナスキロの過剰気味な継続の割には Count Fleet が足りない一方で、この馬の牝系側の血に Buckpasser とかを活かすスジが余りなく、そうした意味ではこの牝系は Raven's Pass のように素直にミスプロの方が合うんじゃないか、的な感覚はある。
 今季に入っての成長はなかなかのもので、現実に恵まれでのG1勝ちとは言え Quijano に先着してるんだから弱いとは思わないし、相手なりによく走るタイプとは推察されるんだけれど、ワンパンチが足りないかなぁと言う気も。

シンティロ(GB)
*ファンタスティックライト×Danseuse du Soir(Thatching)×Dance by Night(Northfields)×Elvina[F21-a]

 何とな~く、伊グラン・クリテリウムを制してクラシックに乗ってた頃は憶えていたけれど、そっから脱落した後に何故かザントバーンなど走ってたとは知らなんだ。むしろ字面の成績だけ見てると、ウィンター・ダービー勝ったところでアメリカでも転厩すればよかったのにとか適当なことを考えたり。そうは言っても、シャンティ大賞勝ってキングジョージまで駒進めたんだから、馬主孝行ではあるか。
 本馬も、*ジャストアズウェル同様、母はG1を制していて、つか仏1000ギニーにフォレ賞だから明らかに格上。マロワでも*ヘクタープロテクターの3着とか。昔はへクターが日本競馬におけるミスプロの旗手となるとかまことしやかに囁かれていたものだよ。気がついたら格下と思ってた Kingmanbo とエラい差が付いたが、まぁ*タイキシャトルと Cape Cross みたいなもんか(ぇ。
 祖母が地力ある累代にちょっと珍しい全姉妹クロスで繁殖として成功したというパターンではあるが、本馬の配合として見ると、Thatching と Key to the Mint という、如何にも地力を持て余すタイプの種牡馬の字面が何というか味わい深く目立つ。やたら Hyperion が強くて、それがマイラーの母から中距離馬を産んだ感があるが、どうもジリ風味というか。堅い馬場が得意というよりは、ハイペースに強いというタイプに見える。
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エリ女外国馬配合解説:*シャラナヤ 

 40mmは比較的視野に近く、80mmはその半分、と理屈では分かってもなかなかフレーミングは難しい(挨拶。しかし、滲むような光はやはり良いものだ。

道路脇の一輪
道路脇の一輪 posted by (C)有芝まはる殿下。

 てな訳で、レース直前に今更書いてみる、*シャラナヤ血統話。
 何で今更になって書き出したかというと、やたら検索ワーヅで「アガ・カーン殿下」が目についたので、話題を振られてるんだなぁと解したから。

シャラナヤ(IRE)
Lomitas×Shalamantika(Nashwan)×Sharamana(Darshaan)×Sharmeen(Val de Loir)×Nasreen[F9-c*]

 コシナが商標を獲得したドイツの老舗カメラ屋であるフォクトレンダー社のスローガンは"weil das Objektiv so gut ist(なぜならレンズがとてもいいから)"だったそうだが、それに準えれば、この牝馬は"weil das Pedigree so gut ist"であり、それに尽きるような馬である。
 たとえるなら、有芝が「血統の良い馬の例を教えて下さい」と問われたときに、「*シャラナヤみたいな馬が『血統が良い』って言うんだよ」と返したくなるようなタイプ、と言おうか。

 この牝系は先代アガ・カーン殿下の象徴ともいえる Nasrullah や Royal Charger、Mahmoud を輩出し、現代の父系に大いなる影響を与えた Mumtaz Mahal の牝系であるわけだが、当代アガ・カーン殿下においても速やかに繁殖牝馬のラインナップに組み込まれており、曾祖母の代表産駒にはこれまた当代アガ・カーン殿下を語るにおいては欠かすべからざる悲運のダービー馬、Sherger が存在する。他にも、Shaldala、Shamdinan、Choc Ice といった辺りがG1馬として名を連ねる牝系。そうしたブルーチップな牝系は、累代を見渡しても、Dante→Tulyar→Charlottesville→Val de Loir→Darshaan→Nashwanと、主流ではないが相応の影響力を有し血統表に紛れてもキズになる馬が全く入らないような、一片の隙のない構成。そして、そのラインナップにドイツの Lomitas が入るのは、ドイツ競馬ファンとして率直に誇らしい心地になってしまう、そこだけで有芝を陶然とさせるに十分なものである。

