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殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

亡きタキオンによせて。 

 「ひかり」「こだま」に続く新たな新幹線が出る、という話になった時、オヤジが自信満々に言った。
「光より速い新幹線なら、タキオンに決まっとるわ!」
……てな訳で、300系写真を掘り出してみてうp(挨拶。

新幹線300系 京都駅
新幹線300系 京都駅 posted by (C)有芝まはる殿下。

 社台としては、*エルコンドルパサー、*エンドスウィープ、アドマイヤベガといった辺りに続く、比較的供用年数の浅い種牡馬の死となった。強いて言えば、タキオンの引退は3歳なので、馬としては若死ではあるが種牡馬としては8世代もいれば十分にタマは残せている訳で、その意味ではまだ不幸中の幸いではある。
 しかし、何と言っても、リーディングサイアーである。
 内国産種牡馬としてクモハタ以来という壮大な快挙を成し遂げたこの馬は、惜しまれるに余りあるものではある。また、やはりある程度年を経て世代を跨る形で種付けした世代は、これまでの活躍馬ともまたひと味違ったタイプの馬が出てくるものではあったかともとも考えられ、そういう意味でもこの馬に10代後半から20代前半辺りの種付け世代が現れなかったことに関しては、惜しまれるべきではあろう。或いは、Hyperion 的な地力と Domino 的な爆発力という相反した才能を兼ね備えた*サンデーサイレンスの血脈にあって、生命力という側面では後者の要素をより強く享けた(*ロイヤルスキーは母方に Domino が強い)……などと妄想するのは考え過ぎか。

 それにしても、現在の社台のラインアップを見ると、20歳を越えるのがサッカーボーイにトウカイテイオー、そこに迫るのが*ホワイトマズルと、確かに産駒とてもよく走ったんだけれど、明らかにアンダーレートというか、長距離に実績が偏ったり芝に実績が偏ったり子出しが余り良くなくてちょっと機会を生かし切れなかったりという辺りが細々と生き残った感があるのはどういう風に表現したらよいのだろう、と考え込んでしまう。フジキセキくらい海千山千な種牡馬が20歳に至ったら、こうしたモヤモヤ感は和らいできたりするのだろうか。そこまであと5年、果たして。

 などと、彼の不在を惜しみつつも色々とそうした周辺の方に思いがいきがちなのは、やはり「サンデー系」がどのように今後遇されるかのある種のターニングポイント、みたいな部分を感じるからだろうか。恐らく、今回の訃報によりある種の「アドバンテージ」的なものを得るのは、2頭のディープ、というのがベタな見解にはなるのだろう。エース候補として相当な機会を与えられ、ここで父を同じくする先達の不在を得る3冠馬と、引退後に争うべき強大な父の不在を得る現役牡馬のトップホース。
 その上で、両者のうち明らかにアンダードッグである所のディープスカイが種牡馬入りした暁にせめてジャングルポケット程度に機会を得る程度の成績を持って帰れれば、案外面白いのかも知れない、と思う。社台は余り自牧場の牝馬に自牧場の種牡馬のインブリードは行わないが、牡馬側が3×で、なおかつ繁殖リソースがある程度増加する中で、そうした方向が新たに採用されるかも知れない。無論、失敗作も多くは出ようが(アウトブリードのサンデーはインブリード対象に不利、と俺の中の名古屋弁が囁く)、ある種の時代を切り開くスタートラインにはいるかも知れない。無論、時間が経つと今度はインパクトの方で2×4、なんて方向も出てくるかも知れないから、優しい勝負ではないが。
 ともあれ、ディープインパクト的な後発種牡馬によって Northern Dancer 的な展開をするのか、ディープスカイ的な世代更新によって Mr.Prospector 的な展開をするのか、或いは中間世代が穏当に世代を更新していくのか、その辺りの分岐点に現在は差し掛かっている、と思う。その上で、そうして見えてきた方向性が、Storm Cat と Sadler's Wells と*デインヒルの日本適性の低さによって一時的に停滞した輸入種牡馬勢の再襲来に堪えられるのか、ということも含めて。

