有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、或いは反逆のドゥ・ロワイユ=デュプレ。
PIW、行ってきたよ。
 てな訳で、アイスショー初体験だったのでした。家族3人で新横まで。
 以下つらつらと箇条書きで本日の雑記をメモしておく。主に自分の記憶用に。
フィギュアスケート採点におけるGOEのあり方とか
 ちょっとした妄想系、でのお話(挨拶。
 新採点について議論というかツッコミどころはあるものの、今季はある程度GOEが話題になった、という年ではあった。勿論、今まで7段階も評価があるのに特に加点についてロクに機能してなかったきらいがあることを考えれば、少々のGOE上げがあってもよかったとは思うものの、例えばGOEの差だけで3Aの1本分くらいマージンを得る選手とかが出ると、やっぱりそれもどうかなぁみたい向きもあったかと。
 しかし、自分にとっては、そういう所よりはむしろ、GOEが本当に「技術点」たるTESに含まれるべきものなのか、みたいなのがそもそも疑問ではあったり。そもそも、新採点は、Technical Specialist(TS)とJudgeの2種類の審判を用意するが、前者が技のレベルや回転数、エッジ判定を行うのに対して後者がGOEとPCSをつける仕組みである、とするならば、GOEはむしろPCSに近しいものであって然るべきではないか、との思いが強い。またその上で、エッジ判定の採用は、ある意味Judgeの領分にTSが容喙するようなシステムであって、どうも両者のバランスを悪くした観があるように思う。一方で、例えば回転不足なんかは、TSとJudgeが二重に罰を与えるような仕組みになっており(回転数分のマイナスとGOEのマイナス)、どうもそこだけ過剰なマイナスを課しているように思われ、結果としては難ジャンプの敷居を高めているし、例えばワールド中野のような「回転不足以外はノーミス」みたいな演技が出た際に過剰に見た目と得点の乖離を生じさせているなんて側面も。
 そういうことを考えていくと、「GOEを要素の基礎点に足し算する」という現在のやり方をちょっと替えてみてはどうかと思う。例えば、「PCSに対して一定の比率で掛け算する」パラメータとしてGOEを使ってみるなんてのはどうだろうかと。例えば、GOEが+10点であれば、PCSを10%加算する、みたいな感じである。それで、PCSのトータルに例えばMAXで男子9点、女子7点くらいが追加される、なんて見立てると、ほぼバランスの良い上げ具合かなぁとは思われ。その上で、回転不足・転倒・不正エッジといった「TSマターの減点」については、プロトコルの各要素の左側に明記して、基礎点から減点を行うような方向で、なおかつそれらの減点をジャッジは見ずに、単純に「それぞれの要素がどの程度美しかったか」をベースにGOEを付ければよいのかと。詰まるところ、現行の得点の出方をさほど大きく変えるものではないにしても、技術系と印象系を個別化して、余り被らないように出来れば、もうちょっと基準が明確化してすっきりするだろうくらいの感覚で。
 例として、下記のようなルールで、仮想プロトコルを作ると、こんな感じ。

◆TSの判定ルール
回転不足:3T以上=2点、2A=1.5点、以下=0.5点減点
転倒:3T以上=4点、2A=3点、その他(Sp,St中転倒含)=1点減点
Lz,F不正エッジ:3以上=1.2点、以下=0.3点減点
減点:転倒は対象外とする。
◆GOEの判定ルール
 要素の「美しさ」について、5段階で-2〜2の範囲でカウント。
 基礎点による傾斜なしで、各要素のGOEの単純和によって合計GOEを判定。
 PCSのトータルに、1+GOE/100を掛けた値を最終PCSとする。
 ※ジャンプ転倒時はGOEはノーカウント。片足以外の着氷、ステップアウト時はGOE+禁止。

