09« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»11

殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

誇らしくはなくとも、それもイチローの卓越性として銘じられるべき代走出場。 

桜撮りの延長戦的に(挨拶)

Downtown Afternoon
Downtown Afternoon; Ricoh GR GR Lens 18.3mm f/2.8 F4 1/1000s ISO-400
DxO FilmPack 4.5: Fuji Velvia 50

という撮影はさておき、本日のニュースより。

イチロー、ノムさん超えの日米3018試合出場!九回に代走で@サンスポ

 という訳で、イチローがまた何か地道に記録達成。ただ別記事の本人のコメントなんかでもある通り、だから何的な記録ではあるし、そもそもスタメンから外れてこういう形で達成とか言われてもそう実感なんて湧いてこないであろうという意味では、ちょっと淡白なニュースとは言えるかも知れない。
 ただ、たかが代走とは言え、されど代走ではあるよな、とは思う。
 シーズン前から丹羽政善氏が日経の記事で書いていたりしたけど、40歳で代走ってのが実際のところそう「常識的」なものではない、というのも事実であるだけに。ケニー・ロフトンなんかは引退する直前まで結構盗塁をバシバシ決めててカッコ良かったけど、そういうイチローのアスリートとしてのエバーグリーンさの象徴とは言えるのではないだろうか。なにしろ、9回のビハインドの場面で同点の走者として代走に起用されるってのは、戦術的によほど「走力」を評価されている、という話ではあるのだから(NYYというチームが、若手の伸び悩みにさいなまれて、本来もっといるべき走力ある20代が存在しない、という懐事情を差っ引いたとしても)。

 さて、では最高齢の代走って誰やねん、というお話になると、ちょっと記録をぐぐれば流石はアメリカのネット世界、さらっとBaseball-Referenceで小ネタとしてその記録が紹介されていた。栄えある第1位は、我々にも馴染みの深い、かのフリオ・フランコ大先生。そりゃ50近くまで現役やってたもんな…ではあるが、実に47歳340日で代走起用されている。イチローにとってはなかなか遠い道のりではあるな…。
 ということだけれども、勿論これはあくまで数字的なとこであって、別に代走なんてのは必ずしも戦術的に走力が必要だから起用されるという訳ではない。このケースもそんな感じで、実際の試合内容見ると、4番で同じポジションのデルガドがたまたま3回に死球で負傷退場したので、そこを埋める形で代走起用されたことが分かる。それでもちゃっかり盗塁とかしちゃってる辺り、この大ベテランの年齢を感じさせない走力への自負のようなものは窺えるのだが。
 それよりも、このリストで何が凄いかって言ったら、勿論2位と3位に入っているカールトン・フィスクである。大リーグ史上屈指の名捕手として浩瀚なキャリアを誇るものの、まさかつい最近フランコに抜かれるまでは捕手というポジションの選手がワンツーの記録を持っていたというのが面白すぎる。しかもこれ、45歳にして。勿論これも戦術的なものではなく、それぞれ後輩の正捕手が死球と振り逃げ一塁交錯(と思われる)退場でお鉢が回ってきたもの。ただ、フィスクは捕手とはいえそう鈍足ではなく、キャリアで4回の二桁盗塁を記録し、捕手としての盗塁数で歴代5位となる128盗塁という素晴らしい数字を持っている選手。ある意味、そういう走塁の巧みな大捕手に、運命的にそういうものが巡り合わせたという天の配剤は感じるものではある。にしてもまさか45歳にして2回も代走として起用されたら「こんなことがあるもんだねぇ」くらいは思ったのではなかろうかとも。
 で、そうしたのを差っ引くとやはり出て来るのはオールタイムの盗塁王リッキー・ヘンダーソン。43歳に到達した2002年に、実に17回の代走起用を受けている。なんでも、高齢代走記録の5位~20位だとか。でも、これだったらあと3年だから、もしイチローがもう少し数字を上げることが出来て大リーグでの契約を勝ち取ったら、或いはそういう姿を見られるかもしれない、という目標にはなるのかな。

 まぁそういう感じで、イチローらしい研鑽を通じて、この辺りのグレートネスに少しでも近い姿をまだまだ証明し続ける余地はあるし、そういう中にアイデンティティを見出しつつ、最終的に積み上がった記録をいつか引退する日により誇れることが出来たらいいな、とは思うのである。その時、イチローが今日地味に抜いて見せた試合の最終的な数字が、我々の顕彰すべきものになるのかな。
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高校野球カット打法規制問題、「何が妥当でないか」というと…。 

