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殿下執務室2.0 β1

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有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

Nessun STRADA e' davanti a voi~高橋大輔を祝して。 

 晴れ晴れとした気持ちで(挨拶。

向島百花園 白梅に、淡く色をまじえて
向島百花園 白梅に、淡く色をまじえて posted by (C)有芝まはる殿下。
DMC-G1 CANON LENS(ex. Serenar) 50mm/f1.8-I F2.8 1/3200s ISO-100

 薄氷のような得点に、溜息が出る。おめでとう、橋。

 演技の結果としては、クアド失敗どころか、3+3が一つも決まっていない。決めた1つは回転不足で。
 それが男子メダリストのプロトコルか、とDISる向きはあろうが、恐らくは今の橋に出来る一杯一杯であったのだろう。やはり、1年の故障休養があり、フリーの体力という意味では、最後まで間に合わなかったんだと思う。その上で、冒頭のクアド以外は、ジャンプよりも他要素を重視した戦術だったのだろう。3連続ジャンプをちょっと乱れただけで2回に抑えた辺りなどは、象徴的であったか。
 一方で、クアドを決めていれば。
 回転不足転倒でゼロ査定になったこの要素が9.8+GOEに化けていれば、点差的には丁度ライザチェクと拮抗し、あとはジャッジ抽選の運勝負に持ち込まれる計算ではあった。ライザがほぼ完璧な演技だったことを思えば、意外と「クアドで金」の可能性は、橋にはあったように思われる。或いは、プルシェンコ以上に。
 それが事前に計算されたものかはともかく、かなり橋の選択肢は「金メダルを目指すプランA」も「メダル確保を目指すプランB」もスジの良いものという結果であったことに驚く。「バクチ」と「今できるベスト」の両方を、きっちり見据えることが出来ていた、のであろうか。こういったプロセスに、メダルを得た結果と並ぶ敬意を表したい。

 さて、そうした中で、ライザが完璧な演技をして、自身がクアド転倒した瞬間、彼の相手はライザ・プルシェンコから、追うランビエールにスイッチした格好となった。そして、ランビエールに勝利したのである。それも、PCSによって。この「PCS勝負」はそれほど橋に分があるものだったとは思われない。何しろ、相手は2度の世界チャンプであり、今大会もPCSで銀河点を叩き出していたのだ。ランビにブランクがあったとは言え、1年であれば橋のリハビリ期間と同じで、条件的な優位もなく。
 橋とランビエールと言えば、07年GPファイナルを思い出す。あの争いで、ランビエールが見せた意地も。
 今日のランビエールの意地は、5位からの大逆転優勝を目指して、2度のクアドを狙うことであった。結果、それがPCS争いで彼をメダルから遠ざけた、のかも知れない。それでも、5つのコンポーネント全てで8点を揃えており、こうした高いレベルでの争いで橋が制したことは、強調しても足りぬ。実際の演技でも、贔屓目抜きで、橋の演技に籠った気迫、或いは銀のロマンティックは、ランビを上回ったように思われた。
 この争いをもうちょっと冷静に考えると、橋はSPでランビを技術で上回り、FSでランビを表現で封じた格好になる。我々はつい、FSの側により技術を見出しがちだが、戦術的には「SPでTESに拘り、FSでPCSに拘る」というのは、トレンドになるのかも知れない。例えば浅田なんかも、バンク後はSPでの3Aコンビネーションやステップのレベル取りに拘る方向を志向してもいいかもな、とか。

 さて、ライザチェクが金メダルを土産に競技から遠ざかるとするなら、橋は、ジュベール辺りと並んで、ソチまでを「現役選手の筆頭」として過ごすことになるかも知れない。多分、地元の宇宙人が4年後また襲来したとしても、3年間ぎっしりアマチュア競技に顔出すことも無さそうだし。そうなると、「クアドレスの金メダリスト」が出た後の世界を、橋は「日本の」ではなく「世界の」エースとして、引っ張ることになるのだ。
 それは、とりもなおさず「3+3レスの金メダリスト」荒川静香の後の世界を浅田真央が引っ張った女子の歴史とシンクロする。浅田のここまでの闘いは、そうした立場にあって、誇り高く、勇敢なものであった。来週の今日出てくる結果如何に関わらず、それは銘じられるべきものであろう。
 橋を祝福しつつ、彼がソチに至る、いや、彼自身が先頭に立って切り開くソチへの「道(La Strada)」の中で、大きな存在感を見せて欲しいと期待する。そしてそれを目を離さずに見守り、願わくば、アスリートとしての気魄を彼に満たす力を、我々が与えられればいいと思う。
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フィギュア男子SPを終えて、FSを思う。 