◆プロトコル例:
 浅田が07-08後半プロ、最初の3Aで回転しきれず転倒し、最初のコンビネーションでは回転足りるもツーフット。しかし、そこから持ち直してほぼ残りをパーフェクトに演じきった場合、くらいで。PCSは転倒を考慮し、ちょっと辛目で58.20くらい。カットされたジャッジはめんどいので省略。
現ルール改定案
                       TSS    TES     PCS   TD
1. Mao ASADA   JPN   123.22 =66.02 + 58.20 - 1
=================================================
 # Ex.Elem    I B.Val  GOE    The  Judge Panel   
 1 3A<        f  3.50 -2.50 -3 -3 -3 -3 -3 -3 -3 
 2 3F+3T         9.50 -1.00 -1 -1 -1 -1  0 -2 -1 
 3 CoSp3         2.50  0.65  2  1  1  1  2  1  1 
 4 3Lz        e  6.00 -1.24 -1 -1 -1 -2 -1 -2 -1 
 5 FSSp4         3.00  0.22  1  0  0  0  1  0  1 
 6 SpSq4         3.40  1.14  2  1  1  2  0  1  1 
 7 3Lo           5.50x 0.43  0  1  1  0  1  0  0 
 8 3F+3Lo       11.55x 0.57  1  2  0 -1  1  0  1 
 9 2A+2Lo+2Lo    7.15x 0.14  0  0  1  0  0  0  0 
10 CCosp3        3.00  0.22  0  1  0  0  1  0  1 
11 SlSt3         3.10  0.86  2  2  1  2  2  1  2 
12 FCCoSp4       3.50  0.57  1  1  2  2  1  1  0 
13 2A            3.85x 0.43  1  0  0  1  0  0  1 
          Total 65.55      Scores of Panel 66.02 
-------------------------------------------------
Program Cmp.
  〜〜〜めんどいので省略〜〜〜
Total Component Scores(Factored)           58.20
Deductions: -1
                       TSS    TES     PCS   TD
1. Mao ASADA   JPN   124.70 =62.35 + 62.35 - 0
=================================================
 # Ex.Elem    I B.Val    The  Judge Panel    GOE
 1 3A<        f  1.50  -- -- -- -- -- -- --    --
 2 3F+3T         9.50  -1 -1 -1 -1  0 -2 -1 -1.00
 3 CoSp3         2.50   2  1  1  1  2  1  1  1.29
 4 3Lz        e  4.80   1  1  1  0  1 -1  0  0.43
 5 FSSp4         3.00   1  0  0  0  1  0  1  0.43
 6 SpSq4         3.40   2  1  1  2  0  1  1  1.14
 7 3Lo           5.50x  0  1  1  0  1  0  0  0.43
 8 3F+3Lo       11.55x  1  2  0 -1  1  0  1  0.57
 9 2A+2Lo+2Lo    7.15x  0  0  1  0  0  0  0  0.14
10 CCosp3        3.00   0  1  0  0  1  0  1  0.43
11 SlSt3         3.10   2  2  1  2  2  1  2  1.71
12 FCCoSp4       3.50   1  1  2  2  1  1  0  1.14
13 2A            3.85x  1  0  0  1  0  0  1  0.43
      Tech.Elem 62.35  10  9  7  6 10  1  7  7.14
-------------------------------------------------
Program Cmp.
  〜〜〜めんどいので省略〜〜〜
Total Component Scores(1.6 Factored)        58.20
Total Component Scores(GOE/100 Factored)    62.35
Deductions: 0
08ワールド回顧
 微妙に男子の結果にヘコみ気味ではあったが、取り敢えず軽く。
#いや、それでも伊達男バトルのいい笑顔には癒されてるんだけれど。

 男女シングルともにある程度自爆率が高い大会になった印象だが、逆にそれだけにポイントの争いに関しての意地みたいなのが勝敗を分けたような辺りが、新採点の玄妙さではあるかな、と思った。というか、恐らく体操なんかもある程度はミスは織り込みの上で点数を争うような部分があると思うが、そういう方向での精神力みたいなのが必要になっていて、それは恐らく従来のフィギュアスケート的なものに要求される精神力とは異質なものなのかも知れない。そういった辺りで、異質の精神力という部分にフィットする選手が最終的に伸びてきたり選抜されたりするのかなぁ、なんてことを思った。まぁでも、安藤みたいにそのどっちでもそんなに強くなさそうな選手が、才能と生真面目さだけで伍してる現状も面白くはあるんだけれど。