 アグネスタキオンの思い出というと、自分の中では度肝を吐かされたのは勿論ラジたんであるが、一方で記憶の中により強く刻み込まれているのは外に振られ気味になってやや苦戦しながら勝利したように見えた皐月賞の方である。ある意味、こうした試練こそが、この馬を切り開くのではないかな、みたいな思いで彼のレースを場外のビジョンで眺めていた記憶が何となく生々しく残っていて。
 結果として、試練はやはり反動をより大きく残すものであったのだろうが、才能だけでなく「全力」が見られたことに関しての充足感は、少なくともこの馬に感じることは出来た。
 そうした思いを反芻しながら、類い希な競走馬にして種牡馬に、別れを告げたい。
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3歳馬配合メモ……アドマイヤホクト、エミーズスマイル 

 今週分はさくさくやってしまおう。土曜日のオープン勝ち馬より。

アドマイヤホクト
サクラバクシンオー×リドルミー(*カーネギー)×*エニグマ(Ahonoora)×Princess Ru[F8-c]
 サクラバクシンオー記念のようなレースになってしまいましたが、ある意味サンデーが○外を撥ね退けたこと以上に、バクシンオーがこうして○外を撥ね退けたことは特筆すべきなのかも知れませんな。基本的な見立てとしては、累代が Princely Gift→Ahonoora と軽くきたところで*カーネギーで、ここで一旦競走馬としては捨て手を打って、次の代の繁殖として何とかスタミナを最低限確保して種牡馬の選択肢を増やした上で、バクシンオーを入れてみたってところか。で、Princely Gift クロスなども生じるわけですが、むしろ面白いのは曾祖母の Princess Ru の配合。これと本馬の祖父サクラユタカオーに入る Big Game を見比べると、Nasrullah、Big Game、Pharos=Fairway、Blandford という4つの組み合わせを近い代から遠い代に亙って共有していて、ほぼ8分の5くらいまでは同血な関係。このニックスを活用しつつ、サドラーズに関してはお得意の Northern Dancer クロスで料理してみました、って次第。しかし、Nasrullah の奇跡の血量の教科書のようなユタカオーの配合におけるもう一方の美点であるところの Solario と Hurry On の組み合わせのような渋いスタミナ系の仕掛けは配合の中には見出されず、ひたすらスピード部分でコアとなる擬似クロスが前面に出ているだけに、やはりスプリンターに特化した血統パターンには違いないだろう。欧州的な雰囲気が強いので、坂のある中山よりは、淀や中京がよく似合うと思う。

エミーズスマイル
アグネスタキオン×エミスフェール(*ホワイトマズル)×グレイエミネンス(*トニービン)×*グレイキル[F5-g]
 基本的にはサンデートニーの形を受け継いでいて、その意味ではまずは配合としてはひとつのパターンを作っている。その上で牝系を見るとマルゼンスキーなどを出した Quill の系統で、Princequillo×Count Fleet という重厚な仕掛けを持つが、この組み合わせは母において*ホワイトマズルからも供給され、地力は底堅い。しかも、Quill から3代に亙り Hyperion×Son-in-Law の組み合わせクロスが入る配合の執拗さも特筆すべき。そこに*トニービンを配した Hyperion の塊のようなグレイエミネンスはトニー初期の素質馬として印象に残る。字面の割にはこれも繁殖としては今ひとつであった(レミニセンスはそこそこ走ったけど)が、やっと孫の代でオープン馬を出してその字面を証明できた、ってところではあるか。
 本馬においては、配合レベルで興味深いのは*ホワイトマズルとアグネスタキオンの組み合わせで出来る Raja Baba≒Tyrant の擬似クロス。まぁタキオンにおいて Bold Ruler を強調しちゃうのがどの程度巧手かどうかは議論が分かれそうではあるが、やや上述したようにゴテゴテした配合で素質を持て余し気味のこの牝系においてはそれなりに利く手かも知れない。その上で、タキオンとマズルで Alycidon のクロスが出来る辺りも、サンデー系の手筋としては面白いところではあるだろう。良血らしい手数の多さを秘めた見所ある配合ではあると思われ、3強ガチガチな牝馬路線ではあるが、捻り手として考えてもいいかも。
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3歳馬配合メモ……ココナッツパンチ、ダイワスカーレット 