 それを支えるのは、もはや語るまでもなく実績を積み上げ、当然アガ・カーン殿下の成功馬の中にも Kahyasi を見出せる、Nijinsky と Blushing Groom のニックス。これも有芝の大好物である。こうしたシンプルなニックスで5代アウトというのも見映えは良い。また、Lomitas のほか Lavirco なども出したこのフェールホフ牧場の誇るLラインの牝系は、Tourbillon の強クロスを牝系の奥深くに秘めている。それに対して母側で受けとなるのは Darshaan 母方のフランス血統。この両者の存在によって、6代目と遠くはあるが、Amora≒Marilla で Astronomie、Pharos、Tourbillon というマルセル・ブサックの愛した血脈が組み合わせクロスされる辺りは、狙ったものとしか思われない。
 一方で、確かに牝系の累代の中で、「仕掛け」になる部分は希薄である。全体にアウト基調で、ここで思い切ってテコを入れた、みたいな部分が存在せず、それだけに牝系も比較的爆発的な活躍を見せているわけでもない。しかし、アガ・カーンの箱入り娘的に丁重に扱われた天衣無縫さを思えば、そうした仕掛けの欠如すらある種の美点には見えて来るであろう。

 世上、スミヨン対アガ・カーンの角逐の、本朝における延長戦的なギミックも背負っているようではあるが、この馬の個体としての血統の良さは、知られても良いものであるとは思うし、こういう血統の馬をつくってG1を勝てるというのは、生産者としての無上の喜びであろうなぁ、とも。
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海外クラシック馬配合レビュー:仏2000ギニー 

 何か今行くのも、微妙に葬式厨っぽくて憚られたり(挨拶。

落日の古炉奈
落日の古炉奈 posted by (C)有芝まはる殿下。

◆仏2000ギニー:Silver Frost(IRE)
 Verglas×Hidden Silver(Anabaa)×Hint of Silver(Alysheba)×Hot Silver[A1]

 産地はアイルランドなれど、祖父が Highest Honor で母父が Anabaa となると、いかにも「今時のフランス血脈」の本流にある存在で、こういうのがクラシックを拾うのは善哉、という結果ではあったギニー。まぁ2着の Le Havre もなかなか渋い血脈を色々持ってたりして、結構外国産と言いながらも独自のカラーを持つレースではあったか。
 祖母父が Alysheba で曾祖母が Nureyev 産駒、と来れば分るとおり、この祖母は Rough Shod 全きょうだいのクロス持ちで、重賞勝ち馬を2頭産んだ良質の繁殖。つまり、質の良い輸入牝馬にフランス色の強い種牡馬を重ねてクラシックホースにした、という話ではある。Rough Shod だから当然 Nasrullah の使い方、みたいにはなるが、そうした文脈からすると Highest Honor の父 Kenmare は Nasrullah=Rivaz を4代に3本も持っている。しかし、この馬の配合のツボはそこ以上に、4×5の Riverman クロスにあるだろう。当然 Riverman と言えばナスキロな訳だが、そこに*セクレト経由で Secretariat のナスキロが加わり、更にその半兄 Sir Gaylord が5×6で入ってナスキロを補強する。聊か過剰気味ではあるが、一方でそのサポートっぽく機能してるのが3本入る My Babu で、これが Sir Gaylord 相手に Lavendula で繋がることで整合性を強めたか。
 全体を見渡すと、かなり「一本気」な配合ではある。何となく、ダイシンフブキを21世紀化したような Nasrullah の執拗さがあり、ともかく2歳からやたらめったら走って重賞をこれで4勝目という使い方は合っていたのかも知れない。来年まで元気に走ってるってことは無いだろうけれど、夏のマイル戦線で、どこまで走り倒せるか。