 未だにブログエントリがちょくちょく上がってるので、一応思ってるところまとめとして(挨拶。



 まーた岩佐爺はそこで「正々堂々」という言葉を使うから(はてな的にw)不穏当に…と思いつつ読んだが、実際に「好みの分かれるプレー」としてのファウルカットは、実は個人的には「好きではない」かな、というのは同意できるとこだとは思う。ぶっちゃけ、他選手の3倍くらいピックオフ出来る選手が居たとして、その選手がランナー出るたびに10回くらい牽制してたら正直それが味方のPでも多分引くよな、みたいなのと同様な意味で、やはりこのゲームにおける「テンポ」を落とすようなものを必ずしも「愉しい」とは言い難い面もあるからだ。野球という競技は、多分それが構想された当時に比べて、試合が長くなりすぎてるとは思うし。また、球数を増やすというのが選手の故障リスクを高めるという立場に立つのなら、とりわけ投手のサブが薄いケースが多い大会の中で、「敵の故障を誘発する行為」として批判されてもいい(はてな的にそういう意見で千葉を叩くケースが見られなかったのは奇妙であったがw)。

 一方で、プロレベルではこうした選手が出ない実態も思う。
 今の「100球投げる間の投球回数を競うゲーム」となってるようなプロでの先発投手の性質を思うと(日本でも昨今はそこまで「行けるとこまで」感は強くなかろう)、このカット戦術は特にブルペンの弱いチームや優秀な先発投手相手には効果ありそうなもんであるが、そうならない理由としては、爺氏が指摘するような「ぶつければ1球で済む」というのもあるけど、それはそれで「アウトを回避するゲーム」というセイバー的な野球定義で効果的になってしまうので若干弱く、詰まる所やはり、「プロのタマをあんだけ当てるのは難しい」という面はあるのだろう。
 それでも、個人的には大リーグを目指す世界の若者の中で、イチローのコンタクト能力に憧れつつその四球の少なさに疑問を持つような小兵打者がああいう方向性を試すってのはそれはそれでありとは思う。繰り返すが、それが「好みだ」とは言わないが。そして、もしそういうバッターが出たら、そこで死球責めに遭ったりして物議を醸し、もし向こうっ気の強い選手であれば「俺のスキルは、PEDを1滴も使わずに築き上げたモノだ」くらい嘯いて騒ぎを大きくするかも知れない。で、そこで「コンタクトスキルに対して現在のルールが妥当か」が議論されて、同意されたものがルールになるのかなぁと妄想する。

 で、高校野球に戻ると。

 そういう「ルール」を巡る議論とスキルバランスについての検証や合意が出来ないまま、「正々堂々」という妙な大義と、大凡無敵すぎる裁量ルールとしての特別規則で極めて恣意的な形でバントとスイングを判断する権限を主審に与えているのが最大の問題であると思う。もうちょっと言えば、「どうせ10球投げさせられるならぶつけてやれ」という投手が相手側に出てもいいし、逆に千葉の側も「正々堂々」の盾のもと、それが不可能と知っててカット打法をやってるというあざとさはあったであろう。そこで勝負の本音をぶつけ合う場面は、あって良かったのかも知れない。
 またその上で、「実際どの程度カット打法が通用するのか」の線引きが見えづらかった恨みもある。
 例えば、大リーグ級のムービングファストボールだと、分かってても変化についていけず凡ゴロみたいなケースは多いし、一方で上原の制球力と投球術があれば魔球的なタマも無ければボール球で誘うことすらせずに空振りを量産出来るが、そこから高校生まで投手のレベルが落ちて打者はスキルは落ちるけど金属バットが与えられるという中で、どの程度「カット打法の相手から空振りを奪う」ことが困難なのか。今回の千葉の対戦相手だと、済美の安楽は速球とカーブの落差でこの大会における千葉の唯一の空振りにより三振を奪っていて、要するにトップクラスの投手がちゃんと対策をすれば、そこまで粘られないのかも、という思いもある。個人的には、安楽がそこまで「怪物」なのかはピンと来ないので、案外空振りは取れる高校生は多い可能性も思う。ただ、実態としては千葉だけでは「データが足りない」気もしたり。