 本朝の海から、遠くの港町を思いつつ(挨拶。

ベイエリアの彩り
ベイエリアの彩り posted by (C)有芝まはる殿下。
DMC-G1 Voigtländer Nokton Classic F1.4/40mm F2.8 1s ISO-400

 てな訳で、何とも玄妙な結果になった、と思う。
#いや、フランス人にとってはお通夜でしょうけれど。
プルシェンコがトリノSPとほぼ同じ得点にまとめたこと、その上で、あの時あった10点のリードは、今回は1点未満であること、そして、1点未満で上位3人が抜けた図式。

 前回と今回のプルシェンコの得点を軽く比較してみる。
◆トリノ              ◆バンク
1 4T+3T 13.00 +0.86 1 4T+3T 13.80 +1.00
2 3A 7.50 +1.86 2 3A 8.20 +1.80
3 3Lz 6.00 +1.43 3 3Lz 6.00 +1.20
4 FCSp3 2.30 +0.50 4 CCoSp4 3.50 +0.80
5 CiSt4 3.40 +2.14 5 CiSt3 3.30 +0.70
6 CSSp3 2.10 +0.50 6 FSSp4 3.00 +0.40
7 SlSt3 3.10 +0.79 7 SlSt3 3.30 +0.60
8 CCoSp4 3.50 +0.71 8 CSSp4 3.00 +0.50
BV/TES 40.90/49.97 BV/TES 44.10/51.10
PCS 40.97 DED 0 PCS 39.75 DED 0
SS 8.29 SS 8.20
TR 7.62 PE 8.29 TR 6.80 PE 8.65
CH 8.25 IN 8.32 CH 7.85 IN 8.25

 こうして見ると、目立つのはステップでの減点。逆に言えば、ある程度持久力勝負なステップ以外の技術はほぼ全く衰えずに、PCSのSSもほぼ同じというのはまるで機械的であり、宇宙人恐るべし、と思ってしまう。ただ、本田の解説の中でもやや完成度を論じられていたが、振り付けの熟成がトリノに比して落ちて、それがTR辺りの足も引っ張り、ということだろうか。しかし、冷静に考えればある程度実力よりも滑走順が前倒されたことで、ちょっとPCSが付けづらかった部分もあったと思われ、その不利を思えばPCSは「本来、もうちょっとあっても良かった」レベルだったかも知れず、その意味ではライザチェク・高橋といった「人間」相手に地力差を見せたと言える、とも解釈できそう。その上で、明後日にどれだけ体力的なゆとりを残せているか、に尽きるかなと。

 しかし、点数的な余裕という意味では、実際に1点以内の差でピッタリ付けられる、という点で、前回に比べてかなりプレッシャーは大きいように思われる。最終滑走で、そのプレッシャーを前の2人が維持出来るか。この、上位3人がロシア・日本・アメリカで差が1点以内、しかも滑走順はアメリカ→日本→ロシアという図式は、4年前のトリノ女子シングルと全く同じである(トリノではアメリカのコーエンがロシアのスルツカヤをショートで上回っていたが)。果たして、その時に勝利したのは荒川静香。あの時の荒川-モロゾフ師の冷静な判断を、高橋がなぞって、状況を見ながら適切にエレメント選択を判断して欲しいな、という気がする。無論、あの時のスルツカヤとの比較でも高橋にとってプルシェンコは余りにも大きな強敵で、彼が最終滑走に控える中でクアド打たないってのも、相当に勇気が要るだろうし、コーエンの自爆癖的なものを完全に振り払った境地に現在のライザチェクはいるように思われるし、何より高橋本人が今季まだショートでは一皮むけた演技を見せながらフリーではまだ完全に納得がいく演技は出来てない状況なだけに、非常に厳しい戦いではあるのだけれど。

 ただ、上だけ見ててもアレで、実際若干の差は付けたとは言え、メダル争いがこの3人に固まった、というわけでもないだろう。得点見て驚いたのは、ランビエールのPCS。INで9点台という銀河点を叩き出して、堂々全選手中トップ。確かにこの選手の音楽表現力ってのは結構別次元なものがあるんだけれど、にしても、9点台。今季実戦から遠ざかってるだけにどうかと思ったけれど、やはりこの点数出せるのだから、この大会のメダル争いの最大のカギを握ると言って過言ではないだろう。ブランクを考えれば、3A2回入れられるのかとかはあるが、高橋と織田をまとめて抜き去る力は当然ある選手。
 あとは、地元のチャンか。これだけPCS大盤振る舞いになると、ミスターPCSというべき彼にとって今回の出遅れはやや苦しい感があるが、得点相場を考えると、ベストの演技が出来れば、軽くパーソナルベストを7点8点くらいは上回ることは可能だろう。それにより170近い点が出れば、高橋も160程度は確保しないとキツくなり、ジャンプの軽微なミス程度しか許されなくなろう。
 織田の方は、この順位でモロ師の性格を思えば、ある程度上位が崩れるのを待つ形でノーミス演技を狙う構成となろうが、ウィアーやチャンといった非クアド使いの完成度との戦いになる、という図式か。小塚も、今日の滑りは十分に見事だった。メダルを争うにはライバルが多いが、SP出遅れ組を抑えきる演技を見せて欲しい。