 男子は、やっぱりちょっとジュベールが微妙に悔いが残るというか、出来ればもうちょっと攻めて欲しかったなぁと思う。詰まるところバトルがパーフェクト出すとは素で思ってなかったのか、それとも調子が悪いから余力がなかったのかは分からなかったけれど、コンビネーションが2回、しかも片方2回転で片方すっぽ抜けでは、ある意味4回転なしで優勝する選手が出る方がマシではあっただろうし、バトルの好演はその意味では天の配剤ではあった。その上で、確かに世界一を経験しているからこそ安全運転できっちりあの段階でウィアーをまくってなおかついつものバトルだったらギリギリの点数を出せたとは言えるのだけれども、詰まるところまだ彼は「並のチャンピオン」の域を脱していなかった、ということか。個人的には高橋とヴェルネルの大会になることを期待していたが、彼らには今回その差を見せつけられた所のジュベールの「世界一の地力」に敬意を払いつつ、なおかつそれを超えるところを今後目指して欲しいな、なんてことも。にしても、今大会は高橋以外にもキャリエール、チャンとキックアウト続出であったが、もうフィギュアスケートでも補聴器型の小型ヘッドホン装備してコーチがエレメント指示するとかすればいいんではと思う。その辺りの制御がトップ選手でも瞬時に出来るのが難しいシステムになってるとすれば、もうそれは個人レベルで限界があり、外部の指示を仰ぐとかしかない問題なのではと。少なくとも、客もアスリートに計算能力なんぞ求めてはいないだろうし。

 女子は、まず安藤とマイスナーが限りなく心配ではある。自分はこの2人結構好きだし、浅田キムを追いかける存在として評価してるんだけれど、どうも今年のややスランプ気味な流れの中で、先行する浅田キムから更に離されたことで今ひとつ気持ちが追いついてこない部分もあったようにも。むしろ、それまで勝負の埒外であったコストナーやロシェット辺りの方が、自分自身をしっかり伸ばしてきたシーズン、みたいな感じで終わったようにも思われた。ただそれでも、マイスナーはショートをクリーンに終われたことで今後のメドは立てられたかもだし、安藤はああいうカッコ悪いところを惜しげもなく見せたことで、また次に向かう意志を養えるのではと期待したいが。
 キムは今年はとかくショートが嵌らなかった。浅田が散々フジ的にショートの呪縛と言われたが、彼女はある意味全日本で吹っ切れた一方で、キムは最後までそのタイミングを逸し続けたのは、出走数を絞るスタイルが裏目に出たか。果たして、ある程度の点差で浅田を追いかけるという状況になったけれど、今年はコストナーが点数を伸ばしていたので、浅田のミス待ちという以上に自分のパーフェクトが義務づけられる局面で、精神力が試されたと言えるだろう。しかし、そういう勝負に賭ける部分でやはりどうしてもキムの方が淡泊だよなぁ、という結果であり、彼女が負けた相手は「今年の浅田」ではなく、予想外の出遅れから苛烈なチャルダーシュを決めた「去年の浅田」であるように、自分には思われた。その上で、ワンミスの演技に対してきっちりコストナーをとらえきれない点数を与えたワールドのジャッジは流石であると言えよう。コストナーは、あれだけ出来れば現状地力を出し切ったと思う。お手つきばっかりで見栄えはしなかったが、3-3-2をきっちり決めて、回転不足を出さなかったのは見事。ああいう時に簡単なジャンプを取りこぼすイメージが強かっただけに。
 浅田に関しては、今回は「基礎点で圧倒して、細かいアラが出ても押し切る」というディープインパクト的な戦術がやっと嵌った、という結果であった。3A,3F+3T,3F+3Lo(x)が共存するプロはやはり凶悪。2つミスってもなおかつトップで争えるのだから。それにしても、元々セカンド3Tが苦手であった彼女が最後にここでGOE+1以上を貰えるような成功を収めたのは、今後に向かって非常に視界の開ける結果ではあっただろう。今回はほとんどこのジャンプの気迫が彼女を救ったと言ってもいい(ほかにも後半の構成とかでちょっと点を稼げたとか、見るべき部分はあるが)。3Aを大失敗して痛みの残る中で、何かが覚醒したとすれば、やはりこの娘は3次元の少年漫画キャラですわ。今回は少なからず恵まれた形での戴冠であったけれど、こういう状況はむしろ今後へのモチヴェーションを保つ意味では、浅田のキャラを考えればプラスなんではと思う。
肉体の限界とは、所詮ルールの問題、ではあるが。
世界記録はもう生まれない?「スポーツ選手は肉体の限界に近づいている」、仏研究報告@AFP