 しかし、そこで「データを集めた上で、どの程度アレが高校野球においてゲームバランスを崩しうるものなのか」というレイヤではなく、一方で前述したような「球数を増やす行為の、スポーツ医学的な不当性」でもなく、自分らで書き足した無敵裁量を、単に「騒ぎになったから」という理由だけで適用して、というのが、運営としていかにも不健全だよなぁ、とも。正直、そういうのは「おもんねーわ」的に白ける醜態だとは思う。
 そもそも、ルールとして元々40年も前から書かれていたはずのものを、何試合も適用して、結果としてそれが「正しくない」と認めるのならば、それは誰が悪いかと言えば、「それを準々決勝まで放置していた審判団」になってしまうし、該当試合の球審や責任審判に何らかの処罰があってしかるべきだったであろう。それが処罰できないのもルールが余りに無敵な裁量ベースだからだし、逆に朝令暮改も放置される。

 カット打法をファウル扱いすべきかどうかって問われれば、単純にカット打法が好みではないけど、いずれの結論であってもそれはそれで思想として受け入れられるものかなぁ、とは思う。ただ、そこに至るまでの「正統性」を確保されるような運営が行われる気配がないことだけは、やはりある種の苛立ちをもって眺めてしまうな、と。
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ダルビッシュ有は、異次元の「空振り率」で大リーグの至宝となれるか。 

 何か今日はマリナーズの試合が面白かったっぽい訳だが(挨拶)。

 てなわけで、岩隈や黒田も快投を見せる中で、期待値が元々結構高めだったダルビッシュがここのとこ相対化されているような感はあるのだけれど、なんだかんだいってやダ凄、的なことがちょっと目に付いたので、軽くエントリでも。
 ダルビッシュに関しては、三振数は300ペースという感じで近年でも突出して高く、四球も少ないとは言えずとも最低限には押えていて、その意味では結構いわゆる「セイバー的」観点でも十分にハイレベルな成績を残しているけれども、割と球数が掛っていて、そこまでテンポ良くイニングを消化できてない、みたいなこともちらほらケチ付けられたりはするとこでもある。
 ただ、「では何で球数掛るの?」というと、実際「打たせて取ってないから」で、その背景としてちょっと挙がってくるのが「Contact %」という数字。
 特に難しい数字ではなく、単純に
(ファウル+インプレイ)/(ファウル+インプレイ+空振り)
 という形で、つまり見逃しや見送りを差し引いて「打者が振ったらバットに当たるか」をとった率、と。100-これで「空振り率」と言い換えることも出来る。実際はハーフスイングやバントの影響はあるが、まぁそれは誤差として。その2013年今日現在の数字(一定回数投げてる先発限定)がこちら。

2013 MLB Pitching Pitches


 70%から先がダンゴ状態になっていることを考えれば、ダルビッシュが2位に5ポイント差以上を付けてリードしてるというのは、結構な「圧倒的大差」である。実際三振ランキングでダルと上位を争うサンチェス・シャーザー・バーランダーというDETの剛球先発陣辺りでも、70%を切ることもなかなか、という。
 とにかく、「振っても当たらない」のが、現状のダルビッシュとは言えるのではないか。
 ではこの数字って実際どのくらいのもんなの?ということで、歴代で見てみた。
 幸いにしてネタ元の Baseball-Reference でもこんな数字大昔から拾えてる訳では無いので、データ的には1988年以降で、まぁざっくり25年分、そこの各シーズンで、Contact %の少ない順で仮に60%台、つまり四捨五入で30.5%以上は空振りを獲れた投手のシーズンを取ってみたら、こんな感じのリストに。