フモフモたんが更新してたので。
レジェンドを倒して五輪の金を獲るチャンスなど滅多にありません。そのチャンスを得た者は、勇敢に目指して欲しい…そう思うのです。
 そうなんだよねぇ。
 ここで時代の歯車を回して欲しい、とは思うのだけれど。ただ、そう思うと、今度は「クアド無しで回していいのか」とか色々考えちゃって、でもそういうプレッシャーを高橋自身には余り持って欲しくなかったりで、ぐぬぬ状態になってしまったりもする訳ですが。ともあれ、FSを体育座りで待つ残り1日半。
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ISU World FS Champ. Men 

Men - Free Skating Result Details@ISU

 こちらも見た、ということでヌルく北からのツッコミを期待しつつ。
 基本的には、アメリカ勢2人がある程度もにょった所の自爆流れをランビエールが止められるか、って辺りで、絶妙に流れを止めた一方で自身にプチミスが出るって辺りは、なかなか高橋のこの大会における豪運っつーか、この競技におけるホームアドヴァンテージ+α的な部分を感じた。ランビ後半の2Lz(Fだっけ?)+3Tできっちり3Lz降りてたら、あのスコアだと逆転されてたっぽいんですよね。そのランビエールは、或いはSPがきっちり決まっていたら逆に今日自爆したかなぁって感じもあって、モチベーションはやはりこのレベルでは大事なのだろうなというのもちと思った。ジュベールに関しては2chの感想戦でも「FS3位で勝ちに行くのもねぇ」的な意見と「逆に、あれだけ計算できるようになったのが成長」的な意見両方あったのですが、まぁバトルがある程度FSで微妙なだけに、前半の4T降りられたら流すってのは常識的には正しかったのでしょうねと。個人的には、今のフィギュアのルールならばそういう勝負の冷静さはあってもいいし、その上でスコアに出ないところの動きに洗練を加えれば、くらいの印象もありますが、どっちかというと後者の辺りでの喰い足りなさが議論を呼ぶのか。まぁあっしもフランス2騎ではプレ男君のほうが好感度ありますけど。
 全体見てると織田がFS6位とかなってるんだけど、確かにヴェルネルがキレキレ演技(勢い余って最後に1コケしたものご愛嬌。まぁ順位はあれがあってもなくても同じだったか)見せた辺りで「あれ、まだ織田3位?」と思ったものの、結局第3グループがかなり微妙な出来映えに終わってしまったと考えると、サンドゥやダヴィドフがプレッシャーを掛け切れなかったことでFS全体の流れとして若干ダレ気味な現地というやや残念な部分はあったのかなぁとは思われたりもします。まぁ日本が3枠取れたことは良しとせねばならんのでしょうけれど。ただ、織田クン、座薬……じゃなくてコンボ数被って6位では、捲れたって感覚も無いだろうし、複雑な気持ちではあろうなぁ。
 で、高橋に関しては、多分事前申告のプロとほとんど同じ要素で滑ってたように管見では見えたのですが(4T2回は、流石にあの一発目では出来ないでしょうし)、実際あれでSp,Stが大概Lv4行ってたとしても80いくかいかないかのプロのように見え、その上で4Tとコンビの回転不足はGOE微妙に減らされてるであろうことを考えると、ジャッジスコア見ずに書くのもなんですが、GOEが+7とか行っちゃってたら流石にジャッジが調整しすぎたかなって印象も無きにしも非ず。勿論、後半連続ジャンプでかなり乗せてきたし、あれが決まった上で最後のステップに入ると、見応えあるプロではありましたが。因みに去年のワールドだと、男子でジュベが+5.99、ランビ+4.20、女子でキミー+6.07、ソコロワ+5.43っていった辺りが高めのGOE加点だった訳ですが、今年は果たして。
 しかし、あれでもし最初の4Tがクリーンに入って、その勢いでヴェルネルよろしく高橋が2回クアド入れてたら点数的にどうなってたかのIfは微妙に妄想しがいのある展開ではあったなぁ。恐らく、そうなってたら今後ジュベールのことを終生「上村サイレンススズカ」と呼び続けたに違いありません(笑)。
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