 この問題って、結局元記事でも控えめに指摘されてるけれど、あるところ「ドーピング」に行き着くんだよな。
 「男子の記録」と揶揄されるジョイナーなんかはそれこそ象徴的だけれど、例えば陸上の単純明快系で記録が伸び悩んでいる種目って大概は80年代のいわゆるステロイド・エラ的な時代の記録を抹消するに出来ない結果現存してるものではないかと。その意味では、要するにある程度「ルールの側」というか、ある種の倫理的な規制が記録を抑制する要因になっている、みたいな部分は思ったりする。ただ、別に自分は「ドーピング好き放題で記録じゃんじゃん伸ばしてみればいいじゃん」ということを言うつもりではない。要するに、我々が「スポーツの進化」というのに対して、自ら縛りをかけるというカルチャーが何らかの形で存在しており、それが「選手の肉体の限界」を規定しているにすぎない、ということである。
 例えば、ウマという種について考えると、まさに偏屈爺師が指摘したとおり、ペルシュロンもサラブレッドもミニチュアホースという、外見として全く似ても似つかぬような様々なウマは全て、分類学上、エクウスという同じ種の仲間なのである。人為的な改造によって遺伝的な改造が分類学の文脈を追い越してしまった訳で。となると、例えば、である。人間でも同様なメソッドで「育種」を行った場合、黒人と白人の肌の色くらい異種な人間を作ることはどだい不可能な話ではあるまい。その意味においては、例えば民族間で平均身長が30cmも違わない所の現在の人間には改良の余地がいくらでも残っているし、「肉体の限界」ももっと先にあるのは間違いないように思われる。

つまり我々は、

「アウトブリードの失敗作」の集積

にすぎんのだよ!


 なんて言っても、元の話に戻るが、我々の現在背負っているところの倫理は、そういう形での人類の改良を必ずしも是としてはいないことも明白である。そして、そういう「自らに課した縛り」によって我々はスポーツの限界を規定しているのだけれど、その上でちょっと思うのは、「仮に明らかに化学的ないし優生学的ないしその他の、現在から近未来の倫理において『相応しからざる』方法を排し続けた結果としての進化」によって、単純明快競争の記録を伸ばしたとしても、その結果、現在から近未来の倫理が選手に保証したいところの Well-Being が達成されないとしたら、我々はそのスポーツを継続すべきなのか?みたいな話である。
 要するに、ガチでトレーニング手法その他の「正々堂々たる手段」を用いたアスリートが軒並み50にもなると不治の病に冒される、などいう状況が発生したら、我々はそのスポーツをどう継続すればよいのだろうか、みたいな。或いは、「伝統」という観念から継続すべきみたいな議論も出るかもしれないし、或いはそれならむしろ義体化などをよしとするのか。ちょっとした思考実験みたいな部分はあるかなぁとも。
フィギュアスケート解説話と、GPF回顧(男子のみ)。
 子どもに水疱瘡伝染されました(挨拶)。マジ辛いっす。
 で、今日も今日とて、出遅れ気味にフィギャ話。