 サボっていた、先週の分をば。勝ち馬はどちらも既出にて、2着馬をどうぞ。

ココナッツパンチ
マンハッタンカフェ×*ココパシオン(*グルームダンサー)×*ゲートドクール(Lomond)×Gay Apparel[F4-r]
 英語表記が Coconut Punch だったらココナットパンチじゃねぇか。
 母の*ココパシオンって馬はともかく良血であり、全妹のリトルオードリーは日本で活躍したが、祖母・曾祖母のレベルでキズになるような血脈がほとんど存在しないのは大したものである。その上で配合に関しても Northern Dancer クロスの上に Nearco≒All Moonshine とか入ってたり、Blushing Groom≒Gay Apparel などという渋いクロスも作られていたりと、配合フェチ的には感心をそそる部分がある。一方で*グルームダンサーや Lomond 辺りの前面の字面が結局押しが弱かった辺りで、繊細な良血馬的な限界がリトルオードリー辺りにも見られた。繁殖としては双方ともそのポテンシャルを発揮しているとは言い難いのが惜しいが(少なくともリトルは配合相手が悪いと思うw)、ようやくいい候補が出てきたかな?という新馬→弥生賞2着の離れ業。
 サンデー系との配合では、上述の All Moonshine のような血脈、それから Blushing Groom 辺りの Hyperion は利き所であろう。それは*サトルチェンジにこっそり入るドイツ経由の Tudor Minstrel や Law Society の Heliopolis がサンデーとの配合で利いていたからでもある。更に、Turn-to のクロスが母から継続されるのも良い点ではあるか。Turn-to には Craig an Eran という馬が入るが、本馬の4代母にはそれと呼応する Buchan が4×4で入っている。Buchan≒Craig an Eran の擬似クロスと言えば、セイユウがこのクロスを得てサラブレッドに並び立つ怪物となったことは、笠雄二郎氏が指摘済み。ただ、この母の血脈をフル稼働させた手筋でもないので、配合的にはもう一工夫を得られる機会はあるかなとも。

ダイワスカーレット
アグネスタキオン×スカーレットブーケ(*ノーザンテースト)×*スカーレットインク(Crimson Satan)×Consentida[F4-d]
 タニノウォッカには完全に遊ばれちゃったけれど、この馬も後ろを6馬身千切ったのだから、生まれた年が悪かった面もあるか。
 この馬の母スカーレットブーケはある種の*ノーザンテーストの能力と限界を象徴するような言わばテースト正統後継者的な牝馬というイメージを競馬初級者時代に持っていた馬であるが、それを象徴するのは Northern Dancer≒La Menina という擬似クロスであろう。すなわち、この両者は Nearco, Mahmoud, Lady Angela≒Tracery という3つの共通の組み合わせを近い代で持つ組み合わせのクロスとなる。どちらかというとテーストの限界ってよりはこのクロスの厚さが競走馬としての微妙さをもたらしたのかも知れないが、それならば活きるのはむしろ繁殖で、となるのだろう。その上で、*サンデーサイレンスとのダイレクトな配合においては、その中で特に Lady Angela≒Tracery といった辺りがサンデー相手に直接的に働く面があって、それが一介のサンデーテーストよりも上回る出力をダイワメジャー辺りで発揮させた面はあるが、一方で、アグネスタキオンのようなサンデー産駒が父となる場合、既にタキオンにおいて*リマンドのような血脈がある程度自分の色をつけた Hyperion をもたらしている辺りがどう出るか、となるだろう。その意味では近親でいくとヴァーミリアン辺りが*エルコンドルパサーのもたらした Hyperion を持っていて、それとの折り合いがつくのに時間かかったのと同様な意味での晩成さはあるかも知れない。個人的には繁殖としてむしろ楽しみかな?とも。
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3歳馬配合メモ……アドマイヤオーラ、サンツェッペリン 