70- Contact% Since 1988

 結構、面白いリストにはなった。
 まず、規定オーバーでこの水準に到達した選手は、過去25年ベースでノーラン・ライアン、デビッド・コーン、野茂英雄、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネス、ケリー・ウッド、ヨハン・サンタナの7人だけ。マダックスのような制球重視の投手が入らないのは当然として、クレメンスすら入っていないというのは、意外と言えば意外。
 その上で、サンタナとコーン以外は複数回の達成であり、やはりある程度「打たせないスタイル」の選手が一定以上のコンディションで出せる数字である、ということ。また、彼らはサイヤングや新人賞などをそれぞれのシーズンで獲得するケースも多く、言わばその水準をシーズン通しで出せれば、まずは「球界の至宝」的なレベルにはあった、とは言えるだろう。野茂はBOSで達成した時は四球大杉ですぐトレードされたけどw
 それにしてもライアンの42歳~44歳でこの空振り率は、はっきり言っておかしなことやっとり過ぎる。なんやねんこのオッサン…というか、ぐうバケモノ。10年前の全盛期からこの数字の統計が存在してたら、どんなマジキチな数字が残っていたのやら。

 一方で、規定ちょい切りではハーデンやリリアーノがそれっぽい数字を出してる一方、ランディとペドロという歴史的大エースが一線を退き、サンタナもNYM移籍後は苦しんでいる中で、この数字自体8年にわたって規定投球回数に到達する先発投手レベルでは出ておらず、実際近似値であるリリアーノとかにしても防御率的には結構先達のごときエースというには程遠い数字になっている現状。
 この辺り、やはり時代的にハラデイのような曲りの小さい変化球と芸術的な制球で打たせて取るのが中心というトレンドは近年の大リーグでは強いのだろうなぁとは思いつつ、一方で逆に言えばダルビッシュはこれからの活躍次第でランディやペドロ的な存在感を持つ大リーグの至宝的な剛腕のエースとなる資質すら持っている稀有な存在、とは言えるのかも知れない。
 なにしろ、投手対打者という文脈で、空振りというのはやはり投手の勝利として最も華のある場面ではある。
 そして、それをゲームの中で最も「取れる」才能は、やはりセイバー全盛期の現代においても、いやむしろインプレイの「偶然性」に着目する現代的なセイバーにおいてこそ、評価されるものではあるかなとも。
 我々は既に野茂英雄という、パイオニアにしてこの分野で偉大なKマシンに伍する活躍を見せた傑物を送り出すことに成功した。そしてその上でダルビッシュは、投球内容においてその野茂を超えんとする完成度を、少なくともここまでは見せている。
 出来れば、この高い空振り率をシーズン一杯維持し、新たな歴史をアメリカの地に刻む橋頭堡を築いて欲しいな。
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バントが高校野球で有利な、たった一つの理由。 

 みんな野球好きね(挨拶。

囚われのガラシャ
囚われのガラシャ posted by (C)有芝まはる殿下。
DMC-G1 Voigtländer Nokton Classic 40mm F1.4 F1.4 1/40s ISO-250

高校野球最大の勘違い@teruyastarはかく語りき

 で、まぁ皆さん愉しそうで何より。
 ただ、基本的に高校野球でバントが指向されるのって、2塁行ったら帰ってこられる程度に外野守備がヘタなケースが多いからなんでは、というか、「基本的に守備が全体的に難があるからバントが多用される」、に尽きるのではないかと。
 例えば、甲子園のグレイテスト・モーメントの一つである「奇跡のバックホーム」とか、プロレベルではあのプレー単体自体はファインプレーには入るけどミラクルの部類には入らんよなぁというか、「プロレベルの大ホームラン」や「150km台半ばの剛速球」を甲子園で見られることは間々あるけど(まぁ前者は金属バットの扶助はあるが)、それに比して「プロ顔負けのファインプレー」は少ないんでは?みたいなことも。で、そうなると、外野からのバックホームの件もさりながら、守備が「掻き回される効果」には期待したくなるんだろうなぁ、と思われ。

 因みに、送りバントと強攻で得点期待値とかを高校野球レベルで統計してる人がいるかは知らないけれど、ひょっとしたら単純に統計を取ったら、プロ同様後者の方が高くなるかな、とは思う。ただ実際、これの有利不利を本当に判別するには、ほぼ同程度の長打率(≒打点相関要素)のチームを並べて、片方にバントをやらせて片方にバントをやらせない的な検証が必要と思われ、そういうのを実勝負の場でやるのは、サラブレッドの選抜を実験で行う的なものになってしまう、ってのがあり。
 まぁでも、この辺りはいずれにせよ「2アウトフルカウントで自動スタート」ほどは機械的な戦術ではない訳で、恐らく甲子園に歩を進めるレベルの監督であれば、大概はある程度柔軟にというか、相手投手の実力との兼ね合いや該当打者の四球選択能力やパワー(セイバー的に言えばisoD, isoPってか)を見るよね、としか。