伊藤みどりと荒川静香の解説の違い@俺のターン

 基本的に、荒川氏がやっているのは「ジャッジの視点からの解説」ではあるのだろう。
 要は完全に荒川氏は現在のフィギュアを「点取りゲーム」として理解しており、点数の展望をミッションとしている、みたいなスタイルを取ってるようには思われる。要するにアレだ、「ブリザードアクセル」とかでいちいち技が出るたびに点が出てしまう、みたいな。ただ、これが難しいのは、詰まるところ実況席からだとそんなにジャッジほど細かな映像資料を与えられてたり最前列に張ったりしてる訳でもないから、どうしても見落としがあること。だから、例えばフルッツ癖がある選手のフルッツを指摘するのはそう難しくは無いとしても、回転数とかはミスったりとかもあるよなぁ、とも思うし、現実にGPFでも間違えてるんですよね、と。そう考えると、例えば演技中に「自己採点」を解説で出すのは好き好きかもしれないな、って意見もあるわけで、この辺りは荒川氏辺りも新採点でのフィギュア解説については「模索中」ではあるかも知れない。
 一方で、受け手の視聴者の問題もあるかなぁとは思う。そもそも、恐らくフィギュアスケートにさほど関心の無い人は、大概新採点でTESとPCSが出ても、今までジャッジごとに6.0で出してた点数の総和をTES=技術点、PCS=芸術点として表示してるだけ、くらいに思ってるのではないだろうか。一方で、解説などにおいていちいち「減点される」と指摘しても、実際それは大概はGOEレベルでの話であって、個別の技に対するBase Valueではない。で、特に荒川解説においては割とGOEとかに着目した解説をしているようにも見えたりするのだが、だとしたら、浅田にとってGOEが3.30プラスってのは決して「良いパフォーマンス」とは言えないし(浅田ほどの超一流選手が快心の演技なら本来5点はプラスされるべきでしょ)、少なくともそれで勝つのは厳しいでしょ、みたいなスコアであるのは全く正しい。ただ、GOE自体はTESの中の更に一部分、なのですよね。無論、現状の浅田とキムの点の取り方とかを比較すればGOEは大事に決まってるんだけれど、やっぱり主役はBase Valueであり、例えばGOE加点が3.30しかないような演技だからといって、結果として浅田のTESが70軽く越えることを説明できない訳で、まぁそういった辺りは「解説ミス」に見えちゃう面はあったか。
 ただそもそも、新採点自体がフィギュアスケートの面白みを損ねている、みたいな意見は根強い訳で、その新採点のシステムに愚直に従った解説は、ゲーム解説としてはある程度まで適正であるとしても、フィギュアスケートという「競技そのもの」を面白く伝えるためのメソドロジーとして正しいのか、みたいな部分は感じたりする。例えば、スパイラルシークエンスで、どの選手に対しても「ここから3秒保持して」みたいな話をするのはまぁ競技的にはそういうものではあるんだけれど、だからといって全ての選手のスパイラルシークエンスがお互いのカーボンコピーであることは、結局選手個人個人の能力や適性の差などもあって否定できる部分でもあるわけで、それぞれの選手の個性まで解説に口上に盛り込めれば良いのかな、とは思うんだけれど。例えば、「体の硬いマイスナー選手は云々」みたいな(ぇ。ただ、そもそも新採点自体がフィギュアスケートのスポーツとしてのあり方を完全に変えている一方で、フィギュアスケートがこれまで培ってきた伝統はさほど*ヤワではない、みたいなのもある訳で、カルチャー面での変化がルールについていくまでは結構大変かなぁ、とは思う。

◆ちと追記。

 この件の※欄でkurimax氏曰く
伊藤みどりさん的なコメントは松岡修造さんがやってくれてるので解説者にはそういう情熱的で感情的な解説は必要ない


 いや、その理屈はおかしい。

 つか、よしんば解説者としての能力において
荒川さん>>>みどりちゃん
だったとしても、臭臓のうざさというのはその差を明確に凌駕するから、

みどりちゃん>>>>>>荒川さんと臭臓

になってしまうのである。てな訳で、マオタもアンチ真央もしーちゃんファンもその他あれやこれやも、万国のフィギュアスケートファンは団結して、あのスポーツの放送席から松岡臭臓を追放させようぜ!!!
 それにしても、あのウザさは一体何なんだろうなぁ(苦笑)。

