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殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

フィギュアスケートと、スターシステム 

 やや遅れ気味にはてブより拾ったエントリより。

「スター・システム」はもうやめたらどうか@かみぽこぽこ。

 まぁ、基本的に自分もスターシステム批判派なので、その趣旨の範囲では同意ですが。
 ただ、その上で思うのは、
「浅田真央くらいのレベルならスター認定してもいいんじゃね?」
と。理由は、彼女がある意味「競技としてのこの種目における、世界の第一人者である」から。ISUの年間ランキングにおいて1位であるし、新採点方式のレコードホルダーでもある浅田は、実際問題として「無冠の女王」的な位置取りにあるには違いないでしょう。勿論、前時代の第一人者で現在アマ休養中であるコーエンやスルツカヤがまだ正式には引退してないし、その世代をを倒していない(あ、一昨年のGPFではスルに勝ってるっけ)辺りでチャンピオンシー的にはどうかって面もあるのですが、若干勝ち鞍の面で軽く見られてる面もあるのかな、って気も。まぁあとは、容姿の問題か(笑)。
 その上で、浅田が今年はGPFもワールドも自爆気味に落としていて、ミスに泣かされている年でもあったのですが、実際のところ、入れてるプロのレベルが高いから、ってのはあったのですよね。今期の浅田は「200点取る」を一つの目標としてましたが、要するにそういうプログラムを作ってきてた、ってことではありました。言わばキレキレの状態で、悪い言い方をすれば確変的にGOEだのPCSだのを上げて取るのではなく、技術の基礎点と「いつも通りの」PCSだけで200を取ろうとしてた、と。前のエントリで「キムも200が見えてきた」的なことを書きましたが、右のような文脈で200取りにいけるのは、上の世代も含めても浅田だけだったでしょう。そういう意味では、やはり女子フィギュアの世界で抜けた選手には違いありません。その上で、浅田がミスしても勝てるほど女子フィギュアのレベルが現状低くないって辺りに安藤・マイスナー・キムの存在意義があるかと。もうちょっと言えば、スター扱いされるプレッシャーを所与のものとして受け入れた上で、レベルの違う演技をやりに行くというある種のノブレスオブリッジを課せられた選手でもあるのでしょう。

 その意味では、トリノまでの安藤へのスターシステムと同じ文脈で批判するとすれば、やや的外れな部分はあろうかと思われます。安藤はある意味村主・荒川時代において「若さ」や「分かりやすさ」による魅力に「地力」がついていってないフェーズにおいてスターに祭り上げられた訳ですが(全日本の優勝って世界的にはそんな意味あるタイトルでもないので)、浅田の場合は既に「地力上位」の状況な訳で。そして、そういう状況をある程度本人も承知しているからこそ、この競技における「柱」としての責任も実感しており、スターとして舞い上がる余地が少ないとも感じます。また、逆に物分りの良いメディアが「そっとしておいて」くれたとしても、本人の矜持に近い部分でプレッシャーを受ける立場にもあったでしょう。少なくとも、トリノ以前にに安藤が「4回転飛ぶ」と言ってた状況と、浅田が今シーズン「200点を取る」と言ってた状況には、現実感と言うかある種の重みは随分違ったものはあったでしょう。そして、スターシステムの弊害とは、そういう「責任」を内面化する以前にメディアに囃し立てられることによって、「柱としての責任」を背負える能力を本来持ってた筈のアスリートが、そのレベルに達する前に精神的なバランスを維持できなくなって「潰れる」ところにあるのでしょうから。
 まぁでも、そういう責任を16歳にして受け入れなければならない、って辺りがこのスポーツの過酷さであるなぁってのは痛感する部分ではあります。元々6.0採点の時代からリピンスキーのようなお子ちゃま選手が世界を制してしまうような年齢層の低い競技ではあるのですが、新採点でその辺りがやや固定化されている印象も無きにしもあらずで(今ジュニアで活躍中の長洲とかジャンとか、幼女にしか見えないんだけれど、多分2010年はこの辺りも脅威になりそうで)。

 ただ、そういう状況で浅田がスター扱いされることはある種の必然ではある一方であり、なおかつ当日の文脈として浅田の追い上げの方がむしろ少年漫画的にエモーショナルであったのも事実ではありますが、今大会でワールドを取ったのが安藤美姫である以上、今後彼女に対して「世界チャンプ」としてのリスペクトをもって遇してほしいなぁとメディアには願うところではあります。荒川静香は2004年の段階で世界チャンピオンになってた訳ですが、トリノ以前はヘタすると村主よりも扱いが低くなるような面もあって、ああいうのを繰り返して欲しくはないかなと。
#まぁ荒川さんの場合はオリンピック取れて結果オーライではありましたが。
そして、アスリートとしての評価軸によって「囃し立てられる」のならば、安藤はトリノの轍を踏むことなく、スケーターとして完成度を高めてくれるでしょうし、それが浅田にとっても目標であると同時にビハインドプレッシャーとして自らを奮い立たせるものになるでしょうから。
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テーマ: フィギュアスケート

ジャンル: スポーツ

タグ: フィギュアスケート  スターシステム  浅田真央  安藤美姫 
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