 去年は余り配合の話が出来なかった恨みがあったので、今年は一応配合メモなども出来る限り、ということで三日坊主的に重賞勝ち馬からちょっとずつ見て行こうかなというお話。丁度ここ2日くらい競馬から外れてたので、そういう意味でも、と。しかし、たまたま今回は解析意欲を持たせるような馬が両方とも取ったからいいけど、そうでもない馬がバンバン勝つと微妙に分析が短くなりそうな悪寒(笑)。

アドマイヤオーラ
アグネスタキオン×ビワハイジ(Caerleon)×*アグサン(Lord Gayle)×Santa Luciana[F16-c]
 基本的に、ビワハイジの場合は同じドイツSラインの牝系で比較されがちな*サトルチェンジ辺りに対して、Ribot ではなく Caerleon を持ってきている辺りである程度日本の馬場に向いた軽快さと早熟さを得ることとなっている。とは言え、*アグサンの血統はそう軽いものではなく、とりわけ Lord Gayle の隠れ Hyperion×Son-in-Law 的なしぶとさをドイツの名馬 Luciano で伸ばしており、とりわけ Fair Trial→Court Martial というラインの色合いが強い。ビワワールドが今ひとつ噛みあわない馬となったのは*ブライアンズタイムが Nijinsky を得るとパワー過剰になりがちな性質に加えて、この祖母側のキーホースが向かなかった面があると思うが、サンデーは比較的この手の馬は得意分野で、ディープインパクトも Fair Trial の影響を母方に見るし、本馬の父アグネスタキオンも祖母に Fair Trial-Lady Juror のラインを強調したアグネスレディーを持つ。このレディーの血脈によって潜在能力としては兄アジャパを超えるものを持つと思うが、一方で*ロイヤルスキー由来の Flaring Top 6×5 という遠いクロスが Domino の爆発力を付加しており、この馬の能力をやや両義的なものとしている。長い距離での制動はなかなか難しい馬ではあるだろう。完成すれば強化型ダイワメジャーみたいな馬にもなれるかも知れないが。

サンツェッペリン
*テンビー×プラントオジジアン(*オジジアン)×キクカローバート(Roberto)×Old Grenada[F22-b]
 5代母辺りから牝系を辿ってみると、やれ Lianga だの Reraise だの Danehill Dancer だの Mr.Greeley だのとスプリンターばっかり出てきて笑っちゃうのだが、本馬はスプリントで全く2戦ダメだった後、距離伸ばして成功した。上で*ブライアンズタイムと Nijinsky ではパワー過剰と書いたが、Roberto と Nijinsky 自体は組み合わせとしては良好であり、この両者による Raralea と Bull Page の組み合わせはチーム4分の3的には基本である。とりわけ、日本人ならライスシャワーを忘れることは出来まい。本馬も、そのように祖母父に Roberto が入ることによって、この馬もスタミナ寄りな強化がなされたと考えてもいいと思う。加えて*オジジアンなどの Princequillo の補充も Caerleon 的にはポイント高い。ただ、それだけで*テンビー走らすのもそう簡単ではない訳で、そこで利いているのは La Troienne か。*オジジアンの母父 Francis S. は隠れ La Troienne 的な血脈として知られるが、これが*テンビーの Caerleon, Mill Reef に入る La Troienne を彩る形となっている。加えて、曾祖母の母にこっそり入るアルゼンチン血脈の Pronto と母父に入る My Babu は Tourbillon を活用した組み合わせクロスで、この血脈が Mill Reef に向いている辺りも良さであろう。いずれにせよ、かなりスタミナ寄りな馬で、重厚な馬を選ぶ今の中山が向いているには違いない。
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