 あと、スポナビより。
高橋大輔、届かなかった「0.16点」の厚み グランプリ・ファイナル

 んー、プロトコルで見るとこのコラムはややハズしてる気がする。
 確かに、TESで高橋、PCSでランビエールなんだけれど、今回の結果見ると、Base Valueの差が結構あるんだよなぁ(高橋69.84:ランビ73.30)。ランビがミスった分で最終的に高橋が上回ってるんだけれど、まずはここでの差が利いたようにも見えなくはないかと。結局、その差がどこから出てるかというと、序盤のミスを挽回する段階で、3回転のコンビネーションを2発きっちりランビエールが入れててコンビネーションジャンプをきっちり全てクリアしたのに対して、高橋は結局コンビネーションジャンプを2回しか入れられなかった、と。勿論、プログラムのタイミング的な問題もあるけれど、或いはトリノでのザヤックの記憶があって3Tを精神的に入れづらかったのかも知れない。なかなか難しいところではあるけれど、その辺りのランビエールの試合の中でのジャンプの組立に対する「意地」が勝敗の帰趨を定めたっぽい雰囲気はあったかなと。その意味では、高橋としては表現とかのレベルとかでヘンに調整するよりは、やはり現在のベースをしっかり伸ばすような方向性の方が良いのかも知れないなぁ、みたいなのも思った。いずれにせよ、ジュベール不調の今期が最大のチャンスであるには違いなく。
GPシリーズ開幕して、何となく現状の感覚。
 今週のサンデー。
・MAJOR:山井問題について俺が言いたいことはクローザーのあんちゃんがほぼ言い尽くしてくれました。
・ガッシュ:V様空気嫁。あと、この展開になるとむしろ死ななかったブラゴ哀れw
・*アフリート:QMAじゃねぇか……と見せかけてQMAっぽい見た目のカプコンワールドか?
などと、ハヤテが「つまらんと定評のある」バトル編に突入しつつも他が割と面白かった件。にしても、相変わらず吸血鬼話の連載が被ったり、謎クオリティの編集なのは変わらんかも。いや、あの新連載もヒロインがもうちょっと姫様属性だったら萌えるのですが(←それ何ててるてる×少年?。