 ただ、ちょっとセイバー的な視点として、「守備が弱い」と言うことは、全体的な被BABIPが高くなるというか、「当てれば何かが起こる」率が高校野球においては高い(まぁ、有り体な表現ですが「マモノ」ですな)ってのが一つ推測できるところではあり、そういう所で、バントという、確かに野手を走らせはするものの、あくまで「弱いゴロ」であり更に言えば「予定調和的な動き」であるため、それによって「運気」を得るチャンスを逸失してるようにも思われるなぁ、ってのはあったりして、そこは引っ掛かる所ではあるよなぁ、なんてことも。
 あとは、バント文化と表裏一体というか、ベースボールな世界では「ディシプリン」と呼ばれる待ち球的な傾向が、特に高野連的な正義における「見逃し三振害悪説」が蔓延する高校野球界では希薄で、実際安易にバントするよりも、待ち球によって「打てる球を見極め、変化球を振らされない」というある種正統なスキルを育てる機会を削ってる、なんて辺りは気になるところですよね、みたいな辺りはバント関連では思うところではあり。

 まぁそうは言っても、上記のような割とはっきりした理由がある限り、バントは(プロレベルに比して)相応に有効な戦術にはなっていると思うし、逆にセイバー的な考察でガチガチに「統計的に勝てる」チーム作っても、一戦ノックアウトのゲームで、しかも元となる統計に資する「ある程度互角な試合」の機会が決して多くない高校野球で、それが投資対効果を十全に持つとも考えづらいなぁって辺りで、どっとはらい。

◆以下追記。
 これを書いてから、宮嶋さんの元エントリへのツッコミを読んだ。
 例の三原大洋に関する話で「2点よりは1点を指向する野球戦術」としてのバント、みたいな話題は確かに非常に興味深いところではあるんですけれど、本朝の野球人のある種のパラダイムとして「あるイニングを0点に抑えれば勝ち、1点取られれば負け」的な感覚が根深いのかなぁ、なんてことを思ったり。言わば、得点の感覚として、数よりもまずは「取ったか取られてないか」が優先されて、それがマインドスポーツ的な側面でゲームの帰趨に影響を与えているのかな、なんてことも。まぁこういう「マインドスポーツ」感覚こそがアンチセイバーな訳で、本朝でセイバーが言祝がれないのもむべなるかな、とか。
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大リーグで現在30勝ペースの神Pがいるらしい。 

 何となく、MLB公式サイトでスタッツを眺めようとしたら。

MLB League Leaders

 まぁ、真ん中の人とかは普通に常連な訳だ。右の人も、今年本格化風味で、ノーヒットノーランもやってるので数字が上がるのは何となく分かる。で、左の人こと、ワシントン・ナショナルズのタイラー・クリッパード投手。最多勝争いで7勝と、前述のヒメネスをも押さえてるが、何か今初めて見たぞ、的な名前。いや、ワシントン調子いいけど、こんな先発投手がいたらそりゃ勝てるわなぁ、へぇ、どんな選手なんだろ、とか思いながら個人のゲームログを開けてみたら……。

 中継ぎじゃねぇか!

 いや、今の消化試合数だったら7勝はほぼ出た試合全勝ペースだから、防御率1点台くらいだろう普通と思いつつそっちに姿がないからどうしたもんかと思いきや、そういうオチだったとは。にしても、35試合消化時点でチームが20勝で、そのうち7勝を上げてるから、勝ち運半端なすぎワロタ状態。このペースだと30勝行くのかよ的な。
 で、まぁそうは言ってもゲームログ見てても、1試合炎上した試合があってそこで負け投手になっている以外は、殆ど自責点も無いから、こういう調子のいい抑えがたまたま運が良かったのかなぁと思いつつ、何か気になったので、もうちょっと詳しい所で Baseball Reference の方で再度ゲームログを確認したのだけれど

14 63 28 May 6 WSN ATL W,3-2 8-GF BW(4-0) 1 1.2 2 0 0 2 0 0 0 0.42
15 64 30 May 8 WSN FLA W,5-4 7-8 BW(5-0) 1 1.1 1 1 1 0 3 1 0 0.79
16 65 31 May 9 WSN FLA W,3-2 8-8 BW(6-0) 0 1.0 1 0 0 1 1 0 0 0.76