◆なんか急に。
 鬼畜ゲー禁止みたいな話が話題に上って祭化してるっぽいけれど、個人的にはエロ漫画とかが色々摘発を繰り返されながらどんどん斜め上な進化を繰り返していることなどを思うと、これでそんな簡単に陵辱系的なものが無くなるものかは、的な疑義はあるが、それにしてもこの記事のぶくまの伸びは何なんだ。
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海外クラシック馬配合レビュー:英2000ギニー 

ところで、昨日の話の続き的ではあるのだが、今日何となくMLBのサイト見てたら、松坂の先発予定のくだりで「The enigmatic right-hander」とか書かれてて苦笑。「謎の右腕」ってよりは「怪腕」と訳すべきか。この3つの単語の中に、「お前が好成績挙げるなんて、結果が間違っている!」というセイバー文化に毒されたアメリカ野球人の怨嗟が満ちているようで実に爽快な心持ちになる。てな訳で、今年もここから100四球15勝防御率3点台くらいまで何とか持って行って貰いたいものだなぁ、と(挨拶。

Dance Floor
Dance Floor posted by (C)有芝まはる殿下。

◆英2000ギニー:Sea the Stars(IRE)
 Cape Cross×Urban Sea(Miswaki)×Allegretta(Lombard)×Anatevka[F9-h]

てな訳で、凱旋門賞牝馬 Urban Sea としては4頭目のG1ホースになった。いやそら、My Typhoon の米芝牝馬G1なんてとか言う声もあるかも知れんが、それを外しても今度は英愛オークスで上位に入った Melikah とか居る訳で、やはり素晴らしい繁殖には違いない。インブリード×インブリードでアウトブリードを作るタイプで、こうしたタイプには時折繁殖としてのしなやかさを秘めた存在がいるような印象も。そうしたしなやかさをミスプロサドラーのシンプルなニックで実現したのが Galileo と Black Sam Bellamy で、一方牝馬で活躍した My Typhoon と Melikah はともに Giant's Causeway や*ラムタラといった手合いから Blushing Groom を得て Miswaki の Buckpasser を活用した配合。
 一方で、本馬は Danzig 系の Cape Cross をぶつけてきた。様式的には、Danzig と Mr.Prospector を重ねながら、母の部分に異系を入れる図式というと何となくであるが*アグネスデジタルとかを思い出すな、とかちょっと思ったり。ただ、米血一本のデジよりは当然芝向きな欧州異系な訳だが。で、そうした中で Green Desert と Miswaki、正確に言えばその母の Foreign Counter と Hopespringseternal の組み合わせにやや妙味があって、5代目に父方で Attica、母方に Tom Fool が入ってるのだけれど、これが結構渋い組み合わせクロスで4分の3同血的な疑似クロスを演出している。そこに散発的に Princequillo, Nasrullah, Blue Larksupur, La Troienne という辺りが絡み、両者の整合性は高い。今後この両者の組み合わせはヲチして行きたいところだ。
 で、こういうアメリカンな側の組み合わせが前面に出るだけに、逆にギニーを勝ってしまうとダービーは苦しいかも知れない。ただ、ドイツ出身の名牝系、長い目で使って欲しくはあるか。

◆グラ方面への私信。
 TZ-7は使ってますが、結構気に入ってます。
 ズームが利くので、競馬場のような混雑した場所で構図取るのも結構ラクですし、色々撮りたいもの幅は広がるかな、と。ただ、フルオートなんで余り細かくいじって狙って良い絵を作る、みたいなところでは限界があるってのと(自分のように「たまたま良い絵が『出る』」ことも楽しめる半可通的にはOKだけど)、あとは重い・バッテリー持たないって辺りを他の要素とどうトレードオフするかでほかと比較して選べばよいかと。

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