 以上、長い挨拶。
 てな訳で、女子グランプリ話でも。まずは2戦して上位2位のスコア。

Skate USA,Canada

 浅田と安藤について見ると、前者は結構なプロの組み換えを行い、後者は前年の水準を変えないプロになってるなぁと見えた。安藤については連続ジャンプを2つしかやってないので後1つを何処につけるかなんだけれど、普通に考えれば空転した1Fの所だから、そうなると前半のシリーズで3Lz+3Lo、3F+2Tは昨年と同じ構成。一方で、スピン・ステップのレベルはそんな変わってないことを考えると、「去年の錬度を維持して、ワールドの勝因となった『安定度』を高めること」を選んでいるように思われる。となると、フリーの目標点も昨年ワールドの水準とすれば125くらいとなるんだろうなと。実際ロッシュさまのExcelでシミュレートしてもその辺りの数字が妥当っぽく思われ。その意味では、スケアメの点数からの伸びしろは大体20点くらいとなるか。ともあれ、何分精神力に課題のある選手だけに、ルールの変化に対応しながらも繰り返しで成功体験を積むことが大事、ってことなのかな。まぁあとはモロゾフ師の「カタさ」みたいなのはあるのかも。コスチュームは相変わらず2ちゃんねるではお約束のごとく叩かれてたけれど、俺は結構好きだ。カルメンは来年くらいで丁度いいと思ったけど。
 一方の浅田は、プロを組み替えた。これは昨年のチャールダーシュが無茶すぎたという反省よりは、もっと単純にeルールへの対象なのだろう。要するにルッツがフルッツ判定されると「明示的に」GOEを下げなくてはならないとする今季の新ルールを考慮すると、例えば昨年やってた終了間際の3Lz+2Lo+2Loのごとき鬼コンボをどれだけ美しく決めたとしても、エッジひとつでGOEを落とされるとするなら、インセンティヴとして割に合わない。ならば、基礎点を大幅に下げても2A辺りできっちりGOEを取る方が全体的な演技のポイントとしても見栄えするし、また単独ジャンプに絞ってフルッツ修正を目指すことで的の絞れた強化になる、と。一方で、今季の課題はスピン・ステップのレベル4を確実に4回以上は取れるようにする、みたいな部分であろう。ここで4回取れるくらいの技量を持っておけば、よしんば今年レベルでキム辺りに勝ちを譲る場面が出ても、第一人者としてのクラスは維持できると踏んでる面はあるか。ただ、やはり基礎点での現象は否めず、恐らくは目標点は昨年よりも5点以上落ちて130辺り、つまりスケカナからの伸びしろは10点程度か。にしても、フィギュアの勝負的文脈においては、浅田が目標点を5点くらい落とすほうが勝負としてまともになる訳で、見世物としてのレギュレーションの改正としてはさほど間違ってない気はするけれど、割と新採点の点取りゲーム的な部分に適応した性格の浅田としては微妙にステレスフルには違いないのでしょうな。それでも、質を替えながら高い演技水準を維持した辺りで、ロシア系調教がいい感じで浸透しているのは実によい。実際、対欧米人的文脈で「新採点のバケモノ」的偏見から脱するのも大事なことでしょうしね。
 にしても、スケカナの中野がある意味女子フィギュア的には最も収穫だったかも知れんな、みたいなことも。現状のまま浅田・安藤・キムが技巧に鎬を削ってしまって下との差がずんずん開いてしまうとやはりメダル争い的な文脈で味気なさが出てしまう面があるが、その意味でジャンとかとは反対の方向からのカウンターが出てくれるのは興行としては有難いものかと。ただ、3Aクリーンの確率がなかなかに低いだけに、信用度が低いのが惜しまれるか。ドーナツスピンとかガシガシGOE+3を貰えてる一方で、PCSでは明らかに軽視されすぎ。まぁスケカナに関しては地元のロシェットと直接順位を争う文脈だった部分で過剰に厳しく評価されたきらいはあるものの、TESでこれだけ貰える選手の得点にはなってないよな、とも。ただ、この辺り、次で継続できれば、みたいな期待も大きいんでしょうし、中野にとってロシアは意外と勝負駆けになったかな、と。勿論すぐにキムに勝てる点が貰えるわけでもないでしょうけれど、とにかく3Aクリーンでもう一度今回くらいのTESが入るなら、今後のPCSも自ずと向上するかも、みたいな部分で。
フィギュアスケートと、スターシステム
 やや遅れ気味にはてブより拾ったエントリより。