3登板連続ヌスットktkr!!!!!!!
 説明すると、Bは「Blown Save」を指し、すわわち「自分が打たれて前の投手の勝ち権利を消した」ということ。自責点は一度しかついてないから、要するに前の投手の出したランナーだけ還してヌスットという、ある意味最悪パターンな訳で。つかこいつ、18回登板して勝ち投手の権利5回消したってのも結構多い気がするんだぜ。全然いい中継ぎじゃないじゃねぇか(笑)。
 にしても、客とかもこれ、見ててある意味愉しかっただろうなぁ。
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個人的野球の記憶の原点としての、小林繁。 

 ちょっと間が空いたので、つぶやきから拾遺(挨拶。

都内夕景
都内夕景 posted by (C)有芝まはる殿下。

元巨人、阪神投手の小林繁氏急死=「江川騒動」で移籍、57歳@時事

 57歳で死去というのが「若すぎる」かどうかはともあれ、長い闘病の結果ではなく急死であった辺り(心臓系ならば、徴候も余りなかったモノと推察される)、周りの、特に身近な周囲の方々のショックは大きかったのではないかと推察される。現役のコーチとして果たせなかった無念さも思いつつ、何とかそうした身近な人たちがこのショックを乗り越えて下さることを願いつつ、というところではあり。それにしても、梨田の監督としての数奇さは一体なんなんだ?

 で、そこまで身近ではなかった有芝ではあるが、それでも小林という選手は自分にとって、ある種の野球の原点みたいな部分に位置する選手なのかなぁと思う。未だにアンダースローの投手は好きだし、痩せ形の選手は好きだ。確かに、大リーガーみたいな筋骨隆々の選手が豪快なアタリを飛ばす野球にも相応の魅力はあるが、自分がもともとヤセだったのもあるけれど、小林みたいな選手の活躍がある種の「野球」を規定してて、そういう向きにより魅了される部分はなきにしもあらず。
 さて、その上で、有芝は野球においては阪神ファンであり、こればかりはどうやっても修正不可能である。例えばサッカーやその他の競技であるチームのファンになっても、例えばそのチームがロクでもなければ応援するのを辞めるのは決して難しいことではないように思う。しかし、NPBにおいて阪神がどれだけロクでもなくとも、阪神以外を真剣に応援することだけは、ちょっと難しく、その意味で自分の中には「タテジマの血」が流れているんだ、と思う。まぁ親父も阪神ファンだったし。

 しかし、そうした中で、親父が阪神ファンで、明らかに野球も生まれた頃からテレビで流れていたと思う割には、野球に関する記憶がパタッと1978年以前に関して途切れている。当時は6歳。他に色んなことは記憶の範疇にある年代なのに、というか、プラスチックのバット振ってる記憶は幼稚園時代のモノとしてあるような気がするのに、田淵の記憶がまるっと存在しない(知ってるのは、いしいひさいちの漫画の上だけだw)。色々と記憶を辿ると、明らかに自分が阪神タイガースについて憶えてるのは、1979年以降だけなのである。
 或いは、野球というスポーツの複雑さのせい、かも知れない。
 自分が野球を「こういうものだ」と理解して、記憶可能なものとして取り込むことが可能になったのが、ようやく小学2年生くらいになってから、なのかも。ただ勿論、幼稚園でも普通に野球分かって魅了される子供は現実にいるわけで、或いは、自分は学力という面では人後に落ちなかったけれど、そういう辺りでの理解力に関しては、例えばスポーツが得意な子供とかと比べて遅れていたのかなぁ、なんてことは思ったりするし、その辺りは「脳の構造の違い」みたいな部分もあったりするのかも知れない、なんて考えてみたり。

 ただ、ともあれ、自分にとっての野球のエポックは、1979年なのである。
 その時代の阪神を思うに、田淵と入れ替わって阪神に来た真弓や竹之内、若菜、そして例の騒動で阪神にやってきた小林繁が自分の中の阪神のイメージ形成に大きな役割を形成していた、ように思う。因みにその流れで、80年に阪神に入った岡田彰布が「期待のルーキー」的なものの原点としてあったりもするのだが。
 そういう、個人的な記憶の中で大きな位置を占める選手が鬼籍に入ったことに、心から哀悼を示しつつ、アンダースローの記憶に耽りたい。
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松井秀喜のFAと、組織への忠誠心。 

 後楽園勤めてた頃は、結構ここで贅沢して昼飯、なんてこともよくあり(挨拶。

Baseball Cafe
Baseball Cafe posted by (C)有芝まはる殿下。

松井代理人、テレム氏が緊急声明 「たとえゴジラがどの球団へ行こうとも…」@産経

 さて、松井秀喜はFAとなり、代理人もここぞとばかりに仕事を頑張り始めている、というお話。
 今シーズンもう始まった頃から、ヤンキースにおいては「今年契約が切れる松井はオフのFA要員」というのは当然のように言われていた。そうした状況での契約最終シーズンでも、逆にそうだからこそでもあったかも知れないが、松井は怪我にじっくり対処しつつ、少ない出番でも集中力を欠かずに臨んで、夏のトレードで放出の憂き目に遭うことを回避すると、そこから調子を上げていって、遂にワールドシリーズでのMVPという望外の結果を得ることが出来た。
 こうした負の状況を克服するための精神力は想像するに余りあるものがあり、ある意味松井秀喜という野球選手の「完成した瞬間」であったかも知れない。WBCのイチロー同様、「どん底を見た」からこその輝きではあり、正直痺れた。
 反面、松井がFA要員とされるであろう周囲の要素は、シーズン中から全く変わっていない。いや、これで同じ外野手で同じ契約最終年のデーモン辺りがドツボってたら、まだロスター1人空いた的なものはあったかもだが、何れにせよ、ヤンキースが松井の守備を不可能と看做していること、そしてヤンキースのフラッグシップと言える中心選手の休養として、DHのポジションは空けておきたいことは、変わっていない。また、松井が完全に故障から解放されてる訳でもなければ、無論松井の年齢が下がることも有り得ないのである。

 そうした中で、松井はヤンキースに恋々とする思いを余り大っぴらには口にしていない。
 上の記事にある代理人の発言は、恐らく松井が潜在的に心に持っているそうした思いを代弁するものではあろうが、それは松井自らが口に出すものではないのであろう。
 この辺りは、何というか、いかにもアメリカ的な「組織への忠誠心」的なものを感じる。
 日本でもアメリカでも、組織への忠誠心というものはある程度以上重視されるものではあろう。その上で、日本において「フォアザチーム」とされることはアメリカにおいて必ずしもそうではない。例えば、ダルビッシュが今年の日本シリーズで故障をおして投げるようなシチュエーションは、日本人的には本能的に「燃える」状況ではある一方で、チームから見てギャンブル、選手から見て酷使として大リーグ的な価値観からは非難されそうではある。逆に、大リーガーの場合、「仮に自分がチームから追い出されるとしても、その契約に從容とすること」は、大きな「フォアザチーム」の一つ、ではなかろうか。
 無論、大リーグでもトレード拒否条項とかはあるが、それは、チームにへばりつくためのものと言うよりは、自身のパフォーマンスが活きない状況での再就職を強制されない権利、のように見える。
 そうした上で、GMやフロントの強化方針をリスペクトし、一方で自身のキャリアにおいて自分の責任で強化方針を考えてチームを選ぶ、ということが「チームのために忠誠心を発揮する」ことの一部である、みたいな姿が、今回の松井の例などからも垣間見えるように思われ。
 そして、松井が故障やチームの迷走といった紆余曲折の中で、これといったビッグタイトルをついぞ初のワールドシリーズまで得ることなくも、適者生存を為し得てきたのは、こうしたアメリカ的な「組織への忠誠」彼が解し得たからだろうなぁ、とも。

 しかしまぁ、こうした「忠誠心」の考え方的な文化ってのは、クソ労働環境とか色々考察というか話を広げるネタにはなりそうであるが、どうも今現在酔っぱらっててそこまで手が回らない。
 とまれ、松井秀喜という非常にクオリティの高い野球選手が、今後とも少しでも長くその輝きを見せられるような身の振り方をして欲しいなぁ、とは思う。カンザスシティ以外の全チームにほぼ同率の優勝チャンスがある中地区なんかは、やりがいのある仕事場であると思うが、果たして。
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