「スター・システム」はもうやめたらどうか@かみぽこぽこ。

 まぁ、基本的に自分もスターシステム批判派なので、その趣旨の範囲では同意ですが。
 ただ、その上で思うのは、
「浅田真央くらいのレベルならスター認定してもいいんじゃね?」
と。理由は、彼女がある意味「競技としてのこの種目における、世界の第一人者である」から。ISUの年間ランキングにおいて1位であるし、新採点方式のレコードホルダーでもある浅田は、実際問題として「無冠の女王」的な位置取りにあるには違いないでしょう。勿論、前時代の第一人者で現在アマ休養中であるコーエンやスルツカヤがまだ正式には引退してないし、その世代をを倒していない(あ、一昨年のGPFではスルに勝ってるっけ)辺りでチャンピオンシー的にはどうかって面もあるのですが、若干勝ち鞍の面で軽く見られてる面もあるのかな、って気も。まぁあとは、容姿の問題か(笑)。
 その上で、浅田が今年はGPFもワールドも自爆気味に落としていて、ミスに泣かされている年でもあったのですが、実際のところ、入れてるプロのレベルが高いから、ってのはあったのですよね。今期の浅田は「200点取る」を一つの目標としてましたが、要するにそういうプログラムを作ってきてた、ってことではありました。言わばキレキレの状態で、悪い言い方をすれば確変的にGOEだのPCSだのを上げて取るのではなく、技術の基礎点と「いつも通りの」PCSだけで200を取ろうとしてた、と。前のエントリで「キムも200が見えてきた」的なことを書きましたが、右のような文脈で200取りにいけるのは、上の世代も含めても浅田だけだったでしょう。そういう意味では、やはり女子フィギュアの世界で抜けた選手には違いありません。その上で、浅田がミスしても勝てるほど女子フィギュアのレベルが現状低くないって辺りに安藤・マイスナー・キムの存在意義があるかと。もうちょっと言えば、スター扱いされるプレッシャーを所与のものとして受け入れた上で、レベルの違う演技をやりに行くというある種のノブレスオブリッジを課せられた選手でもあるのでしょう。

 その意味では、トリノまでの安藤へのスターシステムと同じ文脈で批判するとすれば、やや的外れな部分はあろうかと思われます。安藤はある意味村主・荒川時代において「若さ」や「分かりやすさ」による魅力に「地力」がついていってないフェーズにおいてスターに祭り上げられた訳ですが(全日本の優勝って世界的にはそんな意味あるタイトルでもないので)、浅田の場合は既に「地力上位」の状況な訳で。そして、そういう状況をある程度本人も承知しているからこそ、この競技における「柱」としての責任も実感しており、スターとして舞い上がる余地が少ないとも感じます。また、逆に物分りの良いメディアが「そっとしておいて」くれたとしても、本人の矜持に近い部分でプレッシャーを受ける立場にもあったでしょう。少なくとも、トリノ以前にに安藤が「4回転飛ぶ」と言ってた状況と、浅田が今シーズン「200点を取る」と言ってた状況には、現実感と言うかある種の重みは随分違ったものはあったでしょう。そして、スターシステムの弊害とは、そういう「責任」を内面化する以前にメディアに囃し立てられることによって、「柱としての責任」を背負える能力を本来持ってた筈のアスリートが、そのレベルに達する前に精神的なバランスを維持できなくなって「潰れる」ところにあるのでしょうから。
 まぁでも、そういう責任を16歳にして受け入れなければならない、って辺りがこのスポーツの過酷さであるなぁってのは痛感する部分ではあります。元々6.0採点の時代からリピンスキーのようなお子ちゃま選手が世界を制してしまうような年齢層の低い競技ではあるのですが、新採点でその辺りがやや固定化されている印象も無きにしもあらずで(今ジュニアで活躍中の長洲とかジャンとか、幼女にしか見えないんだけれど、多分2010年はこの辺りも脅威になりそうで)。

 ただ、そういう状況で浅田がスター扱いされることはある種の必然ではある一方であり、なおかつ当日の文脈として浅田の追い上げの方がむしろ少年漫画的にエモーショナルであったのも事実ではありますが、今大会でワールドを取ったのが安藤美姫である以上、今後彼女に対して「世界チャンプ」としてのリスペクトをもって遇してほしいなぁとメディアには願うところではあります。荒川静香は2004年の段階で世界チャンピオンになってた訳ですが、トリノ以前はヘタすると村主よりも扱いが低くなるような面もあって、ああいうのを繰り返して欲しくはないかなと。
#まぁ荒川さんの場合はオリンピック取れて結果オーライではありましたが。
そして、アスリートとしての評価軸によって「囃し立てられる」のならば、安藤はトリノの轍を踏むことなく、スケーターとして完成度を高めてくれるでしょうし、それが浅田にとっても目標であると同時にビハインドプレッシャーとして自らを奮い立たせるものになるでしょうから。
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